エポックウォーゲームエレクトロニクス8
EWE ミッドウェー沖海戦



 EWEシリーズに関しては、詳しい説明は「EWE バルジ大作戦」で行ったので、ここでは省略する。

 本作はEWEシリーズの海戦第2作目で、前のが日露戦争時の日本海の海戦というマイナーなテーマだったが、今作ではミッドウェーという海戦の中でも最もメジャーなテーマに挑んできた。
ところでミッドウェー海戦といえば、なんと言っても索敵がポイントである。
なにしろ史実では戦力で大幅に上回っていた日本軍が決定的な敗北を喫しているのである。敗北の原因は色々あるが、その中でも大きかったのが日本軍の索敵の失敗にあった。
つまり索敵ルールが無くてはシミュレーションとは言えないテーマなのである。
 このミッドウェー沖海戦は、その索敵ルールを手軽に表現する方法として、一風変わったシステムを採用してきた。
そのシステムのポイントは、策敵される側であるアメリカ軍も自分の艦隊の場所が分からないというところである。
アメリカ軍はマップ上の9箇所のエリアのどこかにおり、発見されて初めてどのエリアにいるのか決定されるようになっているのだ。

自分の位置が分からないと言うのは滅茶苦茶な気もするが、エリアは限られているし、なにより手軽で、索敵システムであるにも関わらずソロプレイが可能というのがすごい(笑)。
化夢宇留仁はアバロンヒル社の「ミッドウェー」も、同じく「日米航空母艦の戦い」も持っているのだが、ソロプレイが出来ないのでほこりを被っており、そのストレスがたまっていたのか、オークションで今作「ミッドウェー沖会戦」を見つけて思わず落札してしまったのである(笑)。
 ちなみに日本軍は最初からアメリカ軍にも居場所がばれている。ここはプレイを簡単にするためと、史実を再現するための両方の理由から正しい選択だと思う。
ただし残念なのは日米の戦力差がほとんど表現されていないところである。
ユニット数の関係で仕方がなかったのだろうが、日本軍にはもっと空母が欲しかった。

 今のところ2回プレイしてみたが、1回目は日本軍の圧勝。2回目は引き分けとなった。
どちらも2ターン目にしてアメリカ艦隊が発見されていたので、通常よりも米軍が不利な展開だったと言える。
アメリカ軍は発見されない限りは9つのエリアのどこか(ランダム決定)から自由に航空機を発進させることが出来るのだ。
索敵の成否はランダムなので、プレイヤーの意志に関わらず大きく展開が左右される。
 また天候が各プレイヤーターン毎に決定されるというのも大きい。
晴れならいいが、1/3の確率でなるスコール時には航空機から船に対する攻撃が行えないのだ。
したがって自分のターンは全て晴れ。相手のターンは全てスコールということもあり得て、その場合は晴れのプレイヤーが圧倒的に有利になる。
 この辺はあまりにもランダムの影響が多すぎて、シミュレーションゲームというにはちょっと考えさせられるところだが、ゲームとしては盛り上がるのは間違いなく、EWEシリーズの企画意図からすれば非常によくできたゲームと言えると思う。
ただしミッドウェー沖海戦はEWEシリーズの中ではルールが複雑な方で、特に電子判定装置を様々な読み方をするところはゴチャゴチャしていて分かりにくいので、結果対象年齢は少し高くなる。それを考えると企画と微妙にずれてしまっているような気もして微妙なところである。