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6th stage ( Sensor
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最強兵器 決定戦
第6回 (探知器)

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 水平線の向こうには、何がある?

 メガトラベラーの宇宙戦闘ルールでは、「探知」と「追跡」のルールが定義されました。
 最近まで私は、「探知/追跡」ルールを、円滑なプレイを妨げる面倒なルールだと考えており、まったく採用しませんでした。
 しかし実は、結構奥の深いルールだったのです。


 古代テラにおいて、陸地の見えない洋上へ出た戦闘艦の「探知範囲」はせいぜい半径20kmの距離に限られていました。
 惑星の表面は湾曲していますので、高いマストの頂点から見回しても、20kmの距離(相手艦のマストの先端が見えれば、2倍の40km)までしか見えなかったためです。

 そのため、洋上で敵艦を発見することは、とても難しいことでした。
 通商破壊艦海賊船は獲物の商船を見つけるために、商船の寄港地周辺で待ち伏せしたり、商船と同じ航路を何度も往復したりしたのです。

 通商破壊艦を追いかける巡洋艦にとって、条件はさらに厳しくなりました。
 通商破壊艦や海賊船は、特定の1隻を追いかける訳ではありません。
 たまたま近くを通りかかった商船が、襲いやすければ襲撃しますし、中立船舶や防備の固い商船であれば見逃して、次の獲物を探すだけです。
 しかし巡洋艦は広い海域に1隻だけしかいない(複数の活動もありえますが、商船の数よりは少ない)通商破壊艦を見つけなければいけません。
 巡洋艦に比べて、速度も戦闘能力も何もかもが劣るのに、通商破壊艦や海賊船が活躍できた一番の理由は自分が見つかりにくいこと」だったのでしょう。

 ところが20世紀の前半、飛行機という索敵手段が実用化されたことで、状況は一変しました。
 戦艦のマストの高さはせいぜい40メートルしかなかったのですが、その高さを一気に100倍することが可能になったのです(飛行機が高度4,000メートルを飛んでいると仮定した場合、水平線までの距離は、視点の高さのルートに比例しますから、高さが100倍になるので、見える距離は10倍)。
 さらに、飛行機は移動速度が速く、少ない時間で広大な範囲を索敵することが出来るようになりました(速度が20倍になれば、索敵範囲は20倍)。
 マスト高さ40メートルの巡洋艦が、15ノットで航海している場合の索敵範囲をとすれば、高度4,000メートルを、300ノットで飛行する偵察機の索敵範囲は200にも及ぶのです。
 これは通商破壊艦の捜索に、巡洋艦200隻を投入することと同じ効果を及ぼしました。
 通商破壊艦が見つかってしまう可能性も、一気に200倍です。

 一度見つけられてしまえば、通商破壊艦も海賊船も、より高速な巡洋艦に捕捉されることは、時間の問題に過ぎません。
 あるいは、水上艦艇に比べてはるかに高速で移動する航空機に攻撃され、沈められてしまうことになるでしょう。
 こうして、水上艦艇による通商破壊が可能な時代は、終わりを告げたのです。

 その一方で、飛行機と同時期に開発された兵器の中に、潜水艦魚雷がありました。
 この2つを組み合わせることで、飛行機に見つからないで活動できる「通商破壊」の方法が得られたのです。
 潜水艦は、海の中へ潜ることで、飛行機の目を逃れることができました。
 そして魚雷は従来の砲撃と異なって、目標の商船を沈めるまでに、長い時間を必要としませんし、海中に潜んだままでも発射できます。
 ついに、潜水艦による通商破壊の時代が始まりました。


 長々と説明してきましたが、これは古代テラにおける「通商破壊」手段が、どうして水上艦艇から潜水艦へシフトしたのか、その経緯を理解していただくためのものです。
 この状況を、現代(帝国暦1100年代)へ移って、考えて見ましょう。

 メガトラベラーにおける「探知/追跡」ルールを読み込んだ結果、トラベラー宇宙には「水平線」が見つかりました。
 それは、探知器の性能による「探知不能距離」の存在です。

 「探知/追跡」における距離DMは、1へクス(2万5千km)ごとに−1ですから、遠くなれば遠くなるほど、目標の発見率は下がっていきます。
 DMを加えた結果、2Dで13以上を出さなければ探知できないようになることが有り得ます。
 つまり、その距離に存在する目標は、探知不能だということを意味しています。
 この距離を「探知不能距離」と定義しました。

 この「探知不能距離」という「水平線」が存在するため、宇宙空間は予想以上に広くなります。
 主要世界(規模5〜7)の100倍直径の表面を監視するだけでも、50基の監視衛星(あるいはピケット艦)が必要になってしまうのですから(詳しくは、考察8「ピケット2」をご覧ください)。

 規模8以上の主要世界やガスジャイアントの場合、100倍直径の広さは天文学的な数にまで増えていきます。


 この広大な空間の中で、一体どうやって通商破壊艦を捜し求めれば良いのでしょう?
 20世紀テラにおける「飛行機」のような広域索敵手段は存在しませんし、6G加速より早い、高速の移動手段もないのです。
 そんなトラベラー宇宙に、「潜水艦」は必要ありません。
 それもその筈、トラベラー宇宙は、未だに「水上艦艇による通商破壊」が可能な世界だったのですから。




探知距離と成功率、限界距離


 以下の表に、能動物体探知受動物体探知受動E(エネルギー)探知それぞれの、有効距離成功率探知不能距離を示しました。


 能動物体探知の場合、遠軌道距離の探知範囲を持つ能動EMS(テックレベル9以下は、大陸距離のレーダー)と、該当テックレベル最高水準のコンピュータを装備していると仮定し、成功率を求めました。

 受動物体探知の場合、該当テックレベルの高貫通型質量探知器と、最高水準のコンピュータを装備していると仮定し、成功率を求めています(テックレベル9以下は、質量探知器が存在しないため、探知不能)。

 受動E(エネルギー)探知の場合は、該当テックレベルの中性微子探知器と、遠恒星間距離の受動EMS(テックレベル9以下は数値が怪しい)、最高水準のコンピュータを装備していると仮定して、成功率を求めています。


 「距離」は、右に載せた成功率を得られる「探知距離」を意味しています。
 例えば、テックレベル15の能動物体探知「距離5」「成功率3+」は、目標との距離が5へクス以下であれば、確実に探知可能だということを意味しています(2Dで2が出たら自動的に失敗なので、3+を確実に探知可能な成功率として扱いました)。
 テックレベル7の能動物体探知「距離1」「成功率10+」は、目標との距離が1へクスでも、2Dで10+を出さないと探知できないことを意味します。

 「視認距離」のルールによれば、1へクスの距離は「探知器を用いずとも射撃可能な距離」だそうですが、戦術級のボード・ゲームをやりこんだ経験からすると、納得できません(只の愚痴ですが)。
 「視認距離」は、同じへクス内(つまりスタックした状態)にいることを意味するのではないだろうかと私は考えています。
 つまり、距離0へクスが「視認距離」で、距離1〜2へクスが「近距離」だと、私には納得しやすいのです。

 「成功率」は、目標サイズ=中、視認レベル=中、の目標に対する成功率です。
 目標サイズ=大、視認レベル=強、の目標を探知するならば、成功率が1増えますので、結果として探知可能距離探知不能距離1ずつ増えます
 目標サイズ=小、視認レベル=弱/無、の目標を探知するならば、成功率が2減りますので、結果として探知距離探知不能距離2ずつ減ってしまいます

 「探知不能距離」は、探知が不可能(成功率13+)になる距離を示します。

    表1 能動物体探知、受動物体探知、受動エネルギー探知それぞれの
             有効距離、成功率、探知不能距離

探知側

能動物体探知

受動物体探知

受動E探知

TL

距離

成功率

不能

距離

成功率

不能

距離

成功率

不能

15

5

3+

15

5

3+

15

9

3+

19

14

4

3+

14

4

3+

14

8

3+

18

13

3

3+

13

1

5+

9

3

3+

13

12

2

3+

12

1

6+

8

2

3+

12

11

1

3+

11

1

11+

3

1

3+

11

10

1

4+

10

1

12+

2

1

4+

10

9

1

9+

5

なし

1

5+

9

8

1

10+

4

なし

1

6+

8

7

1

10+

4

なし

1

6+

8


 テックレベル14〜15においては、受動エネルギー探知が最も確実で、遠くまで探知可能な探知器です。
 私は、この探知器の能力を以って、トラベラー宇宙の視界は25万km10へクスと述べている訳なのですが。
 この性能は検出能力10kwの中性微子探知器に拠るところが大きく、某星系内ヨットのように核融合炉を持たない特殊な宇宙船、微小天体などに対しては、能動物体探知と同じ成功率まで、成功率が低下してしまう筈です。

 また、「DMはプラスマイナス8が最大値」というルールに従えば、受動エネルギー探知の難易度は「易:3+」ですから、−8のDMを適用しても、「11+」が最大値となります。
 つまり、私が「探知不能距離」と定義した19または18へクス以上の距離でも、2Dで11+の目を出せば、探知可能になっているのです(視認レベル=強ならば10+、視認レベル=弱/無は13+で絶対不可能)。
 極端な話、1パーセク離れた隣の星系にいる目標も探知できることになってしまうのですが、果たしてどう扱うべきなのでしょう。
 私としては、この探知ルールだけは「DMの最大値が8」というルールの例外にしたいと考えています。

 しかし「探知できる」とするならば、「DMの最大値が8」というルールを遵守するならば、パワープラントの出力を下げて「視認レベルを弱」にする「ディスキリ戦法」が、大きな意味を持ってきます。
 星系内の通常空間に存在する(視認レベルが中以上の)宇宙船は、例え太陽の裏側に隠れていても、軌道番号20の外側に離れていも、高い確率で居場所を把握されていると思われるからです。
 反対に、視認レベルが弱以下の宇宙船は、19または18へクス以上の距離ならば絶対に探知されません。
 無限遠の距離まで探知可能な受動エネルギー探知に、探知されるかされないか、の違いは大きいでしょう。


 テックレベル10〜13の範囲では、中性微子探知器の能力が低いために、能動物体探知受動エネルギー探知の、探知距離成功率はほぼ同じになります。
 確実に探知可能な距離は、わずか3へクス、7万5千kmしかありません。
 10へクス、25万kmにおける成功率は10+程度ですので、探知は困難です。

 テックレベル13以下の探知範囲は、テックレベル14以上での探知範囲と比べると、はるかに狭いため、アスラン艦隊やソード・ワールズ艦隊は、ピケット艦の活用が不可欠になるでしょう(そうしなければ、探知能力に勝る帝国艦隊から、一方的に撃たれてしまうことになります)。


 テックレベル9以下においては、再び、受動エネルギー探知が優勢になりました。
 しかし、確実に探知可能な距離は、存在しません。
 最大探知距離も、7〜8ヘクス(17万5千〜20万km)です。
 「視認距離」のルールを適用すると、1ヘクスの距離では自動的に探知と追跡が成功します。
 成功率は2へクス以上の距離で意味を持ってきますが、比較的、困難なことに変わりありません。




追跡ルールの誤訳について


 2008年7月31日 掲示板にて、驚くべき真実が明らかになりました。

 まず1つ目は、追跡ルールに関する私の解釈が大きく間違っていたこと(過去を振り返ってみれば良くあることですので、あまり驚くことでもありませんが)。
 そして2つ目は、HJ「レフリーズ・マニュアル」の追跡ルールに、誤訳の可能性が指摘されたことです(これは本当に驚きました)。

 その指摘をしてくださったMAG様の投稿を、下記に転載します。

> 追跡の判定の解説にある一文の
> 「行為の判定はつぎのとおりです」は誤訳の可能性が高いです。
> 原文は下記のようになります。
> 「プレイヤーの行為判定が失敗だった場合に、追跡は失敗になります。ただし下記に示す中にあるように利点がある場合もあります。
> 部分的成功:排水素、パワーは分かりますが、クラスは分かりません。
> 完全成功:排水素、パワー、クラスは分かります。
> この場合、クラスとは、Xボート、リーガル級巡洋戦艦といったものをさします」
> なお日本語ルールでは完全成功のみに「兵器の狙いをつけることができます」と書かれていますが、これは該当する英文がありません。前述の内容も含めて誤訳の可能性が高いです。
> 山中様は「完全成功でなければ」のみと書かれていますが、プレイヤー側が成功すれば、射撃は可能と考えます。


 MAG様が翻訳してくださった原文ルールを解釈すると、追跡の成功判定の結果は、次の表のようになりました。

         表2 追跡の成功判定における、成功の結果

プレイヤー側

レフリー側

成功の

射撃の

得られるデータ

成功判定

成功判定

区分

可否

クラス

排水素・パワー

成功

成功

完全成功

可能

判明

判明

失敗

部分的成功

誤認

失敗

成功

不可

不明

失敗

失敗

不明


 プレイヤー側が追跡判定に成功すれば、レフリー側の追跡判定が成功しようと、失敗しようと、目標への射撃可能です。
 目標のクラスについては、正誤をレフリー側の成功判定に依存するため、プレイヤーには「判明」か「誤認」か、分かりません。
 目標の排水素トン数パワーは、判明します。

 プレイヤー側が追跡判定に失敗すれば、目標への射撃不可能です。
 目標のクラス不明です。
 目標の排水素トン数パワーについては、レフリー側の追跡成功で「部分的成功」になっていれば
判明」しますが、レフリー側の追跡判定も失敗で「完全失敗」ならば、「不明」です。

 追跡判定に成功した場合のパワーですが、宇宙船の最大出力ではなく、その時の運転出力を伝えるべきだと思います。
 しかし、MAG様の情報では、そのことに関する記述がないそうですので、レフリーとプレイヤーの間で決めることなのかも知れません。

 クラス誤認について考えてみたのですが、プレイヤー側の追跡判定が成功すれば、目標の排水素トン数パワー正確に判明していますので、極端なクラス誤認は有り得ないでしょう。
 「100トン250Mw」と判明しているのに、クラスを「タイグレス型弩級戦艦」と答えたならば、あからさまな嘘だと分かってしまいます。
 「S型偵察艦」だと答えたとしても、パワーの大きさが違いますから、やはりばれてしまうでしょう。
 こういう場合は、正直に「Xボート」だと答えるしかないのでしょうか。




追跡距離と成功率、限界距離


 目標を射撃するためには、「探知」した目標を、「追跡(固定)」しなければなりません。
 以下の表に、能動物体追跡受動物体追跡受動E(エネルギー)追跡それぞれの、有効距離成功率追跡不能距離を示しました。


 能動物体追跡の場合、遠軌道距離の探知範囲を持つ能動EMS(テックレベル9以下は、大陸距離のレーダー)と、該当テックレベル最高水準のコンピュータを装備していると仮定し、成功率を求めました。

 受動物体追跡の場合、該当テックレベルの高貫通型質量探知器と、最高水準のコンピュータを装備していると仮定し、成功率を求めています(テックレベル9以下は、質量探知器が存在しないため、探知不能)。

 受動E(エネルギー)追跡の場合は、該当テックレベルの中性微子探知器と、最高水準のコンピュータを装備していると仮定して、成功率を求めています。


 「距離」は、右に載せた成功率を得られる「追跡距離」を意味しています。
 例えば、テックレベル15の能動物体探知「距離5」「成功率3+」は、目標との距離が5へクス以下であれば、確実に追跡可能だということを意味しています(2Dで2が出たら自動的に失敗なので、「成功率3+」の場合を確実に探知可能な成功率として扱いました)。
 テックレベル7の能動物体探知「距離1」「成功率10+」は、目標との距離が1へクスでも、2Dで10+を出さないと追跡できないことを意味します。

 「成功率」は、目標サイズや視認レベルに関わらず、一律でした(初投稿では、目標サイズ、視認レベルによって、+1〜−2の修正を加えていましたが、この修正は探知の時だけしか適用しないと判明しました)。

 「追跡」は「不確定」な行為です。
 「完全成功」と、プレイヤー側の追跡成功による「部分的成功」ならば、目標を射撃することが可能になりますので、ここではプレイヤー側の追跡成功の成功率だへを評価しました。

 「追跡不能距離」は、追跡が不可能(成功率13+)になる距離を示します。

    表3 能動物体探知、受動物体探知、受動エネルギー探知それぞれの
             有効距離、成功率、探知不能距離

探知側

能動物体追跡

受動物体追跡

受動E追跡

TL

距離

成功率

不能

距離

成功率

不能

距離

成功率

不能

15

5

3+

15

5

3+

15

5

3+

15

14

4

3+

14

4

3+

14

4

3+

14

13

3

3+

13

1

5+

9

1

5+

9

12

2

3+

12

1

7+

7

1

10+

4

11

1

3+

11

1

11+

3

1

11+

3

10

1

4+

10

0

15+

0

なし

9

1

5+

9

なし

なし

8

1

6+

8

なし

なし

7

1

10+

4

なし

なし


 テックレベル14〜15においては、能動物体追跡受動物体追跡受動エネルギー追跡のどれを用いても同じ確率で追跡が可能でした。
 逆探知される危険を避けるならば、受動物体追跡受動エネルギー追跡を用いるべきだと考えます。

 確実に射撃可能となる(プレイヤー側が追跡判定に成功する)距離は、4〜5ヘクスでした。
 また、目標の排水素とパワーが判明する距離は、射撃可能距離より2へクス多い、6〜7ヘクスでした。

 テックレベル10〜13の範囲では、質量探知器と中性微子探知器の能力が低いため、能動物体探知が最も確実な追跡手段となりました。
 追跡の成功率が大きく異なっているため、逆探知のリスクを冒しても、能動物体追跡を行なうしかないでしょう。


 テックレベル9以下においては、受動物体追跡受動エネルギー追跡の2つが不可能でした。
 能動物体追跡を行なう以外に、選択の余地がありません。


 「追跡(固定)」に成功した宇宙船の通信機が機能していれば、味方の宇宙船すべてが、その目標を攻撃可能というルールがありますので、敵味方双方の宇宙船の数が多い艦隊戦では、「探知/追跡不能距離」よりも手前にいる宇宙船は、すべてが「探知」と「追跡」に成功していると考えても良いでしょう。
 ただでさえ複雑な艦隊戦ですから、できるだけ無駄な手間を省いてプレイアビリティを向上させるべきだと考えます。

      表4 追跡によって、目標の排水素とパワーが判明する確率
             (TL=15における能動追跡受動追跡

目標までの距離(ヘクス)

7

10

11

12

13

14

成功率

3+

4+

5+

6+

7+

8+

9+

10+

11+

12+

プレイヤー側

完全成功

94.5%

84.0%

69.4%

52.2%

34.0%

17.4%

7.7%

2.8%

0.7%

0.1%

の追跡成功

部分的成功

2.7%

7.6%

13.9%

20.1%

24.3%

24.3%

20.1%

13.9%

7.6%

2.7%

プレイヤー側失敗

部分的成功

2.7%

7.6%

13.9%

20.1%

24.3%

24.3%

20.1%

13.9%

7.6%

2.7%

合計

99.9%

99.3%

97.2%

92.3%

82.6%

66.0%

47.8%

30.6%

16.0%

5.5%


      表5 追跡によって、目標の排水素とパワーが判明する確率
               (TL=13における能動追跡

目標までの距離(ヘクス)

7

10

11

12

成功率

3+

4+

5+

6+

7+

8+

9+

10+

11+

12+

プレイヤー側

完全成功

94.5%

84.0%

69.4%

52.2%

34.0%

17.4%

7.7%

2.8%

0.7%

0.1%

の追跡成功

部分的成功

2.7%

7.6%

13.9%

20.1%

24.3%

24.3%

20.1%

13.9%

7.6%

2.7%

プレイヤー側失敗

部分的成功

2.7%

7.6%

13.9%

20.1%

24.3%

24.3%

20.1%

13.9%

7.6%

2.7%

合計

99.9%

99.3%

97.2%

92.3%

82.6%

66.0%

47.8%

30.6%

16.0%

5.5%


      表6 追跡によって、目標の排水素とパワーが判明する確率
        (TL=13における受動追跡 または TL=9における能動追跡

目標までの距離(ヘクス)

 

7

成功率

 

4+

5+

6+

7+

8+

9+

10+

11+

12+

プレイヤー側

完全成功

 

84.0%

69.4%

52.2%

34.0%

17.4%

7.7%

2.8%

0.7%

0.1%

の追跡成功

部分的成功

 

7.6%

13.9%

20.1%

24.3%

24.3%

20.1%

13.9%

7.6%

2.7%

プレイヤー側失敗

部分的成功

 

7.6%

13.9%

20.1%

24.3%

24.3%

20.1%

13.9%

7.6%

2.7%

合計

 

99.3%

97.2%

92.3%

82.6%

66.0%

47.8%

30.6%

16.0%

5.5%


 テックレベル14〜15において、確実に射撃可能となる(プレイヤー側が追跡判定に成功する)距離は、4〜5ヘクスでした。
 また、目標の排水素とパワーが確実に判明する距離は、射撃可能距離よりも2へクス多い、6〜7ヘクスです。


 テックレベル13能動物体追跡を行なうならば、テックレベル15の場合と比べて、2へクス距離が短くなるだけで、ほぼ同等の追跡判定を行なえます。
 確実に射撃可能となる距離は3ヘクス。
 目標の排水素パワーが確実に判明する距離は、5ヘクスでした。


 テックレベル13受動追跡を行なう場合は、テックレベル9能動物体追跡を行なう場合と、成功率が同じです。
 確実に射撃可能となる距離は、ありません。
 目標の排水素パワーが確実に判明する距離は、1ヘクス以内です。
 1ヘクス以内の「視認距離」ならば、成功判定をするまでもなく、追跡が成功しますので、上記の距離を1ヘクスとしておくべきでしょう。




能動探知器の逆探知


 さて前述の二項でも少し述べましたが、能動探知器を使用した場合、逆探知を受ける可能性があります。
 受動EMSを作動させている宇宙船は、能動探知器を使用した宇宙船を自動的に探知することが出来ます、というルールなのですが、果たしてこれは本当なのでしょうか?
 極端な話、1パーセク離れた隣の星系で能動探知を行なった宇宙船を……以下、略。

 という訳で、レフリーズ・マニュアルに記述が見つからないのですが、実際は「逆探知」にも何らかの制限があるはずだと、私は考えます。


制限、その1
 受動EMSの探知範囲を超えた距離で、逆探知は出来ない。

 全員に納得して頂ける制限だと思いますが、受動EMSの最大探知距離が、遠恒星間距離(2パーセク)なので、あまり意味がありません。
 次のレベルの受動EMSも、最大探知距離が準恒星間距離(10万AU)ですから、軌道番号19の端から端まで探知可能でした。
 この制限ですと、隣の星系で行なわれた、3〜4年前の戦闘を観測することも可能になりますが(掲示板において、橘様から指摘されました)、それも面白そうです。


制限、その2
 受動EMSの「探知不能距離」よりも手前でなければ、逆探知は出来ない。

 テックレベルにもよりますが、7へクス(TL=7)から18へクス(TL=15)以内でなければ、逆探知が出来ないことにします。
 上記以上の距離「探知不能距離」以上の遠距離の場合は、コンピュータの処理能力や探知器測距長の限界から「この方角から強い電波を受信したが、発信源の位置や速度は分からない」ということになるでしょう。
 私はこの制限にしようと思いましたが、残念なことに、どなたからも賛成を得られていません(笑)。


制限、その3
 逆探知は自動的に成功するのではなく、きちんと判定を行なう。

 相当のルール変更になってしまいますので、同意を得ることは難しいでしょう。
 判定の難易度が同じならば、受動エネルギー探知を行なう意味がなくなりますし、その回数制限にどう対応させるかも問題です。


 非常に難しい問題ですが、この解釈の仕方によって、宇宙戦闘の形が大きく変わると思います。
 (無責任ですが)レフリーとプレイヤーの皆さんでよく話し合って決めてください。



結論


 トラベラー世界における「水平線」は、およそ10ヘクス(25万km)の距離にあることを確認できました。
 艦隊戦などで成功判定を省略するのならば、18へクス(45万km)の距離にあると見なすことも出来ます。

 追跡の確実な距離は5ヘクス(12万5千km)で、最大距離が14へクス(35万km)でした。
 兵器の最大射程が10へクス(25万km)ですから、実用上の問題はありません。


 テックレベル13以下の宇宙船にとって、「水平線」はさらに手前に存在しており、わずか4ヘクス(10万km)程度しかありません。判定を省略するならば、12へクス(30万km)です。
 アスラン艦隊やソードワールズ艦隊もそうですが、帝国内の惑星海軍の大半もテックレベル13以下ですから、色々と考え直さなければいけないようです。

 追跡の確実な距離は3ヘクス(7万5千km)で、最大距離が30万kmでした。
 成功判定を省略できる艦隊戦ならば問題にはなりませんが、小規模戦闘や、単艦戦闘の場合は、最大射程10へクス(25万km)での射撃が可能かどうか分かりません。
 また、最も確実な追跡手段が「能動物体追跡」ですので、逆探知を受けることは確実でしょう。
 自分が射撃準備状態にあることも、自動的にばれてしまいます(Qシップの場合などは、低い成功率を我慢しても、受動追跡を選択するかも知れませんが)。


 テックレベル9以下の宇宙船は、隣接しなければ(視認距離にいなければ)、目標を確実に探知することは出来ません。
 つまり「水平線」が1ヘクス(2万5千km)の視認距離になってしまいます(省略するならば、8ヘクスで20万km)。
 追跡も、隣接しなければ確実な成功は望めません。
 さらに、追跡の最大距離も8ヘクス(20万km)です。
 兵器の射程が、探知器の射程を上回るという状況になってしまいました。


 テックレベル14〜15の受動エネルギー探知の難易度から、ディスキリ戦法の有用性を発見しました。
 このルールを採用するかどうかは、ものすごく悩むのですが。


2008.06.29  投稿未遂(内輪でチェックしました)
2008.07.19  初投稿(MAG様より指摘を受け、受動質量を受動物体に変更)
         (逆探知の考察を追加しました)
2008.08.03  再投稿(追跡ルールの解釈間違いが判明しましたので、追跡の
          考察を訂正しました)