アグリコラ



 「アグリコラ」は基本的には「ストーンエイジ」と同じくワーカープレイスメント(各プレイヤーがいくつかある自分のコマを1個ずつ置くことでそのラウンドのアクションを選択するシステム。置き場所は早い者勝ち)だけのゲームで、選んだアクションでなにをするかはそれぞれのカードに書かれているのでルール説明は一瞬で終わる。
ちまたでルールが難しいとか言われているのは大きな勘違いである。しかし説明書はおそろしく分かりにくいので、そこは覚悟する必要がある(汗)。
上記のように実に簡単なルールの「アグリコラ」だが、そのルールを使って如何にうまく立ち回るかは、少々頭を使わされるのだ。



 画像は初級ゲーム開始時の状態。
5人までできるゲームなのだが、通常の炬燵サイズのテーブルでは3人が限界なのは見ての通りである(笑)。
 ゲームスタート時に各プレイヤーが持っている2つのコマは農夫の夫婦を表している。
これから夫婦2人でなにもない農場を開拓してゆくのだ。


 このように選択肢であるカードが並んでいるところに、1個ずつコマ(農夫)を置くことで、アクションを決定、実行する。
右上の方に見えている白くてなんだかよく分からない形のコマは羊で、このカードに農夫を置けば手に入れることができる。
その下の方に置かれているのはそれぞれ木材、レンガ、葦、食料である。
これらのコマを置いているマスは、毎ラウンド開始時に一定数が補充されるので、誰も取らないとどんどん増えてゆくことになる。
 行えるアクションは毎回増えてゆき(ラウンド最初にカードをめくって配置する)、選択肢が増えてゆく。
右下の「収穫」の文字はゲームの区切りであり、画面では4ラウンド終了時に「収穫」があることが分かる。
「収穫」時には文字通り畑から収穫があるのに加え、農夫1人につき2つの食料マーカーを消費し、また同じ種類の家畜を2匹以上飼っていたら繁殖して1匹増える。
「収穫」はゲームが進むに連れて頻繁に発生してゲームのテンポを上げてゆく。
14ラウンドが終了したらゲーム終了で、農場の状況に応じた点数計算を行うことになる。

 牧場の例。 柵の中の羊が可愛い(笑)。
もちろん材料次第でもっと広い牧場を作ることもできる。
 そしてその横が受け取ると不幸になる、または不幸だと受け取ることになる(笑)「物乞いカード」
このカードは「収穫」時に食料が足らないと、足らない食料1つにつき1枚、強制的に受け取らされてしまうもので、ゲーム終了時に-3ポイントのペナルティとなる。
通常このカードを受け取ってしまったらまず勝てない。

 こちらは「大きな進歩」カード。
「アグリコラ」には他にも「小さな進歩」と「職業」のカードがあるが、初級ゲームでは後者2種は使用しない。
「大きな進歩」は文字通り農夫の生活を劇的に進歩させるもので、例えば家畜や野菜を料理できるようになったり、パンを焼けたり、その他様々な工芸品を売って食料を得たりすることができるようになる。
逆に言えばこれらがなければ家畜は食べられないし、小麦も生でかじるしかないのだ(汗)。

 ある時の化夢宇留仁農場。
家畜はゼロ(汗)。
しかし畑を2面耕して、小麦を植えている。
この2面の畑というのが実は非常に貴重なのだ。
 「アグリコラ」の農業はほんとうに苦しい。
パンを得るためには、小麦を手に入れ(1アクション)、畑を耕し(1アクション)、種をまき(1アクション)、収穫時に畑1面につき1つの収穫を得る。そしてパンを焼くのにも1アクション消費する。
とにかく手間が掛かる上に、収穫が畑1面につき1個というのが非常にきつい。
種をまいても収穫時に増えないのだ。
増やそうと思えば飢えをしのいでなんとか小麦を残し、2面以上の畑に種をまく必要があるのだ。最初の2個の農夫コマではそれを成し遂げようと思えば当座の食料を手に入れる暇もなく、いきなり「物乞い」をするはめになりかねない。
そんな中でなんとかたどり着いた2面の畑に種がまかれているのはほんとに感慨深い物がある(笑)。
しかしこのままでは収穫した麦をやっぱり生でかじるしかないので、なんとか調理設備を手に入れようと、スタートプレイヤーの権利を手に入れようと思えば、それも1アクション消費する(汗)。

 ゲーム終了時の化夢宇留仁の農場。
厩を牧場以外にも建てて、未使用スペースは0。
羊に加えて牛とイノシシも飼っている。
ただし家は開始時から変わらず木の家のまま(笑)。
そして家族はなんとマックスの5人!
貧乏子だくさんを地で行っている。
もう最後の方はがんばってがんばってがんばって・・・・・・(笑)

 ゲーム終了時の全体図。
どの農場もにぎやかになっている。
こんな感じで初級ゲームでも最初はやりごたえ満点で、熱に浮かされたようにプレイしてしまう恐ろしいゲームである。


 さてフルゲームである。
フルゲームでは新たに「職業」と「小さな進歩」という要素が追加され、それに応じてボード上の選択肢も変化する。
「職業」と「小さな進歩」は全員にカードでランダムに配られ、それを好きなように使うことができる。
カードは「職業」169枚、「小さな進歩」139枚で、それぞれ1プレイヤーにつき7枚ずつしか使用しないので、ゲームのバリエーションは一生掛かっても遊び尽くせない数になる。
ちなみにそれらのカードは難易度などに応じていくつかに分けられているのだが、化夢宇留仁のカードデッキはめんどくさいのでカード全てが混ぜられている(笑)。

 職業の「レンガ運び」と小さな進歩の「平地」を公開している様子。
これでレンガの入手が約束され、余分に小麦を蒔くことができる。
画面奧ではなにやら資材を積み上がっているが、これも特殊カードの効果である。

 ずらりと並んだ「職業」と「小さな進歩」
これらのおかげで、基本ゲームになかったそれぞれの農場の特徴が表現され、より面白くなっている。



 小さくて見にくいが、アグリコラ用の木製コマを別に買ってきてプレイにしようした例。
色だけではなく形もそれっぽくなるので雰囲気が盛り上がる。

 苦労を重ねて農場を開発し、家族も増やして大農場が出来た時の満足感は高く、それに至るまでの道も様々なので繰り返しプレイしてしまう中毒性も高い危険なゲーム。
 ただし荒削りと思えるところも散見される。
例えば大量のカードの中から各自14枚ずつランダムに配られるわけだが、当然カードには有利不利があり、単にランダムでというのは少々乱暴すぎるように思う。
 それに勝利条件だが、色々特徴のある農場を作れるのに、全てを平均的に育てた農場でないと勝てないようにできているのが化夢宇留仁的には最も不満に思うところ。
ひたすら羊だらけの農場でも勝利の可能性が欲しい(笑)。

気楽さ 2
言語依存 4
 テキストは多いが、完全日本語版が出回っているので問題はない。
ソロプレイのしやすさ 4

化夢宇留仁の好き度 4

20120401