Close Escort SIENO
シェノ級小型護衛艦

MEGA TRAVELLER
CG by DOGA-L3, METASEQUOIALE&TERAGEN

 
 

  シェノ級小型護衛艦は,様々な多目的任務に用いられる小型戦闘艦である。装甲された恒星間戦闘宇宙艦としては最も小さな部類に属する。

 同クラスの原型は切り離しタンクを備えた300t級小型護衛艦である。ガゼル級に代表される300t級小型護衛艦は,帝国内で広く使用されたが,装備されていた切り離しタンクの装甲が薄く,構造も脆弱であったためしばしば戦闘においてトラブルを引き起こした。このため近年は船体全体を装甲した400t級小型護衛艦にシフトする動きが増えてきた。

 建造に手間のかかる切り離し装置部分を廃止することは建造期間の短縮にも繋がり,また運用面からも,2重系となっていた艦内の重力制御機器や星系内/外航法システムなど,様々な機器の運用/点検を廃止することができ,メリットは大きい。
 最も重要な点は,切り離しタンクの脱着システムの安全性面である。脱着システムは,恒星間航行時の信頼性において,しばしば物議をかもしだしてきており,議論が絶えない。この対策として例えば帝国海軍では,50回の跳躍に1回の割合でタンク自体を交換する内規を設けていた。

 第5次辺境戦争において,小型護衛艦は連絡,偵察,哨戒,船団護衛などあらゆる任務に投入され,その一方で莫大な損失を被った。各星系が保有していた小型護衛艦も含め,戦場となった地域では多くの護衛艦が宇宙の塵と消えた。
 
 しかしながら小型護衛艦は,宙域の治安維持の要とも言える艦種であり,戦後直ぐに再建が開始されることとなった。シエノ級もそのうちの1つである。本級はモーラに本拠地をおくMASA社が帝国海軍,星域海軍,星系海軍などから大量に受注している。
 
 バランスと信頼性をモットーとするMASA社の設計は,シンプルながらもたちまち多くのユーザーからの賛同を得ることができた。

 本級の基本コンセプトは以下の通りである。
@切り離しタンクの廃止
Aコンピューターのレベルアップによる省人化,高性能化
B装甲船体

 本級は既に650隻が竣工し,スピンワードマーチ宙域全域で就役している。 
 


 
 
MASA/MASA04's CLOSE ESCORT from MASA.Ship's
CraftID:
SHENO, Type CE, TL 15, MCr 430
Hull:
360/900, Disp= 400, Config= 1SL, Armor= 58G
 Unloaded= 6787 tons, Loaded= 7121 tons
Power:
63/125, Fusion= 11268 MW, Duration= 10/30
  No Wpns, Scrns, Agility; M-4 = 3583 MW, Duration= 31/94
  No Wpns, Scrns, Agility; M-1 = 1273 MW, Duration= 88/265
  LifeSupport & Controls; M-0 =  500 MW, Duration= 226/677
Loco:
59/119, Maneuver= 4
27/54, Jump= 4
NOE= 190, Cruise= 750, Top= 1000, Vacuum= 3400
Agility= 3
Commo:
Radio= System x2, Laser= System x2, Maser= System x2
Sensors:
EMMask, PasEMS= Interstellar x2, ActEMS= Far Orbit x2
Densitometer= LowPen/250m x2, HighPen/1km x2
Neutrino= min 10kw x2, EMSjammer= Far Orbit x2
ActObjScan= Rout, ActObjPin= Rout
PasObjScan= Rout, PasObjPin= Rout
PasEngScan= Simp, PasEngPin= Rout
Off:
PartAcc= xx 2
Batt     2 
Bear     2 
BLaser= xx4
Batt    2 
Bear    2 
Def:
DefDM= +13
ArmorDM= -6, SizeCd= 4
Control:
Computer= Model/9fib x1, Panels= HoloLink x10
Special: HUpHoloDisp x2
BasEnv, Bas LS, Ext LS, Grav plates, Inertial comp
Electronic Circuit Protection.
Accom:
Crew= 8 (1 x 8), Staterooms= 5
Bridge= 2, Engrng= 1, Mtce= 0, Gunnery= 1, Flight= 3
Troops= 0, Command= 1, Stewards= 0, Frozen= 0, Medical= 0
HiPass= 0, MidPass= 0, LowPass= 0, LowBerth= 0, EmerLow= 2
SubCraft:
Launch x1
Other:
Fuel= 2702 kliters,  Cargo= 145 kliters
Fuel scoops, PurificationPlant (36hours)
ObjSize= Average, EMLevel= Faint
Design Notes   Mcr 344 in quantity

 
 

 
 
 
 
 



 
 
 
 
 
 

 船体構造・主機

 全体の船体形状や構造は一体型となった以外は殆ど変化していない。箱形に近い部分流線型の形状で左右に通常ドライブポッドが張り出している。ただしシェノ級では第5次辺境戦争における教訓をとりいれ,船体装甲が全面的に強化されており,大規模戦闘に動員された場合でも艦隊の戦闘機隊として一翼を担うことができる。
 船体は流線型でガスジャイアント及び海水からの燃料スクープが可能である。
 
 搭載する駆動装置は,受注・建造する各社により異なっているが,11300Mwクラスの核融合炉1基,ダブルインパルス式100型通常ドライブ4基,200型ジャンプドライブ2基を搭載するのが通常である。偵察局,星系海軍仕様の型ではより安価な民間用ドライブをそのまま転用しているが,海軍向け艦艇では独自の基準に基づき駆動装置が選定されている。

 加速度は4G,ジャンプドライブは4で,本級の任務を考慮すれば機動性としては十分なレベルであり,また帝国のあらゆる番号艦隊と行動をともにできる。ただし燃料搭載量が少なく,必ずしも長期間の恒星間航行に適しているとは言い難い。これは本級のような小型の沿岸型護衛艦に共通の課題であり,特別問題視される事柄ではない。

   両舷の通常ドライブポッドは切り離して投機することもできる。 

制御システム
 装備されている探知機は,質量探知機に低レベル(250 m)DSF-Lw25,高レベル(1km)DSF-Hi1000,中間子探知機に最小10kw NSF-10,能動EMSに(Far Orbit)AEMSF-FO/7,受動EMSノ(Interstellar)PEMSF-IS/8がそれぞれ2基づつ装備されている。また,EMS妨害装置(Far Orbit)としてEMSJF-FO/4が装備されている。 

 これらは何れもGASBUG社系列のANSON社の最新モデルで,海軍戦術戦闘データシステムNTDSの標準的な入出力コードF6980に対応した制御システムで,帝国海軍の他の艦艇でも多くが装備している。 

 通信機器としては,電波通信装置(SYSTEM)RS-15A,レーザー通信装置(SYSTEM)LS-15A,メーザー通信装置(SYSTEM)MRS-15A,各2台を装備している。あらゆる戦況に対応して情報通信管理が行える。 
 

  モデル9型fibコンピューターが本級の要である。輸出型として作成される廉価型はモデル6型コンピューターであるが,現在建造される殆どの艦は最新の火器管制システムが装備されている。この他に呼びコンピューターが1基装備されている。

 主な艦内制御機構は,艦橋に集中されている。前列左:操舵手席,前列右:兵器担当,後列左:艦長,後列右:エンジニアとなっている。

 全艦内に電子回路防御が施されており,大規模艦隊戦闘に耐えうることができる。
 


 

 

武  装

 本級に搭載されている攻撃火器は大型砲塔に収められた2基2門の粒子加速砲と3連装6門のレーザー砲塔である。ただし粒子加速砲は3連装ミサイルランチャーに置き換えられる場合もある。多く自由貿易船にとって本級の武装とてつもなく重武装である。

 特に粒子加速砲による射撃は強力であり,密輸時に臨検を受ければ,悪夢となる。粒子加速砲は単装で船体上面及び下面に1基づつ配置されている。レーザー砲塔は3連装で両舷のエンジンポッド側面に配置されている。本級の武装艦首方向へ集中射撃できるよう配置されている。

 本級のような小型艦は核中和装置などの防御スクリーンを装備する余裕は全くなく,従って核攻撃に対しては脆弱とならざらるを得ない。


 

 

居住区画・乗員

 艦内の生活環境は,基本環境システム基本生命維持システム上級生命維持システム重力制御プレート慣性中和装置などの各システムで保たれている。 

 士官には個室が,下士官,兵には2人部屋が提供される。各個室には,ベット,複合衛生設備,私物兼衣装ロッカー,多目的モニターがそれぞれ備え付けられている。2人用船室として使用される場合は,倉庫からベッドが引き出され2段に配置される. 

  ベットは壁面収納式で,その場合ソファー,椅子,机を引き出すことができる。複合衛生設備は,折り畳み式トイレ及びソニックシャワールームからなっている.多目的モニターは艦内各所へのインターコムの他,コンピューター端末,娯楽用スクリーンとしても使用できる.
 

 共用室は,食堂,娯楽室である.両舷にはエアロックが設けられている.乗組員が協同で出資して,運動機
器を持ち込んでいる場合もある。机,椅子などの設備は固定することも移動させることもでき,目的に併せて
 レイアウトを変更できる. 

 共用室の側壁及び天井面にも立体投影パネルが埋め込まれており,船窓のように外部の状況を映し出したり,惑星上の風景などを表示させることができる.

 
 乗組員は艦長,パイロット,エンジニア,兵器担当でこれに艦載艇の乗員が加わる。小型艦載艇の乗員は,パイロット,砲手兼スチュワードが定数でこれに機付整備員が加わるが,通常は専属の乗員が配置されることの方が少ない。従って本級は実際には4名程度の乗組員で運用される場合が多い。本級の指揮官は大尉又は中尉クラスである。

 CE-0403エドモント号の場合,乗組員は,艦長:大尉,パイロット:少尉,エンジニア:2等兵曹,兵器操作要員1等兵曹の4名から構成されている。当直士官は足りず,2交代での過酷な勤務を強いられる。

 ジャンプ空間で寝だめ」が小型艦の艦長達の間では当然の常識となっている。艦長は海軍経験7年の中堅,少尉は任官1年目の新米となれば,あとはエンジニアの2等兵曹だけが頼りである。

 このように小型艦の勤務は個人に対する負担が大きいが,自由裁量も大きいため人気がある。家庭的な雰囲気も小型艦ならではである。

 

 
 

艦載艇・貨物・燃料

 本級の搭載する艦載艇は小型艦載艇1機のみで,これは連絡任務/輸送任務に用いられる。小型艦載艇を戦闘機として運用する場合もあるが,大概は非武装のままである。艦底にドッキング設備が設けられている。

  戦闘出力で連続10日航行可能である。ただし,全力航行をする機会はまれで,4G加速の通常航行で31日間の航続日数がある。

 辺境における燃料事情を考慮し,燃料スクープ装置精製装置が搭載されている.全燃料の精製には24時間が必要である。

 貨物船倉としては,10排水素トンのスペースが確保されている。

 


 本級の派生型としては以下のような形式があげられる。
満載時に搭載される水素燃料は,410klである.これにより14日間の全力航行と1回のジャンプ航行を実
                       船尾に下面には2tの地上車収納スペースが設けられている.
海軍仕様

■連絡艦型
 艦隊連絡艦の不足を補うため,連絡任務についている型で,粒子加速砲を最初から搭載しない設計となっており機関も一回り小さい。変わりに60tの船荷を輸送できる。前線基地への補給任務などにもしばしば用いられる。

■機雷敷設型
 惑星,惑星軌道,アステロイド,衛星ところかまわず機雷を敷設してまわる型である。機雷はミサイルを改造したもので,簡易な探知機器とセットで敷設される。改装された型は3000発の機雷を搭載できる。

■特殊任務型
 海兵隊特殊偵察部隊の運用する艦で,完全装備の特殊偵察1個分隊を輸送することができる。また分隊を支援するための管制設備,回収用のGキャリアなども搭載される。
 
 

偵察局仕様

■偵察艦型
 偵察局は独自の船舶体系を有しており,海軍の艦艇を採用している場合は少ない。この背景にはもちろん海軍と偵察局の伝統的な軋轢がある。

 第5次辺境戦争における徴用偵察艦の損失を穴埋めするため極少数が偵察局に移管されたに留まる。

 

地方政府仕様

■哨戒艦型
 通常の哨戒艦の変わりに用いられるもであるが,実際にはより安価な専用艦を用いた方がコストパフォーマンスはよい。臨検用のブリッジや,船内探査機器などの特殊装備が増設されている。

■警察型
 幾つかの星系では地方警察の専用艇に改装されている。基本的には粒子加速砲を搭載しないタイプが多い。同じく臨検用のブリッジや,船内探査機器などの特殊装備が増設されている。