ドロイゼン・ファミリー　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　リジャイナ星域全域で勢力を拡大している裏社会の集団であり，構成員はおよそ１５０人。ただし，二次組織以下の構成員，準構成員を含めると２万人を超えるという。本拠地はブーギーン／リジャイナ。
　ブーギーンはＸボートラインの三叉路に当たる交通の要衝にあたり，常に大量ヒト・モノ・カネ・情報が出入りする。
　このブーギーンを本拠地としたドロイゼン・ファミリーは元来，軌道宇宙港の荷役人夫の元締めとして頭角を現した。無重力空間で作業を行う荷役夫達には気が荒い者が多く，この者達を統括することにメガコーポレーションや宇宙港関係者は苦労していた。この荒くれ者を統率していたのが初代バルボス・Ｄ・ドロイゼンである。
　彼はその腕っ節の強さと何者も納得する公平な判断力で数々の揉め事を仲裁してきた。そして，土地の顔役としての地位を確立し，組織としての土台を築いた。
　そして，２代目バイフライ・Ｊは，ゾダーンとの緊張状態が強まるなか，ジュエル星域，イフェイトに移動する途中に寄港する宇宙海軍人，海兵隊員，帝国陸軍人など軍人を相手に賭場や娼館を経営し，さらに組織を拡大させた。
また同時期，同じくブーギーンを根拠地に組織を拡大していたザリメロウス・ファミリーとの間に抗争が勃発する。双方，大量の死傷者を出し，事態を重くみた帝国司法省が介入する寸前，単身ザリメロウス・ファミリーのアジトに乗り込んだ現在のボス，カボラルが敵ボスを討ち取り，抗争に終止符を打った。結局，相手組織を吸収し，名実共にブーギーンの裏社会の支配者となった。
現在，務めを終えて出所したカボラルが３代目を継ぎ，組織はさらに拡大している。

現況
　現在，ブーギーンの裏社会を独占する組織となり，さらにカボラルの拡大政策により，その勢力は他の星系にも広がりつつある。
　ブーギーン：
　『ブーギーン宙事作業会社』を表向きの顔として，宇宙船の入港誘導，荷役積み出し作業，補給品の手配などの業務に大きく関わっている。ただし，この業務は非常にまっとうなもので，仕事は法的に触れるような問題はない。
また宙港街では，酒場・娼館・賭場のほとんどの経営に関わり，寄港した商人・軍人を相手に一夜の享楽を売る。
しかし，裏では武器，麻薬，情報，海賊の略奪品の取引を行い，実はこちらの活動がファミリー収入の大半を占める。この裏の業務に関わるのが幹部クラスの人物だけである。
　　　　
　デンタス：
　無政府状態でヴァルグル領に近いこの星系において，ヴァルグル海賊から略奪品や麻薬を買い取り，海賊船に対する補給品を提供している。
また，最近デンタスを基地に，国境外でドロイゼン系の海賊が活動しているという噂がある。

　フィーリ：
　　富裕世界であるフィーリに拠点を築くべく，電撃的に進出した。ここでの抗争では地元の組織を圧倒したが、現地指揮官を倒された。

　ループ：
　この星系はレッドゾーンであるが，この星系の支配者層に対して高級食品の密輸を行っている。

　キノーブ：
　Ａクラス宇宙港で交通の要衝でもあり，しかも富裕な星系でもあるキノーブにも橋頭堡を築きつつある。ただし，キノープは，治安レベルが高いので暴力的な性格を表に出さず，企業舎弟である貿易会社を進出させて勢力の拡大を図っている。また，富裕層の特殊なニーズにあった商品を提供し，法外な収入を得る仕事も行っている。
　
　イフェイト：
　対ゾダーンの重要拠点であるこの星系は，帝国軍の軍政が引かれている。慢性的な物資不足もあり，闇市が点在しているが，このうちの幾つかはドロイゼンの支配下にある。もちろん，軍上層部の一部の人物を抱き込んでいることは間違いない。

主なキャラクター
　ボ ス　 カボラル・Ｇ・ドロイゼン：
現在のボス，カボラルは初代バルボスの第二子にあたり，バイフライの下で渡世の修行をしていた。抗争では自ら単身，敵ボスを討ち取る殊勲により，名を上げた。
元来を組織を継ぐ意志は無かったため，若手時代は単身相手に飛び込むような度胸が据わった人物であった。しかし，長兄が不慮の事故死を遂げたため，はからずも３代目を襲名することとなった。
ボスとなってからは周囲と調和を図りつつ，着々と勢力を伸ばす戦略家であり，冷徹に組織を運営し，無表情のまま子分を死地に送り込むことも厭わない。しかし，いざとなったら自ら抗争の先頭に立つ鉄砲玉のような過激さも兼ね備えており，大組織の長としての能力は十分である。

　カシラ パブス・レーフィールド　：
　組織のナンバー２。カボラルの意を汲んで実際に組織の舵取りを行っている。経済・貿易に詳しく，スピンワードマーチきっての経済マフィアと呼ばれており，表向きは商社の社長。
現在，キノーブへの進出の指揮を執る。

幹　部　 ポンプ・Ｄ：
　ブーキーン宙港街を暴力で取り仕切る実戦隊長。一度キレると暴走が止まらず，味方も敵も畏怖の念で彼に接している。組織には忠実で特にボスには絶対の忠誠を誓っている。そのため，過去二回ヒットマンとして行動し，服役している。
　また，厳しいながらも親分肌を持ち合わせた人物であり，彼の組織の団結力は強い。
最近，フィーリ進出の指揮をとっていた彼の弟分が，抗争で命を落とした。その敵の情報を集めている。
　　　　　　
　幹　部　蛮龍：
　デンタスを根拠地に海賊活動の指揮を任されている。口数は少ないが，その一言一言は重く必要最小限で的確な指示を出す。　　　　　　　　　　
帝国海軍士官学校卒の噂もあり，事実帝国海軍軽巡洋艦に追跡されたときも，見事な操艦で脱出に成功している。

　幹　部　しゃーぷ
　　一見，非常に優男でいつもニヤニヤしているために，相手に舐められる事が多いが，そのような態度をとった者を畏怖と共に後悔することとなる。情報量が豊富で相手との駆け引きが上手く，相手の弱味を握りながら，自分にとって最大限有利な状況を作り出す。
　現在，イフェイトで活動している。

　幹　部　デビット・ルーニー
　元帝国海兵隊大佐。ボス直属の戦闘部隊。軍との人脈が広く，軍人中心に人材をスカウトし，一つの傭兵部隊並みの戦闘力を持つ。事実，ブロードソード型傭兵巡航艦“ドス”を保有すると言われている。

幹　部　アイシュ・ラーイ
　 元モデルの美女で，ボスの秘書。数カ国語を巧みに操り，頭の回転が非常に速い。格闘技にも精通し，ナイフコンバットの達人。
幼少時に父親の超能力が発現し，迫害された過去を持つ。本人も超能力者ではないかという噂がある。