Step.5 動物との生活 牧畜
牧畜業は、自給自足レベルなら簡単である。ただ動物を近くの原野に放って勝手に成長させ、冬の到来の前に繁殖用のエ
ースだけを残して全て肉にしてしまうのである。近代以前のヨーロッパの農民や、アメリカの開拓者はそうやって生きてきた。し
かし、商業ベースで行うには農業よりもずっと大きな資本が必要で、基本的にお金持ちの事業である。西部劇には貧しい農民
一家は登場しても、経営が傾いたという設定で無い限り、貧しい牧場主一家はあまり登場しない。かつてニュージーランドで
は、農業は貧乏な移民の仕事と牧羊業よりも軽く見られていた。
もっとも、お金持ち牧場主も、最初は数頭のタネ牛やタネ馬から身を起こしたのであるが、その道のりは決して楽ではない(例
え大資本があろうと、楽な事業など無いだろうが)。
Step.5.1.1 建物
いやしくも商業ベースで牧畜を行うには、最低でも畜舎の一つくらいは必要である。一頭もしくは一羽あたりに必要な面積は
動物によって異なる。こうした建物は屋根裏の物置スペースくらいはあるが、基本的に全て平屋である。農業施設なので、農
地の中に建設できる。建物の建設は全ての家畜に共通であるが、一度用途を指定した後は他の家畜に使えない。
畜産施設表
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床面積 |
価格 |
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床面積 |
価格 |
小畜舎 |
500sqm |
40,000Cr |
酪農用畜舎
(乳牛/乳山羊専用) |
飼育スペース2,000sqm (200頭)
+ 搾乳設備1,000sqm = 3,000sqm |
250,000Cr |
大畜舎 |
2,000sqm |
100,000Cr |
・家畜一頭当たりの必要床面積
牛: 10 sqm/頭
ブタ: 2.5 sqm /頭 実際は1.5sqm程度でも良い。(日本のガイドラインでは体重100kg超のブタは最低1.5sqmとされている)
鶏: ケージ飼い 0.1sqm/羽 平飼い1.5sqm/羽
羊と山羊: 3.0sqm/頭 豚より小柄なのに要求面積はでかい
これらは作業スペースも含んだ面積である。
・搾乳設備: ミルキングパーラー。慣れた乳牛や山羊なら、自分で定位置について自動的に搾乳を受けてくれる。
・サイロ: 牧草の貯蔵施設。貯蔵能力10tごとに40,000Crと5sqmの床面積が必要。冷蔵などの長期保管処理を行う場合の維持費は年間で価格の0.1%。長期保管処理をしないなら0.01%。ローン可。このサイロの中で牧草のサイレージ(干草をつくること。発酵させることで水分量を減らすとともに有機酸など栄養素を増やす)を行うが、実は牧畜分野では既に時代遅れである。それでも、エサ用穀物の貯蔵には必用。また、維持費として価格の0.2%の維持費を支払うことで、肉の冷凍保存が出来るが、その場合はサイレージと牧草の保管には使えない。
・堆肥置き場: 糞を保管して堆肥にする場所。基本的に簡単な屋根をつけ、地面をコンクリートで固めて地下に浸透しないようにしておけば大丈夫。面積1sqmあたり7.5Cr。貯蔵能力は1sqmあたり3t 維持費は不要。
・し尿処理設備: 浄化槽。特に尿を処理する。TL6以上の世界では設置義務あり。容積1klあたり25,000Crと、価格の2%の維持費が毎年必要。それぞれの家畜の一日の排泄物量を計算して、必要な大きさのものを設置すること。違反した場合は重大な環境汚染や伝染病まで引き起こす危険があるため、刑務所行きである。 |
Step.5.1.2 牧草と飼料
例え放牧しなくとも、飼料用の作物を育てる必用がある。実際には牧草にも飼料作物にも多くの種類があるが、ここではトウ
モロコシ(もしくは同じような性質のもの)と、牧草に単純化する。
トウモロコシ: Step4参照 どうしてもと言うなら麦や米も使えるが、トウモロコシがいちばん安い。
青刈りトウモロコシ:
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収穫倍率 |
収穫量(t/ha) |
青刈りトウモロコシは、実だけではなく地上の茎もエサとして使うので、単位面積あ
たり収穫量はトウモロコシの2倍となっている(人間は食べられない)。収穫時期が
早いこと以外、トウモロコシ(のようなもの)と同じだが、残念ながら粗飼料扱い(後
述)。おまけに、放牧用には使えないと言う欠点がある。 |
熱帯 |
x340
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8.0
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亜熱帯 |
x400
|
8.0
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温帯 |
x200 - 600
|
10 - 18
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冷帯 |
x280
|
8
|
寒帯 |
x100
|
4(青刈りのみ)
|
牧草:
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収穫倍率 |
収穫量(t/ha) |
トウモロコシと同じスケジュールだが、再生可能(つまり、基本的に一度種まきすれ
ば、1D3+1年もつ)。冬季以外、年3回ほど刈り取れる(年3回で50t/haである)。乾
燥させると40%の重さになる。施肥は年3回でよい。「牧草」として商品にするなら
除草剤は撒いても良いが、放牧地であればその必要はない。殺虫剤は禁止。も
っとも、害虫も病気も致命的なものが発生しないのが普通。
販売する場合は乾燥後重量で150Cr/t
トラクター、プラウ、シードトリラー、散布機が必要で、収穫にはロールベーラ
ーが必要。 |
全気候 |
x30
|
50
(乾燥20t/ha)
|
種は200Cr/t |
Step.5.2 牛もしくは牛のような動物
牛は家畜として最も古い部類に属する。酪農、食肉が主な利用法であるが、工芸用の皮革と、生きたトラクターとしての利用法
や、娯楽、スポーツにも用いられる。実を言うと、決して効率的な動物とは言えない面があるが、巨体であるため産業的には人
気がある。その反面、フンが恐るべき量に達するため、処理を誤ると重大な環境汚染を引き起こす。
牛の特徴: でかい(平均680-700kg 最大記録は2.3t) 草食性 基本的に大人しいがキレれば凶暴 可愛い
・牛の生育過程: 一般に「子牛」とは12月齢まで。子牛を育てる「繁殖農家」と、酪農家や肉牛の肥育を手がける農家が分か
れていることが多い。成牛の管理を行いながら、乳も出さず肉にもならない子牛を一年近く育てるのは苦労が多い。肉牛は通
常、8-10月齢で体重280kg近辺になった時、競売などで肥育農家へ出荷される(暗号名「ドナドナ」)。乳牛の場合、6-18月齢
の間、専門の「育成牧場」で飼育と種付けが委託されることもあるが、本ルールでは繁殖農家と同じものとして扱う(ここでもド
ナドナ)。妊娠期間は300日。産後60日おけば(実際は30日でも良い)また種付けできる。一回に1頭しか生まない。
また、生育中の死亡率は1%程度ある。
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0 |
2-3ヶ月 |
3−6ヶ月 |
8−10ヶ月 |
14-15ヶ月 |
24-25ヶ月 |
29ヶ月 |
5−6年 |
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乳牛 |
出生 |
離乳 |
|
種付け |
初産 |
この間に4−5頭出産できる |
お肉化 |
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乳牛は12月齢、肉牛は8-10月齢で繁殖農家を離れる |
搾乳(300日) + 乾乳期間60日 妊娠期間300日 |
肉牛 |
|
|
離乳 |
肥育開始 |
この間、体重は直線的に増え
る (+0.5〜0.6kg/日)
普通の肉牛は23-24ヶ月
(500kg程度)でお肉になる。 |
お肉になる(和牛) |
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体重
(乳肉共通) |
40kg |
3ヶ月
90kg |
6ヶ月170kg |
10ヶ月280kg |
350kg |
540kg |
600-700kg |
努めて太らせない限りこの先はそれほど大きくならない |
・乳牛の搾乳可能期間は300日。初産後は、妊娠している限りは乳を出すが、乾乳期間を置かないと、骨格の維持に
必要なカルシウムが失われてしまう。
・乳牛の場合、子牛が生まれると初乳(免疫の形成に絶対必要)だけ飲ませて分離させ、後は人工哺育する。贅沢にも
母乳で育てる場合は、搾乳期間は90日減ってしまうが、経営には致命傷なので普通はやらない。
・乳はきっちり搾らないと、乳腺に炎症を起こしてしまう。
・なお、初乳は人間には激マズという話も。
・離乳するまで子牛はカーフハッチに入るが、面倒なのでこのルールでは無視(畜舎に付属しているものとする)。
・また、繁殖用以外の雄牛は、肉質と取り扱いの問題から去勢されるのが一般的だが、ここでは無視。
・牛の飼料
牛の飼料は大別して、粗飼料(サイレージされた牧草、干草など)、濃厚飼料(トウモロコシなどの穀物)、配合飼料(濃
厚飼料にミネラルや栄養分を混ぜたもの)の三種類がある。なお、配合飼料には多くの種類があるが、本ルールでは「配合
飼料」として一括りにする。ただし、肉牛用、乳牛用に互換性は無いものとして扱う。
餌の必要量(※1):
和牛:
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10kg/日 (粗飼料1kg、濃厚飼料1kg 配合飼料8kg) |
搾乳期の乳牛:
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40kg/日 (粗飼料20kg 濃厚飼料15kg 配合飼料5kg)
搾乳期間の配合飼料は5kg/日が一般的だが、この量を増やすことで、乳量は増加する。一日の乳量は、配合飼料kg数 x 6 リットルとなる。(ただし、40リットル/日が限界)。配合飼料4kg/日以下では、乳量は一日10リットル程度(後述の粗放牧と同レベル)に落ちる。 |
最初の妊娠中、および
乾乳期の乳牛:
|
10kg/日 (粗飼料4kg 濃厚飼料3kg 配合飼料3kg) 配合飼料でカルシウムを補給しないと骨がもろくなって死ぬ。 |
肉牛(グラスフェッド):
|
16kg/日 (粗飼料16kg 出荷前数ヶ月に配合飼料4kg/日を与えることもある
放牧地で生の牧草を食べさせるときは重量x2.5 |
肉牛(グレインフェッド):
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12kg/日 (粗飼料8kg + 濃厚飼料4kg 濃厚飼料1kgは概ね粗飼料2kgに相当するが、牛の健康の問題で、粗飼料との比率が2:1を超えてはならない。) |
人工哺育:
|
配合飼料(=人工ミルク) 1kg + 粗飼料0.5kg/日 基本的に離乳前三カ月間与え、その後はグレインフェッドかグラスフェッドに移行する。 |
・離乳前の子牛の飼料(人工乳)や子牛の時期の餌の量は違うのだが、簡略化のため本ルールでは無
視。また妊娠中の雌牛についても無視。種付けまでの乳牛については、グレインフェッドかグラスフェッド
で良い。
・なお、濃厚飼料だけ与える、少量で必要な栄養素が摂取できるスーパー餌を与えるなどの方法は、単な
る浅知恵である。消化器系の機能を維持するためには粗飼料が必要であり、また牛に限ったことではな
いが、空腹感によるストレスは栄養の摂取に関係なく発生するので、何でもなめたり噛んだりする悪癖か
ら、健康への重大な悪影響にいたるまで、良いことは何もない。満腹感のため、産業廃棄物の廃パルプ
を与えると言う方法もアメリカでは行われていたが、評判は悪い。
飲水量: 35リットル/日 (※2) 搾乳中の乳牛は 一日の乳量 x 3リットル/日 (※3)
排泄物: 糞 20kg/日 尿10リットル/日 搾乳中の乳牛はこの倍
※1: 極めて大雑把な概数である。とくに搾乳期でない乳牛は実態とは違うかも…
※2: 盛夏での最大量であるが、基本的にこの量を確保しておけば問題ない。
※3: これもかなり多い見積もり
※4: 飲み食いした量以上に出しているように見えるが、試算に使う平均値である。糞の80%は水分である。 |
・諸経費
・種付料: 人工授精も含む。30Cr/頭 (エース級牛のタネはx1D6+1) なお、乳牛は一回の出産を経た状態で妊娠していないと乳は出さない。人工授精による雌雄の産み分けは、牛に限らずTL6から可能である。精子の比重が違うから見分けるのは簡単。人間にも応用できる。
・生きた牛の購入価格: 体重100kgあたり180 + (2D6-7)x5 Cr。購入する時は勿論、生きた状態で売却する時もこの価格。例えば標準的な子牛(280kg)は平均して504Crである。和牛は1D6+1倍になる。
・畜舎の維持費: 建物の価格の2%/年
・飼料: 粗飼料(干草と青刈りトウモロコシ) 1tあたり225Cr x 貿易上の分類と平均耕地面積による修正。
濃厚飼料 その世界のトウモロコシ生産者価格 x 1.5に等しい。
配合飼料 300 Cr /t これは自給不可能である。
交通が「普通」以下で田舎度が100kmを超える場合は、それぞれの費用は(1+田舎度/1000)倍になる。鉄道がある場合は、(1+田舎度/2000)倍。交通が「便利」では、田舎度を半分にして計算する。
この価格は他所から購入することが前提なので生産者価格よりも割高になっている。生産者から直接買い取ることが出来れば、配合飼料以外は価格を2/3にできる(ただし、輸送費の修正は変わらない)。もちろん、自給するにこしたことは無い。
・参考データ 平均的な牛の餌代:
(農業、富裕で平均耕地面積による修正が無い世界で、飼料を自給していない農家 トウモロコシは120Cr/tとする)
和牛:
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3ヵ月で離乳し、29ヶ月で肉になるまで、780日間。
粗飼料780kg 175.5Cr 濃厚飼料780kg 140.4Cr 配合飼料6.24t 1872Cr
計: 2187.9Cr 実際の和牛は高コスト体質で飼料代がもっと高いが、本ルールでは並みの牛よりも安くなる。 |
搾乳期の乳牛:
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搾乳期間は300日 粗飼料6t 1,350Cr 濃厚飼料4.5t 810Cr 配合飼料1.5t 450Cr
計: 2,610Cr 大抵の酪農家は粗飼料くらいは自給しているのでもっと安い |
乾乳中の乳牛:
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30日あたりのエサ代 = 粗飼料120kg 27Cr 濃厚飼料90kg 16.2Cr 配合飼料90kg 27Cr
計: 70.2Cr/30日 |
グラスフェッド:
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子牛から離乳までの3ヶ月+出荷までの26ヶ月全期間880日
離乳前: 人工飼料90kg 27Cr 粗飼料45kg 10.125Cr 計37.125Cr
肥育期: 粗飼料12.64t 2,844Cr 「グラスフェッド」を名乗る限り、放牧との組み合わせで普通は餌は自給する。なお、牛舎の中で草だけ与えて育てるのは、中途半端な和牛でしかない。 |
グレインフェッド:
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子牛から離乳までの3ヶ月+出荷までの26ヶ月全期間880日
離乳前: 人工飼料90kg 27Cr 粗飼料45kg 10.125Cr 計37.125Cr
肥育期: 粗飼料9.48t 2,133Cr 濃厚飼料3.16t 568.8Cr 計2,701.8Cr |
実際の所、干草とトウモロコシくらいは自家生産しないと厳しい(どうやらジャガイモはそのままでは牛は食わないようで、加工しなければならないようです)。
・ロールベーラー: トラクターに引かせて使う機械。中(30,000Cr )と大(50,000Cr)しかない。中は一時間に1ha分、大は2ha分の牧草をベールにする。ローンは年利5% 10年払い (新品価格の15%/年)。動力内蔵なので、稼動100時間あたり価格の1%の経費が必用。加えて、ロール一個当たり5Crのラッピング費用が必要。この機械があれば、サイロなしでサイレージが行える。牧草は、一個当たり500kg(乾燥後は200kg)の円筒、もしくは立方体の草束となり、その場で発酵させる(北海道の牧場風景にある、牧草地に転がっているあれがそう)。放牧地に草が無い時期や、牧草を飼料として商品化している場合は必須だが、年中牧草が青々している気候では不要。
・衛生費: 一頭あたり50Cr/年に加えて獣医師が存在している必要がある
・ユーティリティトラクター: 20,000Cr。手作業で糞運びや敷き藁運びをしたくなければ一台は必用。維持費はトラクターと同様に計算するが、牛200頭につき、年間300時間稼動する。
・電動搾乳機: 5,000Cr。一度に一頭の乳を搾れる。一頭当たり5分で搾乳可能。維持費不要
・牛乳輸送缶: 20リットル用1本=200Cr。 50リットルまであるが、以後、容量10リットルごとに値段は100Cr上がる。牛の数の3倍の本数が望ましい(搾乳、出荷、業者から返却のサイクルがあるから)。
・放牧用の柵: 300Cr/100m 1haあたり400m必用。維持費として設置費の0.1%/年
・牧草地の灌漑設備: スプリンクラーかセンターピボットのみ可。費用は小麦並みで良い。
・移動式スタンチョン: 一個500Cr。放牧のみで育てる牛には必用。搾乳や検査、人工授精などの時に保定するのに使う。畜舎にはスタンチョンは付属しているので、畜舎があれば買う必要はない。維持費不要。
・牛への給水設備: 10頭までなら不要。設置費や維持費、間接経費は地表灌漑設備一式(50ha分)と同じ。ただし、牧草地への灌漑設備とは別にすること。一式で200頭の牛に給水できるが、水源なしの地域では井戸の給水量による修正を受ける(Step.4参照 例えば水量が0.8なら、160頭分にしか給水できない)。スプリンクラー式にしても牛が飲む水の量は変化しないので、利点は無い。ランニングコストは設備価格の2%/年。牛の数が少なくても変わらない(衛生の問題で流しっぱなし、さらにおしっこを希釈して排水するのにも使うから)。
・労働力(※): 労働力は飼育の目的と条件によって異なる。以下を参照して適切な人数を設定すること。
肉牛/乳牛問わず離乳後の牛の完全な舎飼い: 牛25頭/人
肉牛/乳牛問わず離乳後の牛で放牧を取り入れている: 125頭/人(放牧していると粗飼料は自力で食べてくれるので、餌やりの手間が劇的に減少する。この人数は集約放牧(後述)の場合であり、粗放牧(これも後述)はもっと楽)
乳牛の乳搾り: 乳牛25頭/人 ミルキングパーラーがあると乳牛250頭/人
乳牛の子牛の人工哺育: 離乳前子牛25頭/人 (本来は母牛の乳で育てるところを、人間様への分け前を減らさないために人工飼料で離乳まで育てる。一日三回の授乳が手間がかかる。放牧を行っても省力化できないが、90日分の牛乳と引き換えに母牛に世話を任せた場合は、労働力の算定に際して離乳後の牛の数に含めて良い)
一般的に言って、片手間での飼育は後述の粗放牧以外では不可能。しかし、農作業用の家畜に転用した牛は片手間飼育できるが、畜産物の価値は皆無。
・ロボットの使用: 家畜の世話にロボットを用いる場合、「農耕」プログラムは使えず「生物学」か「医学」を使用すること。牛以外でも同じ。またロボットの腕二本につき人間2.5人に相当する農業と違い、牧畜ではロボットの腕二本=人間1人にしか相当しない。寝ずに働くのがロボットの利点だが、家畜も夜は寝るので夜間の作業はストレスを与えるだけ。
人件費: 臨時雇いの場合、時給10-15Crで1日10時間契約。正規雇用では月2000Crが目安
・生活費: step.4参照
・税金: Step.4参照
(※) この労働力は、例えば牛が1匹だからと言って、労働時間は1/25になったりはしない(これは、粗放牧で無い限り全ての家畜に共通する)。家畜を立派に育てるにはこまめな世話が必要であり、例え牛一頭だとしても、糞掃除、餌やり、床敷きの交換などなど、畜舎に通わねばならない回数は変わらないので、ある程度数がいた方が効率的。 |
例) 牛飼いの労働力
とある牧場。ここでは125頭の肉牛を畜舎飼いで飼育しています。必要な労働力は125/25=5 で5人です。意努力の甲斐あっ
て必要な牧草地を持てる身分となり、放牧が行えるようになりました。この時点で給餌の手間が劇的に軽減されて、必要労働
力は1人となります。しかし、牧場主は肉牛から乳牛に切り替えました。乳牛の場合、餌やり要員は肉牛と同じ125頭/人=1人で
かまいませんが、それとは別に乳搾りに従事する人間が必要です。ミルキングパーラーを導入していないため、搾乳には25頭
/人が必要。この場合、125頭の乳牛からきちんと搾乳するには、125/25=5人の労働者が必要となり、牧場では計6人が働くこ
とになります。一方、125頭から搾乳すると言うことは、子牛が125頭生まれるということです。子牛の人工哺育には子牛25頭/
人が必要。時期をずらすことも出来ますが、とりあえずここでは子牛125/25=5人が必要となるとします。牧場では、餌やり(それ
と牧草地の管理)一人、乳絞り係5人、子牛の世話係5人の計11人が働くことになりました。
・お肉になった牛
乳牛であっても、大抵の牛は食肉になる運命を免れることはできない。食べる時は、生命を犠牲にしているということをしっか
りと自覚しておくこと。自然死した場合でも、ペットフード用の肉になる。
肉には、取引に使われる「枝肉(えだにく)」と、実際に消費者の口に入る「精肉」がある。
枝肉: 屠体から皮、頭部、内臓、四肢の先端を取り除き、背骨に沿って縦に分割した肉の塊。体重の60%程度。食肉として
肉牛を売るときは、この重量が使われる。
精肉: サーロインやロースなども含む、実際に食用として口に入る部分。体重の40%程度。自分でステーキを作る時以外は
考えなくて良い。
・牛からの利益表
生きた牛の価格: 体重100kgあたり180 + (2D6-7)x5 Cr 売却する時は勿論、自分の牧場用に購入する時もこの価格。
枝肉: 体重100kgあたり350 + (2D6 -7) x5Cr ただし、生きている時の重さの60%であることに注意。和牛は1D6+1倍になるが、まず日本人以外買わない。そして、ソロマニ近辺以外に純粋な日本人はそうそういない。
牛乳: 350 + (2D6-7)x5 Cr /1kl 新鮮さが命なので一日分の牛乳はすぐに売らねばならない。一日の乳量は後述するが、配合飼料を用いて育てている場合は基本的に一日の乳量は、一日あたり配合飼料kg数 x 6 リットルとなる(通常は30リットル/日)。ただし、40リットル/日が限界。配合飼料4kg/日以下では、乳量は一日10リットル程度(後述の粗放牧と同レベル)に落ちる。言うまでも無いことだが、オスの乳牛は存在しない。乳牛種の肉用牛がいるだけである。
革: 50 + (2D6-7)x2 Cr/sqm TL4以下の世界では1/10。1頭から体重x0.55/100 sqmの革がとれる。 実際には最高級の子牛革(Calf skin 生後6ヶ月まで)、キップ革(Kip skin 二歳くらいまで)、ブルハイド(Bull hide 去勢していない3才以上の雄の皮。汚いが頑丈なので工業用)、ローハイド(Rawhide クリント・イーストウッドの出世作)などの種類があり、価格はまちまちなのだが、ここでは統一する。また、取引単位も本来はデシ(DS 10cm四方)である。
胎児血清: 100Cr /100ml 生化学用の試薬。研究者以外にこの用途はあまり知られていない。胎児の体重(30kg程度)の5%程度の血清(1500ml)が得られるが、胎児は死ぬ。需要は多くは無い(TL6以上の世界で2D6で10+)。なお、胎児の皮(unborn calf skin)は、牛革の中でも特に稀少な超高級品である。
牛糞堆肥: 6Cr/t 糞の重量の20%が堆肥になる。Step.4の上級ルールと値段が違うのは生産者価格だから。
修正:
2D6への修正
田舎度が200lm超: -1
500km超: -2 輸送費の負担が大きくなるのでその分買取価格が下がる
1000km超: -4
交通が無いも同然: -2
交通が隠れ里: -3
交通が便利: +1
牛乳: 田舎度修正は倍 (新鮮さが命だから)
全体の修正:(2D6とその修正を適用して後でさらに適用する)
貿易上の分類による修正: 農業 -20%
富裕 +20%
貧困 -20%
非水 +20%
非工 +20%
世界の平均耕地面積が50ha以下: x 2
-75ha以下: x1.25
その世界の平均月収が2000Cr未満/月である: x 設定した平均月給/2000Cr |
Step.5.2.1 放牧
放牧には、
1.雑草や牧草の自由な採食による購入飼料や給餌作業の減少による低コスト化、省力化
2. 牛のストレス解消
の利点がある。特に乳牛の場合、ストレスは乳量を大きく減少させるため、放牧は必須である。その一方、
1. 広大な土地が必要
2. 病気や事故の危険
3. 肉牛の場合、どうしても肉質が硬くなる
と言った欠点がある。特に日本人はやわらかい肉を好むため、肉牛は清潔な牛舎から出さずに(運動不足状態で)飼育して、
脂肪分が多いやわらかい肉質に仕上げられることが多い。この牛は「和牛」として高値で取引されるが、まず日本人以外は誰
も買わない。肉とは「硬くて噛むと味わい深い」ものが普通なのである。
放牧地には、とりあえず草が生えていないといけない(従って「不毛」は不可)。ただし、放牧地の牧草はサイレージされていな
いので効率が悪く、栄養価の低い雑草もあり、また水分を含んでいるのでどうしても多量になる。牛は100kg/日の生の草を
食べる(子牛はもっと少ないが簡略化のため無視)。牧草地における生草の量(雑草も含む)は肥沃度によって違う。熱
帯、亜熱帯では年間を通じて放牧が可能だが、温帯では一年のうち2-3ヶ月、冷帯、寒帯では3-4ヶ月間、草がなくな
ってしまうため、放牧中にも給餌が必用である(つまり、この期間分のサイレージされた干草は確保しておかねばならな
い)。
雑草も含めた草の量表
肥沃度 |
t/ha |
例えば、「白骨並み」の土地1haに成牛一頭を放牧した場合、ウシは15日(100kg/日 x 15=1.5t)で、その地の草を食べつくすのである。
この表は雑草も含んだ数値なので、牧草よりもやや多くなっている。 |
白骨並み |
1.5 |
激痩せ |
15 |
痩せ |
30 |
やや痩せ/普通 |
60 |
肥沃 |
80 |
小太り |
90 |
肥満 |
100 |
乾燥帯で灌漑しないなら x 0.1
その他気候でも灌漑しないなら x 0.5
肥料を与えれば、 「普通」なみになる。 |
・放牧の種類
1. 粗放牧
いちばんラクで手がかからない方法。片手間でおこなえるのはこれだけ。肥沃度は「やや痩せ」以上では、放牧密度は0.5
頭/ha以下で無ければならない。この密度では、草の消費よりも再生の速度が上回っているため、放牧地に手を入れる必
要が全く無い(旱魃でも起こらない限り灌水も不要)。さすがに寒い日や長雨では牛舎に入れねばならないが、基本的に、
検診以外は牛もほとんど放置で良い(効率250頭/人になるが、片手間で良い)。糞尿の処理も配合飼料も必要ない。そ
の反面、栄養管理が不可能なため、乳牛の乳量は平均して年5klを超えることは無い(通常の飼育では年間8-10klの乳量
が無いと赤字)。肉牛の場合はグラスフェッドとして扱うが、やや固い肉となる(健康的で筋肉質な牛さんになるから)。この
方法は極めて楽である反面、酪農では牛の経済寿命中に購入代金の元が取れるかがビミョーなので、どちらかと言うと肉牛
や繁殖農家向きである(健康でありさえすれば、無理に太らせなくても280kg程度までは体重が増えるものとする)。また、牛に
限らず、片手間で(多少なりとも)商業的価値がある家畜を生産する方法は「粗放牧」だけである。粗放牧する土地が無
く(中世では共有地に放牧していたが)、それでも片手間と言うムシの良い事は不可能である。なお、粗放牧は休耕とみ
なしてよい。粗放牧中は、毒草を食べる、野生動物に襲われるなどで事故死率は年1%程度ある。
乳牛の乳量: 一日8+2D6リットル/頭 子牛を育てる場合、離乳するまでの3ヶ月は人間に回る分は無いので搾乳期間は210
日になる。
2. 集約放牧
放牧しつつ、濃厚飼料と配合飼料は与える方法。これがいちばん一般的。一般的には最大放牧密度は2頭/haまでだが、
「雑草も含めた草の量表」で、面積あたり何日持つか計算すること。この放牧では草の消費が再生よりも早いため、牧草のタ
ネを撒くなどしない限り、以後1D3年間は同じ土地を放牧に使えなくなる。牧草地に放牧してもよいが、これも草地は再生しない
ため、毎年、牧草の種まきが必要である。事故死率は年0.5%。
3. 完全な畜舎飼い
肉牛、特に和牛なら良いが、乳牛ではお勧めできない。ストレスで乳量は半分になる。
例) マラク夫妻 粗放牧する
さて、入植して数年。なんだかんだありつつも、マラク夫妻の農地経営は成功しました。しかし、ここで思わぬハプニングが。無料奉仕でがんばりすぎたせ
いで、マラク氏はなんと司法省副長官に任命されてしまったのです。任期4年の間、離農を余儀なくされますが、その間、耕地では粗放牧で牛を育てること
にしました。
あんまり広いのも疲れるので、耕地のうち、20haを放牧用にあてることにしました。20ha(周囲8km)に囲いを設置します。
囲いは100mあたり300Crですから、80 x 300 = 24,000Cr。 さらにスタンチョン一個(500Cr)を購入。
そして肝心の牛さんですが、14月齢の雌の乳牛4頭(各400kg 180Cr/100kgとする)を購入しました。
一頭720Cr x 4 = 2,880Crです。この牛は14月齢で出産を経ていないので、まだ乳を出しません。早速人工授精します。四頭で120Crです。そして
それぞれに獣医師が検診(50Cr x 4頭 = 200Cr)する以外、ほったらかし。そして300日後、四頭とも無事に子牛を出産しました。性別はきっちりオス2、メス
2です。
3ヶ月後、子牛達は離乳。母牛達には即座に人工授精です(120Cr)。牛は8頭に増えたため、検診費用は倍です(50Cr x 8 = 400Cr)。さて、搾乳期間
は300日。離乳まで3ヶ月使ったので、残りは210日。遅ればせながら電動搾乳機(5,000Cr)と、牛乳輸送缶50リットルを3本(500Cr x 3=1,500Cr)を購
入。一日の乳量は平均的な15リットル/頭としますが、司法省副長官殿とその奥方は、乳搾りの時間すら惜しんだので、一日に缶一本の容量50リットルし
かとりません。かくして、搾乳期間中の乳量は210 x 50 = 10,500リットル = 10.5kl。田舎度による修正も加え、平均して1klあたり330Crの値段
で売れました。計3,465Crです(←柵の代金すら出ていないことに注目)。
さて、搾乳している間にも、子牛さん達はすくすくと育っていきました。やがて、母牛の搾乳期間が終わるちょうどその時、子牛達は生後10ヶ月、体重
280kgとあいなります。子牛さんたちはドナドナですが、マラク夫妻は、これまでの感謝をこめ、入植地の人々と焼肉パーティーをしようと思い立ち、雄の子
牛一頭は食べることにしました。ここで、どちらが牛を殺すのかで滅多にやらない夫婦喧嘩をした挙句、マラク氏が護衛官の拳銃を借りて子牛を射殺。家畜
解体の経験がある村人Aさんの手によって、子牛は208kgの枝肉(体重の60%)となり、そして112kgの精肉(体重の40%)となって、入植地の人は勿論、護衛
官、作物を引き取りに来る運送会社の人などの胃に収まりました。子牛なのでまだ柔らかい肉です。
さて、残った3頭の子牛(合計840kg)は、家畜市場で売りに出します。100kgあたり150Crで、計1,260Crで売れました。
さて、ここまでの約二年、酪農の収支を見てみましょう。
収入は、牛乳代3,465Cr + 子牛3匹1,260Cr 計4,725Cr。
支出は…、計算するのが空しくなりますね。投資を取り返すのには9年かかりますが、乳牛は9年も働けません。手がかからないので、こんなもんでし
ょう。
例2) カウボーイ、宇宙へ行く
西部劇マニアのバカなお金持ち。趣味が高じてついに牛の飼育業を始めました。
その1) 畜舎飼い
まず大畜舎を用意します(2,000sqm 100,000Cr)。畜舎では200頭の牛が飼育できます。さて、まず計算しなくてはならないのは、入る方ではなく出す
方です。
200頭の肉牛は、一日当たり4t(200 x 20kg/日)の糞の山と、1日あたり2kl (200 x 10kl/日)のおしっこの大河を生み出します。年間にすると
1460tに730klです。ここは少し余裕を見て、1,500tの糞がためられる堆肥置き場と、1日4klが処理できる浄化槽を設置しましょう。堆肥置き場の
面積は、1500/3t=500sqm、500 x 7.5=3,750Cr。浄化槽は、4kl x 25,000 = 100,000Cr!!です。
次に入る方。200頭分の給水設備(地表灌漑50ha分に同じ)、25,000Cr。
ここまでで、固定設備はそろいました。土地代は含んでいませんが、合計は
大畜舎: 100,000Cr
堆肥置き場: 3750
浄化槽: 100,000
給水設備: 25,000
計: 228,750Cr |
です。
それから、200頭の糞運びのためにユーティリティトラクター1台(20,000Cr)を買いました。牛の世話には8人(200/25)が必要です。正統派カウボー
イを目指す金持ち氏は、農学部から人を連れてきました(月給2000Cr)。
次に、牛の用意をします。10ヶ月で体重280kgの牛、200頭を購入しました。100kg180Crとして、一頭504Cr。
全部で108,000Crです。
さて、肉牛の場合、出荷に適当な体重700kgになるには、19ヶ月かかります。グレインフェッドで育てることにしました。一日あたりの餌は12kg/日 (粗飼
料8kg、濃厚飼料4kg)。19ヶ月=570日として、一頭あたり粗飼料4.56t、濃厚飼料2.28tが必用。これが200頭だと、粗飼料912t、濃厚飼料456tとな
ります。全て購入飼料である場合、
粗飼料: 912tx 225 = 205,200Cr 濃厚飼料: 456t x 180 = 82,080Cr 合計で287,280Cr
そして検診費(19ヶ月ですが、検診は一回だけということで) 50Cr x 200= 10,000Cr
牛の給水設備費の維持費25,000Cr x 2% x 19/12 =791.67Cr = 792Cr
畜舎の維持費: 2,000Cr し尿処理設備の維持費: 2,000Cr 実際は19ヶ月なので2000 x 19/12 ですから、
合計6,333Cr。ユーティリティトラクターの維持費780 x 19/12 = 1,235 Cr 月給2,000Crで19ヶ月 x 8= 304,000Cr
合計では
飼料: 287,280
検診費: 10,000
設備費: 7,125
人件費: 304,000
計: 608,405Cr |
ああ、牛の購入費を加えるまでもなく、赤字確実です!!
19ヵ月後、無事に牛は成長し、体重700kgに達しました。枝肉重量では420kg x 200 = 84t
100kg=350Crなので、294,000Cr。
革は一頭当たり700kg x 0.55/100=3.85sqm。 200頭で770sqmなので、770 x 50=38,500Cr。
合計332,500Cr。購入飼料で畜舎飼いは問題外だとわかります。
その2) 放牧も取り入れた方法
大金持ち氏、大損こいたものの、もともとが牛の飼育経験を得ると言う目的でした。失敗に鑑みて放牧を取り入れることにします。
今回はグラスフェッドで行きましょう。この場合、乾燥した干草で16kg/日x365=5.84t、200頭としても、必用な餌は1,168t。
牧草地1haあたり、干草換算20tがとれますから、必用な飼料をまかなうには100haの牧草地が必用です (100 x 20=2,000t)
また、この面積であれば、放牧(2頭/ha)にも対処できます。柵の費用は120,000Crです。
まず、牧草地にする土地を買わねばなりませんが、土地は温帯で普通の肥沃度としておきましょう。しかし、ここはあくまで、牧畜の経費の例ですから、土
地代やら機材の代金やらはこの際計算せず、簡単に中トラクター、中プラウ、中ブーム式散布機、中ロールベーラーなど全て「中」の機械を使っていることと
します。
まず、牧草地100haのスプリンクラー灌漑設備(154,000Cr + 配管2500Cr)、年間の維持費は1078Cr+税金1540Cr。
牧草栽培にかかる機械やその他の直接経費は、
中トラクター: 150h 1,950Cr
ブーム式散布機: 20h 390Cr
ロールベーラー: 100h 390Cr
タネ代金100ha分: 100t 15,000Cr
肥料「上」x3: 4,500Cr
灌漑費用と税金: 2,618Cr
計: 24,848Cr |
おお、スバラシイ。購入飼料だと1,168x225Cr=262,800Crもかかる餌代が、1/10以下です。これで、その1と同じ条件で肉牛を育てたとしますと、
経費は以下のようになります。
飼料生産費(24か月分扱い):49,696
検診費: 10,000
設備費: 7,125 (19ヶ月)
人件費: 76,000 (放牧も取り入れて125頭/人。ここでは二人雇っている)
牛購入費: 108,000
柵の維持費: 120
計: 250,941Cr |
おお、8万Crほど黒字かな? ここで問題になるのは、10ヶ月の牛を購入していることでしょう。実際は人工授精で子牛から育てるものなのですが、そちら
はプレイするみなさんの楽しみに取っておきましょう(めんどくさいわけではありませんよ。本当に)。その3では、もっと安い離乳直後の牛を買った例
を見てみましょう。
その3) 離乳直後の牛を飼って育てる
離乳直後(3月齢)の子牛体重90kg、180Cr/100kgとして、購入費は32,400Crです。そして、29ヶ月の和牛ではなく、一般的あめりかーんな肉牛として24
ヶ月で出荷する場合、21ヶ月飼育する必要があります。その経費は、
飼料生産費(21ヶ月だがここでは24か月分扱い):49,696
検診費: 20,000 (2年で二回)
設備費: 7,875 (21ヶ月)
人件費: 84,000 (放牧も取り入れて125頭/人。ここでは二人雇っている)
牛購入費:32,400
柵の維持費: 120
計: 194,091Cr |
一方で収入はと言うと、1頭540kgとして、枝肉は324kg。350Cr/100kgで取引されているとすると、200頭で226,800Cr。革の売り値は29,700Cr。計256,
500Cr。さて、なんとなくコツがつかめてきたかと思います。実際には、人件費は家庭内労働であればかなり削減できます。
ただ、ここに間接経費(減価償却とローン支払い、ローン利息率)と言ううんざりするものが加わってくるのですが…。これは概ね、設備費の5%として、およ
そ11500Cr。あ、帳簿上はちょっとキビしいですね。
例3) 酪農家
お金持ち氏、次に酪農に挑戦します。その為にまずミルキングパーラーつきの牛舎を建設(250,000Cr)。堆肥置き場は容量を増やさねばなりませんが、し
尿処理設備は例2)と同じとします。牧草地も100haのスプリンクラー灌漑設備(154,000Cr + 配管2500Cr)つきとします。
ミルキングパーラー畜舎: 250,000Cr
堆肥置き場: 5475
浄化槽: 100,000
給水設備: 25,000
灌漑設備: 156,500
計: 536,975Cr |
次に牛の購入ですが、200頭、と言うわけには行きません。搾乳しようとすれば100頭子牛が生まれるからです。
と言うわけで、まず牝牛100頭を購入します。14月齢(350kg)の未出産牛100頭は、100kg180Crとして、63,000Cr。そして種付けするので、30Cr x
100= 3,000Cr。次に問題として、この牛達は、最初の出産(10ヵ月後)まで一滴も乳を出さないと言うことです。その10か月分の餌代は、一頭で
70.2Cr/30日 x 10 = 702Cr。ただ、お金持ち氏牧場では粗飼料は自給していますから、粗飼料代金を引いて、一頭432Cr/300日。100頭で43,
200Crです。ここで約1年。検診費5,000Crもかかります。
やがて時が過ぎ、「ぶもー、ぶもー、」と子牛さん達100頭が誕生しました。例によって、初乳だけ飲ませてさっさと隔離、売り飛ばします。100頭 x 40kg x
150 = 6,000Cr。母牛さん達は、ミルキングパーラーで毎日搾乳です。
搾乳期間は300日。この間、飼料消費は激増します。この期間のエサ代は本来は2610Crですが、粗飼料自給により、1260Cr/頭。100頭で126,
000Cr。ちなみに、粗飼料の要求量は100頭で600tですから、供給能力(1500t/年)は十分です。
さて、牛さんたちは毎日、一頭当たり30リットルの搾乳が可能で、100頭ですから3,000リットルです。出荷のため、余裕も見込んで30リット
ルの牛乳缶(300Cr)を330本用意します(99,000Cr)。
ここまでの経費を整理して置きましょう。
経費: 搾乳開始前10ヶ月
粗飼料生産費(12ヶ月)24,848
牛購入費63,000
エサ代43,200
検診費5,000
人件費40,000
種付け料3,000
施設や機械の維持費6483
合計185,531Cr |
経費: 搾乳開始後10ヶ月
粗飼料生産費(12ヶ月)24,848
エサ代126,000
検診費5,000
人件費40,000
次の種付け料3,000
設備費6,483
合計205,331Cr |
次に収入ですが、一日の総乳量は3,000リットル。これが300日ですから900キロリットル。1キロリットル350Crとして、315,000Crです。搾乳開始後は
黒字にはなっていますが、年間の黒字はおよそ100,000Cr。100頭の牛が引退まで5回出産、搾乳を繰りかえしたとして、牛乳缶の代金と搾乳
開始前の出費も含めて、初期投資の回収が1世代ではぎりぎりです。さらに、土地代、法人税25%、計算にうんざりする間接経費もあります。現
実問題として、濃厚飼料(穀物)も自給して、生まれた子牛のメスは育て、オスもある程度太らせてから売るべきでしょう。
やはり、牧畜、少なくとも牛の飼育はお金持ちだけがやることです。
最後にアドバイス。なんでもそうですが、「金をかけるか、時間をかけるか」です。多額の資金を投じるか、そうでなければ、時間をかけて粗放
牧からコツコツと牛の数を増やしていくしかありません。最初から大牧場はありえません。
Step.5.2 ブタもしくはブタのような動物
ブタも、家畜としては最古の部類である。「鳴き声以外全て使える」と言う評もあるが、しかし、その用途は食肉に特化してお
り、他に工芸用としての皮革の用途があるだけである。最近ではペットとしての需要もあるが、犬猫の地位には遠く及ばず、ま
た法律上もペットではなく家畜として扱われることが多い。また、犬並みかそれ以上の知能と優れた嗅覚を活かした警察ブタも
いるが、犬と比べてイマイチ不器用で体も大きすぎ、それでいて容貌にも声にも全く迫力が無いため、この分野でも主流には
なりえないだろう。もっとも、いったん野生化すれば、短期間でイノシシと見間違うほど容貌に激変を来たすが、こうなれば訓練
内容を忘れているのが普通である。実を言うと、飼育されている豚にも牙はあるが、牙が立派になる前に肉になるか、そうでな
ければ削ってある。
ブタの特徴: 体重250kg(中型種)〜400kg(大型種)、ただし飼育法によっては1t超も 多産(平均一回10頭) 雑食性 ブサ可愛
い容貌 きれい好きで神経質 生育中の死亡率が高い 人に馴れるが、そうでなければ粗暴。牙を切っておかないと死亡事故
も起こる 肉の多くは筋肉で脂肪分は10%程度(従って「ブタのように太っている」は間違い。正しくは「和牛みたいに太っている」
と罵ること)
・ブタの生育過程
離乳までの死亡率は高い。飼育スペース1.5sqm/頭なら15%、飼育スペースが2.5sqm/頭なら10%、放牧養豚なら5%。
|
0
|
3週間
|
3ヶ月
|
6ヶ月
|
8ヶ月
|
1年
|
18ヶ月
|
2年以降
|
肉用ブタ |
出生 |
離乳 |
子豚時代
の終わり |
この時期以降にお肉 |
|
|
|
繁殖ブタ |
出生 |
|
|
種付け-出産
(妊娠期間115日) |
種付け2回目
(出産から6ヶ月おき) |
以後4回の出産
(計6回 62ヶ月)で引退 |
体重 |
1.5kg |
5-6kg |
40kg |
120kg |
|
180kg |
210kg |
230kg |
・飼育における中型種と大型種の違いは成長の早さであり、出荷時の体重が100kg程度なのは同じとする。
餌の必要量(※1): 肉用 2.5kg/日・頭 繁殖用 3.0kg/日・頭
日本のブタは贅沢に配合飼料だけ食べるが、基本的に濃厚飼料(穀物、ジャガイモ)だけで良い。
飲水量: 肉用6リットル/日・頭 繁殖用 10リットル/日・頭 (※2)
排泄物: 糞 2kg/日・頭 尿 4リットル/日・頭
繁殖: 一回に平均10頭の子を産む。繁殖は年二回可能。自然交配であり種付けはしない。人工授精すれば
雌雄産み分けは可能だが、意味が無いのでやらない。
※1: あくまで平均的な値であり、実際には離乳直後は0.5kg/日でよいし、妊娠中のメスはもっと多くなる。
※2: 盛夏での最大量であるが、基本的にこの量を確保しておけば問題ない。 |
・諸経費
・生きた豚の購入価格: 体重100kgあたり120 + (2D6-7) Cr。購入する時は勿論、生きた状態で売却する時もこの価格。例えば標準的な子豚(30kg)は平均して30Crである。
・畜舎の維持費: 建物の価格の2%/年
・飼料: 粗飼料(干草と青刈りトウモロコシ) 1tあたり225Cr x 貿易上の分類と平均耕地面積による修正。
濃厚飼料 その世界のトウモロコシ生産者価格 x 1.5に等しい。
配合飼料 300 Cr /t これは自給不可能である。
交通が「普通」以下で田舎度が100kmを超える場合は、それぞれの費用は(1+田舎度/1000)倍になる。鉄道がある場合は、(1+田舎度/2000)倍。交通が「便利」では、田舎度を半分にして計算する。
この価格は他所から購入することが前提なので生産者価格よりも割高になっている。生産者から直接買い取ることが出来れば、配合飼料以外は価格を2/3にできる(ただし、輸送費の修正は変わらない)。
・衛生費: 一頭あたり25Cr/年に加えて獣医師が必要
・ユーティリティトラクター: 20,000Cr。手作業で糞運びや敷き藁運びをしたくなければ一台は必用。維持費はトラクターと同様に計算するが、豚500頭につき、年間300時間稼動する。
・豚放牧用の柵: 100Cr/100m 1haあたり400m必用。維持費として設置費の0.1%/年。牛用の柵は豚に使えるが、その逆は不可。
・シェルター: 250Cr。放牧豚のねぐら。2頭につき1つ用意するのがベスト。
・給水設備: 50頭までなら不要。設置費や維持費、間接経費は地表灌漑設備一式(50ha分)と同じ。一式で500頭の豚に給水できるが、水源なしの地域では井戸の給水量による修正を受ける(Step.4参照 水量が0.8なら、400頭分にしか給水できない)。その他制限は牛の給水設備と同じ
・労働力: 多くの場合、完全な舎飼いである。100頭/人 ロボットの場合は腕二本につき人間一人に相当する効率となる。しかし、豚は繊細で神経質なため、ロボットを嫌う可能性がある(品種によって2D6で6+で、ロボットに世話をされるとストレスで死ぬ)。
・生活費: step.4参照
・税金: Step.4参照 |
・放牧養豚
牛の粗放牧にあたるが、放牧密度は10頭/haまで。普通は繁殖用豚のみを放牧で飼い、子豚は離乳と同時に畜舎に収容
して、普通に飼育する方法が取られる。従って、繁殖用の豚には手間がかからず、また自然交配なので種付け費用も不要に
なるが、飼育に要する人手は変化しない。
また、仔豚の成長まで粗放牧で行うこともできる(中世風の豚飼育)。しかし、仔豚の死亡率が上昇(25%)するうえに、大人の
ブタの事故死率も年間0.5%。体重増加のペースは2/3になる(つまり、6か月でも60kg程度)。また当然、放牧密度は仔豚の
数も考慮しなくてはならなくなる。この場合は、労働力は1000頭/人(事実上、放置)で良い。また、放牧したブタは凶暴になり
がちである。
・集約放牧
研究では一応、100頭/haまでは大丈夫らしいが、基本的に繁殖用豚のみが放牧なので、ここまで高密度になることは却っ
て難しいだろう。離乳前の死亡率に加えて、大人のブタの事故死率は年間1%。ブタの場合、押し合いへしあいで圧死する
ことが多いので、集約放牧は死亡率が増える。
・お肉になったブタ
牛肉より安いからといって、食べる時に感謝の念を忘れてはならない。普通は6ヶ月で出荷する。
枝肉: 屠体から皮、頭部、内臓、四肢の先端を取り除き、背骨に沿って縦に分割した肉の塊。体重の70%程度。
精肉: 体重の40%程度。自分でステーキを作る時以外は考えなくて良い。
寄生虫: 寄生虫がいるのは日本の豚だけである。他では気にする必要はないが、さりとて豚の生肉の料理はあるのか…
・豚からの利益表
生きた豚の価格: 体重100kgあたり120 + (2D6-7) Cr 売却する時は勿論、自分の牧場用に購入する時もこの価格。
枝肉: 体重100kgあたり175 + (2D6 -7) x5Cr ただし、生きている時の重さの70%であることに注意。
革: 25 + (2D6-7)x2 Cr/sqm TL4以下の世界では1/10。1頭から体重x0.55/100 sqmの革がとれる。実際の値段は牛革とそう変わらないが、需要があまり多くないことを考慮して、牛革の半額とした。
豚糞堆肥: 6Cr/t 糞の重量の20%が堆肥となる
修正: 2D6への修正
牛と同じ
全体の修正:(2D6とその修正を適用して後でさらに適用する)
牛と同じ |
・中ヨークシャー種ファンクラブ
ブサ可愛いブタさんの中でも、最高のブサ可愛さを誇る中ヨークシャー種だが、ブタとしては小柄な部類に入るため大型種に
圧されてしまい、現在では希少種となっている。しかし、そのしゃくれたブサ可愛さを後世に伝える「中ヨークシャー種ファクラ
ブ」がテラで結成された。まだ小規模な団体のため具体的活動内容は全く無いが、動物好きで知られる著名人が加入してい
る。
|
|
中ヨークシャー種 |
一般的な豚の顔 |
サイボク豚博物館より(http://www.saiboku.co.jp/museum/college/buta/hinsyu/berkshire.html)
Step.5.3 鶏もしくは鶏のような動物
鶏には、採卵用と肉用がある(本当は兼用種もあるが面倒なので無視)。当然ながら卵を産むのは雌だけ。用途はほぼ食肉
と卵のみ。ただし、ごく一部にペット用、闘鶏、時報としての役割もある。
・鶏の特徴: コケコケとうるさい 狂暴だが危険性は低い ヒヨコは可愛いが、トサカの無い鶏のような姿で「ピヨピヨ」とヒヨコ鳴
きする中雛はちょっとブキミ。 羽毛の除去が面倒 雌雄の鑑別に特殊技能が必要
・鶏の生育過程(データは農水省の資料に拠った)
ブロイラー
|
-21日
|
0
|
21日まで
|
22-45日
|
50日
|
60日
|
|
卵 |
孵化 |
ここまで雛用餌 |
成長用エサ |
出荷(小型) |
出荷(大型) |
体重 |
|
40g |
|
30日で1kg |
2200g |
2700g |
採卵用
|
-21日 |
0 |
30日 |
60日 |
150日 |
210日以後 |
550日 |
|
卵 |
孵化 |
ここまで幼雛 |
ここまで中雛 |
大雛 |
産卵ピーク |
お肉 |
体重 |
|
40g |
300g |
800g |
1700g |
1750g |
2000g |
飼料要求率 |
|
|
|
|
3.8 |
1.9 |
2.6 |
平均的卵重 |
この卵重は雰囲気だけのものである。 |
48g |
58g |
66g |
※: 一日に卵を産む確率は、産卵ピーク期では90%、その他では50%程度である。
餌の必要量(※1): 配合飼料のみ 0.12kg/日・羽
飼料要求率: 通常は1.9〜2.3。採卵用鶏にのみ必要なデータ。1kgの卵を産む期間にどれだけの飼料が必要
かを示すもので、例えば2.1であれば2.1kgである。このルールでは、採卵用はピーク時に1.9として扱う。つまり、
一日0.12kgで1.9であれば、産まれる卵(一日一個しか産まない)は120g/1.9=63gの重さとなるが、本ルール
では卵の大きさは考慮しないので、あくまで雰囲気だけである。また、エサを大量に与えても必要以上は食べ
ないし、無理に与えても太るだけで、卵の大きさは一個当たり100gを越えることは無い。一応、鶏卵一個
の世界記録は198gであるが、これは例外中の例外。なお、必要以上は食べない代わりに、猛暑などでは簡
単に食欲を失い、卵の大きさが小さくなる。
飲水量: 0.18リットル/日・羽
排泄物: 0.15kg/日・羽 鳥なので糞と尿は固形で一緒に出てくる。従って浄化槽は不要。
繁殖: 自家繁殖しても良いが、普通は専門の育雛業者からヒヨコ(40g)を買う(※2)。雌雄の産み分けは不可能。
※1: ブロイラーと採卵用で飼料に互換性は無い。
※2: 実際にはもう少し大きくしてから買うのだが、ブロイラーと採卵用の体重差が面倒なので、本ルールではヒヨコ買いとする。 |
・諸経費
・生きた鶏の購入価格: 重さ100kgあたり100 + (2D6-7)x10 Cr。購入する時は勿論、生きた状態で売却する時もこの価格。
・畜舎の維持費: 養鶏の場合は建物の価格の3%/年 衛生管理や照明が面倒なので少し高め
・飼料: 配合飼料 300 Cr /t これは自給不可能である。
交通が「普通」以下で田舎度が100kmを超える場合は、それぞれの費用は(1+田舎度/1000)倍になる。鉄道がある場合は、(1+田舎度/2000)倍。交通が「便利」では、田舎度を半分にして計算する。
・卵の冷蔵室: 10,000Cr 維持費250Cr/年 雌鳥1000匹x1週間分を貯蔵。畜舎に置き場所はあるので、建物は不要。
・衛生費: 100羽あたり50Cr/年に加えて獣医師が必要
・ユーティリティトラクター: 20,000Cr。手作業で糞運びや敷き藁運びをしたくなければ一台は必用。維持費はトラクターと同様に計算するが、鶏10,000羽につき年間300時間稼動する。
・給水設備: 500羽までなら不要。設置費や維持費、間接経費は地表灌漑設備一式(50ha分)と同じ。一式で5,000羽に給水できるが、水源なしの地域では井戸の給水量による修正を受ける。その他制限は牛の給水設備と同じ
・労働力: 飼育方法によって違う。平飼いは500頭/人、ケージ飼いは5000頭/人 ロボットは腕二本につき人間一人に相当
・生活費: step.4参照
・税金: Step.4参照 |
・ケージ飼いと平飼い
鶏の飼育方法は、大別してこの二種類である。「ケージ飼い」はその名の通り、鶏を小さなケージに入れて並べる方法。TL6
以降では、給餌給水から、卵の運び出し、糞の搬出まで自動化される。「平飼い」は、仕切りの無い広い屋内やフェンスで囲ま
れた運動場で鶏を放し飼いにする方法(放牧と言うには人工的環境に過ぎる)。糞や卵はところかまわずなので、掃除、給餌、
卵の回収は人力となり手間がかかるが、ケージ飼いよりも健康的なので、肉と卵は高値で取引される(もっとも、人件費を吸
収できるほど高くはならないかも)。どちらも死亡率は年間1%。
・片手間飼育
鶏に粗放牧は無く、平飼いで数を少なくすれば良い。10頭までなら片手間飼育可能。小学校の片隅にいるニワトリである。
・育雛業者
雛を専門に育てる業者。養鶏場で一から自家繁殖しても良いように見えるのだが、これでは日齢をそろえるのが難しい。管
理の点では、同じ日齢の鶏がたくさんいた方が効率的であり、専門業者から買った方が良い。ただし、人口コード6以上の世界
でないと、養鶏場が少なすぎて専門の育雛業は商売として成り立たない。
雄鶏一羽に対して雌鶏10-15羽の割合で飼育し、有精卵を集めて孵卵期で孵化させる。家畜用の鶏は、概して卵を抱く習性
を欠落させてあることが多く、また卵を抱くとその期間は産卵しなくなるため、雌鶏に孵化させることはない。
育雛業を始める場合、通常の畜舎のx1.2倍の価格の専用の鶏舎が必要(衛生面の配慮した設計であり、窓も無いことが
多い)。卵を産む雌鶏は、例えブロイラー用であっても「採卵用」とみなすこと。雄1:雌10の比率で飼育していると、産卵ピーク
期の雌鳥では90%、その他の雌鳥では50%の確率で一日一個の有精卵を産む。つまり、一群あたり一日5-9個。この卵を
孵化させて雌雄を鑑別して出荷する。採卵用の養鶏場に雄鶏は不要である。ヒヨコの排泄口(めちゃ小さい)を、ヒヨコに負担
をかけないように開いて素早く鑑定する方法は特殊技術であり、人間にしか出来ない。機械もあることはあるが、おおよそ信頼
できるものではなく、ヒヨコへの負担が大きく死にやすい。ロボットでも不可能。
ヒヨコの雌雄を鑑別する 並 <ヒヨコ鑑別> 知力 一度の技能判定で雄雌各100羽(計200羽)を識別。技能なし孵
化、いえ不可
ヒヨコ鑑別は3ヶ月の訓練で1D6レベルを習得できる。しかし、3ヶ月間、この勉強以外に何も出来なくなる(それほど難しい)。
従って、養鶏場の経営者がこの技術を覚えるのは不効率かもしれない。なお、伴性遺伝を利用して、ヒヨコでは雌雄で毛色が
違う品種はあるので、実はそんなに苦労する必要もない。言うまでもないことだが、トサカが形成される時期になると鑑別には
もう遅い。
・お肉になった鶏
屠体: 羽毛をムシッて血液を抜いた状態。体重の90%
骨付き肉: 頭と足、食べられない内臓を除いた状態で、食肉用はこの状態で取引する。体重の70%。
精肉: 食べられる状態。体重の40%。
・鶏からの利益表
・生きた鶏の購入価格: 重さ100kgあたり100 + (2D6-7)x10 Cr。購入する時は勿論、生きた状態で売却する時もこの価格。
骨付き肉: 重さ100kgあたり130 + (2D6 -7) x5Cr 平飼いの鶏ならx1.25 ただし、生きている時の重さの70%であることに注意。
卵: 重さ100kg(殻も含む)あたり100 + (2D6-7)x2Cr 平飼いの鶏ならx1.25
鶏糞堆肥: 6Cr/t 糞の20%が堆肥になる。牛糞、豚糞と違って土壌改良効果は無いが、有機肥料の中では即効性が高くて便利。
修正: 2D6への修正
牛と同じ
全体の修正:(2D6とその修正を適用して後でさらに適用する)
牛と同じ |
・地鶏
日本人が好む平飼いで育った鶏。健康的なイメージがあり、日本人は高級品として扱う。確かに肉に歯ごたえがあり、うまい
(※)。もっとも、一旦料理されてしまえば、地鶏の歯ごたえは、引退した卵用種の鶏の肉の固さと区別がつかない(勿論、固さの
性質はまるで違うが)。
(※) 肉牛の好みとは正反対であることに注意。奇妙なことに日本人は、牛の地鶏と言うべき放牧の肉牛の肉は高級品とはみなさず、運動不足の和牛の歯
ごたえが無い肉を高級扱いする。
採卵鶏の例)
とある養鶏場。ここは大雛期の雌鶏500羽、産卵ピーク期の雌鶏500羽、550日を過ぎてそろそろお肉になろうかと言う雌鶏100羽かいます(当たり前です
が、無精卵しか売らないので雄鶏は不要です)。
さて、合計1,100匹。0.12kg/日ですから、一日当たりの餌は合計132kg。一か月では3,960kgです。
さて、この内で大雛の餌消費は1,800kg。飼料要求率は3.8ですから、30日間の卵の出荷量は、1,800/3.8 = 473.68kg
ピーク期の鶏も同じく500羽ですから、餌消費は1,800kg。飼料要求率1.9により、1,800/1.9 = 947.37kg
お肉に近い雌鶏達の餌消費は、360kg。飼料要求率2.6により、360/2.6 = 138.46kg
卵の合計生産量は、473.68+947.37+138.46 = 1559.51kg。100kgあたり100Crとすると、1559.51/100kg x 100 = 1,559.51Crです。この間の餌代は、
3.96t x 300 = 1,188Cr。卵は薄利多売の商売ですから、こんなもんでしょう。
Step.5.4 めん羊と山羊
羊(めん羊)は、ウールの採取と肉に用いる。山羊は主に肉と乳が目的であるが、毛は糸に紡ぐのが難しく、高級品である。
・羊、山羊の特徴: 意外に凶暴、牛と違って若草を食べたり根っこから引っこ抜くように食べたりするので草地を荒らしやすい
(除草剤代わりにも使えるが、特に山羊は破壊的な効果を示すので注意)、群居性がある
・羊の生育過程
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0
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3週間
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4ヶ月
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5ヶ月
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8ヶ月
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24ヶ月
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誕生 |
最短の離乳 |
普通の離乳 |
スプリングラム |
ラム
(12ヶ月未満の肉) |
マトン |
平均体重 |
4kg |
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25kg |
35kg |
50kg |
100kg |
・肉用なら1日あたり150-250g体重を増加させるようにする。経済寿命は6年程度。
・24ヶ月の体重は雄のもので、雌はその75%程度。
・毛刈りは12ヶ月から年一回可能。
・山羊の生育過程
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0 |
3ヶ月 |
6ヶ月 |
12ヶ月 |
18ヶ月 |
24ヶ月 |
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誕生 |
普通の離乳 |
|
ラム |
マトン |
平均体重 |
3.5kg |
20kg |
40kg |
60kg |
90kg |
100kg |
乳用 |
初乳のみで離乳させないと、
人間の取り分が減る(笑) |
生後5ヶ月で繁殖可能 |
|
・24ヶ月の体重は雄のもので、雌はその75%程度。経済寿命は6年程度。
・搾乳可能期間は250日。早期離乳させなかった場合は160日。
・毛刈りは12ヶ月から年一回可能。
・様々な品種
それぞれの品種にある体重は成長しきった雄の体重であり、特記が無い限り雌は75%。また、生育過程の表にある体重は
最大体重に比例させる(例えば、80kgの羊の品種では、8ヶ月時の体重は50 x 80/100 = 40kgである)。
めん羊 |
毛用種 |
メリノ(小) |
体重40kg 毛量5kg/年・頭 |
メリノ(大) |
体重100kg 毛量10kg/年・頭 |
肉用種 |
大型 |
体重100kg 毛量3kg/年・頭 |
中型 |
体重80kg 毛量3kg/年・頭 |
両用種 |
|
体重100kg 毛量8.5kg/年・頭 |
毛皮用 |
ロマノフ |
体重60kg 多産(雌一頭あたり2.2頭) 毛量2kg/年・頭 |
注1) 実際には雄の方が2倍くらいの毛が取れるが、数値は平均化してある。
注2) 乳はどの種類も0.5リットル/日とする。
山羊 |
乳用種 |
白 |
体重90kg 乳量3リットル/日 |
褐色 |
体重80kg 乳量2.5リットル/日 |
肉用種 |
ボア |
体重140kg |
毛用種 |
アンゴラ |
体重100kg 毛量2kg/年・頭 |
カシミア |
体重100kg 毛量0.2kg/年・頭 |
小型種 |
シバヤギ |
体重30kg 雌雄の体格差は無い 多産(雌一頭当たり2.2頭)、年間を通じて発情している |
注1) 乳用種以外では乳量0.6リットル/日。
餌の必要量: 山羊、羊共通 2.0kg/日(濃厚飼料0.5kg + 粗飼料1.5kg) もしくは乾燥していない草4.0kg
: 搾乳中の山羊 4.5kg/日(濃厚飼料1.5kg + 粗飼料3.0kg)
数値は最大体重100kgの品種のものであり、小柄な品種ではその体重に応じて少なくなる。例えば、最大体重40kgの品種で
は20 x 0.4=0.8kg/日である。
: 人工保育中の仔 離乳まで配合飼料0.5kg/日
放牧の場合: 山羊、羊とも一日4-6kgの生草を食べる
飲水量: 山羊、羊共通 2.0リットル/日 搾乳中は2倍
排泄物: 山羊、羊共通 糞1.5kg/日 尿1.5リットル/日
繁殖: 発情期が決まっているため、山羊、羊とも年一回出産。妊娠期間は5ヶ月。平均的に普通は1頭あたり1.8頭の子を
産むが、親は一頭しか世話できないので、双子が生まれた場合、人間が手を貸さねばならない。人工授精も可能だが、通
常は雄一匹に雌の群れを当てがう自然交配である。人工授精での雌雄産み分けは可能(TL6から)。また、本当は子羊の生
存率は低く、母親:仔の比率が1を超えることは滅多にないが、本ルールでは無視。 |
・諸経費
・種付け料: 人工授精も含む 30Cr/頭
・生きた羊の購入価格: 120 + (2D6-7)x5 Cr / 100kg
・生きた山羊の購入価格: 90 + (2D6-7)x5 Cr / 100kg
・飼料: 粗飼料(干草と青刈りトウモロコシ) 1tあたり225Cr x 貿易上の分類と平均耕地面積による修正。
濃厚飼料 その世界のトウモロコシ生産者価格 x 1.5に等しい。
交通が「普通」以下で田舎度が100kmを超える場合は、それぞれの費用は(1+田舎度/1000)倍になる。鉄道がある場合は、(1+田舎度/2000)倍。交通が「便利」では、田舎度を半分として計算する。生産者から直接買い取ることが出来れば、配合飼料以外は価格を2/3にできる(ただし、輸送費の修正は変わらない)。
・衛生費: 一頭あたり25Cr/年に加えて獣医師が必要
・ユーティリティトラクター: 20,000Cr。手作業で糞運びや敷き藁運びをしたくなければ一台は必用。維持費はトラクターと同様に計算するが、1,000頭につき、年間300時間稼動する。
・放牧用の柵: 100Cr/100m 1haあたり400m必用。維持費として設置費の0.1%/年。
・シェルター: 2,500Cr。放牧時の雨よけ場。50頭あたり1箇所 畜舎があれば要らない
・防弾/防刃チョッキ: クロース並みで良い 250Cr。特に山羊を相手にするには必要(除角するよりも人間が身を固めろ!!)
・毛刈り道具: 高級電気バリカン(TL6以上) 500Cr 鋏50Cr
・給水設備: 100頭までなら不要。設置費や維持費、間接経費は地表灌漑設備一式(50ha分)と同じ。一式で1,000頭まで給水できるが、水源なしの地域では井戸の給水量による修正を受ける(Step.4参照 水量が0.8なら、400頭分にしか給水できない)。その他制限は牛の給水設備と同じ
・労働力(※): 舎飼いの場合100頭/人 放牧も取り入れている場合は500頭/人 粗放牧では2,000頭/人 人工保育は子50頭/人 ロボットは腕二本につき人間一人に相当
・生活費: step.4参照
・税金: Step.4参照
(※)羊は人間や他の動物を視覚的に認識している。よって機械と人間の区別も可能かも知れず、そうなればロボットは嫌われる可能性が大。また、毛刈りのことを考えると、人間と羊の間には信頼関係が必要である。しかし恐らく、例え人間型であろうと羊はロボットを見分け、決して信頼しないだろう(羊に限らず多くの動物にあてはまるが、信頼できる人とそうでない人を見分ける能力は鋭い)。ペットを飼った経験がある人にはわかるだろうが、これはいわゆる「心」とか「気持ち」の問題であり、ロボットには決して無いものである。 |
・お肉になった羊と山羊
枝肉: ラムは体重の50%、マトンは体重の60%
精肉: 食べられる状態。ラムは体重の20%、マトンは体重の30%。
・毛刈り
羊の毛刈りは、牧羊業者のハイライトである。案外手間は掛からず、電気バリカンでは一匹あたり5分程度。鋏を使えば一
匹当たり1時間かかる。実際には鋏の方が毛足の長さがそろって良い毛が取れると言われるのだが、ここでは無視する。ま
た、山羊の毛刈りも同じものとして扱う。
上手く毛刈りするには
電気バリカン 並 <格闘>もしくは刃物を扱う技能、敏捷度 5分(時間は固定)
鋏 難 <格闘>もしくは刃物を扱う技能、敏捷度 60分(時間は固定)
失敗してもちゃんと毛は取れるが、出目に足りなかった数だけ羊に傷を作ってしまう。感染防止のため傷一つごとに1Crの出
費に加え、その羊や山羊には警戒されてしまい、翌年の毛刈りではもっと暴れる(DM-4)。また、乳搾りの際に協力してくれなく
なる。
・利益表
・生きた羊の購入価格: 120 + (2D6-7)x5 Cr / 100kg
・生きた山羊の購入価格: 90 + (2D6-7)x5 Cr / 100kg
枝肉: 羊肉 重さ100kgあたり275 + (2D6 -7) x 10Cr 肉用種以外の肉はx0.75
: 山羊肉 重さ100kgあたり180 + (2D6-7) x 5Cr
煩雑なのでラムとマトンの区別はしない。ただし、肉用羊/山羊の需要の50%はラムであるとする。従って、肉用の半分はラムとして出荷しなくてはならない。
乳: 羊乳 350 + (2D6-7)x5 Cr /1kl 高価だが需要は少ない。栄養価は牛乳、ヤギ乳よりも高いが、根本的に美味しくないので加工用。また、普通に子羊に授乳させていれば、人間に回る分は無い。
: 山羊乳 300 + (2D6-7)x5 Cr/1kl 乳用種以外は半額。また、山羊乳には脱臭効果がある。すなわち、周りの臭いを吸収してしまうので、清潔な環境で絞ること。
毛: 羊毛 1,800 + (2D6-7)x50Cr /t 白くてフワフワ…、なのは遠目だけ。洗浄前は脂ぎっていて、糞だらけ泥だらけで、かなり汚い。
毛用種以外の毛はx0.75
: カシミア 15,000 +(2D6-7)x500Cr /t
: アンゴラ 4,000+(2D6-7)x100Cr/t
カシミア、アンゴラは高価で希少なため、あらかじめ販路を確保しておく必要がある。2D6で10+が必要。また、売却には最低でも100kgが必要。
毛皮: 50Cr/頭 毛皮用種の皮はx2
修正: 2D6への修正
牛と同じ
全体の修正:(2D6とその修正を適用して後でさらに適用する)
牛と同じ |
・放牧
めん羊、山羊ともに、「普通」以上の肥沃度の草地では最大で75頭/haの密度で放牧可能。双方とも丈の低い若草を好む
ため草地の再生力は低く、15日程度で群れを別の草地に移動させないと回復不能なダメージを草地に与える。粗放牧は7.5
頭/haの密度が限界。双方とも木の若葉も食べるが、特に山羊は木の皮まで食べて枯死させてしまうので、過剰な密度での
放牧は自然環境そのものを破壊してしまう。従って、果樹園で除草剤代わりに使うには羊の方が良い。
Step.5.5 エース級家畜
いわゆるエース級種牛である(本来なら種馬もあるが、本ルールで馬は扱っていない)。これは立派な牛や羊を探して来て、
1D6+1世代かかけて交配してゆく。遺伝子工学の手法を用いれば簡単だが、普通は使わない。
エース級家畜を作るには、
立派な親を見つける: 至難 <牧畜> 知力 これはいわゆる「目利き」が重要なので、ロボットの技能は使えない。6ゾロ自
動成功、ピンゾロで大きな勘違いをする(例えば、雄が必要なのに雌を買ってしまったりする)。
交配の計画を立て、実行する: 至難 <生物学>と<牧畜> 知力 管理者としてロボットの牧畜技能が使えるが、計画者と
して人間の知力と<生物学>技能を使わなければならない。
エース級家畜がひとたび誕生すると、引退するまでの6年間、精子の提供で年間1D3MCr稼ぎ出す。
Step.5.6 国内市場
当然、畜産物にも国内市場規模がある。畜産物は概してややぜいたくな食べ物と見なされるが、作物よりもやや緩やかで、
適用は人口コード4からである。
畜産物の国内市場規模(人口コード4以下の世界のみ)
・国内向けに売却できる最大量(消費できる限界なので、安くしたって国内ではこれ以上の量は売れない状態)
食肉(全ての肉用家畜の枝肉合計)と卵: 人口コード4=100t、人口コード3=10t、人口コード2=1t、人口コード1=0.1t
修正: Aタイプ宇宙港がある +200t
Bタイプ宇宙港がある +100t
恒星間国家の軍事基地がある +400t
偵察局基地 +100t
牛乳: 牛肉の重量の二倍が限界
修正: Aタイプ宇宙港がある +400t
Bタイプ宇宙港がある +200t
恒星間国家の軍事基地がある +800t
偵察局基地 +200t
山羊乳、羊乳: 需要は無い。
革: 人口コードの匹数分の枚数
ウールおよびその他産物: 全く需要は無い |
人口コード5以上の世界からは、国内市場規模は気にしなくて良い。
Step.5.7 家畜保健
家畜の値段の1%を賭け金として支払う。生育中の死亡時には価格が補償されるが、支払いの条件はなかなかキビしい。
・病死は支払い対象であるが、畜舎が不衛生であれば支払われない。
・肉食動物に襲われた場合は、支払い対象。
・毒草を食べて死ぬのは、管理不行き届きで支払い対象外(放牧では結構頻繁に発生する)。なお、いわゆる「キャトルミューテ
ィレーション」には、毒草を食べて死んだ家畜に傷をつけ、他殺(野生動物によるものも含む)を装って保険金を請求しようとした
形跡がある。
Step.6へ進む
選択ルール
1. 間接経費
畜産における間接経費は、Step.4の選択ルールに加えて、以下のものがある。
・畜舎と柵を除くその他の設備
建設費および設置費の5%(20年割り当て)が減価償却費として計上できる。
・家畜の間接経費
乳用の家畜と卵用の鶏は、購入価格/経済寿命(年)の金額を減価償却費として計上できる。
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