ドミニオン:錬金術



 「ドミニオン」シリーズ拡張3作目。
今までと違い、少しコンパクトな箱になり、カード枚数も減ったが、あり得ないようなえげつないカードが実装されている。
ただしそれも微妙なバランス感覚で調整されているのは流石。



 この拡張で追加されたカードは、今までのそれとは比べ物にならないくらい強力なものがそろっており、そのままではゲームバランスが吹っ飛ぶ勢いである。
しかし流石にその辺は考慮されていて、「錬金術」で追加されたカードの多くは、同じく「錬金術」で追加された財宝である「ポーション」が無いと買えないようになっている。
「ポーション」のコストは4と決して高いわけではないが、「錬金術」で追加されたカードを購入する以外は勝利点と同じく全く使用できないカードがデッキに増えるリスクは大きい。
それを上回る効果が望める時のみ購入すべきであり、そのジレンマは今までのアクションカードよりも複雑である。
 次から「錬金術」で追加された恐るべきアクションカードを紹介してみる。


 「錬金術」のオーバーパワーカードの代表と言えるカードがこの「大学」である。
+2アクションがあるので村系カードかと思いきや、下に変なことが書いてある。
「コスト5以下のアクションカードを獲得してよい」
「大学」は2金+ポーションが購入に必要なコストである。
ポーションが入っているとは言え、このコストでこの能力(汗)
このカードが手札にあれば、+2アクションをした上に5コストのアクションカードが手に入るのだ。書いてある通りだが(汗)
ポーションが無ければ、おそらくコスト7くらいがふさわしい能力ではなかろうか。


 こちらはタイトルを冠された「錬金術」を代表するカード「錬金術師」
基本的には「研究所」と同じ能力なのだが、その手番で「ポーション」を使用していると、山札の上に戻ってしまう。
山ほど買い込んで、ぞろぞろ並べたいカード。

 「使い魔」はドミニオン界で最速の「呪い」ばらまき能力を持った恐ろしいカードである。
+1カード、+1アクションがついているおかげで遠慮無く複数枚購入でき、一気に「呪い」をばらまき倒すのだ。
放っておいたらあっという間にデッキが「呪い」まみれになるので、サプライに現れたら即座に対策を考えるか、即座に購入すべきカードである。

 「ゴーレム」は+2アクションを越える、アクションを最大限に活かすカード。
デッキからアクションカードが2枚めくれるまでドローし続け、出てきた2枚のアクションを「ゴーレム」の1アクション分で両方発動してしまうのだ。
これでアタックカードを使われたらたまったものではないのは勿論、圧縮されていないデッキでもガンガンアクションを使ってくる恐ろしいカードである。
ちうか「錬金術」には恐ろしいカードしか入っていない(笑)


 「ドミニオン」界で最もコストの高いアクションカードが「支配」である。
そのコスト実に6金+ポーション。
後の拡張セット「繁栄」でコスト8や7のアクションも登場するが、「ポーション」のコストが錬金術専用で4ということをふまえれば、やはり最高コストだろう。
 そして勿論その能力も他に類を見ない凶悪さである。
「支配」を使った手番の次の手番。つまり左隣のプレイヤーを操ることが出来、その間に獲得したカードを横取りして獲得してしまうのだ。
一応廃棄したカードは戻って来るというフォローはあるものの、アタックでさえないので防御不可能な上に、せっかく育てたデッキの能力を使われて「属州」でも買われた日には、茫然自失である。


 最後に紹介するのは勝利点の「ブドウ園」
「錬金術」の中では地味な方だが、実は全シリーズ中でも1枚のカードでは最高の勝利点をたたき出す可能性のある恐るべきカードである。
デッキのアクションカード3枚につき1点。
つまり理論上の上限は1枚30点(汗)。
もちろんこれはなかなか難しく、実際「ブドウ園」を大量購入しつつアクションカードも買いまくるのはなかなか難しいのだが、夢とロマンにあふれたカードと言えるだろう。


 てなわけで他にもあり得ないような強力なカードが目白押しの、お祭りのような拡張セットである。
ただしやはり「ポーション」の制限は大きく、なかなか活躍しにくいセットでもある。
ここぞという時を見極めて、その強力すぎるパワーを活かしきって勝利したい。
 そういう意味で、今までの拡張セットと比べると、あくまでオプションという雰囲気は強い。
節約したい人は買わなくてもいいかも?

気楽さ 5
言語依存 4
 完全日本語版が出回っている。
ソロプレイのしやすさ 4
化夢宇留仁の好き度 4

20120401