Step.4.4 その他作物

 以下は主要な穀物以外の作物や野菜、その他商品作物に関して説明している。特記事項以外、経費、作業の手順などは全
てStep4に等しい。また特記がない限り、灌漑費用も小麦、トウモロコシ並みである。なお、専用の機材をリースで借りる場合
は、使用10時間あたり、価格の1.5%と輸送代金(前項参照)が必要。
 作業は、特記事項が無い限り穀物と同じく15日以内に済ませなければならない。
 また、ジャガイモのように対応する品種があるか、野菜のように明記されていないものは除いては、栽培開始の時期
を変えてはならない。実際には1ヶ月程度のズレはなんとかなるのだが、これを許せばキリが無い。
 
 作物の価格については、特に指定がない限り穀物と同じ修正が適用される。ただし、茶、紅茶、コーヒーには基本となる生産
価格以外に「フェアトレード価格」が与えられているので、自らの信念と良心と財務状況(笑)、そしてレフリーの裁量によって好
きな価格を選択してよい。これらの作物は一般に、人件費が安いか、搾取労働がまかり通っているかしている国で生産され、
先進国に輸出されているケースが多く、他の作物と同じ価格決定方法が使えなかったため、「もし先進国並か、その世界にお
ける適切な人件費で生産されていたらどうなるか」を何通りかのパターンで算出したものである。単純に人件費を全額転嫁し
たいのは人情であろうが、そこは市場との兼ね合いで希望通りには行かないだろう。
 また、フェアトレード価格の算定に平均的生活費(社会身分度7 x 250Cr x 12ヶ月)を平均年収として基準にしている。世界の
設定で平均年収を低くするのは勝手だが、その場合、コーヒーと茶を除く全ての産物の価格は、基本価格に設定した平
均年収/42,000をかけたものにしなくてはならない(その世界の購買力がその程度なのである)。そして、生産にかかる
経費はそのままである。奴隷労働で人件費を安くするのは勝手だが、それが社会にまかり通れば、せっかく安く作った商品
を買う購買力が無くなるのは自明の理である。

・臨時雇いの労働力
 以下の作物の中には、収穫が機械化されていないものがあり、こうした作物の場合は、季節アルバイトを雇うしかない。しか
し、必ずしも必要な人数が集まるとは限らない。こうした臨時雇いの労働力を確保する際には、まず必要な人数を計算する。
例えば収穫の場合、人力による収穫は平均して150kg/人であるから、15tの作物を収穫するには、10時間労働として10人を一
日雇うか、一人を10日雇わねばならない(←この例の場合、農場主のオマエも働けと言うツッコミが入る)。

 必要な労働力が決まって募集をかけると必要人数に対して2D6x10%分の人数があつまる。この人数は、下の表の条件に
よって修正される。なお、必要以上の人数を「募集」することで、例え最悪の出目でも人数を確保できるようにするのはルール
の悪用なので禁止。
修正:
人口コードによる修正: 人口コード-6 当たり前の話だが、総人口10人の世界で100人必要な作業は不可能である
田舎度による修正: 100km未満 +4
  : 100 - 500km 0
  : 501 - 1000km -8
  : 1001km以上 +2 このくらい遠いと旅行気分で希望者が増える(笑)
交通が:便利+2
  : 不便-1
  :すごく不便-2
  :廃止寸前-4
  :無いも同然-6
  :隠れ里-10
労働力不足の世界: -4
産業が貧困の世界: +5
過疎化の世界: -2
時給10Cr未満: -3 労働力不足の世界なら-6 これら時給の修正には交通費の有無も含んでいる
時給10-15Cr: なし
時給16Cr以上: 時給-15のプラス修正
宿泊設備を用意してある: +3
茶摘み、もしくはブドウ踏み用の美少女や兄さん達: -5
アルバイト雑誌に広告を出す: 1000Crにつき+1。この方法をとった場合、キャンセルが出来なくなる。
一人あたり10時間以下の仕事: -2
一週間以上続く仕事: +2
例) マラク氏、臨時バイトを雇う
 マラク氏はある日、10人の臨時雇いを募集する必要に迫られました。急いで募集をかけます。この場合、世界の人口コードは7なので、+1のDM。入植地
の田舎度541kmにより、-4。時給は標準なので修正無し。実は10時間以下の仕事なので-2のDMがあります。2D6の出目は10。すばらしい、10 x 10%分=
100%で必要人数達成!のはずですが、DMの合計は-5。と言うことで50%。5人しか応募者がいませんでした。

・じゃがいもの(のようなもの)
収穫倍率 収穫量(t/ha) ジャガイモは極めて収穫量が高く、需要も多くて価格も高い(例えば、カナダ
ではジャガイモ農家が最も高収入)。しかし、扱いが難しい。保存性があま
りよくない上に(良い品種もあるが無視)、バカみたいな量が収穫されるので、
販路の確保が難しい。連作障害を起こしやすい上に、収穫にも恐ろしい手間
がかかる。特別ルールを参照。
人力による収穫は地獄である。一日あたり40sqm分(運搬手段が機械
化されていれば120sqm)である。
熱帯
x15
25
亜熱帯
x10
20
温帯
x20
40
冷帯
x20
30
寒帯
x10
30
修正 (収穫倍率/収穫量)
化学肥料と農薬無し(TL3以下に相当): x0.3 / x0.5
湿地: x0.1 / x0.1
不毛: x0.1 /x0.1

これ以外は小麦と同じ
じゃがいも(のようなもの)カレンダー
必要農機具: プラウか耕運機、シードドリラー、カルティベーター、

専用の農機具: ポテトハーベスター。 トラクターで曳いて使う。小(35,000Cr 0.025ha/h)、中(70,000Cr 0.05ha/h)、
大(150,000Cr 0.1ha/h )の三種類。

あったら良い機械: 散布機、冷蔵設備つきのサイロ

4月: 施肥(散布機)、耕す(プラウ) 植え付け(トラクターとシードドリラー 10日以内) 種芋はかならず発芽させてから植えるこ
と。また、かなり手間がかかるが、種芋を分割して植えれば収穫倍率は4倍になる。
5月: 中耕(カルティベーター)
6月: 除草剤散布 殺虫剤散布 
7月:必要があれば、病気治療 施肥(散布機)
8月-9月:収穫(ポテトハーベスター 20日以内 収穫期を過ぎると病斑が出て売り物にならなくなる上に、腐って病気の巣窟
と化す、土地が痩せるなどロクなことは無い。)

作業量: トラクターの出番は4回、施肥2回、殺虫剤と除草剤の散布はそれぞれ1回
作業期間: 最短で5ヶ月で収穫可能。また適応性が高くこれ以外の季節に適した品種もある(ただし、収量は-25%)。
冷帯、寒帯の真冬でもない限り、いつ播種しても普通は5ヶ月で収穫可能。従って、穀物との二毛作に使える。
諸経費
種いも: 100kgあたり200Cr 
 種いもは高価であり、直接経費の中で最大である。ジャガイモはウィルスに罹患しやすいため、適切な環境で生産されたもの(=市販品)以外、栽培は認められない。従って、自家製種いもは使用不可(本当は家庭菜園は良いのだが、ここでは完全に禁止)。また、種いもは毎年更新するのが望ましい。
全体の作柄: DM+1
作業の実際: 中耕をサボると-10 自家製種いもは50%の確率で、購入した種いもでも持ち越し一年毎に50%の確率でウィル
ス病で全滅。また、なんらかの手段で全滅を免れても収穫量は半減。そしてこの病気は農薬では治らない。
・価格の決定: 150+(2D6 -6)x2 Cr/t 

・ジャガイモ特別ルール:
 1) 冷蔵設備つきサイロがない場合は、収穫(もしくはサイロに収容しきれない分)の2D6 x 2%が廃棄される(冷蔵設備が行
き渡っていないインドでは、毎年15%程度が廃棄されていると言う。おまけに2010年はジャガイモの破滅的豊作である)。
  2) ジャガイモは儲かる分、やや飽和気味である。人口コード6以上の世界では、ジャガイモ農家は毎年2D6で9+でないと販
路が確保できない(輸出市場でも)。販路が確保できなければ全く売れず、自家消費するか捨てるしかない。販路の確保は
作付けの前に出来る。一度販路を確保できれば、DM+1 (何らかの理由で収穫が途切れれば、このDMは無くなる)。
  3) 人口コード5以下の世界では、販路の確保は10+で、おまけに「国内市場」ルールにおける売却可能な面積は半分である
(収穫量も多いから)。
 連作障害: ジャガイモは連作障害を起こしやすい。いったん連作障害が起こると土壌の栄養バランスが崩壊するので、他
の作物にも悪影響がある。連作障害は上級ルールの範疇だが、ジャガイモだけは例外とする。いったんジャガイモを栽培した
土地では、向こう三年以内にジャガイモを栽培すると連作障害が起こり、この年のジャガイモ収穫は問答無用で-90%、それ以
降、適切な処置を講ずるまで他の作物でも収穫は半減するものとする(実際の連作障害はこれほど厳しくはないだろうが、要
するにゲームバランスである。もうけすぎはダメ。)

・大豆(のようなもの)
収穫倍率 収穫量(t/ha) 油脂の含有率は15-20%で、油脂作物としての用途もある。価格は変わらな
熱帯
x70
3
亜熱帯
x15
1
温帯
x20
3
冷帯
x15
1
寒帯
不可
不可
修正 (収穫倍率/収穫量)
化学肥料と農薬無し(TL3以下に相当): x0.75 / x0.75
湿地: x0.5 / x0.25
不毛: x0.1 /x0.05
必要量の肥料を与えた場合
肥沃度普通以下x1.0/x1.0 
  肥沃x1.3/x1.3
  小太りx1.6/x1.6
  肥満x2.2 /x2.2

肥料や除草剤を必要量与えなかった場合:
化学肥料と農薬無し(TL3以下に相当)とみなし、さらに以下の修正を行う
痩せx0.75/x1.0
激やせx0.5/x0.75 
白骨なみx0.25/x0.25
普通 x1.0/x1.0
肥沃 x1.1/x1.1
小太り x0.9 / x0.9
肥満 x0.75 / x0.75 
大豆(のようなもの)カレンダー
必要農機具: プラウか耕運機、シードドリラー、サブソイラー(水はけを良くするため使う)、コンバインの豆用アタッチメント、カルティベーター
あったら良い機械: 散布機

6月: タネの準備と消毒、 排水溝設置(圃場の周囲に溝をほり、畑を耕す(トラクターとプラウ)、施肥(耕すのと同時進行)、この前に麦を作っていなければサブソイラーをかける(トラクターとサブソイラー)
7月: 播種(トラクターとシードドリラー) 播種直後に除草剤散布(散布機)
7月下旬から8月上旬: 中耕2回(トラクターとカルティベーター、1回10日以内)
8月下旬-9月:殺虫剤散布(1D3回程度 1回7日以内)
11月中旬より:収穫(コンバインと豆用アタッチメント) 急げばこの後に小麦栽培に移ることも可能。

作業量: トラクターの出番は4 - 5回、肥料1回、薬剤散布1 + 1D3回、
作業期間およそ5ヶ月。生育期間およそ4-5ヶ月。小麦(のようなもの)の後で二毛作が可能。 
諸経費
種子: 100kgあたり100Cr
全体の作柄: 小麦(のようなもの)として扱う
作業の実際: 中耕をサボると-10
・価格の決定: 240+(2D6 -6)x5 Cr/t

・綿花(のようなもの)
収穫倍率 収穫量(t/ha) 収穫量はタネも含む。厳密には表の数字の40%が繊維部分。タネも油脂材
料として需要がある。なお、綿の種はCottonseed だが、種くりをする前の綿
の実はSeed cottonと言う。間違えないように注意。
熱帯 種子を利用す
るものではな
いので考えなく
て良い
4
亜熱帯
2
温帯
2
冷帯
不可
寒帯
不可
修正 (収穫倍率/収穫量)
化学肥料と農薬無し(TL3以下に相当): - / x0.5
不毛: - /x0.01

これ以外は小麦(のようなもの)に等しい
必要農機具: トラクター、シードドリラー、プラウ
無いと困る機械: 散布機
専用の機械: コットンピッカー(大3ha/h 600,000Cr、 中1.5ha/h 300,000Cr)、
  綿繰り機(手動式 200Cr 10kg/h 電動式10,000Cr 100kg/h) かの有名な「コットンジン」の子孫。電動機の経費はトラクターと同じ計算

4−5月: 耕して種まき(プラウとシードドリラー)、殺虫剤散布(散布機)
6月: 必要があれば間引き、灌漑の開始 施肥(散布機) 殺虫剤と除草剤散布(散布機) 
7月: 殺虫剤(散布機) 
8月: 殺虫剤と除草剤散布(散布機) 施肥(散布機)
9月: 枯葉剤の使用(散布機、農薬扱い)
10月-11月: 収穫、残った茎は適当に刈り取って片付ける

作業量: トラクター2回、施肥2回、殺虫剤散布4回、除草剤散布2回、枯葉剤1回 口に入るものじゃないから遠慮会釈なくぶち撒きまくりである(笑) 作業スケジュールは余裕があり、いずれも30日以内
作業期間およそ7ヶ月。生育期間およそ6ヶ月。
種子: 播種1haあたり50Cr
全体の作柄: 小麦(のようなもの)として扱う。
作業の実際: 小麦(のようなもの)と同じ
・価格の決定: Seed cotton 600 + (2D6-7)x10Cr/t
  Cotton lint 1500 + (2D6-7)x25Cr/t 綿繰り後の綿。重量は収穫量の40%である

・その他野菜類
 そろそろきりがなくなってきたので、トマト、キュウリ、キャベツなどは一括して「その他野菜類」とする。これらは単位
面積当たりの収穫量も、トン当たりの価格も比較的高い反面、種類によっては収穫が機械化できないものもあるの
で、多く作付けすると却って地獄を見る可能性がある。
・収穫倍率/haあたり収穫量: 葉物や根菜: 2D6 x 5 / 2D6 x 5 
  果菜 2D6 x 5 / 2D6 x15 (例えばフランスの1haあたりのトマト収穫は150t以上)

・生育期間: 2D6ヶ月 栽培期間が短ければ、二毛作可能。

・作業量: 耕しと種まきのため、必ずトラクターは2回使う。また、肥料は生育期間2ヶ月毎に1回、農薬(殺虫剤、および除草剤)は3ヶ月毎に1回の散布が必要。果菜は機械による収穫が出来ず、人力かロボットしかない。

諸経費: 種子 100kgあたり300Cr 

・全体の作柄:小麦(のようなもの)を使う

・作業の実際: 野菜はある程度見栄えが大事であるが、格好良く作るのが難しい。難易度は11、失敗した場合のペナルティは二倍(つまり差x4%分の減少)。

価格: 1tあたり300Cr x (100/haあたり収穫量) x (生育期間/6) 例えば、収穫量75t/ha、生育期間5ヶ月の野菜の場合、基本価格は300 x 100/75 x 5/6 = 333Cr /tとなる。2D6に対する修正は不要。

・タバコ(のようなもの)
収穫倍率 収穫量(t/ha) ニコチン。一般にソロマニ人には歓迎されないが、それ以外の人類や異星
人はヤニ中が増加している。葉タバコ栽培契約は2D6で8+。契約は毎年更
新。契約が無くても栽培して良いが、売却ルートは存在しない。
熱帯 種子を利用す
るものではな
いので考えなく
て良い
2
亜熱帯
1.5
温帯
2
冷帯
1
寒帯
不可
修正 (収穫倍率/収穫量)
化学肥料と農薬無し(TL3以下に相当): - / x0.5
不毛: - /x0.01
その他は小麦と同じ。

必要農機具: トラクター、シードドリラー、プラウ、
あったら良い機械: 散布機 コンバインとアタッチメント

種子: 播種1haあたり100Cr

普通は4月頭に植えて8月には収穫する。収穫は人力が望ましいが、コンバインでも良い
害虫発生には-2
作業量: トラクター2回(播種と耕し)、施肥2回、除草剤散布1回
価格: 2500 + (2D6-7)x50 Cr / t
その他は小麦と同じ

実際には、乾燥工程くらいまでは農家がやらねばならず、収穫もなかなか大変なのだが、本ルールでは無視。

サトウキビ
収穫倍率 収穫量(t/ha)
熱帯
100
亜熱帯
80
温帯
不可
冷帯
不可
寒帯
不可
修正 (収穫倍率/収穫量)
化学肥料と農薬無し(TL3以下に相当): - / x0.5
不毛: - /x0.01
その他は小麦と同じ。

必要農機具: トラクター、シードドリラー、プラウ、
あったら良い機械: 散布機 
専用の機械: ケーンハーベスタ (10,000sqm/h 50,000Cr) 自走式
種子: 播種1haあたり25Cr

普通は4月頭に植えて12月から翌年4月ごろにかけて収穫する。収穫は人力でもハーベスタでも良い。
作業量: トラクター2回(播種と耕し)、施肥6回、除草剤散布4回
価格: 25 + (2D6-7)x1 Cr / t 極めて安い 砂糖まで精製しないと儲からないだろう
その他は小麦と同じ

・ケシのお花畑は美しい
生あへん採取量
(kg/ha)
アヘンアルカロイ
ド換算収穫量
(kg/ha) 
 肥沃な土地は嫌う。
 モルヒネの原料として重要である反面、極めてアヤしい。栽培そのものは
違法では無いが、アヘンアルカロイドの抽出は厳禁で、製薬会社のみが行え
る。植物体全体をすりつぶして有機溶媒で抽出するCPS法が使用されてお
り、生あへんの採取は合法栽培では行われない。
 モルヒネ用ケシ栽培のライセンスは2D6で11+で得られる(この場合、収穫量
は「アヘンアルカロイド換算収穫量」の項目を使うこと。なお、上記の通り成
分の採取は農民が行ってはならない。また、栽培過程は全て警察や軍の監
視下に置かれる。軍/警察/偵察局出身者は+3DM。ライセンスは毎年更新
で、必要以上の在庫を抱えるのが禁止のため、「豊作」が出た翌年はDM-
1、「大豊作」では-3、「破滅的豊作」では-5。ライセンスが無ければ違法取
引以外で売れない。大抵の世界では麻薬製造は極刑である。
熱帯
30
3
亜熱帯
45
6
温帯
30
3
冷帯
-
2
寒帯
不可
不可
修正 (収穫倍率/収穫量)
化学肥料と農薬無し(TL3以下に相当): - / x0.8
不毛: - /x0.05
必要量の肥料を与えた場合
肥沃度普通以下 - /x1.0 
  肥沃 - /x0.8
  小太り - /x0.5
  肥満 - / x0.2
その他は小麦と同じ。

必要農機具: トラクター、シードドリラー、プラウ、
あったら良い機械: 散布機 コンバインとアタッチメント

種子: 播種1haあたり100Cr
灌漑費用: 小麦並み

普通は10月頭に植えて翌年4月頃に収穫する。ライセンスを受けた生産では普通はコンバインで刈り取り、工場まで運
ぶ。人力で収穫した場合は、あらぬ疑いを受ける。生あへん採取は人力以外不可(期間中、1人で1.5kgしか採取できない)。
繊細な作業でロボットには不可能。
収穫は10日以内に行わねばならないが、それ以外の作業は30日以内でよい。

作業量: トラクター2回(播種と耕し)、施肥1回、除草剤散布2回

全体の作柄: 小麦(のようなもの)として扱う。
作業の実際: 小麦(のようなもの)と同じ

アヘンアルカロイド換算価格: 3,000 Cr/kg (処理が難しいため違法取引では1/100)
生あへん価格 200 Cr / kg (違法取引のみ)
他の作物と違い、価格に貿易上の分類と平均耕地面積の影響は無い。この値で固定されている。
その他は小麦と同じ。

・バナナ
収穫量(t/ha) 誤解もされているが、バナナは木ではなく、背の高い草である。従って一回
実がなれば枯れる。タネもあるが、栽培は基本的に欠き取った新芽から作っ
た苗が使われる。また、多大な労働力を必要とする。
熱帯
20
亜熱帯
25
温帯
3
冷帯
不可
寒帯
不可
修正 (収穫倍率/収穫量)
化学肥料と農薬無し(TL3以下に相当): - / x0.5
不毛: - /x0.01

これ以外は小麦(のようなもの)に等しい

必要農機具: 散布機
あっても良い機械: タネから撒きたいのなら、トラクターとシードドリラー、
専用の機械: バナナ収穫機(6t/日 200,000Cr)、
        バナナプランター(TL9以上 トラクターで使う※ 小30,000 中60,000 大90,000)

種苗: 1haあたり200Cr 新芽から苗を作るなら半額(育てる経費のみ)

・栽培期間
 6月開始と10月開始の二種類があるが、いずれも生育には11ヶ月かかる。2ヶ月間苗床で育てた後に定植、定植の
9ヵ月後に収穫する。多少のロス(収穫量x0.75)を気にしなければ、いきなり畑に苗を植えても良い。

・灌漑費用
 コメ並み。スプリンクラー灌漑が望ましい

・袋かけ: 人力のみ 1haあたり1,000Cr。病気や害虫を防ぐのに必用だが、殺虫剤一発とどっちが安いか…。袋かけしていれ
ば、病気、害虫判定に+2DM

・労力: 機械化されていない作業が多い。1haあたり1人の労働力が必要。定植も人力が基本。収穫は機械化が可能。

・作業量: 施肥11回(毎月である)が、スプリンクラー灌漑を使用して1haあたりの肥料代金を2.5倍にすれば、水と同時に肥料
を散布できる(fertigation)。除草剤2回

・価格: 150 + (2D6 -7) x 10 Cr /t 意外に安い…

※: 2010年現在、地球にはこんなマシンはありません。地味ですがSFガジェットですよ。

多年生の作物
 ここから下で取り上げるものは、果樹や茶のような多年生の木である。これらは利益が大きいかもしれないが、いず
れも収穫可能になるまで何年もかかるため、新規参入ではその間無収入である。

モノラック(モノレール)システム (TL5以上)
モノラック(小型のモノレール)は、果樹園、茶園で機材、人員、収穫物の運搬によく用いられている。特に傾斜が強い場所で
は威力を発揮する。ただ、固定式なので動かせない、メンテナンス費が高いという欠点もある。

モノラック軌条: 設置工事費も込みで100mあたり4500Cr。農地2haあたり100mの軌条が必要。
撤去費用: 100mあたり450Cr

モノラック車両(中): 2,100Cr 時速2.5km 登坂性能45度 荷重200kg 車体重量70kg
モノラック車両(大): 2,500Cr 時速2.5km 登坂性能45度 荷重500kg 車体重量100kg
 車両の価格にはトレーラーも含む。運転手が1名必要だが、それ以外に人も乗れる。TL7からリモコン式も登場する。(大)
の方は、3倍の値段を払うと荷重が二倍に出来るが、軌条も強化しなければならない(軌条の費用も3倍)。

維持費: 100mあたり500Cr/年 (車両の整備費や燃料代も込み)
間接経費: 設置費の10%を10年間、減価償却費として計上できる。

モノラックの利点: 本ルールでは、車両が入れない急傾斜地でも機械化できることと、小さな子供が凄く喜ぶシステム
であること(笑)に尽きる 
 
 設置に当たってはローン不可(農機具や自動車と違い、差し押さえたところで利用価値が低いから)普通の借金で
購入する必要がある。つまり、支払い不能になった場合、差し押さえられるのはモノラックではなく別の担保である。

(この費用は、The Economics of a monorail system California Avocado Society 1982を参考にした。この報告で取り上げられているシ
ステムは、日本のエルタ株式会社の製品である)

・緑茶用の茶(のようなもの)
収穫倍率 収穫量(t/ha) 温帯、冷帯では緑茶用の品種。表の数値は乾燥後の製茶量であり、生茶葉
の重量はこの4倍。乾燥に強い反面、湿地に弱い。
熱帯 種子を利用す
るものではな
いので考えなく
て良い
-
亜熱帯
-
温帯
2(生葉8t)
冷帯
1(生葉4t)
寒帯
不可
修正 (収穫倍率/収穫量)
化学肥料と農薬無し(TL3以下に相当): - / x0.5
不毛: 不可
湿地帯:不可
傾斜地による不利はない。
水源による修正
乾燥帯以外で水源なし: x1.0 / 湧水量x1.5 (x1.0より大きくはならない)
            池のみ: x1.0/x0.75
            小川のみ: x1.0 / x1.0
乾燥帯で水源なし: x1.0 / 湧水量x0.75 (x1.0より大きくはならない)
         池のみ: x1.0/x0.375
         小川のみ: x1.0 / x0.8
これ以外は小麦(のようなもの)に等しい
茶(のようなもの)の木は植えてから1D3+2年で葉が収穫できるようになる。経済寿命は植え付けてから30+1D6年。実際の寿
命はもっと長いが、葉付きが悪くなる上に背が高くなりすぎたりする。

必要農機具: トラクターか普通のトラックもしくはモノラック、散布機

専用の機械: 小茶摘み機(45,000Cr 0.1ha/h) 中茶摘み機(90,000Cr 0.25ha/h) どちらも乗用式

専用の器具: 茶摘み鋏 一つ100Cr 切った葉が袋に落ちるようになっている。使用には熟練が必要。
日本の内田三平氏(1879〜1950)が実用的な茶鋏の特許を取得したのは西暦1915年。
  : 大型バリカン式茶摘機 2000Cr 重量10kg程度の手持ち式機械で、2-3人で操作する。維持費は年2Cr

1〜2月 施肥
3月 施肥 温帯、冷帯なら霜よけのためにビニールシートをかける(1haあたり150Cr) 防霜ファン(茶畑でくるくる回っている
あれ)もあるが、維持費が高い(1haあたり1250Cr/年)。
4月 施肥 
5月 一番茶の収穫(収穫量の40% 10日以内)、病気を防ぐための農薬散布
6月 二番茶の収穫(収穫量の40% 10日以内)、施肥(夏肥1)
7月 施肥(夏肥2)、殺虫剤散布
8月 三番茶の収穫(収穫量の20% 10日以内)、殺虫剤散布
9月  施肥+石灰(施肥扱い)、必要があれば新しい苗木の準備(1haあたり150Cr)。
10月 剪定作業(人力 ゆっくりやって良い) 
11〜12月  しき草を敷いて基部を保護して、防風ネットを張る(1haあたり150Cr)。

作業量: トラクターの出番は収穫期のみ、肥料7回、薬剤散布2回 特に指定が無い限り、茶は比較的スケジュールが
ゆるく、30日以内に作業を済ませれば良い。面積にもよるが、収穫期以外は他の作物との掛け持ちも可能。

特殊な栽培法: 二倍の量の肥料を散布して育た上で、一番茶収穫の20日ほど前から遮光する。茶葉は軟弱になる
が、超高級な「ジェードドロップ(笑)」と呼ばれる茶の原料となる。ただし、一番茶以外はどうやっても「ジェードドロップ
(笑)」にならないうえに、これをやると翌年の一番茶が収穫できなくなる。

苗づくり:  その年の収穫を諦めることで、茶樹から苗木のための枝を採ることができる。1ha分の成木から10ha分の苗木
を採ることが可能。苗木(枝)を採った茶樹は、翌年の春(一番茶)まで茶葉を収穫することが出来ない。もちろん、肥料や農
薬の散布は必要。
諸経費
種苗: 1haあたり150Cr 挿し木から苗を作ることが多い。

防霜ネットと防風シート: 1haあたり150Cr

防霜ファン:1haあたり1250Cr/年に加えて、設置費は100,000Cr/ha。防霜ネットがあれば不要 

労力: 剪定は基本的に人力かロボットに頼らざるを得ない。完全に人力とと鋏だけなら、4haあたり1人の労働者が必要。しかし、バリカン式茶摘機を使えば40haあたり2人(操作員2名だから)、小茶摘み機は30haあたり一人、中茶摘み機では75haあたり一人となる(茶摘み機を剪定に使用する場合、与えられた能力と茶園の面積から経費を計算すること)。

人力茶摘み: 手摘み15kg/日(運搬手段の機械化でも効率は増えない) 鋏摘み150kg/日 手で葉を毟るよりも圧倒的に楽なので、鋏は恐るべき威力を発揮する。バリカン式茶摘機 2,000kg/日。
 ただし、手で触らないと新茶葉かどうかが確認出来ないため、機械や鋏を使用すると「硬くなった葉が混じってしまう」ため、茶の等級が落ちてしまう。手で触りながら鋏で切り取るという方法は誰も使っていないようである。

加工: 生茶葉は極めて保存性が悪く、また冷蔵してもお茶の風味が失われてしまうため、収穫した生茶葉はすぐに乾燥させるか、冷凍保存するしかない。乾燥すると重量25%程度のお茶になる。生茶葉の加工1t(お茶250kg)あたり0.25Cr/年の燃料代と、茶葉の量に関係なく設備全般に1000Cr/年のその他費用がかかる。また、加工設備の値段は、4時間で生茶葉1tを処理できる能力につき35,000Cr。
 なお、「ジェードドロップ(笑)」は、乾燥後、さらに5ヶ月間熟成させねばならない。

茶摘みセレモニー: 日本の伝統を色濃く受け継いでいる地域では、民族衣装を着た若い女性の集団が伝統の歌を歌いながら一番茶を摘む風習があり、観光客に人気がある。そしてこれがどう間違って伝播したのか、ミニスカニーソのツンデレ軍団(とらのあな星)、メイドさん(作業が比較的暑い時期に行われることを考えるとメイド服は過酷である)、さらに公然猥褻にならないもののとてもここに書けない姿の女性達などのバリエーションが各地にある(「茶摘みセレモニーの伝播と変貌」 銀河民族学会誌5645)。究極の茶摘み風景は、スキンヘッドと迷彩服、AK-47のモデルガンと言うごつい兄ちゃん達による茶摘み(ゴールドトライアングル星)であるが、これは恐らく、コカの収穫か、生アヘンの採取が曲解されたものだと考えられている。
 もっとも、これらは1-3日間だけのセレモニーで、若い女性やごつい兄ちゃんもこの時だけのバイト(時給10-15Cr)であり、それ以外は、歌を歌うよりもはるかに速いスピードで遠慮なく収穫して良い。バイト代はたいてい、その地の観光協会が負担してくれる。ただ、こうしたイベントを行うには、少なくとも人口コード6が必要である。

遮光: 1haあたり150Cr いろいろなものを周りに立てて遮光する。

これ以外は穀物と共通
全体の作柄: 小麦(のようなもの)を使う。
作業の実際: 施肥や薬剤散布をサボる一回ごとに-5
・基本価格: 製茶 1800 +(2D6 -7) x 50Cr /t 生茶葉は売れない 完全に手摘みならば価格は1.5-2倍。
        ジェードドロップ(笑) 7000 + (2D6-7) x 200Cr /t ただし、まず日本人以外は買わない。手摘みしない限り
ジェードドロップではないので、手摘みによる価格上昇はない

緑茶の場合、フェアトレード価格を用いる必然性は無いが、とりあえず示しておく。手摘みによる価格の上昇は基本価
格と同様に適用される。
・フェアトレード価格その1(※): その世界の平均年収をXとして、
 製茶1tあたり 0.3X + 700 +(2D6-7) x 100Cr ジェードドロップはこの4倍。

 その世界の平均年収は、先進国並みの生活レベルであると、恐らくは40,000 - 60,000Cr程度と思われる(アメリカの一世帯
辺りの平均年収は60,000ドル程度)。確かに平均的な社会身分度7の一年の生活費は21,000Crだが(7 x 250 x 12 =21,000)、扶
養家族の分や貯蓄に回す分などもあるので、実際の収入はこれよりもっと高くなくてはならない。世界の平均年収が42000Crと
すれば、価格は13,300Crとなる。

・フェアトレード価格その2: その世界の平均年収の40% +(2D6-7) x 100Cr ジェードドロップはこの4倍。

(※) ここでまた書き割りの裏側を。
 本ルールにおける農産物や肉の価格は、概ね先進国の価格を基準としてきた。しかし、ここで扱われている茶、紅茶、コーヒーは、穀物やじゃがいもと違
って、生産国と消費国にはっきりとした懸隔がある。例えば、コーヒー大好きなアメリカは、コーヒーを自給出来ていないし、紅茶大好きイギリスも、ブリテン
島における紅茶栽培はゼロである。しかし、生産国における価格を参考にすると、トラベラー世界の平均的な人件費では赤字になってしまう。だいたいにお
いて、緑茶はともかく、紅茶の生産国では搾取労働が普通に行われており、インドの紅茶農園の労働者は、インド国内の標準よりも安い給与で働いてい
る。そして、不当な人件費の安さと対ドルレートの低さゆえに先進国への輸出が成り立っているようなものである。
 しかし、ここではさすがに不当な給与水準は再現できないので、生産地の平均的な所得水準での生産者価格を計算するため、以下の方法を試みた。
 まず、FAOstatで1999-2008年までの茶1tあたりの平均価格が求められる主なお茶生産国(バングラデシュ、中国、日本、トルコ、インド、インドネシア、ロ
シア、ケニヤ、スリランカ)の購買力平価の一人当たりGDPと、それをアメリカを100とした物価水準で補正したものとの間で回帰直線を求め、一人当たりGDP
をトラベラー世界における年間所得水準(というより社会身分度7の生活費)とかなり大雑把にあてはめたのが「フェアトレード価格その1」である。小売段階で
は紅茶も緑茶も値段に大差が無いので、あえて区別はしていない。
 しかし、実際には、緑茶と紅茶の区分がされていない中国、ほぼ100%が緑茶の日本、サンプル期間の対ドルレートの変動が激しいロシアはやはり除か
ねばならない。またベトナム(世界第三位)も加えるべきなのだが、価格のデータが得られないため除外した。しかし、恐ろしいことに日本を除くと回帰直線の
傾きは負になった。そこで、緑茶中心と思われる日本、韓国、中国の茶1tの物価水準で補正していない生産価格(1999-2008)の、2009年度の一人当たり
名目GDPを調べ、「フェアトレード価格その2」とした。なお中国、日本の茶価格は一人当たりGDPに対してどのような指標でも40-50%だが、韓国は15-20%
であった。ここではより日中と韓国の差が小さい物価/購買力補正なしの結果の方を採用した。

 ・紅茶用の茶(のようなもの)
収穫倍率 収穫量(t/ha) 紅茶用の品種。表の数値は乾燥後の製茶量であり、生茶葉の重量はこの
4倍。乾燥に強い反面、湿地に弱い。緑茶に比べて施肥量は少ない。
熱帯 種子を利用す
るものではな
いので考えなく
て良い
1.5(生葉6t)
亜熱帯
1.5(生葉6t)
温帯
-
冷帯
-
寒帯
不可
修正 (収穫倍率/収穫量)
化学肥料と農薬無し(TL3以下に相当): - / x0.5
不毛: 不可
湿地帯:不可
傾斜地による不利はない。
水源による修正
乾燥帯以外で水源なし: x1.0 / 湧水量x1.5 (x1.0より大きくはならない)
            池のみ: x1.0/x0.75
            小川のみ: x1.0 / x1.0
乾燥帯で水源なし: x1.0 / 湧水量x0.75 (x1.0より大きくはならない)
         池のみ: x1.0/x0.375
         小川のみ: x1.0 / x0.8
これ以外は小麦(のようなもの)に等しい
茶(のようなもの)の木は植えてから1D3+2年で葉が収穫できるようになる。経済寿命は植え付けてから30+1D6年。実際の寿
命はもっと長いが、葉付きが悪くなる上に背が高くなりすぎたりする。

必要農機具: トラクターか普通のトラック、もしくはモノラック、散布機

専用の機械: なし。緑茶と違って収穫は機械化できていない。摘採時の茶葉1枚が大きく、また、茶樹の形状が不規
則なため、機械化には向いていないが、TL10以上で品種改良が進み、緑茶と同様の機械化が可能になる。

1〜2月 
3月  
4月 施肥 
5月 病気を防ぐための農薬散布
6月 
7月 施肥、殺虫剤散布
8月 殺虫剤散布
9月  必要があれば新しい苗木の準備(1haあたり150Cr)。
10月 剪定作業(人力 ゆっくりやって良い) 
11〜12月  施肥

作業量: トラクターの出番は収穫期のみ、肥料3回、薬剤散布2回 特に指定が無い限り、茶は比較的スケジュールが
ゆるく、30日以内に作業を済ませれば良い。ただし、農薬も肥料も使わない栽培の方が多い。

収穫期: 紅茶には収穫期が存在せず、例えばスリランカなどでは5-10日置きに使える葉を摘み取ってゆく。このゲームで
は、いったん収穫可能となった紅茶園は、毎週、(修正後の収穫量/50)tの茶を出荷できるものとして扱う。新しい茶葉
が伸びてくるまでの2週間は摘採が出来ないので、/52ではない。
諸経費
種苗: 1haあたり150Cr ロシアでは播種も行われている(1haあたり150kg播くと言う)。一般的には苗。

労力: 剪定や収穫が機械化されておらず、人力かロボットに頼らざるを得ない。 
    化学肥料と農薬を使用する紅茶園の場合、0.75ha当たり1人の労働者が必要(端数は切り上げ)。
    労働者は、手摘みによる茶葉摘採(50週間)の他、1.5ha分の茶樹剪定(2週間)も行なう。
    化学肥料や農薬を投入しない紅茶園の場合、1.5ha当たり1人の労働者が必要(端数は切り上げ)
   ただし、摘採用の茶鋏、剪定用のチェーンソーなど、ある程度の機械化がなされている場合、1人の労働者が受け持つ茶園の面積は10倍に拡大する。

人力茶摘み: 手摘み15-45kg/日(ベテランは45kg取る。ただし、運搬手段の機械化でも効率は増えない)。基本的にロボットはベテラン扱いで良い。鋏摘みは150-450kg/日 ただし、鋏は紅茶で一般的ではない上に、使用した場合は緑茶と同様のデメリットがある
 
加工: 生茶葉は極めて保存性が悪く、また冷蔵してもお茶の風味が失われてしまうため、収穫した生茶葉はすぐに加工に回さねばならない。紅茶は茶葉を「醗酵」させて作るが、ここで言う「醗酵」は単なる慣用表現で、微生物学上の醗酵ではなく、実際には茶葉に含まれる酵素の作用で色と香気成分が作られる化学反応の過程を言う(微生物の関与は無い)。紅茶の製造には、萎凋(低温での乾燥)、柔捻(もみもみして酸化促進)、玉解き(もんでいる間にかたまった葉をほぐす)、ふるいわけ、乾燥の工程を経るが、再現するのは面倒なので、生茶葉の加工1t(お茶250kg)あたり0.25Cr/年の燃料代と、茶葉の量に関係なく設備全般に1000Cr/年のその他費用がかかる。また、加工設備の値段は、4時間で生茶葉1tを処理できる能力につき35,000Crとする。

茶摘みセレモニー: 紅茶ではやらない。

これ以外は穀物と共通
全体の作柄: 小麦(のようなもの)を使う。
作業の実際: 施肥や薬剤散布をサボる一回ごとに-5
・基本価格: 製茶価格 1800 +(2D6 -7)x50Cr /t 手摘みなら価格は1.5-2.0倍。

・フェアトレード製品: ヨーロッパ系ソロマニ人が主にやる。紅茶栽培は緑茶よりもずっと人力に頼る点が多いため、どうしても
搾取産業になりがちなのだが、多少値段は高くついても、労働者に適切な給料(月1000Cr以上)が支払われている農園の製品
しか買ってもらえなくなる。もし人件費が高くついても、ソロマニ系コミュニティが購買層として存在しているなら人件費を価格に
添加できる。
 なお、こうした搾取産業は「植民地の名残」されることも多いが、この批判は、得た利益を社会や栽培技術に還元せず、軍隊
の正面装備(これはまだマジメな方か?)か、権力者たちのぜいたく品や権力維持システムにのみ投じていると言う、実は植民地
であったこととは何の関係も無い、独立後の社会のあり方の問題を誤魔化す便利な言葉であることが多々ある。フェアトレー
ド価格にも、基本価格と同様の手摘みによる価格上昇は適用される。ただし、茶の品質ごときが、奴隷的な搾取労働と引
き換えに追求するほどのものなのかは、個々人の良心(笑)で判断すること。

・フェアトレード価格その1: その世界の平均年収をXとして、
製茶1tあたり -0.2X + 3500 +(2D6-7) x 50Cr (つまり、所得水準が高い世界では商売にならないのである)

・フェアトレード価格その2(※2):
 グループ1: 年間平均収入が1000Cr以下の貧しい低開発世界 
  平均年収 x 2.5 + (2D6-7) x 50Cr /t  
 グループ2: 年間平均収入が1000Crを超えている世界
 平均年収 x 0.25 + (2D6-7) x 50Cr /t
 グループ3: 年間平均収入が10,000Crを超え、かつTLが10以上の世界
 平均年収 x 0.05 + (2D6-7) x 50Cr /t

フェアトレード価格その3: これがいちばん高く売れるのでオススメ
 平均年収 x 0.4 + (2D6-7) x 100Cr /t
これは(※)で例示した国々の、物価水準補正後の茶価格と購買力平価GDPの比を平均したものを参考にしている。

(※) ここでは紅茶の主要生産国12国の1999-2008年の平均生産者価格と、一人あたりGDPを参考にした。ここではっきりいえるのは、一人あたり名目GDP
が1000ドル以下の国では、紅茶1tの価格は一人あたりGDPの二倍と言うことである。この傾向は、購買力平価GDPと物価水準補正後の茶価格でも全く変
わらない。
茶生産者価格
(ドル/t) 
一人あたり
名目GDP(ドル)
茶/GDP 物価水準補正後
の茶価格
実質GDP
(購買力平価)
アメリカを100
とする物価水準
バングラデシュ 1257.6 573.79 x2.19 3067.32 1465 41
ケニア 1716.67 911.95 x1.88 4401.78 1730 39
マラウイ 982.77 328 x2.996 2978.09 885 33
ルアンダ 1663.93 536 x3.104 5042.21 1150 33
その一方、紅茶の主要生産国が含まれる一人当たりGDPが1000ドル以上の国では以下のようになっている。
茶生産者価格
(ドル/t) 
一人あたり
名目GDP(ドル)
茶/GDP 物価水準補正後
の茶価格
実質GDP
(購買力平価)
アメリカを100
とする物価水準
インド 280.24 1030.79 x0.271 849.21 2941 33
インドネシア 426.73 2329.45 x0.183 1040.81 4156 41
南ア共和国 1760.95 5823 x0.302 2886.80 10243.59 61
スリランカ 1751.18 2041.41 x0.858 5003.37 4768 35
さらに、紅茶の生産量は決して多くは無いが、ブランド的には無視できないのは以下の国々である
茶生産者価格
(ドル/t) 
一人あたり
名目GDP(ドル)
茶/GDP 物価水準補正後
の茶価格
実質GDP
(購買力平価)
アメリカを100
とする物価水準
グルジア 113.01 2448 x0.058 275.63 4757 41
イラン 348.58 4460 x0.078 1161.93 11172 30
ロシア 388.53 8693.8 x0.045 863.4 14920 45
トルコ 346.63 8723.41 x0.040 541.61 12476 64
決して差別する意図は無いが、「テクノロジーが進んだ国」「ヨーロッパに近くてテクノロジーが進んでいそうな国」「近代化の努力をしていたイラン」と、分か
りやすい国々が価格も安く、対GDP比も低いことが分かる。よって、このルールでは、GDP1000ドル以下をグループ1、それ以上をグループ2、TLが高い世界
をグループ3とした。なお、スリランカについては、実質GDPと物価水準補正後の茶価格の比がx1を超えるため、本来ならグループ1に含めるべきかも知れ
ず、南アはグループ3かも知れない。
 物価水準については、明治大学国際日本学部 鈴木研究室 経済社会データランキング(http://www.kisc.meiji.ac.jp/cgi-isc/cgiwrap/~kenjisuz/table.
cgi?LG=j&TP=ne04-01&RG=&FL=)に拠った。ちなみに、日本は118。最高はアイスランドの154で、なんとなく納得できる(笑)。
 ここで用いた手法は、恐らく専門の社会科学者から見れば間違いだらけであろうが、あくまでゲームの設定用であり「社会科学フィクション」なのでご容赦
願いたい。

・ご注意 違法作物
 これらには葉にアンフェタミン様の物質が含まれており、葉をかんだり、茶のようにして飲むことでごく弱い覚醒作用、多幸感
を感じることが出来る。このため、「疲労回復(したと誤解する)薬」として、一部地域では人気がある。しかし、コカインや覚せい
剤の原料となるため、栽培は完全に違法か、医薬原料として厳重なライセンス(2D6で11+)の元で栽培されていることが多い。
習慣として栽培が自由な世界でも、医薬原料として以外の外世界への持ち出しは一般には禁止されている。ただ、栽培したと
しても、有効成分の濃縮や精製を試みていない限りは、刑罰は軽い。
・カート(かな?): 乾燥させる必要は無い。栽培地の気候によって、それ以外は緑茶か紅茶用の茶と同じ
 基本価格: 180 + (2D6-7)x5Cr / t (違法品価格) 栽培が認められている世界 x10 栽培が禁止されている世界でラ
イセンスを受けている x20

・コカ(に似てるなこの葉っぱ):乾燥させる必要がある。栽培地の気候によって、緑茶か紅茶用の茶と同じに扱う。 
基本価格: 240 + (2D6-7)x5Cr / t 栽培が認められている世界:x10 栽培が禁止されている世界でライセンスを受けて
いる:x20
 基本的に違法栽培を行うのは貧しい農民だけであり、こうなると肥料を買う金が無いので、TL3相当の栽培でしか採算が合
わない。また、違法だと判っているため、基本的に買い叩かれる。買い叩かれていることに気づかないことも多い。例え正規ラ
イセンスがあったとしても、収穫の際にセレモニーは行わない方がよい。 

・コーヒー(のようなもの)
収穫倍率 収穫量(t/ha)
熱帯
1.2
亜熱帯
1
温帯
不可
冷帯
不可
寒帯
不可
修正 (収穫倍率/収穫量)
化学肥料と農薬無し(TL3以下に相当): - / x0.25
不毛: 不可
傾斜地による不利はない。

これ以外は小麦(のようなもの)に等しい
・コーヒー(のようなもの)の木は植えてから1D3+2年で収穫できるようになる。経済寿命は植え付けてから30+1D6年。実際の
寿命はもっと長い。

必要農機具: トラクターか普通のトラック、モノラック、散布機、

収穫: 時期は様々だが、開花から9-12ヶ月で収穫できる。収穫可能な期間は短く、10日程度。問題はこの後の豆の選別作
業である

作業量: トラクターの出番は収穫の運搬のみ、施肥は肥料10回、殺虫剤と除草剤の散布はそれぞれ1-2回 特に指
定が無い限り、30日以内に作業を済ませればよい。
諸経費
種苗: 1haあたり300Cr

灌漑費用: コメ並みの費用がかかる。スプリンクラー灌漑が望ましい

労力: 剪定や選別作業は機械化されておらず、人力かロボットに頼らざるを得ない。5haあたり1人の労働者が必要。特にマメの選別作業は大変(人力でしか不可能で、1人一日50-100kg程度)。

ウッドシェーカー: 木を揺すぶって実を落とす機械、一台50,000Cr。使途が限定的なのでローン不可

加工する場合: 収穫したコーヒーは乾燥させる。天日乾燥でも良いが、機械で乾燥させるは場合は、加工1tあたり0.25Crの燃料代と、量に関わらず年間1000Crのその他費用がかかる。また、加工設備の値段は、4時間で豆1tを処理できる能力につき35,000Cr。

これ以外は穀物と共通
全体の作柄: 小麦(のようなもの)を使う。
作業の実際: 施肥や薬剤散布をサボる一回ごとに-5
・基本価格: 2400 +(2D6 -7)x50 Cr /t

 コーヒーも搾取産業になりがちなので、フェアトレードの対象となる。
・フェアトレード価格その1(※3): これも茶と同様に求める。世界の平均年収をXとして、
 0.16X + 700 + (2D6-7) x 50Cr /t 

・フェアトレード価格その2:
 その世界の平均年収 x 0.32 +(2D6-7)x100Cr /t

(※3)これは、コーヒー生産国(アメリカ、ブラジル、コロンビア、エチオピア、インド、インドネシア、ジャマイカ、イエメン、メキシコ、ペルー、パナマ、ニカラグア)
の1999-2008年度の平均価格と、一人当たりGDPの相関性から計算した。相関係数が低下したので、購買力平価と物価水準補正は使用していない。フェ
アトレード価格その2は、例からUSAを除外した場合、回帰直線の傾きが負になったので、一人当たりGDPに対するコーヒー1tの生産者価格の比率の平均
を求めた、
参考(1999-2008のトンあたり平均価格$/2009年一人当たり名目GDP$):
ブラジル(736/8220)、USA(8566/46381)、ジャマイカ(1500/4390)、イエメン(2856/1061)、インド(1332/1031)

・ビンロウ Betel Nuts (のようなもの)
収穫倍率 収穫量(t/ha)  タバコ並みの依存性がある嗜好品。赤の染料に使われることもあるが、薄
く切った実を石灰と一緒に噛んで汁を出し、口の粘膜を通じて有効成分を体
内に吸収してから、吐き出す用法が主。汁は有害なので飲み込むのは推奨
されない。この真っ赤な液をぺっぺと吐き出す姿が極めて格好悪いため、人
気は無くなったのだが、トラベラー世界では飲んでも無害なマイルド系(笑)が
開発されたため、悪臭や複流煙で他人に害を為す火をつけるタバコよりも人
気がある。ただ、人気の理由はそれだけではないが(後述)
熱帯 種子を利用す
るものではな
いので考えなく
て良い
5
亜熱帯
5
温帯
不可
冷帯
不可
寒帯
不可
修正 (収穫倍率/収穫量)
化学肥料と農薬無し(TL3以下に相当): - / x0.5
不毛: 不可
傾斜地による不利はない。

これ以外は小麦(のようなもの)に等しい
・ビンロウの木は植えてから1D3 + 3年で収穫できるようになる。寿命は極めて長く(1D6 + 4) x 10年。

必要農機具: トラック、散布機、

収穫: 収穫可能な期間は長く、30日程度。

作業量: トラックの出番は収穫期のみ、施肥は肥料4回、殺虫剤と除草剤の散布はそれぞれ1-2回 特に指定が無い
限り、30日以内に作業を済ませればよい。
諸経費
種苗: 1haあたり300Cr 

灌漑費用: コメ並みの費用がかかる。スプリンクラー灌漑が望ましい

労力: 剪定や収穫は機械化されておらず、人力かロボットに頼らざるを得ない。2haあたり1人の労働者が必要。

ビンロウ娘(Betel Nuts Girl): 地球の台湾発祥の習慣。台湾では道端でビンロウの行商が行われるのが普通だったが、ある時期から女性達が露出度の高い過激な服装でビンロウを売るようになった。恐らく、顧客獲得のため目立とうとした誰かのおかげで、目立ち競争が激化したのが原因であろう。これは風紀を乱すものとして早々に禁止されるのだが、禁圧をかいくぐって台湾の風物詩(もしくはギャグのネタ)となった。そして、ビンロウ栽培の広まりとともに、銀河各地にもこのビンロウ娘が伝播した。
 幸ととるか、不幸ととるかは人それぞれだが、本物の「ビンロウ娘」は地球以外では少数派である。そもそも男性のビンロウ売りですら、慣例的に「娘 Girl」と呼ばれていたりもする。これら宇宙のビンロウ売り達は、曲芸、歌唱、手品、果てはボクシングなどなど、目立つためのパフォーマンスに余念がない。ビンロウをやらない人が、芸に対するご祝儀としてビンロウを買うことも多く、ビンロウ愛好者はそれほど多くないのが実情かもしれない(銀河嗜好品学会報告より)

これ以外は穀物と共通
全体の作柄: 小麦(のようなもの)を使う。
作業の実際: 施肥や薬剤散布をサボる一回ごとに-5
・価格の決定: 400 + (2D6 -7) x 10 Cr/t

・ブドウ(のようなもの)
収穫倍率 収穫量(t/ha)  作る前にワイン原料か、食用かを明確にしておくこと。ワイン原料用は渋く
て酸っぱくて、とても食べられたものではない。反対に食用のブドウはワイン
原料用としては良くない。また、いわゆる「ぶどう棚」は、ワイン用には日照が
不足するため不可。
 なお、ワインは言うまでもなく地球発の酒で、今では全銀河で愛飲されてい
るが、ソロマニ人が宇宙を征服した明白な証でもあるため、民族主義的なヴ
ィラニ人貴族はワインを嫌っている(コーヒーやお茶も同様)。
熱帯 種子を利用す
るものではな
いので考えなく
て良い
食用のみ25
亜熱帯
10
温帯
15
冷帯
6
寒帯
不可
修正 (収穫倍率/収穫量)
化学肥料と農薬無し(TL3以下に相当): - / x0.5
不毛: 不可
傾斜地による不利はない。

これ以外は小麦(のようなもの)に等しい

・ブドウ(のようなもの)の木は植えてから1D3+2年で収穫できるようになる。経済寿命は植え付けてから30+1D6年。実際の寿
命はもっと長い。

必要農機具: トラクターか普通のトラック、モノラック、散布機、

収穫: 収穫可能な期間は長く、60日程度。

作業量: トラクターの出番は収穫期のみ、施肥は肥料10回、殺虫剤と除草剤の散布はそれぞれ1-2回 特に指定が
無い限り、30日以内に作業を済ませればよい。

豊作と不作と交代: 果樹は一般に豊作の次の年には不作が来ることが多い。これは未熟果の除去や剪定が不適当によ
り、「木が疲れる」ために発生すると考えられている。「作柄」が豊作以上になった翌年は、2D6の7+で、自動的に「作業の
実際」表での「不作」扱いの収穫量になる。当たり前の話だが、この不作は価格と連動しないので、経営には大打撃
である(生き延びていれば、この翌年は普通に作柄表で判定できる)。豊作の年に「作業の実際表」の豊作以上による収穫量
ボーナスを諦めれば、この危険は無い。
諸経費
種苗: 1haあたり300Cr 

灌漑費用: コメ並みの費用がかかる。

労力: 剪定や収穫は機械化されておらず、人力かロボットに頼らざるを得ない。2haあたり1人の労働者が必要。

袋かけ: 虫害を防いだり、糖度を高める目的でブドウの房に紙袋をかける。別にやらなくても良いが、やれば1haあたり500Cr。人力のみ。ワイン用ブドウには不要。

ブドウ踏みセレモニー:ワイン作りに際しては、たるや桶(場合によっては水槽)に入れたブドウを裸足でつぶして果汁を取る「ブドウ踏み」の伝統がある。重労働であるが、乙女が踏むと良いワインが出来るとの言い伝えから、儀式的に若い女性が行い、これが観光客に人気がある。本場フランスでは、中世風の衣装を身にまとった女性達のブドウ踏みが今も行われている。
 地球以外では、ミニスカートの少女のブドウ踏み(もともとはブドウの汁で汚れないための短いスカートなのだが、その趣旨は既に忘れ去られ、今では上半身すら露出度が高い)、コスプレでのブドウ踏み、はてはスクール水着着用で大型水槽でブドウ踏みをする(これがどれだけ大変かは、泥沼を横断することを想像してください)など、かなりへんてこな形で伝播している。このへんてこ系のブドウ踏みは既にフランスに逆輸入されており、一部イベントで行われているが、伝統主義者の反対以外に、「汚れないように長いスカートをたくし上げる姿と、そのチラリズムが真髄だ、最初からミニスカート、しかもブドウ汁で真っ青の脚なんて邪道だ」という反対意見もある。
 また、なぜ踏むのか、手で潰してはいけないのかという当然の疑問も、宇宙空間を渡るうちに解決されたようで、K1星では、格闘家達がブドウをつめた皮袋に自慢のパンチ、キックを浴びせ、ブドウ破砕の速さを競う行事がある。また、マッチョ星では、スキンヘッドのボディビルダーがブドウを入れた桶の上に逆立ちし、さながら削岩機のごとく下向きに頭突きを繰り返してブドウを潰すという奇習すらある(W・ウォーター博士民俗学論文集「宇宙はみんな、おバカさん」より)。

ワイン作り: 実は原価は極めて安い。ブドウ1tから120ワインガロン(1ワインガロン=3.785リットル 計454リットル)が出来る。市販のワイン用酵母は1ガロンあたり0.2Cr。酸化防止や醗酵に伴って発生する有害物質を除去する添加物は、1ガロンあたり1Cr。電動式のブドウ潰し機は1500Cr程度(処理能力200kg/h 使用100時間当たり価格の1%のコスト)。伝統的な樫製ワイン樽(31.5ワインガロン)は、一樽300-800Cr程度。熟成の期間は短くて数十日、長くて数年。また、澱や酵母の粒を除去するためにろ過作業も必要である。これは自然に沈殿させて上澄みをすくえば簡単でタダだが、時間がかかる。ポンプ付きのろ過装置(処理能力5000リットル/h)は、一台50,000Cr程度。ランニングコストは100時間当たり価格の5%である。平均的ワインは1000mlあたり5Cr程度で取引される(店頭に並ぶときはこの倍)。従って、ワイン樽ひとつ分は636Crである。ブドウ1tあたりに直せば120/31.5x636=2422.857Cr。酵母代はたった24Cr、添加物は計120Crぽっち。樽は何度も使える。おまけに、ブランドイメージを確保することが出来ればこの値段は何倍にも跳ね上がる!! ただし、莫大な量のワイン樽を保管するための建物の費用は、別途計算すること。

・ワイン作りの成否: 難 <生物学>もしくは<化学> 知力 失敗した場合は、(11-出目) x 10%が廃棄される。ピンゾロによる自動失敗は無い。

これ以外は穀物と共通
全体の作柄: 小麦(のようなもの)を使う。
作業の実際: 施肥や薬剤散布をサボる一回ごとに-5
・価格の決定: ブドウ 1000 + (2D6 -7) x 10 Cr/t
         ワイン 1リットルあたり 5Cr

・ワイン販売:
  ワインのようなものは、新規参入でいきなり右から左に売れることは無い。売るためにはそれなりの努力が必要である。
まず、ブドウ栽培からワイン作りまでの様々な条件を以下の表に当てはめ、ワインの高級度を調べる。なお、ブドウ踏みは、そ
れしか汁を絞る手段が無いTLでなければ、儀式的に観光客や地元ニュースメデイアの前でやるだけでよい。
ワイン高級度表
・人力で収穫: +5
・ロボットで収穫: -10
・伝統的ブドウ踏みをやった: +10
・ミニスカートのブドウ踏み: -15 
・ブドウ踏みでパンチラ: -50 
・足を消毒せずにブドウ踏み: -100 (これをやれば確実に失敗する)
・寝かせる期間が半年未満: -10
・寝かせる期間が一年以上: +寝かせる期間^2 (ただし、5年まで)
・無農薬/化学肥料不使用: +10
・伝統的樽の使用: +5
・手作業のろ過: +5
・凝ったデザインの壜を使用: 費用100,000Cr毎に+1 (1D6年で流行遅れになる)
・機械でのろ過: -5 
高級度が+45以上:高級ワイン 価格修正 x 1D6 + 1 (流行に左右されるから)
-30〜+44: 普通ワイン 価格修正 x 1
-50〜-30: 安物ワイン 価格修正 x 0.5
基本的にワインは、生産量の (2D6-9) x 10% が売れるが、以下の修正がある。
高級ワイン: DM+4
安物ワイン: DM+4
宣伝費: 250,000CrごとにDM+2
ブランドイメージ: 一度でも生産量100%販売を達成したらそれ以降はDM+15。ただし安物ワインではこの効果はない。
ワイン作りの失敗: ブランドイメージによる効果はなくなる。もう一度やり直しである。

・その他果実類
 以下の果物類は、栽培方法に関してはブドウ踏みとワインへの応用以外、ブドウと同様である。
リンゴ(のようなもの)
収穫量(t/ha) 基本価格: 400+ (2D6-7)x10Cr /t
熱帯
30
亜熱帯
30
温帯
30
冷帯
10
寒帯
10
オレンジ(のようなもの)
収穫量(t/ha) 基本価格: 180+ (2D6-7)x5Cr /t
熱帯
20
亜熱帯
20
温帯
30
冷帯
2
寒帯
不可

・温室栽培の農業
 温室による促成、抑制栽培はTL4から可能になる(と言っても、中国では漢代に温室のようなものはあったらしい)。また、茶
やコーヒーなどの木の苗を育てるには、温室は効率的である。単に感染を防ぐ目的ならば、エアコンは不要。温室は常に乾燥
帯ではないものとして扱われ、そうした環境を再現できる設備があるかぎり(例えば、温帯で冷帯の作物を育てるには冷房が
要る)、その作物のもっとも理想的な気候における収穫倍率と収穫量が得られる。また、温室で育てる限り、収穫倍率と収
穫量は水の量以外の条件による修正を受けない。
 温室を利用して作られた「時期はずれ」や「場違い」の作物は、Step.4の方法で価格を決めた後、さらに1D3倍する。つま
り、必ずしも高く売れるわけではないのである。当たり前であるが、宇宙の全ての惑星が同じ季節であることはない。旬の
季節の世界からの露地栽培の輸入品の方が安い可能性もあるのだ。しかも、よくよく考えれば遺伝子操作で気候適応性を
改良した方が安上がりかもしれない。

ビニールハウス建設費(アーカンソー大学農学部の研究を1ドル=1Crとして改変)
エアコンなしビニールハウス(基本): 1.35Cr/sqm 寿命10年
+暖房のみ : +0.85Cr
+冷暖房: +3.05Cr 
+給排水路つき: +4.6Cr
+開閉式: +10Cr
+強化型(ガラスもしくはポリカーボネート製): +20Cr 悪天候に耐えるが、ポリカーボネードは劣化が早いので寿命は同じ
+高天井: 3mをこえる1mごとに+5Cr

コンクリートの床: 1Cr/sqm
ベンチ: 1.5Cr/sqm  椅子ではなく、苗や小さな花などを育てる台。床から離すことでウィルス感染を防ぐとともに、背の低い植物の世話で屈み込んでしんどい思いをする必用が無い。鉢植えの場合、ベンチの面積が作付け面積に等しい。

間接経費
 建設費のローン: 建設費の15%/年 (年利5%、10年払い)
  減価償却費: 建設費の10% /年

ビニールハウス経費(100sqmを一週間稼働させる直接経費)
・冷暖房費: 4Cr
・肥料と農薬: 2Cr
・設備の維持費: 0.4Cr 
灌漑費用: 穀物と同じ

・鉢とその手入れ: 7Cr
・園芸用土: 4Cr (これら鉢と土に関しては、栽培に必要な費用を一週間単位にしたもので、実際に毎週このお金を払うものではない)

・最低労働力: 500sqmあたり一人程度。給排水設備が無い場合は、人力水やりなので250sqmあたり一人に増える。基本的にこの人数で施設と作物の管理を行えるが、収穫時の手間は含んでおらず、作物によっては臨時雇いする必要がある。

この他の費用は穀物と同じ。ただ、ビニールハウスの中に機械は持ち込めないこともある。

温室栽培可能な作物
・野菜類: 暖房必須 
・オレンジ、リンゴ: 高天井(5m)、冷暖房必須
・様々な苗: 自家生産した種や挿し木から苗を作る作業 ベンチ、冷暖房、コンクリート床、鉢が必須。生育に2-3年かかる。
出来た苗は、苗の栽培に使った面積の1D6 x100倍の面積に植えつけられる。

・花卉: 園芸用品で食用ではない。鉢で育て、鉢で売る。基本的に種まきから8週間から15週間で出荷可能。利益は大きく
無いだろう。花卉に「収穫」は無いので、最低労働力で生産できる。
 コンクリート床、冷暖房、ベンチ必須。また生産には鉢と園芸用土が必要。
  基本価格は面積100sqmあたり 400 + (2D6 - 7) x50 x 生育期間(週)/8 Cr。平均耕地面積による修正は適用しな
いが、カーネーションなどの季節モノは、売れる期間だけは3倍にしてよい。

 上記以外の作物は苗を育てる以外、ビニールハウスでの栽培には不向き。

・水耕栽培:
 野菜類は温室で水耕栽培が可能。この場合、ベンチと給排水設備が必須になる。収穫倍率と単位面積あたりの収穫量は変
わらないが管理が楽(ここでは植え付けと収穫期以外はほったらかしでもよいとする)。灌漑費用は二倍になるうえに、水耕
栽培液は100sqmで一週間当たり6Cr。通年で栽培可能だが、基本的に土壌で作られた野菜よりも味は落ちる(値段には影
響しないことにする)。温室栽培も含め、上げられた数字は全て実際の研究に基づいているため、修正の余地はあまりない。
園芸用の花卉はともかく、現実にハウス物の野菜や果実が商売になるのは、先進国の中でも食料品価格の高い一部と、ペル
シア湾岸の石油国家くらいのものである。

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