Call of Cthulhu
ゲーム解説

ゲーム「クトゥルフの呼び声」

  「クトゥルフの呼び声」は純然たるゲームである。
当たり前のことだが、クトゥルフ神話のマニアの中には数ヶ月に1度はアーカムハウス(クトゥルフ神話関係の出版を中心的に行うアメリカの会社) の敷地に侵入して怪しげな儀式を行っている連中もいるそうだし(笑)、はっきりしておかなければならないと思ったのだ。
このコンテンツは、あくまでクトゥルフ神話の世界観を使ったゲームを楽しむのが目的である。
恐ろしい怪物は出てくるし、プレイヤーキャラクターが悲惨な末路をたどることも多々ある。
しかしそれらは全てゲームを楽しむという最終目的の為の要素であることを念頭に置いていただきたい。


ゲームの基本的な流れ

 「クトゥルフの呼び声」の基本的な流れは以下の通 りである。
1.導入
プレイヤーキャラクター(以下PC)は、何らかの形で忌まわしい出来事の存在を知る。
2.調査
PCは事件の資料や関係者に対して調査を行い、事件の核心への手がかりを得る。
3.突入
調査で判明した事件の核心部へ突入。真相を知り、事件を解決または人生の終幕を迎える(笑)。

 もちろん様々なパターンは考えられるのだが、基本的な流れとしてはほとんどのシナリオが当てはまると思う。
同じパターンのゲームをやっていて面白いのかと思うかもしれないが、例えば映画の007シリーズが長きにわたって支持されるように、パターンがあるからこそ内容が、そしてその変化が楽しめるのだ。
 最初の導入の部分はキーパーの腕の見せ所であり、PC達のいる世界の描写 と彼らの関係を描き出してやり、地に足がついたところでシナリオへ導く事件を魅力(恐怖?)たっぷりに演出してやる必要がある。
上記の地に足がつくというのは大事なところで、特に恐怖をあつかう本ゲームではこれがうまくいくかどうかで今後の緊張感も違ってくる。ただしうまくいきすぎるとPCがシナリオなんかほっぽりだして逃げ出してしまう可能性があるので気をつける必要がある。
 次の調査の部分は準備さえちゃんとしてあればキーパーは楽が出来る。PC達が頭を絞って事件の真相を探るべく各自の能力を発揮するシーンであり、プレイヤーの腕の見せ所なのだ。
もちろん真相究明の役に立たなくてもキャラクターとして生き生きしていればそれはそれでOKである。全員がそうだとキーパーが苦労することになるが(笑)。
 突入シーンでは、調査の結果真相が隠されているであろうと分かった場所や状況に対してPC達が命がけで立ち向かってゆく。おどろおどろしいシーンの描写 と最後のクライマックスはキーパーの演出にかかっているが、ゲームがどんな集結を迎えるかはPCの行動とダイスの目にかかっている。
この不確定生こそがゲームという形式の強みである。ここの展開がうまくいくと、例えPCがバラバラ死体となり果 てようと、キーパーを含めたプレイヤー全員に意外性に起因する興奮と
満足感が得られるのだ(時には大爆笑も)
こここそはまさにTRPGにしかなしえない最高の面白ポイントである。


基本ルール

 全ての基本になるのは、ケイオシアム社のベーシック・ロールプレイング・システムの通 りで、10面体を2個振り、片方を10、もう片方を1の位として読み、成功値以下が出れば行為成功となる。
これは要するに成功率が%で表せるということであり、実に分かりやすいシステムだと言える。
また賽の目に100ものパターンがあることで、普通の6面体を使う場合に比べて細かい修正がしやすいのもメリットである。


能力値
 このコンテンツでは基本的に本の形で発売されたバージョン5.1のルールを使用する。 しかし基本的には最初のバージョンとほとんど変わらない。

筋力(STR)
 キャラクターの筋力。3D6で決定される。
敏捷性(DEX)
 キャラクターの敏捷性。手先の器用さも表す。3D6で決定される。
体力(CON)
 キャラクターの体力。3D6で決定される。
大きさ(SIZ)
 キャラクターの身体の大きさ。2D6+6で決定される。
知性(INT)
 キャラクターの聡明さ。頭の回転の速さや良い考えが浮かぶ能力。クトゥルフの呼び声では、恐怖の本質を理解しすぎてしまうと発狂してしまう可能性があるので、あまり知性が高すぎても困るケースがある。2D6+6で決定される。
精神力(POW)
 キャラクターの精神力の強さ。これが低いと発狂しやすくなる。また魔法を使う場合も高い方がいい。精神力の数値が低すぎるとゲームにならない可能性がある。3D6で決定される。
外見(APP)
 キャラクターの見た目のよさを表す。主にロールプレイのイメージ作りに影響する。交渉時にも影響する場合がある。3D6で決定される。
教養(EDU)
 キャラクターの教養と知識の多さを表す。同時に学歴も表すことになる。例えば教養が最低の6だった場合は、キャラクターは小学校を出たばかり(またはそれ以来学校に通 っていない)と言うことになる。3D6+3で決定される。
教養の数値は学校に行くか、年齢を重ねることで上昇させることが出来る。
学校に行く場合は、1歳年齢を上げた上でアイデアロール(後述)を行い、成功すれば教養の数値を1上げることが出来る。
年齢の影響は、キャラクターの年齢が20歳を越える10歳毎に教養の数値を1上げることが出来る。
ちなみにキャラクターの年齢の下限は教養の数値+6歳である。

 基本能力値は以上の8つで、更にそれらの数値から副能力値が決定される。
正気度(SAN)
 キャラクターの正気度を表す。この数値が一度に5以上低下すると一時的な発狂状態になる場合がある。また1時間以内に正気度の20%以上を失った場合、キャラクターは真の狂気状態になり、回復しても恐怖症が残る場合がある。正気度が0になれば完全な狂気であり、もはや正気に戻ることはない。正気度は精神力を5倍して決定されるが、一度決定されると精神力とは独立して上下する。
追加ダメージ
 キャラクターの筋力と大きさの数値の合計によってはパンチやキックなど、格闘に類する攻撃の時に追加ダメージを得ることが出来る。数値が低いと逆にマイナスされることもある。
耐久力(HP)
 キャラクターの体力と大きさの数値の平均(端数切り上げ)が耐久力となる。
この数値が1か2になるとキャラクターは意識を失い、 0になると死亡する。
また一度に耐久力の半分以上を失った場合は、1D100で体力×5の数値以下を出さないとショックにより気絶してしまう。
アイデア
 知力×5の数値をアイデア値とする。1D100でこの数値以下が出ればキャラクターは新しい考えを思いついたりするが、場合によってはキーパーの判断で修正が加えられる。
知識
 教養×5の数値を知識とする。1D100でこの数値以下が出ればキャラクターは一般 的な知識といえる事柄を知っていたことになる。対象があまり知られていない事柄や、逆によく知られているようなことであれば修正が加えられる。

 あとは技能と呼ばれる様々な技術や知識に関しての数値が職業によって定められて、ルール的には基本的なキャラクターが完成する。
勿論名前や所持金その他の設定も行う 。


 基本的なルールとキャラクター作成の一部を紹介したが、これ以上は明記できない。現実問題としてはホビージャパン社のフォローもとぎれたままだし、新しいプレイヤーを発掘するためにはもっと詳しく紹介したいところなのだが、RPGの性質上文字情報だけで内容のほぼ全てが分かってしまうので、版権には神経質にならざるをえないのだ。
しかしここに紹介した内容だけでも分かっていただければ、IRCなどを使ったネットプレイでPCを演じるには十分だと思う。あとの細かいルールはその都度キーパーが説明すればいい。
 と言うわけで近い内にチャットプレイをやってみたいと思っている。その時にはこのコンテンツを見た人にぜひ参加していただきたい。

 

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