S200710



J-3 Class Seeker	J-3型探査船

*MEGA TRAVELLER* Science -Fiction Adventure in the Far Future CG softs: Shade8.5， Poser7J　&　Vue5

J3001



J3型探査船
Ｊ３型探査船は，Ｓ３型偵察／連絡艦をベースに開発された星間資源の探査船である．探査船は，民間に売却された偵察／連絡艦を改造して建造される場合が多いが，J3型はＳ３型からの改造の他，新造も行われている．
Ｊ３型探査船は，110５年に就役が始まったMASA社製の最新の探査船シリーズで，恒星間航行能力が向上している．建造コストは従来型に比較しやや高価となっているが，本級は順次旧式船と置き換わっている．　探査船は，鉱業家達により運航されている．一口に鉱業家と言っても個人事業者から大企業の社長まで様々である．鉱業家の基本的な業務内容は，有益な鉱物を探査し，採掘し，選鉱し，製錬して，産業界に原料として供給することである．その活動拠点は，惑星上の石切場，小惑星帯のレアメタル，ガスジャイアントからのスクープ等と様々である．鉱業家の職種は様々であり，高度に細分化された専門家集団である．鉱業家の中でも，探査船を家として，惑星や小惑星帯を渡り歩く人々を，「ベルター」と呼ぶ．アステロイド=ベルトで暮らす人々の意味が語源である．　宇宙空間での採掘では帝国鉱業法が，惑星上では各世界の鉱業法が枠組みとしてあり，多くのベルター達は，この範囲内で合法的に活動している．　鉱山事業は，埋蔵されている資源の種類・規模，埋蔵状況，埋蔵地点の地理的条件，周辺世界の経済・産業環境等に左右される．しかし，基本的には探査，採掘，選鉱，精錬の4つの事業とその支援事業から構成されているといってよい．　探査は，鉱床の埋蔵位置を探り当てる業務を指す．ベルター達のような中小事業者は，主にこの探査を担っている．探査は，宇宙空間から，惑星上まで様々であるが，重力の井戸の底よりは，宇宙空間上の資源が好まれるのは言うまでもない．　採掘は，鉱床から資源を採掘する事を指す．採掘方法は資源の種類・規模，埋蔵状況により選択されるが，一般的に重力環境下でありかつ鉱床が大規模で比較的地表の近くに存在する場合は露天掘りが採用され，逆に無重力や惑星上の深部にあり，鉱床が小規模である場合は坑道掘りが採用される場合が多い．ベルター達のような中小事業者は，小規模な鉱床の採掘を行う場合が多く，大規模な鉱床は採掘権を大企業に売り払ってしまう場合が多い．　選鉱は，採鉱して得た鉱石を主として物理的に選別し，有用な鉱石とそうでない鉱石（ズリと呼ばれる）に選別する仕事である．画像処理，磁性処理，比重処理，メーザー処理，中間子処理など処理法は様々である．ズリを処理する専門の業者も存在する．　製錬は，採掘した鉱石を物理的，化学的に処理し，純度を高めて有用な元素を取り出す仕事である．　　こうした4つの事業を全て行っている鉱山は大規模なケースが多く，中規模の鉱山は採鉱・選鉱を，小規模な鉱山は採鉱のみを行っているケースが多い．ただし，経営者の判断により，大規模な鉱山でも製錬は行われず，その事業のみ都市部に設置された製錬所に集約されたりする事もある．　こうした鉱山における事業はいずれも単独で行われる事は難しい．このため，鉱山においてはこれらに付随する形で機械工場，輸送機器整備工場，化学工場，発電所，変電所，ポンプ場，廃水処理場，貨物鉄道などが設置される．　Ｊ３型探査船は，探査と採掘に特化した宇宙船で，少数の乗員でこれらの業務が行えるように設計されている．高性能の各種分析センサーの他，採掘用のビームレーザー砲，貨物船倉，作業用アームを装備している．また探査用のバギーを1機搭載している．




J3型探査船の詳細

J3型探査船は，楔形流線型船体で，全長39.5m，全幅25.5m，全高9.0m，総排水素100dt，重量658t，満載重量1105tである.船体は結合超密素材，通称Ｇ種別鋼を用いた40レベルの装甲板に覆われている．船体は，ガスジャイアントからの燃料補給を容易とするため，流線形化されている. 　本級の主機は351Mwの核融合炉2基で，100ｄt/1G級のダブルインパルス型スラスト通常ドライブ2基とそれぞれ組み合わされ，船尾に配置されている．恒星間航行能力は3パーセクで100ｄt/3パーセク級の超光速ジャンプドライブユニット1基が船尾上面，貨物室直上に配置されている．これらの機関ユニットは容易に取り外すことができ，整備性が高い．
通信機器には，電波通信装置（SYSTEM）RS-15A，レーザー通信装置（SYSTEM）LS-15A，メーザー通信装置（SYSTEM）MRS-15Aを各1機づつ装備している．　探知機には，受動EMS（Interstellar）PEMSF-IS/8，能動EMS（Far Orbit）AEMSF-FO/7，質量探知機低レベル（250 m）DSF-Lw25，中間子探知機最小10kw NSF-10を各1機づつ装備している．
探査船は，採掘用のビームレーザー砲１門を搭載した砲塔１基を装備している．爆破用にミサイルを装備しているタイプも就役している．制御機器としては，モデル3型コンピューター3基が搭載されている．予備コンピューターは装備されていない．船の制御は全て船首にある操縦席内で行われる．船尾上面の砲塔も遠隔操作となっている．
船内の環境は，基本環境システム，基本生命維持システム，上級生命維持システム，重力制御プレート，慣性中和装置などの各システムで保たれている．　乗組員は，4名まで乗船可能である．天井の低い小さな専用室が４部屋用意されており，長期間の航海においても最低限のプライバシーが確保される．船尾には小さな共用室が設置されている．船尾最下層デッキには緊急用２等寝台が設置されている．　輸送機器として，探査用のバギー１機を搭載している．これは船尾に格納されている．２つの鉱石貯蔵室には合計で２６ｄtの採掘物を搭載することができる．この貯蔵室には，それぞれ上部にハッチが設けられており船外作業用のアームが取り付けられている．船尾船倉には，4dｔの貨物が搭載可能である．　その他，船内の詳細についてはＳ３型偵察／連絡艦に準拠している．