Shuttle Service 2
軌道宇宙港のシャトルサービス2
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Fig.21 95トン級シャトル(by山中)

橘様に頂いた徐行艦載艇のデータを、部分的に入れ替えて作成しました。


9.前回の続き


 前回の投稿(シャトル・サービス)が好評でしたので(「誰も褒めていないぞ」という突っ込みは却下)、調子に乗って、シャトル・サービスの第二弾を投稿します。

 前回の投稿をした時点では、大島様や橘様と共同で考えている非武装中立地帯緩衝宙域)のことしか、頭にありませんでした。
 ですから、宇宙港規模6までのシャトル・サービスを計算すればOKだと思っていたのです。
 しかし、以前にMAG様から頂いた資料を再確認して、思い出してしまいました。

 スピンワードマーチ宙域全体の貿易量を考えると、その中で宇宙港規模6以下の星系112個が占める貿易量は、わずか6.8%(15分の1)しか
ありません。
 宇宙港規模ごとに、その星系が占める貿易量の割合を見てみると、規模6+の26星系が4.3%規模7の26星系が14.2%規模7+の11星系が18.1%規模8以上の4星系が56.6%を占めていました。

 特に最後の4星系(宇宙港規模8以上)が、56.6%を占めているという事実が問題です。
 スピンワードマーチ宙域内に存在するシャトル・サービスを無作為に抽出してみたならば、その半数以上が上記4星系に存在するということになってしまうのですから。

 という訳で、宇宙港規模6よりも大きい星系に関しても、シャトル・サービスの運行形態を計算しなければなりません。

 再び、MAG様の投稿「スピンワードマーチ宙域の商用船舶」より、宇宙港規模6+の星系は年間貨物量が1,000万トン(2週間当たり39万トン)、規模7の星系は貨物量が3,000万トン(同120万トン)、規模7+の星系は貨物量が3,000万トン(同376万トン)、規模8の星系は貨物量が1億トン(表にないので、私の推定値です)となっています。
 規模8+の星系の数値は、グリッスントリンの場合は、規模8の3倍。
 モーラの場合は、規模8の3.3倍の数値を使うことになるでしょう。

 これらの数値から色々と考え、必要なシャトルの大きさと数を求めてみました。



 
10.宇宙港規模との比較



(1)400トン級大型シャトルの場合(貨物輸送)

 前回の考察でも明らかになりましたが、シャトル・サービスの会社を経営する場合、乗組員を4組以上揃え、24時間年中無休体制でシャトルを運行しなければ、黒字経営は難しいという結論が出ています。
 宇宙港規模6+以上の星系において、シャトル・サービスの主力となる宇宙船は、400トン級大型シャトルでしょう。
 4倍数の95トン級シャトルを運行する場合と比べ、運行経費は9割程度で済みますから。


 アザンティ・ライトニング型巡洋艦に搭載されている燃料シャトルのイメージで設計してみました。
 イラストを描くとしたら、400トン級R型政府指定商船から、ジャンプ・ドライブと大型ボートを取り外したような形になるでしょう。
 今回は、テックレベル13で建造しました。

 船体サイズは400トン。
 形状1の完全流線型(エアフレーム船体)。
 ドライブ装置は、スラスター駆動の3G
 貨物は299トン(95トン級シャトルの4倍強)まで搭載可能です。

 建造費は、MCr105.3。
 乗組員は、パイロットとエンジニアの2名が必要で、年間MCr0.324の維持費が掛かりました。


 今度は、需要の計算を行ないます。
 宇宙港規模6+以上の軌道宇宙港において、400トン級大型シャトルが何隻運行していれば良いのか、計算してみました。
 とりあえず、星系に持ち込まれる(星系から持ち出される)貨物の全て100%が、シャトル・サービスを利用して地上に降ろされる(あるいは持ち上げられる)という形で計算しています。

 400トン級大型シャトルを幾つかのパターンで運行した場合、宇宙港の扱う年間貨物量を捌くために必要な隻数を求めました。

表22 シャトル・サービス(貨物)の需要と供給(400トン級大型シャトルの場合)

SS_FIG22.GIF - 7,865BYTES

 テックレベル13で建造された大型シャトルの場合、為替効果を計算に入れなくても、採算の取れる運行パターンが多くなっています。
 それでも最も輸送コストの低い運行パターン、週7日、4交代制による24時間運行を行なうとすれば、年間の総輸送量は130万6千トンになりました。

 宇宙港規模8ならば、400トン級大型シャトルが230隻
 規模7+ならば、77隻
 規模7ならば、23隻
 規模6+ならば、8隻で、十分に貨物の輸送需要を満たせるということです。

 宇宙港規模6+以上の星系ならば、400トン級大型シャトルは運行可能であり、規模7以上ならシャトル・サービスの主力として活躍していると思われます。

 貨物の輸送需要には波がありますから、実際には、上記の1.2〜1.5倍程度の数が運用されていると考えられるでしょう(稼働率は80%〜67%という数字になりますが、週7日、4交代制による24時間運行ならば、稼働率は45%まで大丈夫です)。



(2)95トン級シャトルの場合(貨物輸送)

 標準型の、95トン級シャトルです。
 テックレベル13で設計し直しました。

 船体サイズは95トン。
 同じく、形状1の完全流線型(エアフレーム船体)としました。
 ドライブ装置は、スラスター駆動の3G
 貨物は70トンを搭載可能です。

 建造費は、MCr24.48。
 乗組員はパイロットとエンジニアの2名が必要で、年間MCr0.123の維持費が掛かります。


 95トン級シャトルが運行した場合、運行隻数がどれだけ必要か、同じ様に計算してみました。

 表23  シャトル・サービス(貨物)の需要と供給(95トン級シャトルの場合)
  

SS_FIG23.GIF - 7,862BYTES

 最も輸送コストの低い運行パターン、週7日、4交代制による24時間運行の場合、年間の総輸送量は30万6千トンです。
 その場合の必要な稼働率は、およそ50%というところでしょうか。

 宇宙港規模8ならば、95トン級シャトルが981隻
 規模7+ならば、327隻
 規模7ならば、99隻
 規模6+ならば、33隻で、貨物の輸送需要を満たせました。 

 宇宙港規模6+の星系ならば、95トン級シャトルはシャトル・サービスの主力として活躍できますが、規模7以上の星系では、脇役となってしまうようです。
 いっそのこと、旅客輸送専門に特化するという対策も考えられますね。



(3)40トン級徐行艦載艇の場合(貨物輸送)

 小規模宇宙港に対応させるため、小型化したシャトルです。
 これもテックレベル13で再設計しました。

 船体サイズは40トン。
 形状1の完全流線型(エアフレーム船体)。
 ドライブ装置は、スラスター駆動の2G
 貨物は31トンを搭載可能です。

 建造費は、MCr9.85。
 乗組員はパイロットとエンジニアの2名が必要で、年間MCr0.095の維持費が掛かります。

 40トン級徐行艦載艇が運行した場合、運行隻数がどれだけ必要か、同様に計算してみました。


 表24  シャトル・サービス(貨物)の需要と供給(40トン級徐行艦載艇の場合)

SS_FIG24.GIF - 7,852BYTES

 最も輸送コストの低い運行パターン、週7日、4交代制による24時間運行の場合、年間の総輸送量は13万5千トンでした。
 採算を維持するために必要な稼働率は、60%まで増加しています。

 宇宙港規模8ならば、40トン級徐行艦載艇が2,216隻
 規模7+ならば、739隻
 規模7ならば、222隻
 規模6+ならば、74隻で、貨物の輸送需要を満たせました。

 しかし宇宙港規模6+以上の星系において、40トン級の徐行艦載艇は、滅多に見かけないシャトルになっているでしょう。




(4)20トン級大型ボートの場合(貨物輸送)

 さらに規模の小さな、シャトル・サービスです。

 船体サイズは20トン。
 形状1の完全流線型(エアフレーム船体)。
 ドライブ装置は、スラスター駆動の1G
 貨物は16トン(95トン級シャトルの4分の1弱)を搭載可能。

 建造費は、MCr7.54。
 乗組員はパイロットとエンジニアの2名が必要で、年間MCr0.082の維持費が掛かります。

 20トン級大型ボートが運行した場合、運行隻数がどれだけ必要か、同様に計算してみました。


 表25 シャトル・サービス(貨物)の需要と供給(20トン級大型ボートの場合)

SS_FIG25.GIF - 7,925BYTES

 最も輸送コストの低い運行パターン、週7日、4交代制による24時間運行の場合、年間の総輸送量は7万トンでした。

 宇宙港規模8ならば、20トン級大型ボートが4,293隻
 規模7+ならば、1,431隻
 規模7ならば、429隻
 規模6+ならば、143隻で、貨物の輸送需要を満たせます。

 宇宙港規模6+以上の星系において、20トン級の大型ボートも見かけないシャトルになっているようでした。




(5)95トン級シャトルの場合場合(旅客輸送)

 旅客の輸送は、貨物の輸送に比べ、極めて小さな容積しか必要としていません。
 ですから、旅客輸送の需要は、極めて小さい数値になっています。
 旅客の全員を「ゆったり」で輸送するとしても、

 宇宙港規模8の星系の場合、年間貨物量3億トンに対して、旅客は1,363万トン(4,600万人分)。
 宇宙港規模7+の星系は、年間貨物量1億トンに対して、旅客は415万トン(1,400万人分)。
 宇宙港規模7の星系は、年間貨物量3,000万トンに対して、旅客は75万6千トン(255万人分)。
 宇宙港規模6+の星系は、年間貨物量1,000万トンに対して、旅客は20万7千トン(70万人分)。

 シャトル・サービスの旅客輸送は、貨物の輸送に比べて(宇宙港規模6+で)2.1%〜(宇宙港規模8で)4.5%の容積しか必要としません。


 上記(2)〜(4)において、95トン級シャトル以下の小規模なシャトルでは、宇宙港規模6+以上の星系で、貨物輸送を担うことが困難だと判明しました。
 もっと採算の良い、大型シャトルの運行が可能なのに、わざわざ割高な小型シャトルを運行する企業は無いでしょう。

 そこで、今度は旅客輸送に特化したシャトル・サービスについて考えます。

 95トン級シャトルが「ゆったり」の客席を200席(貨物は10トンまで減少)。
 40トン級徐行艦載艇が「適度」な客席を120席(貨物は4トンまで減少)。
 20トン級大型ボートが「ゆったり」の客席を40席(貨物は4トンまで減少)備えている場合を考えました。


  表26 シャトル・サービス(旅客)の需要と供給(95トン級シャトルの場合)

SS_FIG26.GIF - 7,675BYTES

 旅客輸送に特化した95トン級シャトルの場合、週7日、4交代制による24時間運行によって、87万4千人の旅客を輸送できます。

 宇宙港規模8ならば、95トン級シャトルが53隻
 規模7+ならば、16隻
 規模7ならば、3隻
 規模6+ならば、0.8隻で、旅客の輸送需要を満たせるでしょう、と言いたいところですが、前回の考察でも述べたように、旅客の輸送需要には「波」がありました。
 客席の稼働率100%近くの高い数字になっているならば、多くの旅客がシャトルに乗るまで長い時間を待たされることになってしまうでしょう。
 95トン級シャトルの客席は「ゆったり」ですから、客席の稼働率14.8%になっても、貨物輸送と同レベルの採算が期待できるのです。

 客席の稼働率14.8%になっても良いという前提で、必要なシャトルの数を再計算すると、
 宇宙港規模8ならば、95トン級シャトルが356隻
 規模7+ならば、108隻
 規模7ならば、19隻
 規模6+ならば、5隻まで数が増えても、採算が取れていることになります。




(6)40トン級徐行艦載艇の場合(旅客輸送)

 旅客輸送に特化した40トン級徐行艦載艇は、120人分の「適度」な座席を備えています。


 表27 シャトル・サービス(旅客)の需要と供給(40トン級徐行艦載艇の場合)

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 旅客輸送に特化した40トン級徐行艦載艇の場合、週7日、4交代制による24時間運行によって、52万4千人の旅客を輸送できます。

 宇宙港規模8ならば、40トン級徐行艦載艇が88隻
 規模7+ならば、27隻
 規模7ならば、5隻
 規模6+ならば、1.3隻で、旅客の輸送需要を満たせました。

 しかし、40トン級徐行艦載艇の客席は「適度」ですから、客席の稼働率11.1%になっても、貨物輸送と同レベルの採算が期待できます。

 客席の稼働率11.1%になっても良いという前提で、必要なシャトルの数を再計算すると、
 宇宙港規模8ならば、40トン級徐行艦載艇が791隻
 規模7+ならば、241隻
 規模7ならば、43隻
 規模6+ならば、12隻まで数が増えても、採算が取れることになりました。



(7)20トン級大型ボートの場合(旅客輸送)

 旅客輸送に特化した20トン級大型ボートは、40人分の「ゆったり」した客席を備えています。


 表28 シャトル・サービス(旅客)の需要と供給(20トン級大型ボートの場合)

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 旅客輸送に特化した20トン級大型ボートの場合、週7日、4交代制による24時間運行によって、17万5千人の旅客を輸送できました。

 宇宙港規模8ならば、20トン級大型ボートが263隻
 規模7+ならば、81隻
 規模7ならば、15隻
 規模6+ならば、14隻で、旅客の輸送需要を満たせます。

 20トン級大型ボートの客席は「ゆったり」ですから、客席の稼働率14.8%になっても構わないという前提で、必要なシャトルの数を再計算すると、
 宇宙港規模8ならば、20トン級大型ボートが1,779隻
 規模7+ならば、541隻
 規模7ならば、98隻
 規模6+ならば27隻まで、数が増えました。




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Fig.29 20トン級大型ボート(by橘)




11.シャトル・サービスのサンプル



(1)宇宙港規模6+の星系

 非武装中立地帯(緩衝宙域)に最も近い宇宙港規模6+の星系はケリオン星系なのですが、この星系はゾダーン連盟の星域首都ということですので、私の計算を適用できるか分かりません。
 安全確実な帝国領内の星系に限ると、ヴィリス星域の首都フレンジーか、リジャイナ星域の富裕世界ヨーリが、宇宙港規模6+に該当しています。

 この星系で運行しているシャトル・サービスの規模を、1.25倍の安全率(稼働率は80%に相当)を用いて考えました。


 前項までの考察から、最も経済的な400トン級大型シャトルを利用します。
 その場合、貨物専用の大型シャトルが、定期整備や故障時の予備を含めて、11隻で定期運行しているでしょう。
 シャトルの1隻は常に定期整備中という計算になりますので、実質的な数は10隻
 7.7隻÷10隻77%ですから、稼働率は見込みの80%よりもほんの少しだけ低く、77%になってしまいました。
 400トン級大型シャトルが、採算を維持するために必要な稼働率は40%ですから、採算は取れていますし、商船の集中や故障などのトラブルに対応するため、十分な余裕も確保できています。

 地上と軌道宇宙港との往復頻度は、毎日120便(1時間当たり5便)になりました(貨物が無ければ、シャトルは欠航)。
 何らかのトラブルでシャトルが1隻動かなくなっても、1時間当たり4.5便を保障できます。


 旅客輸送のためには、旅客輸送に特化した40トン級徐行艦載艇12隻、用意しておかなければなりません。
 定期整備や故障が起きた場合は、1〜2隻が運休することになります。
 最低でも10隻の徐行艦載艇が年中無休で動いていますから、毎日120便(毎時5便)が保障されました。

 1時間当たりの、最大旅客輸送量は600名(=120名×5隻)。
 大型客船(旅客1,000人)が入港した場合には、少し、混雑してしまうようですが、これは仕方ないことでしょう。
 2時間あれば1,200名の旅客を運べるのですから、旅客から強い不満が出るとは思えません。



(2)宇宙港規模7の星系

 非武装中立地帯(緩衝宙域)に最も近い宇宙港規模7の星系はエクストーレイ星系、あるいは、ヴィリスガーダ=ヴィリス星系です。
 有り難いことに、上記の3星系は帝国領内でした。
 この星系で運行しているシャトル・サービスの規模を、1.25倍の安全率(稼働率は80%に相当)を用いて考えます。


 今回も、最も経済的な400トン級大型シャトルを利用します。
 サプリメント「あなたも宇宙港オーナーになれるかな?」によれば、1千トン級のシャトルも存在するとのことでした。
 このサプリメントに拠れば、地上宇宙港を利用できる宇宙船の上限は1千トンだそうですから、上限ぎりぎりのシャトルも有り得るのでしょう。
 しかし何となく、私の美意識(単なる趣味)が、それを許しません。
 貨物専用の400トン級大型シャトル30隻で定期運行していることにしました。
 シャトルの1〜2隻は常に定期整備中という計算になりますので、実質的な数は28〜29隻
 23.0隻÷29隻79.3%ですから、稼働率は80%前後を実現しています。

 地上と軌道宇宙港との往復頻度は、毎日300便強(1時間当たり14便)になりました。
 シャトルの2割、7隻がトラブルで動かなくなったとしても、1時間当たり10便以上を維持できますし、貨物の輸送需要も満たすことができるでしょう。


 旅客輸送のためには、旅客輸送に特化した40トン級徐行艦載艇12隻95トン級シャトル12隻、用意しました。
 定期整備や故障が起きた場合は、1〜2隻が運休することになります。
 最低でも20隻のシャトルと徐行艦載艇が動いていますから、毎日240便(毎時10便)が保障されました。

 1時間当たりの、最大旅客輸送量は1,600名(=120名×5隻+200名×5隻)。
 大型客船(旅客1,000人クラス)が入港しても、1時間以内に全てを輸送することができます。
 問題になりそうな点は、宇宙港規模7の星系では6時間毎に1隻大型客船の入港があることでしょうか。
 中型客船(旅客100〜500人)も数に入れれば、3時間に2隻の頻度で客船の入港があることになりました。
 これらの客船の入港がうまく分散してくれれば良いのですが、1時間に数隻の入港が集中してしまったような場合は、ちょっと怖いことになるでしょう。



(3)宇宙港規模7+の星系

 非武装中立地帯(緩衝宙域)に最も近い宇宙港規模7+の星系は、リジャイナ星域の首都リジャイナと、ジュエル星域の首都ジュエル星系です。
 この星系で運行しているシャトル・サービスの規模を、1.25倍の安全率(稼働率は80%に相当)を用いて考えました。


 今回も、最も経済的な400トン級大型シャトルを利用して、貨物専用に100隻が定期運行していることにしました。
 シャトルの3〜4隻は常に定期整備中という計算になりますので、実質的な可動隻数は96隻
 76.6隻÷96隻79.8%ですから、今回も稼働率を80%前後にできました。

 地上と軌道宇宙港との往復頻度は、毎日1,000便以上(1時間当たり48便)になりました。
 ものすごい往復頻度ですが、それぞれの便は行き先(地上宇宙港)が違ったりするのでしょうか。


 旅客輸送には、旅客輸送に特化した95トン級シャトルが、50隻必要です。
 シャトルの2〜3隻は常に定期整備中という計算になりますので、実質的な可動隻数は47隻
 最低でも47隻のシャトルが動いていますから、毎日560便以上(毎時23.5便)が保障されました。

 1時間当たりの、最大旅客輸送量は4.700名(=200名×23.5隻)。
 大型客船(旅客1,000人クラス)4隻が同時に入港しても、1時間以内に全てを輸送することができます。
 宇宙港規模7+の星系では2時間毎に1隻大型客船の入港があり、中型客船(旅客100〜500人)も数に入れれば、1時間に4隻以上の頻度で客船の入港があることが分かりました。
 しかし、それらの旅客を捌くことは、十分に可能でしょう。

 上記で示した平均値の2倍、大型客船(旅客1,000人)1隻、中型客船9隻(旅客500人×2隻、100人×7隻)が、わずか1時間で入港したとしても、旅客の数は、2,700人に過ぎません。
 シャトル客席の稼働率は、57.4%です。
 ひょっとしたらシャトルの数を半分に減らしても、まだ大丈夫かも知れません。



(4)宇宙港規模8の星系

 宇宙港規模8以上の星系は、スピンワードマーチ宙域全体でもモーラフォーニスグリッスントリン星系の4つしかありません。
 どの星系も、緩衝宙域からは遠く離れています。
 この星系で運行しているシャトル・サービスの規模を、1.25倍の安全率(稼働率は80%に相当)を用いて考えました。


 最も経済的な400トン級大型シャトルを利用して、貨物専用に300隻が定期運行していることにします。
 シャトルの10〜12隻は常に定期整備中という計算になりますので、実質的な可動隻数は288隻
 230隻÷288隻79.9%ですから、今回も稼働率を80%前後に保てました。
 地上と軌道宇宙港との往復頻度は、毎日3,000便以上(1時間当たり144便)になります。


 旅客輸送には、旅客輸送に特化した95トン級シャトルが、100隻必要です。
 シャトルの3〜4隻は常に定期整備中という計算になりますので、実質的な可動隻数は96隻
 最低でも96隻のシャトルが動いていますから、毎日1,000便以上(毎時48便)が保障されました。

 1時間当たりの、最大旅客輸送量は9,600名(=200名×48隻)。
 大型客船(旅客1,000人クラス)9隻が同時に入港しても、1時間以内に全てを輸送することができます。
 宇宙港規模8の星系では1時間に2隻大型客船の入港があり、中型客船(旅客100〜500人)も数に入れれば、1時間に14隻以上の頻度で客船の入港があることが分かりました。

 上記で示した平均値の2倍、大型客船(旅客1,000人)4隻、中型客船25隻(旅客500人×4隻、100人×21隻)が、わずか1時間で入港しても、旅客の数は8,100人です。
 シャトル客席の稼働率は、84.4%
 まだまだ大丈夫でしょう。


 宇宙港規模8の星系で運行する旅客専用シャトル・サービスの場合、客席の稼働率が平均で54.9%だと判明しました。
 貨物輸送に比べて、何倍も儲かります。
 シャトル・サービス同士での競争も激しいのでしょうね。

 21世紀テラ、極東某国のタクシー業界を連想してしまいました。
 様々な規制により、シャトル・サービス間の自由競争や新規参入が、妨害されている星系もあるでしょう。
 逆にそれらの規制が取り払われた結果、過当競争によってシャトル・サービスの品質が落ちている(整備が不十分だったり、パイロットが超過労働を行なっていたりする)企業も出てくる筈です。
 利用者にとっては、どちらの星系が理想的なのでしょうか。
 適度な競争が存在し、サービスの品質も維持されているという状態が理想的なのですが、大抵、両極端のどちらかに陥っていると思うのですが。



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Fig.30 95トン級大型シャトル(by山中)




12.95t級−帝国標準型シャトル(TL=13)

 「帝国百科」に掲載されている95トン級シャトルを、テックレベル13で作り直してみました。
 帝国標準型なのだから、テックレベル15だという可能性もあるのですが、「スピンワードマーチ宙域の貨物船」で述べました通り、テックレベル15の造船所は、恒星間宇宙船(主に軍用艦艇と小型/中型商船)の建造で手一杯です。
 必然的に優先順位の低い民間商船非恒星間宇宙船の建造は、テックレベル14以下の造船所へ回されていると考えました。

 貨物輸送用のシャトルとしての利用は、宇宙港規模6の星系でなければ需給バランスが取れませんので、規模6+以上の星系では有り得ません。
 旅客輸送用のシャトルとしては、宇宙港規模7以上の星系から利用されるようになるでしょう。


 船体サイズは95トン。
 形状は、コード1(針状)の完全流線型船体(エアフレーム船体)。
 シャトルですから当然のこと、大気圏への突入も、海面への着水も可能です。

 ドライブ装置は、3Gのスラスター駆動。
 燃料タンクは7.7トンの容積を持ち、無補給で連続14日間の通常航行が可能です。

 武装はありません。

 コンピュータのモデルは1。
 乗組員は、パイロットとエンジニアの2名が必要です。

 貨物は、70トンを搭載できました。
 貨物輸送専門なので、旅客用の設備はありません。

 改造型としては、「ゆったり」の客席100を装備したタイプ(帝国百科に記載されているもの)と、「ゆったり」の客席200を装備した旅客特化タイプ(上記の考察で使用したもの)があります。

Claft Id : 95_ton Class Standerd Shttle
 from LSP.Ship's
ID code:

Hull:


Power:

Loco:

Commo:

Sensors:



Off:

Def:

Control:




Accom:

Other:


95トン級標準型シャトル TL=13 MCr=30.60

86/214 排水素=95トン 形状=1針状/エアフレーム型
 装甲=40F 重量=877トン 総重量=1,830トン

5/10 核融合=621Mw 航続=14/42日間

7/14 通常=スラスター3G 移動力=0

電波式=星系内距離×1

受動EMS=惑星間距離×1  能動EMS=惑星距離×1
  能動物体探知          = 難   能動物体追跡         = 難
  受動エネルギー探知 = 並

なし

防御DM =+3  装甲DM = 0  致命的命中回数 = 0

コンピュータ=モデル1×3(標準型)  パネル=ホロ・リンク型×2
  追加=ヘッドアップ・ホロ・ディスプレイ×2
  基本環境、基本生命、高度生命、重力プレート、重力補正器
  エアロック1

乗組員2(艦橋1、エンジニア1) ゆったり×2

船倉=70トン   燃料=7.7トン 燃料スクープ搭載
  目標サイズ = 小  視認レベル = 弱
  量産価格MCr = 24.48
 




13.40t級−帝国標準型−徐行艦載艇(TL=13)

 同じく「帝国百科」に掲載されている40トン級の徐行艦載艇を、テックレベル13で作り直してみました。

 宇宙港規模6+の星系では、旅客輸送の主力になっていると思われます。

 また、私の趣味で、自分が設計した移民船や旅客船などには、非常用の救命艇として多数を搭載しました。
 その場合、徐行艦載艇の貨物スペースには、1トン当たり6名の乗客(窮屈×6)が乗れるように、必要な改造が施されているとします。


 船体サイズは40トン。
 形状は、コード1(針状)の完全流線型船体(エアフレーム船体)。
 大気圏への突入も、海面への着水も可能です。

 加速能力は2G。
 燃料タンクは2.2トンの容積を持ち、無補給で連続14日間の通常航行が可能です。

 武装はありません。

 コンピュータのモデルは1。
 乗組員は、パイロットとエンジニアの2名が必要です。

 貨物は、31トンを搭載できます。
 これも貨物輸送専門なので、旅客用の設備を備えていませんが、宇宙港規模の大きい星系では、「適度」な座席120を装備した改造型が存在しているでしょう。
 その場合、貨物搭載量は4トンだけになります。

 改造型には、「適度」の座席50を装備したタイプ(帝国百科に記載されているもの)があります。

Claft Id : 40_ton Class Slow Pinace
 from LSP.Ship's

ID code:

Hull:


Power:

Loco:

Commo:

Sensors:



Off:

Def:

Control:




Accom:

Other:


40トン級標準型徐行艦載艇 TL=13 MCr=12.31

36/90 排水素=40トン 形状=1針状/エアフレーム型
 装甲=40F 重量=345トン 総重量=766トン

2/3 核融合=180Mw 航続=14/42日間

2/4 通常=スラスター2G 移動力=0

電波式=星系内距離×1

受動EMS=惑星間距離×1  能動EMS=惑星距離×1
  能動物体探知          = 難   能動物体追跡         = 難
  受動エネルギー探知 = 並

なし

防御DM =+3  装甲DM = 0  致命的命中回数 = 0

コンピュータ=モデル1×3(標準型)  パネル=ホロ・リンク型×2
  追加=ヘッドアップ・ホロ・ディスプレイ×3
  基本環境、基本生命、高度生命、重力プレート、重力補正器
  エアロック1

乗組員2(艦橋1、エンジニア1) ゆったり×2

船倉=31トン   燃料=2.2トン 燃料スクープ搭載
  目標サイズ = 小  視認レベル = 弱
  量産価格MCr = 9.85
 




14.20t級−帝国標準型−大型ボート (TL=13)

 同じく「帝国百科」に掲載されている20トン級の大型ボートを、テックレベル13で作り直してみました。

 宇宙港規模6+以上の星系では、大型のシャトルに押されて、シャトル・サービスとしての需要が全くありません。
 しかし、裕福な企業や個人が、地上と軌道との間を連絡するために保有している(不定期に運行している)可能性はあるでしょう。
 あるいは、寄港している商船から、小規模な貨物/旅客輸送のため発進して来た、という状況も考えられます。


 船体サイズは20トン。
 形状は、コード1(針状)の完全流線型船体(エアフレーム船体)。
 大気圏への突入も、海面への着水も可能です。

 加速能力は1Gしかありません。

 燃料タンクは0.40トンの容積を持ち、無補給で連続6日間の通常航行が可能です。

 武装はありません。

 コンピュータのモデルは1。
 乗組員は、パイロットとエンジニアの2名が必要です。

 旅客用に「ゆったり」の座席を40装備しており、貨物4トンを搭載できました。


 改造型としては、「ゆったり」の座席を20装備し、貨物を10トン輸送できるタイプがあります。便宜上、標準型と呼んでいますが、帝国百科に記載されているもののことです。

Claft Id : 20_ton Class Life Boat from LSP.Ship's
ID code:

Hull:


Power:

Loco:

Commo:

Sensors:



Off:

Def:

Control:




Accom:

Other:


20トン級標準型大型ボート(救命艇) TL=13 MCr= 7.54

18/45 排水素=20トン 形状=1針状/エアフレーム型
 装甲=40F 重量=163トン 総重量=217トン

1/2 核融合=60Mw 航続=6/18日間

1/1 通常=スラスター1G 移動力=0

電波式=星系内距離×1

受動EMS=惑星間距離×1  能動EMS=惑星距離×1
  能動物体探知          = 難   能動物体追跡         = 難
  受動エネルギー探知 = 並

なし

防御DM =+3  装甲DM = 0  致命的命中回数 = 0

コンピュータ=モデル1×3(標準型)  パネル=ホロ・リンク型×2
  追加=ヘッドアップ・ホロ・ディスプレイ×1
  基本環境、基本生命、高度生命、重力プレート、重力補正器
  エアロック1

乗組員2(艦橋1、エンジニア1) ゆったり×42

船倉=4トン   燃料=0.40トン 燃料スクープ搭載
  目標サイズ = 小  視認レベル = 弱
  量産価格MCr = 6.03
 




2009.04.02 投稿前のチェック。
2009.04.09 初投稿