ヴァルカン型反重力戦車

タイプ: 反重力戦車 TL14 MCr104.90(MCr83.92)
船体: 106/265  排水素=85(+小砲塔38%) 形状:4/流線形(密閉型)
 装甲=52G 重量=1684.4029t 総重量=1698.34222t
パワ−: 30/40  核融合=954Mw 航続=15/45
移動: 8/10 反重力=3400t
地表=180kph 最高=1000kph 巡航=750kph
通信: 電波式=大陸間×3  レ−ザ−式=地域間×3
探知機: 電磁マスカ− 能動ESM=超遠方×2 受動ESM=超遠方×3
ESM妨害機=超遠方×3 受動赤外線探知機×3 高級能動赤外線探知機×3
画像合成機×1
能動物体探知=難 能動物体追跡=難 受動エネルギ−探知=至難
攻撃:

設置点=1
 砲塔1(可動式、密閉式、装甲=52G)
  30cm高初速砲×3 
 砲塔2(可動式、密閉式、装甲=52G)
  30cm高初速砲×3 
 砲塔3(可動式、密閉式、装甲=52G)
  FZ-14×3、BL−13×3
 砲塔4(可動式、密閉式、装甲=52G)
  FZ-14×3、BL−13×3

貫通
ダメージ
範囲
射程
フルオート
音光
反動
使用難易度
30cm高初速砲
(榴弾)
40
38
80
70
1
-
火器管制
30cm高初速砲
(徹甲榴弾)
68
30
-
70
1
-
火器管制
FZ-14
79/5
30
45
30
2
-
火器管制
BL−13
49/4
60
30
125
2
-
火器管制
防御: 対レーザーガス×4、散乱砂×4
管制: コンピュ−タ=3/ファイバ−×3 
パネル=ホログラム型(リンク)×256
環境=基本環境 基本生命維持 高度生命維持 重力プレ−ト 
重力補正器、エアロック×1
居住区: 乗組員=22(操縦/指揮:1、砲手:18 指揮:3)
 適度×93、寝台×11
その他: 船倉=1.918kP 燃料=171.72kP  砲弾(榴弾×240、徹甲榴弾×240)
備考: 電子回路防御

 

コメント

 メイス重工は、造船業を中核とする多星系企業である。傘下に多数の製造業を揃え、メガコーポに遠く及ばないが、デネブ領内に多数の工場を構えている。そのメイス重工の子会社の一つにメイス自動車工業という企業がある。メイス重工のグループ企業の中でも新参の企業で親会社の支援を受けて軍需部門への進出を目論んでいた。メイス自動車は、開発陣の強化をはかるために莫大な開発予算を用意し、技術者に好き勝手に開発を行なわせていた。彼らの生み出した商品は、傑作と駄作が相半ばというものであった。
 第四次辺境戦争後、メイス自動車工業はモーラ陸軍に対して突如、自主開発した反重力戦車を提案した。彼らが提案したヴァルカン型反重力重戦車は、通常の反重力戦車の8倍の大きさの車体に30cm砲三門二基、フュージョンガンとビームレーザーを各三門ずつ搭載した副砲を1基ずつ搭載した化け物であった。装甲も尋常なものではなく巡洋艦に用いられるDS1238鋼材をそのまま用いられていた。モーラ陸軍の担当者が見たのは、戦車とは名ばかりの陸上戦艦であった。メイス自動車の技術者は戦闘用車両の経験不足を宇宙船の開発技術で補ったと誇らしげに語ったが、モーラ陸軍の将校たちは運用を考えて頭を抱えたといわれる。モーラ陸軍のドクトリンでは運用が思いつかなかったのである。
 市場でも振るわず、わずかに海洋惑星で採用された以外にはモーラ陸軍が、メイス重工(というよりも会長であるフォーニス伯爵)の顔を立てるために数隻採用したに留まる。メイス自動車をはじめとするメイス重工系企業は、モーラ陸軍の退役軍人の有力な天下り先となっており、上級将校たちはメイス自動車工業の機嫌を損ねることを恐れたのである。その重火力と装甲は魅力であったことも事実である。移動トーチカと考えれば、運用できるのではないかと考えられたから、試しに数隻採用してみようということになったようだ。
 第五次辺境戦争後半、統合陸軍に戦力を派遣したモーラ陸軍は、海兵隊の指揮下でイフェイトに投入された。イフェイト派遣軍にはヴァルカン型重戦車を装備した実験中隊も含まれていた。強靭な装甲と火力がイフェイト防衛線で必要とされたのである。実戦では移動トーチカとして重宝されたが、小回りが聞かないためにゾダーンの駆逐艦が実施した地上支援によって破壊された。