モルゲンランド



 このゲームはアラビアンナイト的な世界を舞台に、財宝を手に入れてそれを使ってアーティファクトをたくさん手に入れるのが目的。

 

 ゲームは全員が1から9までのチップ(3は無いので全8枚)を裏向きでボード上に配置し、それぞれのエリアで一番大きな数字を出したプレイヤーがそのエリアの恩恵にあずかるということを繰り返すシステム。
それだけ聞くと単純だが、エリア間でいろいろな要素が絡み合い、駆け引きが発生するようになっている。


 ボードの一番下は地下洞窟になっている。ここにドラゴンの財宝がある。
ドラゴンの財宝エリアは5つの部屋に分かれており、その部屋毎にチップの強弱を見て、誰が財宝を手に入れたかを決定する。
部屋によって財宝の種類が異なり、内容は「王冠」「真珠」「宝石」「杯」「延べ棒」であり、
各財宝とも大きさが2種類ある。


 中央は街で、ここで魔法を手に入れたり、アーティファクトを使用する回数を増やしたり、財宝を増やしたり、スタートプレイヤーの権利を取ったり出来る。
 左のラクダのいるところが隊商宿。
ここで勝利したプレイヤーはスタートプレイヤーとなり、ラクダマーカーを受け取る。
ちなみにスタートプレイヤーは数字チップが同点の場合に勝ちとなるので結構重要である。
 その横のなにやら交渉しているらしいところが市場。
勝利したプレイヤーは財宝の交換が行える。1つの小さな財宝を3つの小さな財宝にできるので、とてもお得。
 その横の建物はジャインの家。
ここで勝利すると、通常1ラウンドに1つしかプレイできないところを、2つプレイできるようになる。
ちなみに上級ルール専用で、ジャインが誰かは不明(笑)。
もしかしてジャイナ教のことかな???
 その隣のテントはアラジンのテント。
ここで勝利すれば魔法が手に入る。上級ルール専用。



 上は宮殿で、ここで勝利条件であるアーティファクトが手に入る。
しかしアーティファクトを手に入れるためには左に立っている門番を負かさなければならないので、ここで強力な数字チップを使うことになるケースが多い。
門番を通り越したら宮殿内の好きな部屋でアーティファクトの取り合いに参加できる。


 門番突破!
少し小さいチップが門番で、毎回1から10までのチップの中からランダムに選んで裏向きに置かれる。
プレイヤーの持っているチップは最大9なので、門番が10だったら誰も突破できない。
 ところでこのゲームの勝利条件であるアーティファクトには様々な能力がある。
例えば「鍵」というアーティファクトを使えば、この門番を無視して城内に入れるのだ。


 城内の様子。
四角いタイルがアーティファクト。
上級ルールではここに配置されているアーティファクトが全て購入されたらゲーム終了となる。
ちなみに本来は宮殿の上にある四角のマスの中に置くのだが、スペースの都合でこうなった。
このゲームはやたらにボードがでかいのだ。
 上記の「鍵」のようにアーティファクトには様々な能力があり、どれも非常に強力だが、基本的に1ラウンドに1回しか使用できない。
 またアーティファクトを購入するためには、自分がその部屋で出したチップの枚数分の種類の財宝で、自分の出したチップの合計数の財宝を支払わなければならない。
ここがこのゲームの非常に面白いところで、アーティファクトを手に入れるには他のプレイヤーよりも大きな数字を出さなければならないが、大きな数字と枚数を出してしまったら、その分の財宝を用意できなければならないのだ。


 画像は最後の1つのアーティファクトを取るために、ジャインの家の権利を巡って熾烈な争いが勃発しているところである。
 目的のアーティファクトを手に入れるためには、財宝は勿論、ここぞという時に役に立つアーティファクトの能力も欠かせないのだ。
 また上級ルールでは更に魔法まで加わって、場はまさに混沌とした様相を呈してくる。



 名作と名高い本作だが、噂に違わずよくできている。
様々な要素が最終的にはアーティファクトを手に入れるために役に立つように考慮しなければならないため、計画性も必要で、飽きない面白さがある。
また見ての通りコンポーネントも見事な仕上がりで、アラビアンナイト気分を満喫できると思う。
怪物がドラゴンじゃなくてロク鳥とか、もっとそれっぽければ満点だったのだが。

気楽さ 3
言語依存 2

 カード類もアイコン化されているが、覚えるまでは説明書を読むことになる。
ソロプレイのしやすさ 1
化夢宇留仁の好き度 5

20120421