RR‐01 (Rescue Robbot type 01)



 URP  351x2(F)-13-PM329-NFC3(F)  Cr1,693,189  230.5s  73.8l
 燃料=7.2 活動時間=2.0 TL=15 27/44(メッシュ) 電子回路防御
 推力  反重力=430kg 駆動推力=0.89 飛行速度=300km/h
 歩行 パワー/重量比=17.6 接地圧=7 走行速度=70km/h 不整地=42km/h
付属装置 頭部=17%x1 中量腕x2 超軽量触手x1(胴体引き込み型)
 胴体  触覚センサー 高感度嗅覚センサーx1 香り放射器x1 通信機50kmx1
 頭部  目x2 耳x2
 右腕  軽レーザートーチx1 動力インターフェイスx1 頭脳インターフェイスx1
 左腕  外科用レーザーx1 生命活動センサーx1 医療パックx1
 胴体内 
 触手 
 視覚センサー(顕微鏡)x1 外科用レーザーx1
 技能  〈医学−1〉〈反重力機器−1〉〈調査−1〉〈従者−1〉〈心理学−1〉〈生存−1〉
 〈救助−1〉〈軽レーザートーチ−1〉〈感情表現〉




 これはごく短い期間、生物・擬生物型ロボットを専門に製作していたRUロボット製作所が、その閉鎖までの間に唯一量産したロボットである。
 本来救急現場で活躍するためのものであるが、従者として使用される場合も多い。
 このロボットは事故現場などで、パニックに陥った要救助者に安心感を与えるため女性の形に作られ、香り放射器を備えている。また救出された負傷者に即座に適切な治療を施すことができる。
 余裕のある反重力推進器によって、2人の人間を抱えて飛行、救出することも可能。
 レーザートーチは、瓦礫などの障害物を除去するのに威力を発揮する。
 頭部口腔内に出口のある超軽量触手には視覚センサーと外科用レーザーが内蔵され、その場でカテーテル手術を行うこともできる。
 搭載されたソフトウェアは最低限のものだが、これはロボットの電子頭脳の容量の限界というだけでなく、このロボット達一体一体が職人による手作りであり、また、不安定なシナプス回路を多用しているため、各ロボットの“個体差”が大きく、まったく同一のプログラムでの動作に不安があったためである。RUロボットでは、出荷前に一定期間の“教育”を施すことでこの問題を解決している。
 また、この“教育”によって、事前に“ロボット神経症”を起こす因子を発見し取り除くことができる。

 本日は巷でうわさの“ロボット学校”へやってまいりました。
 こちらが、中を案内してくださる先生です。
「あの、私は先生ではないのですが…そもそも、ここは学校ではありません。」
 え?そうなのですか?
「ここは、わが社のロボットの最終仕上げを行う施設です。私はここの責任者です。」
 具体的に、どのようなことを?
「ええ、ロボットのハードウェアとソフトウェアのマッチング。さらに、ソフトウェアのアップグレード。そして、不良箇所がないかの最終点検です。」
 じゅぎょ…いえ、作業を見せていただけるということですが…
「はい、これから〈従者〉プログラムのアップグレード作業を行いますので、お見せします。」
 従者ですか?救急救助のためのロボットと聞いていましたが。
「ええ、私どもも迷ったのですが、このロボットの機能が従者としても役立ちますので、そちら方面のプログラムもつけておこうと…要望も多いことですし。ソフトウェアのアップグレードの過程で、ロボット達に個性のようなものが生まれますから、出荷時には各々の個性に合わせた注文主のところへ納品されます。」
 大きな建物ですね、中はどうなっているのでしょう。
「これからご案内しますが、中は三つのブロックに分かれています。一つは、ロボットのメンテナンスを行うブロックで、通称“寮”と呼ばれています。ロボットはここで手入れをされます。そして、災害現場などを再現するのに使われる広い“グラウンド”で、これから向かうのが“教室”と呼ばれる作業所です。敷地全体がドームに覆われているのは、不調をきたしたロボットが外部へ出て行ってしまうのを防ぐためと、こちらのほうが重要なのですが…外部からの侵入を防ぐためです。」
 ロボットは、普段どのように保管されているのですか?
「ロボット達は起動したままになっています。もちろん常に監視していますが…そうすることで、シナプス回路の成長を促し、ロボット神経症の兆候をいち早く発見することができます…おや、作業所に着いたようですね。」
 ここが作業場ですか?何か古代のテラにおける貴族の屋敷のようですが。
「そうです、わが社のロボット達はここでプログラムを作動させ、自己回帰的に行動を分析し、修正を加えていくのです。人間で言う訓練です。ですからロボットに技能を教える技術者のほかに、その技能にふさわしい環境を与えてやることが重要なのです。」
 あ…ロボット達が入ってきました。ちょっと小柄で、かわいい感じですね、よく見ると、一体ごとに少しずつ違うようですが…
「はい。わが社のロボット達は、一体一体が職人による手作りなもので、まったく同じものはないのです。愛らしい外見にも意味があります。事故などでパニック状態になった要救助者を落ち着かせる効果を狙っているのです。顔にあたる部分を見てください、別に人間とそっくりというわけではありませんが、この部分は特に感情を表すために多孔性ポリマーを使用して多彩な表情が出せるようになっています。ロボットに感情などありませんが、ほら、目は口ほどに…というでしょう。落ち着きを失った人間は他人の表情に敏感になりますからポーカー・フェイスではだめなのです。」
 はあ…そういうものですか…
「姿はかわいらしいですが、中身は実用的な装備で一杯ですよ。特に自信を持っているのは彼女…じゃない…ロボット達の口の中に組込まれた高機能のカテーテルです。特に脳内出血などは、時間との戦いですから…右腕にはレーザートーチが内蔵されていて、災害現場での障害物除去に威力を発揮します。反重力推進器にはかなり余裕がありますから、一度に二人ぐらいまでなら抱えて飛ぶことができます。」
 おや、ロボット達が整列しています。中には少しもたつくものがありますが。
「それは、マッチングがまだうまくいっていない“個”ですね。シナプス回路を多用していますので、ソフトウェアとハードウェアのすりあわせに個体差が出るのです。出荷時までにはきちんと調整できます。」
 2、3台が妙な姿勢をとっていますね。片手を軽く握って口元に持っていってますが…
「ああ、それは…教官…いえ、技術者の中にちょっと困ったのがいましてね、変わった動作を条件付けする者がいるんですよ。大丈夫、製品の質には影響のない範囲です………そのはずです。」
 おや、人が入ってきました。あれが技術者の方ですか?
「そうです。」

 ロボット達の声が響く。
“お帰りなさいませ、ご主人様”

非常に高価なロボットだが、彼女達(?)の配備された地域での救急救命率は、目に見えて跳ね上がったといわれる。
実験的に擬生物型(電子回路防御なし)が作られたといわれるが、その詳細は不明。


おまけの話。


 RUロボット製作所倒産のため、以後のロボットメンテナンスは当社が引き継ぐこととなりました。

 RR-01は、多数のシナプス回路を内蔵しているため、お客様のお手元にあるうちにも、プログラムのアップデートが行われます。そこでわが社ではロボットプログラム開発の一助となりますよう、お客様の所有されておりますRR-01のプログラムを調査解析させていただけますようお願いいたしております。

 つきましては、わが社のメンテナンス要員を派遣いたしますので、ロボットの現状、ロボットに対しての御要望をお伝えください。なお、今回のメンテナンス料は無料とさせていただきます。



Case 001

災害救命現場

技能 〈医学−3〉〈調査−5〉〈救助−5〉〈心理学-2〉〈軽レーザートーチ−2〉〈生存−2〉

たいしたロボットだと思います。こいつのおかげで、どれだけの人間が助かったか・・・
しかし救命現場では、それだけではだめなのです。自分が生き残ることも考えてくれないと・・・もう少し生存プログラムの比重を大きくしてもらえませんか、高価なロボットがいつ壊れるかとひやひや物です。

返答:

RR-01は、人命を第一に優先するようプログラムされております。

したがって、生存プログラムの比重を増やすことはできても、それによって、このロボットの救命現場に対する行動は変わることがありません。
この場合の対応として、当社では装甲ボディを用意いたしました。
Cr15,000以上の出費になりますが、ロボットの性能をほとんど損ねることなく、ロボットの破壊に対する危険性を大きく減少させることができます。


Case 002

医療現場

技能〈医学−5〉〈調査−3〉〈心理学−3〉

このロボットのおかげで、私どもの病院の評判は上場です。かんたんな外科手術であれば、ほとんど何の準備もなしに行うことができて助かっています。
ただ、最近薬物を誤飲しての胃潰瘍の患者様が増えているような気がするのですが。・・・

返答:

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Case 003

戦場にて

ボディを戦闘アーマー(装甲値18)に変更、反重力推力を580kgに増設

技能〈反重力輸送機器−2〉〈軽レーザートーチ−2〉〈生存−3〉〈調査−3〉〈救助−5〉〈医学−4〉

いや、たいしたもんですよ。俺もこいつに命を助けられた口でね。
つぎつぎと負傷兵を運んでくるしね。
ただ、おかげで、野戦病院はほとんどパンク状態だって聞いたね。
こいつは、敵味方関係なく拾ってくるんだ。
そのあたり、なんとかならないかね。

返答:

RR-01は高度な判断能力を持っており、当然敵味方の判断は行っております。
ただ、このロボットは命の種類まで区別することはできません。
目の前に要救助者がいれば助け出す。それがこのロボットの基本プログラムなのです。



RR‐01AcEX (added Armor custam Excelsior)




 URP  351x2(F)-13-PM329-NFC5(L)  Cr1,963,609  343.8s  88.2l
 燃料=7.9+液体酸素3.9 活動時間=2.0 TL=15 27/44(戦闘アーマー)
 電子回路防御
 推力  反重力=580kg 駆動推力=0.68 飛行速度=300km/h(真空中720km/h)
 歩行 パワー/重量比=11.6 接地圧=8.8 走行速度=55km/h 不整地=22km/h
付属装置 頭部=17%x1 中量腕x2 超軽量触手x1(胴体引き込み型)
 胴体  触覚センサー 高感度嗅覚センサーx1 香り放射器x1 通信機50kmx1
 頭部  目x2(+赤外受光x2) 高感度聴覚x2
 右腕  軽レーザートーチx1 動力インターフェイスx1 頭脳インターフェイスx1
 プログラムインターフェイスx1
 左腕  外科用レーザーx1 生命活動センサーx1 医療パックx1
 胴体内 
 触手 
 視覚センサー(顕微鏡)x1 外科用レーザーx1
 技能  〈医学−1〉〈反重力機器−1〉〈調査−1〉〈従者−1〉〈心理学−1〉〈生存−1〉
 〈救助−1〉〈軽レーザートーチ−1〉〈感情表現〉


 RR-01AcEXは、RR-01シリーズの最上位機種となります。
 当機種は、より有効に救命活動を行えるよう、視覚センサーと聴覚センサーを強化し、大気中の酸素が得られない大規模火災現場などでの活動を可能とする液体酸素タンクを搭載しております。
 さらには、機体容積ぎりぎりまで記憶装置を詰め込み、さらにプログラムインターフェイスを搭載することで、お客様それぞれの必要に応じた活動ができるように設計されております。
 標準タイプと比較しますと30万Cr程高価ですが、それを補って余りある効果が期待できること請け合いです。