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The Best Weapon
4th stage ( Damage
)

最強兵器 決定戦
第4回 (損害)

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MEGA TRAVELLER
 


 

 軍艦には要らないものなんてない。
 何処かが壊れれば、確実に戦闘力は低下する


 前2回の考察「装甲」の計算結果を見ている内に、今度は具体的な損害の中身を考察したくなりました。

 宇宙戦闘のルールから考えて、何が最も致命的な損傷なのか。
 その損傷の被害を小さく抑えるためには、どんな設計が必要なのか。
 長くなると思いますが、考察を進めて行きます。

 ルールをくどく説明していきますが、これは「私のルール解釈」を確認するためでもあります。
 掲示板でお馴染みの方は、私が「ルール解釈」をしばしば間違えていることもご存知ですよね。



ものすごく長くなりましたので、インデックスを作りました


外部損傷表における損傷(  兵器  )

外部損傷表における損傷(  燃料  )

外部損傷表における損傷(通常ドライブ)

外部損傷表における損傷
(内部損傷表/致命的損傷表での振り直し)




放射線損傷表における損傷(   探知機   )

放射線損傷表における損傷( コンピュータ )

放射線損傷表における損傷(   乗組員   )



内部損傷表における損傷(具体的な各部損傷)

内部損傷表における損傷(   期待値   )



致命的損傷表における損傷(各部損傷と確率)



結論


外部損傷表における損傷(兵器)


 外部損傷表でサイコロを振る兵器は、粒子加速砲レーザー兵器エネルギー兵器ミサイルがあります。
 この中で、主砲クラスの粒子加速砲と、核弾頭を用いたミサイルはDM+6、そしてレーザー兵器の中のパルスレーザーだけは、DM+2を得られます。

 外部損傷表で最も頻度の高い損傷、「兵器」から考察を始めます。


兵器−N

 目標艦の兵器がNと同じ数だけ破壊されます
 ただし、その被害は全種類の兵器で均等に分散されます。すべての兵器が1の損傷を受けるまで、他の兵器が2つめの損傷を受けることはありません。
 1門しか残されていない兵器(主砲は最初から1門だけですし、2門以上の数が用意されていても、損傷を受けて残り1つになる場合があります)は、数が減る代わりに、その攻撃力が1ずつ減っていきます。

 上記のルールから、兵器の耐久力を算出できました。ブランクウェル型戦艦を例に、説明しますと、

 Tクラスの中間子砲は、アルファベットを数字に換算して、       =27
 攻撃力7の粒子加速砲40砲塔群は、40群に「攻撃力−1=6」を加えて、=46
 攻撃力9のミサイル80砲塔群は、80群に「攻撃力−1=8」を加えて、 =88
 攻撃力6のフュージョンガン15砲塔群は、…中略…            =20
 攻撃力9のビームレーザー10砲塔群は、…中略…             =18
 防御力9の反重力砲50砲塔群は、…中略…                =58
 防御力9の散乱砂砲10砲塔群は、…中略…                =18

 以上の数字をすべて加え、ブランクウェル型全体では耐久力=275となりました。ブランクウェル型は兵器の損傷を275回受けますと、すべての兵器が使えなくなり、つまり戦闘不能になります。

 前回の考察で「主砲火力の喪失」について触れましたが、「すべての兵器が1の損傷を受けるまで、他の兵器が2の損傷を受けることはない」というルールに従って計算をしてみました。
 Tクラスの中間子主砲耐久力が27もありますが、火力が9以下になった時点で、主砲の特典を大部分、失ってしまいます。
 ですから、27−9=18回の損傷を受けた時点で、ブランクウェル型の主砲火力は、失われたと判断しました。
 中間子主砲を優先して損傷を与えたくても、他の兵器すべてに17回の損傷を与えるまでは、主砲に18回目の損傷を与える訳にはいきません。
 ブランクウェル型は主砲を除いて6種類の兵器を装備していますから、主砲に18回目の損傷を与えるためには、17回×6種類+主砲18回=120回の損傷を与える必要があると分かります。


 ここで全く異なるタイプの兵器、7千トン級の機動砲台についても考えてみました。

 この安価な砲台は、Jクラスの中間子主砲と、6砲塔群のミサイル(攻撃力7)しか装備していません。
 兵器の耐久力は、18+12=30です。
 主砲火力の喪失まで、Jクラスの主砲はわずか9回しか、損傷には耐えられません。主砲以外の兵器はミサイル1種類しかありませんので、機動砲台は8回×1種類+主砲9回=17回の損傷主砲火力を喪失してしまうのです。

 砲塔群の設計(配置を検討する)ことによって、戦艦の主砲火力をより長く温存することが可能になるのではないでしょうか。
 コーキラク型戦艦は、ビームレーザー散乱砂砲の威力を若干低下させる代わりに、その砲塔群数を増やす方策で、兵器の耐久力を高めることに成功しています。
 CT「宇宙海軍」のルールでは、砲塔群の数ひとつごとに「砲手が1人必要」になるルールでしたから、砲塔群数をむやみに増やすと、乗組員数を膨れ上がらせてしまい、不経済でした。
 しかしメガトラベラーのルールでしたら、乗組員の数を増やさずに砲塔を分割して、たやすく砲塔群数を増やすことが出来ます(それにしても、兵器部門の乗組員数の多さは異常ですが)。
 よろしければ、コーキラク型戦艦の砲塔群配置も参考にしてみてください(当然、デメリットも生じています)。

 第2回、第3回の考察を投稿した後に、MAG様より「主砲火力はKになった時点で威力が激減。Fになった時点で戦列にいる価値を失う」との指摘を受けました。
 確かに、損傷回数が減ってしまうことに加えて、スクリーン突破が難しくなりますので、その効果は激減していました。
 これ以降の考察に、この情報を活かしていこうと思います。




外部損傷表における損傷(燃料)


 2つめに頻度の高い損傷は「燃料」です。


燃料−N

 目標艦の燃料が現在量から、最大積載量のN%、失われます

 失われる量は最低でも10トンを失うとなっていますが、例えば最大積載量300トンの宇宙船が「燃料−3」の損傷を受けた場合、燃料の喪失量は10トン(3%=9トンが10トンに増える)なのか、30トン(1%が最低10トンで、3倍が30トン)なのか、難しい問題です。


 燃料タンクの容積が1,000トン以上あるならば、問題はありません。
 その宇宙船の、燃料タンクの耐久力は100になります。

 燃料タンクが極めて小さい小艇の場合は、燃料タンクが10トン以下か、10トンを越えているかどうかが、大きな違いになるでしょう。
 「燃料−N」の損傷1回だけで、すべての燃料を失うかどうかが決まるのですから。

 ジャンプアウト直後の宇宙船に、どれだけの燃料が残っているかという問題ですが、 私が作成(コンバート)した戦艦3種のデータでは、ジャンプアウト後に、おおよそ50%の燃料が残っていると判明しました。

 すべての燃料を失ってしまった場合、パワープラントは停止しますので、通常ドライブ、通信機、探知機、兵器、スクリーン、生命維持装置など、すべての機器が動かなくなってしまいます。




外部損傷表における損傷(通常ドライブ)


 3番目に頻度の高い損傷、「通常ドライブ」を考察します。


通常ドライブ−N

 目標艦の加速度が、Nだけ減少します
 加速度が減じるということは、移動力も加速度に合わせて低下してしまいますから、私の信奉する「移動力崇拝派」の教義からすると、精神的に耐えられない損傷です。

 それはともかく、移動力が低下してしまえば、敵からの攻撃が命中する確率も上がります。
 敵からの攻撃命中率が上がれば、通常ドライブが追加の損傷を受けることも多くなるでしょう。
 そして、さらに移動力が低下して、最後には移動不能の状態に陥ります。

 目標艦の装甲DMが0の場合、外部損傷表では19%の確率で「通常ドライブ−1」の損傷を受けます(+DMの無い兵器、主砲と核ミサイル、パルスレーザーを除く兵器の攻撃を受けた場合です)。
 目標艦の加速度が1Gしかないのならば、概ね5発の命中移動不能になると考えてよいでしょう。
 これは200トンの自由貿易船でも、30万トンの輸送母艦でも変わりません。
 装甲なしの宇宙船にとっては、わずかな外部損傷でも致命的なのです。
 たとえ加速度が6Gの高速艦艇であっても、30発の命中移動不能になると期待できるでしょう。

 パルスレーザーの場合(+2のDMが付きますので)通常ドライブが損傷を受ける期待値は31%、主砲核ミサイルの場合は(+6のDMが付いて)期待値が42%になります。
 もっとも、装甲DM=0の宇宙船が主砲核ミサイルの攻撃を受けた場合には、それ以外の損傷が致命的なものになっているでしょうから、気にする必要はないかも知れません。

 目標艦の装甲DMが5の(巡洋艦クラスの装甲を持っている)場合、通常ドライブが損傷を受ける確率は、激減します。
 +DMの無い兵器ならば、その確率はゼロ。パルスレーザーでも6%弱。主砲核ミサイルの場合には25%でした。

 通常ドライブの損傷を全く受けないようにすることは、装甲DMが11以上の重装甲戦艦やモニター艦、バトルライダー以外では困難です。
 しかし装甲DM=5ならば(主砲を搭載している敵艦は少ないので)、通常ドライブの損傷を受ける確率が激減するのです。
 その点を割り切って、通常ドライブと装甲のバランス設計を行なうことも、重要ではないでしょうか。




外部損傷表における損傷
(内部損傷表/致命的損傷表での振り直し)


 外部損傷表では、稀に「内部損傷表」や「致命的損傷表」での振り直しを要求されることもあります。
 その場合は一切のDMなしで、内部損傷表における損傷「内部損傷」を求める訳ですが、振り直した内部損傷表ではそれ以上「致命的損傷」が出ないようにもなっていました。
 これは、CT「宇宙海軍」から変わった部分です(どちらが良い/悪いと言う訳ではありません)。

 目標艦の装甲DMが0であっても、+DMの無い通常の兵器であれば「内部損傷」や「致命的損傷」を受けることはありません。
 「内部損傷」を出すためには、最低でも+3のDMが必要です。
 そんな半端な+DMを持った兵器は存在しませんから、+6のDMを持つ兵器主砲核ミサイル)でなければ、外部損傷表で「内部損傷」や「致命的損傷」を受ける可能性はありません。
 逆に考えるならば、主砲核ミサイルの攻撃を受けても、装甲DMが3以上あれば、「内部損傷」や「致命的損傷」を受ける可能性を防げるのです。

 軽装甲の戦闘艦にとって、装甲DM=3という数字は、重要なボーダーラインとなることが分かりました。




放射線損傷表における損傷(探知機)


 放射線損傷表でサイコロを振る兵器には、中間子砲粒子加速砲核弾頭を用いたミサイルがあります。
 この中で、主砲クラスの中間子砲粒子加速砲だけは、DM+6を得られます。

 放射線損傷表においても最も頻度の高い損傷は「兵器」ですが、「兵器」についての考察は、外部損傷表における損傷(兵器)の項ですでに考察済みですから、
2つめに頻度の高い損傷、「探知機」の考察を行います。


探知機−N

 N種類の探知機が破壊されます

 探知機には、能力低下のような中途半端な損傷結果が存在しませんから、耐久力は、装備されている探知機の数と同義になります。
 探知機を失うと、宇宙船は敵の探知や追跡が行なえなくなり、自動的に、戦闘不能の状態に追い込まれてしまいます。

 第2回「装甲」に関する考察で計算した、装甲DM=10の戦艦、ブランクウェル型の外部損傷と放射線損傷の期待値を見直してみると、兵器=55回の損傷を受ける間に、探知機=9回の損傷を受けていました。
 装甲DM=12の戦艦、コーキラク型の損傷期待値は、兵器=51回の損傷を受ける間に、探知機=3回の損傷でした。
 装甲DM=15の巨大戦艦、タイグレス型が探知機の損傷を受けることは、放射線損傷表では、確率的に有り得ません。

 装甲DM=10以上の戦艦でしか考察を行なっていませんが、兵器の耐久力の6分の1程度、探知機が耐久力を備えていれば、探知機だけが全滅して、兵器が残っているのに戦闘不能になったり、逆に探知機はまだ残っているのに、兵器が全滅して戦闘不能になったりする事態を、避けられるのではないかと考えます。
 せっかくなら、探知機と兵器が、同時に全滅した方が良いでしょうから。

 上記の考察は、主砲クラスの粒子加速砲で、何度も攻撃される場合に関しての考察です。
 敵が核ミサイル中間子砲ばかりを使って攻撃してくれば、状況も変わるでしょう。




放射線損傷表における損傷(コンピュータ)


 放射線損傷表において、3番目に頻度の高い損傷は「コンピュータ」です。


コンピュータ−N

 コンピュータのレベルがNレベル低下します

 コンピュータのレベルは、そのまま宇宙船の攻撃DMと防御DMに影響しますので、レベルの低下は、致命的な結果を招いてしまいます。

 と言いたいところですが、装備されているコンピュータが光ファイバー型であれば、放射線損傷表におけるコンピュータの損傷を無視できますので、実際に、コンピュータのレベルが下がることは、稀なことでしょう。

 内部損傷表での「コンピュータ−N」は、副砲クラスの中間子砲ならば、高い確率で発生しますが、主砲クラスの中間子砲では、逆に滅多に出ない損傷となっています。
 しかもコンピュータは宇宙船ならば必ず3基以上を搭載することになっているので、実際の被害は小さいもので済む筈です。




放射線損傷表における損傷(乗組員)


 放射線損傷表において、稀に「乗組員−N」の損傷を受けることがあります。
 この「乗組員−N」の損傷は、放射線損傷表以外にも、内部損傷表、致命的損傷表の中に存在します。
 それらをまとめて、ここで考察してしまうことにしました。



乗組員−N

 乗組員の部門がN個、失われます
 乗組員び部門数が、初期レベル(定員)の半分未満になってしまったら、射撃や破損箇所の応急修理は不可能になります。
 受動的防御や移動、ジャンプは可能ですが、乗組員が全滅してしまえば、それも不可能になります。

 「乗組員−N」の損傷が発生するためには、いくつか必要な条件があります。


 外部損傷表で「内部損傷」の目を出し、内部損傷表で「乗組員−N」を出すか、外部損傷表で「致命的損傷」の目を出し、致命的損傷表で「乗組員−N」を出す場合。

 これは外部損傷表における損傷(内部損傷表/致命的損傷表での振り直し)の項でも考察しましたが、主砲クラスの粒子加速砲中間子砲、あるいは核ミサイルによる攻撃が必要です。
 その期待値は、装甲DMが0の場合でも1.4%装甲DMが10.7%装甲DMが20.2%という、極めて小さい数値でした。
 そして、目標艦の装甲DMが3以上あれば、外部損傷表で「内部損傷」や「致命的損傷」を出すことはあり得ません。


 主砲クラスの粒子加速砲中間子砲で攻撃されて、放射線損傷表で「乗組員−N」を出す場合。
 その期待値は、装甲DMが0の場合で33.3%装甲DMが125.0%装甲DMが216.7%という、装甲DMが3の場合で11.1%装甲DMが45.6%装甲DMが52.8%です。
 意外なことに、副砲以下の粒子加速砲中間子砲核ミサイルによる攻撃では、放射線損傷表で「乗組員−N」が出ることは、あり得ないと分かりました。
 また例え主砲クラスの粒子加速砲であっても、目標艦の装甲DMが6以上であれば、「乗組員−N」の損傷が出る可能性は無くなります。


 中間子砲による攻撃であれば、それが主砲であっても副砲であっても、放射線損傷表と内部損傷表で「乗組員−N」を出す可能性は存在していますが、これは例外として考えます。
 中間子砲による損傷は、後の項でまとめて考察しますので、お待ちください。


 以上のようにメガトラベラーの宇宙戦闘ルールでは、中間子砲以外の兵器による攻撃で、「乗組員−1」の損傷を受けること事態が、極めて稀な事例になっているようなのです。

 そして乗組員の部門数は船体1,000トンに付き1部門ですから、7千トンの機動砲台は2万トンのバトルライダーは2020万トンの戦艦は200の耐久力を持っていることになります。
 5千トン以下の艦艇でなければ、「乗組員−N」の損傷が初期レベルの半分以上蓄積して影響を及ぼすことは、まずあり得ないのではないでしょうか。

 損害を受けることが稀で、さらに乗組員の耐久力が十分大きいとしたならば、「乗組員」の損害に備えて交代要員を用意することは、単なる無駄と思えてきました。
 CT「宇宙海軍」のルールでは、乗組員の耐久力が、乗組員人数の対数(9人以下は耐久力1、10〜99人で耐久力2、100〜999人が耐久力3、1,000人以上で耐久力4)という小さな数字でしたので、交替要員の存在は必須でしたが……。




内部損傷表における損傷(具体的な各部損傷)


 内部損傷表でサイコロを振る兵器は、中間子砲しかありません。主砲クラスの中間子砲であれば、DM+6を得られます。
 あるいは外部損傷表で「内部損傷」の目を出した時に、内部損傷表でサイコロを振ることが出来ます。


スクリーン−N

 目標艦のスクリーンの防御力がNと同じ数だけ低下します
 ただし、その被害は兵器の損傷と同じように、全種類のスクリーンで均等に分散されます。すべてのスクリーンが1の損傷を受けるまで、他のスクリーンが2つめの損傷を受けることはありません。
 スクリーンの防御力がそのまま耐久力になっています。
 予備のスクリーンを装備しておけば、耐久力は2倍に(予備が2基なら3倍に)なりますので、予備を装備することは重要でしょう。
 スクリーンの防御力が下がってしまえば、それだけ敵の攻撃を防げなくなる訳ですから、予備スクリーンの存在は、戦艦の寿命にも影響してきます。


ジャンプドライブ−N

 ジャンプドライブのナンバーがNレベル低下します
 どんな宇宙船でも、ジャンプナンバーは6が上限ですから、6回の損傷を受ければ、ジャンプ不能になります。
 恒星間宇宙船にとっては死活問題ですが、バトルライダーやモニター艦にとっては、無意味な損傷でした。
 とりあえず、戦闘の継続には影響しません。


パワープラント−N

 パワープラントの耐久力がN×10%(最低1ポイント)減少します

 耐久力が半分以下になると、主砲の発射が出来なくなり、移動力が半減します。
 耐久力がゼロになると、電力の供給が止まり、移動も戦闘も出来なくなります。

 通常ドライブもジャンプドライブも、船体さえも耐久力を持っているのに、その耐久力を使った損傷が、このパワープラントだけという現実が悲しいです。
 しかも、その損傷は耐久力の10%のN倍という形で与えられますので、実は耐久力が10でも、100でも、たとえ1,000でも関係ありません。
 「パワープラント−N」の損傷が5回で耐久力半減
 損傷が10回で機能停止という点で、共通しているからです(耐久力が10未満の場合は、もう少し早く損傷の影響が現われます)。



燃料タンク破壊

 すべての燃料が失われます
 たった1回の損傷ですべての燃料が失われてしまうのですから、極めて致命的な損傷です。
 この結果を回避するためには、バッテリーを大量に搭載して、、パワープラント無しでも1時間程度の戦闘を継続できるようにしておく必要があるでしょう。


 燃料タンクの破壊が起こらない可能性は、88.9%です。
 1回限りの損傷判定(副砲クラスの中間子砲や、外部損傷表からの内部損傷)ならば、それほど致命的な結果にはならないでしょう。

 しかしJクラスの中間子砲は内部損傷表で10回サイコロを振りますので、燃料タンク破壊が起こらない可能性は、わずか30.8%
 Tクラスの中間子砲になるとは、内部損傷表で19回サイコロを振りますので、燃料タンク破壊が起こらない可能性はさらに低く、10.7%です。

 燃料が失われてしまえば、パワープラントは停止します。
 パワープラントの電力供給が絶たれてしまえば、通常ドライブも兵器も…中略…移動不能/戦闘不能の状態に陥ります。




内部損傷表における損傷(期待値)


 内部損傷が発生する可能性は、中間子砲(主砲/副砲)による攻撃か、外部損傷表で「内部損傷」の目を出した場合にしか有り得ません。
 そして、副砲クラスの中間子砲と、外部損傷表による「内部損傷」は、どちらもDM無しでサイコロを振ります。
 その期待値を計算してみました。比較しやすいよう、命中を18回受けた場合の損傷期待値にしてあります。

外部損傷表による「内部損傷」(18回の命中)
 
乗組員−−−−−−1.50回   探知機−−−−−−5.50回
 ジャンプドライブ−2.50回
 パワープラント−−6.00回   スクリーン−−−−2.00回
 コンピュータ−−−4.50回
  
副砲クラスの中間子砲(18回の命中)
 
乗組員−−−−−−1.50回   探知機−−−−−- 16.0回
 ジャンプドライブ−2.50回   兵器−−−−−−- 15.5回
 パワープラント−−6.00回   スクリーン−−−−9.50回
 コンピュータ−−−4.50回

 探知機、兵器、スクリーンなどの損傷が目立っています。ドライブ機器の損傷も多いので、一見、こちらの方が重大な損傷を受けているように見えるかも知れません。
 しかし実際は、主砲クラスの中間子砲による損傷の方が、はるかに凶悪です。


Jクラスの中間子砲(1回の命中=10回の損傷)
 致命的損傷表−−−1.94回   探知機−−−−−−6.39回
 燃料タンク破壊−−1.11回   乗組員−−−−−−4.72回
 ジャンプドライブ−2.78回   兵器−−−−−−−2.22回
 パワープラント−−2.22回   スクリーン−−−−5.00回
 コンピュータ−−−0.56回

Tクラスの中間子砲(1回の命中=19回の損傷)
 
致命的損傷表−−−3.69回   探知機−−−−−-12.14回
 燃料タンク破壊−−2.11回   乗組員−−−−−−8.97回
 ジャンプドライブ−5.28回   兵器−−−−−−−4.22回
 パワープラント−−4.22回   スクリーン−−−−9.50回
 コンピュータ−−−1.06回

 「致命的損傷」と、「燃料タンク破壊」の結果だけでも、十分に宇宙船を移動不能/戦闘不能の状態に追い込むことがでるでしょう。

 主砲クラスの中間子砲による損傷では、乗組員の損傷が、4回〜9回程度、発生しています。
 しかし、乗組員の損傷をそれだけ与えても、2万トンのバトルライダーは戦闘の継続が可能でした。
 それ以上の船体サイズを持つ巡洋艦や戦艦には、さらに効果が薄くなりますから、やはりメガトラベラーの宇宙戦闘ルールでは、交代要員が不要のようです。




致命的損傷表における損傷(各部損傷と確率)


 致命的損傷を1回受ける度に、装甲値が1減少します。
 また、致命的損傷は応急修理の対象外ですので、後のフォロー(回収、回航、修理)が大変かも知れません。

消滅(爆発)

 宇宙船は、大爆発を起こして消滅します。
 この損傷が起こる可能性はわずか(2.8%)ですが、防ぎようもありません。
 消滅しますので、修理することも不可能です。


艦橋破壊

 艦橋を失うことで、通常ドライブによる移動も、ジャンプも出来なくなります。
 攻撃や防御射撃は、コンピュータのレベルが半分(端数切捨て)になったものとして処理します。
 予備艦橋があれば、指揮系統は瞬時に予備艦橋へ移りますので、ペナルティはありません。

 以前の私は、大型艦に必ず「予備艦橋」を備え付けていました。
 しかし艦橋破壊は、わずか5.6%しか起こらない、稀な損害ですし、これが起こった頃には、船体の他の部分もボロボロになっていることでしょう。
 ですから、最近の設計では予備艦橋を付けていません。
 その分の予算と容積を装甲やパワープラントに回した方が、ずっと効率的です。


コンピュータ破壊

 コンピュータのレベルが0になります。
 戦闘(攻撃と防御)が一気に不利になることの他、ジャンプ不能と、発進チューブによる輸送機器の発進が不可能になるというペナルティがあります。
 大抵、宇宙船にはコンピュータは3基以上が積まれていますので、それほど大きな被害にはならないでしょう。
 この損害が起こる確率も、8.3%程度です。


通常ドライブ使用不能

 通常ドライブの加速度が0になります。
 加速は出来ませんし、移動力も0になりますが、もともとの移動力が0の艦艇には、大した損傷にならないと思うのですが、艦隊行動は出来なくなります。
 起こる確率は、11.1%です。


スクリーン1種−使用不能

 攻撃した側が指定する、スクリーン1種(中間子スクリーン、核中和装置、ブラックグローブのいずれか)が、防御力0になります。
 核ミサイル中間子砲に対する防御手段として、スクリーンの存在は不可欠です。
 そのスクリーンが破壊されてしまうのですから大変なことですが、予備のスクリーンがあれば、ペナルティにはなりません。
 余裕があるならば、スクリーン発生器の予備は必ず搭載するようにしましょう。
 この損傷が起こる確率は、13.9%です。


ジャンプドライブ使用不能

 ジャンプナンバーが0になります。
 当然のことながら、ジャンプが出来ません。
 もともとジャンプドライブを搭載していないバトルライダーやモニター艦にとっては、16.7%の確率で生じる「損害なし」の項目です。
 戦闘中には何のペナルティにもなりませんが、ジャンプによる撤退が出来なくなりますし、修理することも大変です。


探知機破壊

 すべての探知機が破壊されます。
 攻撃は行なえません。
 この場合、現在、機能している探知機一揃い(能動EMS、受動EMS、質量探知機、中性微子探知機などが1基ずつ)が破壊されるのだと思います。
 予備の探知機が一揃い以上備えられていれば、深刻な事態にはならないでしょう。 
 起こる確率は、13.9%です。


パワープラント使用不能

 パワープラントの出力が0になります。
 燃料タンクの破壊と同じで、電力を消費する機器が一切動かなくなりますから、移動不能/戦闘不能の状態に陥ります。
 起こる確率は、11.1%です。


乗組員−1

 乗組員の一部門が失われます。
 放射線損傷表における損傷(乗組員)ですでに説明した通り、大型艦ならば、乗組員の耐久力が大きいので、大きな問題にはならないでしょう。
 この損害が起こる確率も、8.3%程度です。


主砲使用不能/火器管制装置使用不能

 1D6を振って、1〜3なら主砲の攻撃力が0(つまり使用不能)に、
 4〜6なら、主砲以外のすべての兵器が使用不能になります。
 応急修理が出来ない損傷ため、けっこう深刻な損傷なのですが、艦橋破壊と並んで、わずか5.6%しか起こらない稀な損害です。


交替要員死亡/兵士死亡

 1D6を振って、1〜3なら、二等寝台の交代要員と乗客が全滅。
 4〜6なら、海兵隊員や保安要員などの兵士が全滅します。
 交代要員や兵士を乗せていない宇宙船ならば「損害なし」になりますし、わずか2.8%の確率でしか、起こりません。


 致命的損傷は、1回だけでも損傷を受ければ宇宙船にとって致命的な損傷が多いのですが、その損傷部位が存在しない場合は「損傷なし」として扱われてしまうため、期待値の計算が困難です。




結論


 主砲クラスの中間子砲は、一撃で宇宙船の戦闘能力を奪うことが可能です。
 撃沈よりも、燃料タンク破壊(すべての燃料の喪失)による、移動不能/戦闘不能の状況に陥ることが多いのです。

 それで思い付いたことですが、艦隊戦が行なわれる空域には損傷艦艇回収艦が多数、待機しているのかも知れません。
 20世紀前半のテラ、WW2の北アフリカ戦線や、中東戦争で活躍した戦車回収車のように、損傷を受けて行動不能になった艦艇を回収して、後方へ運んで行くのです。
 簡単な工作設備を備えていて、輸送と同時に燃料タンクの破損を修理できるならば、損傷艦の戦線復帰も多くなるでしょう。
 輸送母艦と異なり、輸送できるバトルライダーや巡洋艦の数は1隻だけですが、損傷艦艇回収艦は、高い加速能力を持っている筈です。

 主砲クラスの粒子加速砲については、兵器の損傷、主砲火力の喪失に関して、再度、考察する必要があるようです。


 外部損傷の考察から、探知機にも予備が多数必要であること。
 放射線損傷/内部損傷の考察から、乗組員の損傷は気にしないで良いこと。
 致命的損傷の考察から、予備艦橋は不要であること。

 などが判明しました。

                                2008.06.27