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FH-57 JERYUY CLASS HEAVY FIGHTER |
FH-57ジェリュイ型大型戦闘艇 |
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MEGA
TRAVELLER | |
Science -Fiction Adventure
in the Far Future
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ジェリュイ級大型戦闘艇は,MASA社が帝国海軍,星域海軍,星系海軍などから大量受注したものである.第5次辺境戦争後に大量生産された.既に6年間で4,000機が就役している.またライセンス生産により,これとは別に2000機が生産されている. 全体に,バランスと信頼性をモットーとするMASA社の設計らしい,シンプルで無骨なデザインとなっている.ブロック建造方式により,建造期間の短縮が図られ,星系内航法システムなども最新の機種が搭載された.また,運用効率向上のためより点検周期の長い機器が導入された.
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船体及び主機 船体は50tで,帝国海軍の空母群が装備する標準的な発進チューブからの発艦が可能である.箱形に近い流線型の形状で左右に通常ドライブポッドが張り出している. 船体には重装甲が施されており,大規模艦隊戦闘に投入されることを前提にした設計となっている.ガスジャイアント及び海水からの燃料スクープが可能である. 搭載する駆動装置は,受注・建造する各社により異なっているが,船体中央部に3150Mwクラスの核融合炉1基,両舷にダブルインパルス式25型通常ドライブポッド2基が搭載されている.両舷の通常ドライブポッドは非常時には切り離して投棄することもできる. 制御システム モデル9型fibコンピューターが搭載されており,最高レベルの戦術戦闘が可能である.主な制御機構は,艇首の操縦室に集中している.操縦室は,視界を確保するために透過性装甲で覆われているが,必要に応じて戦闘時には一段下がり,更に強固な装甲で覆われる.操縦室は比較的ゆったりとしており,前席に操縦手が,後席に航法兼兵器担当員が搭乗する.後席にも操縦資格をもつパイロットが配置される場合が多い. 艇内の主用電子回路には耐放射線防御が施されており,核兵器使用可での艦隊戦闘に耐えうることができる. 装備されている探知機は,質量探知機に低レベル(250 m)DSF-Lw25,中間子探知機に最小10kw NSF-10,能動EMSに(Far Orbit)AEMSF-FO/7,受動EMSに(Interstellar)PEMSF-IS/8がそれぞれ1基づつ装備されている.また,EMS妨害装置(Far Orbit)としてEMSJF-FO/4が装備されている.これらは何れもGASBUG社系列のANSON社の最新モデルで,海軍戦術戦闘データシステムNTDSの標準的な入出力コードF6980に対応した制御システムで,帝国海軍の他の艦艇でも多くが装備している. 通信機器としては,電波通信装置(SYSTEM)RS-15A,レーザー通信装置(SYSTEM)LS-15A,メーザー通信装置(SYSTEM)MRS-15A,各1台を装備している.あらゆる戦況に対応して情報通信管理が行える. 武 装 標準的にはビームレーザー1基,ミサイルランチャー1基,散乱砂砲1基が機種に集中して配備されている.ただし,兵装は実際には任務によって換装されることとる. 居住区画・乗員 艦内の生活環境は,基本環境システム,基本生命維持システム,上級生命維持システム,重力制御プレート,慣性中和装置などの各システムで保たれている.長距離哨戒任務にも耐えられるよう,操縦室の後下部に小艇用船室が設けられている. ベットは壁面収納式で,その場合ソファー,椅子,机を引き出すことができる。複合衛生設備は,折り畳み式トイレ及びソニックシャワールームからなっている. 乗組員は前述の2名である.パイロットは中尉から中佐までの士官が一般的であり,後席には,下士官の航法兼兵器担当員がつく.士官のみ,あるいは下士官のみで運用されている事例も多く,各艦隊により運用は異なる.長距離哨戒任務は通常2交代で過酷な勤務を強いられる. 燃料・貨物 燃料は,17tで,フルパワーで6日間,哨戒任務では1月程度までの燃料を搭載可能である.燃料スクープ装置が搭載されている.
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MASA/MASA04's FH-56 JERYUY Class Heavy Fighter from MASA.Ship's
CraftID: |
JERYUY, Type FH, TL 15, MCr 160
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非常呼集を継げるブザーが艦隊型駆逐艦ヘルスト2の艦内に鳴り響いていた.専用室で横になっていたググリ少佐は,昨夜の痛飲を後悔しながら,ゆっくりと事態を把握し始めた.ふらつく頭でロッカーに駆け寄ると,上着を掴み第3デッキ中央部にある搭乗員ブリーフィングルームへと向かった.途中医務室によって,アルコール分解剤を都合してもらった.艦隊型駆逐艦ヘルスト2のブリーフィングルームには,既にフライトスタッフが集合していた. ブリーフィングルームのモニターに艦橋にいる艦長の映像が流れた.艦長ジン中佐が口を開いた.「こちらは艦長である.本日,0900緊急連絡が入った.この為,本艦は予定していたジャンプ航法を中止し,航路を変更,惑星エジプトに引き返す.状況を説明する.」 相変わらず要領を得ない説明が続いたが,大筋はこうだった.熱狂的な宗教団体であるテモタ教団の信者70人が,かつての革命期に貴族専用の牢獄として重宝されていたエンジル市郊外の古城を占拠し,訪れていた観光客300名を人質に立て篭もった. 彼等は陸軍の弾薬庫から盗み出した遅効性ウィルスを所有している.こいつは厄介な代物で,感染から1ヶ月以上も潜伏期間のあるマイクロ細菌兵器だ.探知が難しくワクチンに対抗して進化する能力を有している.ばらまかれたが最後,惑星が死に絶えるまで完全に封鎖しなければならない. ワクチンの設計は設備さえあればそれほど難しくないが,星間戦争でもご法度のこの種の細菌兵器を帝国が有していたとなると,こちらの方が問題である. 5000t級艦隊型駆逐艦ヘルスト2は,4時間後,ゆっくりとした加速で衛星の裏側に回り込み待機に入った.その更に8時間後,惑星エジプトを30t大型艦載艇で逃げ出してきた宙域政府の書記官が,第2デッキ艦首に設置されている舷門から乗艦してきた.書記官は艦長室を召し上げると,艦長と何やら密談に入った. |
更に6時間後,海兵隊員2名を伴って,書記官と艦長がブリーフィングルームに姿をあらわした.ググリ少佐以下6名のフライトスタッフが挙手の礼を送る中,艦長が登壇した. 「諸君,残念な命令を下さねばならない.」 ブリーフィングルームは静まりかえった. 艦長はモニターを操作すると,作戦概要の説明を始めた. ラッシング大尉が口を開いた. 艦長は,大げさに頷くと出撃時間を説明した. |
■■■ 3 ■■■ 2機の大型戦闘艇の編隊は,大気圏に突入するとがっちりと編隊を組み,地表すれずれを這うように進んだ.途中,人口密集地帯を可能な限り避けるように飛行する.インプットされた最後のウェイポイントDを通過する. 「ウェイポイントD」 ググリ少佐は,モニターの数値を確認しながら,昨日のことを思い出していた.彼女との関係はもう4年も続いていた.艦隊型駆逐艦ヘルスト2がエジプトに入港し休暇ができる度に,ググリ少佐は彼女とささやかな時間を過ごしてきた. 艦隊型駆逐艦ヘルスト2は,エジプトを根拠地に,国境付近を定期的にパトロールしていた.本来はこうした任務は小型護衛艦や護衛駆逐艦の役割であるが,第5次辺境戦争における小型艦の莫大な損失を埋めるために,艦隊型駆逐艦までもが前進配備されていた. |
昨日は,郊外の小さな郷土料理の店で彼女と遅めの昼食をとった.4日前が彼女の27才の誕生日だった.食事が終わるころ,ググリ少佐は転属の話を切り出した.彼女は打ちのめされた.小学校の教師を勤める彼女はエジプトを去る気にはなれないとため息をついた.彼女は砂の塊でしかないこの巨大惑星に理由のない愛着を抱いているようだった. 一方,ググリ少佐にとってグリッスンに駐留する空母機動部隊への転属は名誉であったが,惑星エジプトを訪れる機会は皆無となるはずだった.2ヶ月前,32才にして順調に少佐に出世したものの,それは転属と2人の別れを意味していた.彼もまた,己のキャリアを捨てる気にはなれなかった.二人が歩んでいた道は最初から平行線だったのだ. 数時間の口論が終わると,彼女はこの場で別れることを提案した. 「今年は,もうあのラミの塔には登れないのね?」 ググリ少佐が窓外のラミの塔を見つめている隙に,彼女は立ち上がり,「さようなら」と呟き,彼の答えを聞かずに店を出ていった. その夜,ググリ少佐は行く当ても無く迷い込んだバー「クィーン=メッチン」で明け方まで酔いつぶれた. |
「兵器安全装置解除地点です.少佐.」 ググリ少佐はバイザーに表示されている数値を冷静に凝視していた.ミサイル投射地点まであと64km,あと60秒だ.ミサイルの照準はテモタ教団が立て篭もる古城に合わせれた.多くの貴族が幽閉された,罪深き地.帝国に対する反乱期,エジプト侯爵は30年もの間,その中にそびえたつラミの塔に幽閉されていたのだ.今は観光地となっているその古城が吹き飛べば,ググリ少佐と彼女との思い出も吹き飛ぶ.彼女の家はそこから4km足らずだ.何もかもがスイッチ一つで終わる. 「30秒前,28,27,26....」 「グリーンスモーク」 オープンになった回線からは次々に状況がもたらされた. |
■■■ 5 ■■■ ラミの塔は,地上からの高さが100mにも達する.にもかかわらず,反重力エレベータの類もわざと設置されていない.訪れた観光客は自分の足で階段を昇らなくてはならない.30年間幽閉されていたエジプト侯爵は,朝,晩の食事の度に塔を昇り降りさせられた.その侯爵へ礼を尽くすために観光客は今でも階段を昇らされている.侯爵は,反乱鎮圧の僅か2週間前に無念の生涯を閉じたとされている. 退役海軍大佐は長く続く周り階段を昇りきると,ラミの塔の屋上に立った.塔の上は半径10mほどの円形で,何組かの恋人達がよりそうように,手摺に持たれていた.退役海軍大佐は,ゆっくりと周囲を見渡した. 8年振りに眺める景色は,まるで時が永遠に止まってしまったかのように変わりなかった.そこからは黄昏時のエンジル市全体を見渡すことができた.遠くの大聖堂で時を告げる鐘が鳴り始め,薄暮にたたずむエンジル市郊外に響き渡った.
テモタ教団を殲滅したのは,返り討ちにあった海兵隊ではなく,元囚人の老貴族だった.その素性は今も謎である.当時は,実はエジプト侯爵が生きていて街を核攻撃から救った,といった噂まで流れたほどだ. もっとも今は,その事件の事を思い出す者すらいない.忘れ去れた古い記憶だった. 退役海軍大佐は,漂う鐘の音の余韻の中に,背後から近づいてくる足音を聞いたような気がした.退役海軍大佐は,その足音に聞き覚えがあるような気がした.退役海軍大佐は,ゆっくりと背後を振りかえった. |
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トラベラーにおける大型戦闘艇の位置付けは,戦闘機としては中途半端で,戦闘艇対戦闘艇ではまともな勝負ができません.ルールを下記のように修正するなどして楽しむのがよいでしょう. 「近距離における戦闘では,全て又は一部の移動力を防御DMの変わりに攻撃DMに使用できる.」 攻撃DMに転用できる移動力の上限は, ■■■ ラミの塔 ■■■ ラミの塔のお話は,「ザ・ロック」のパクリです.エンディングは「冷静と情熱の間」の真似です.このあとの展開も作ってありましたが長くなってバランスが悪くなったのでバッサリと切ってしまいました. |
■■■ CG ■■■ No.1「大型戦闘艇全体図」 |
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