Atmosphare in the Traveller space
トラベラー宇宙の気圧と気温
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 MEGA TRAVELLER
Science -Fiction Adventure
in the Far Future

 

 

 

 

 

 







 
1.はじめに


 「もしも月がなかったらニール・F・カミンズ著 竹内均監修 東京書籍)」の、読後レポート第二弾です。
 この本はタイトル通り、もしも月がなかったら、この地球はどんな環境になっていただろう、という思考実験を行ない、その結果をまとめた書籍です。
 それぞれの仮想地球には以下のように、それっぽい名前が与えられていました。

1.月の無い地球            ソロン
2.月がもっと地球に近かったら     ルンホルム
3.地球の質量がもっと小さかったら   ペティエル
4.地軸が天王星のように傾いていたら  ウラニア
5.太陽の質量がもっと大きかったら   ……以下略。

 全部で10の仮想地球が取り上げられているのですが、今回は3番目と4番目の仮想地球を元ネタとして、大気と気温について考察してみます。
 最初の2つ、地球と月との間に働く潮汐力に関しては、前回のレポート「トラベラー世界の潮汐力」をご覧下さい。



 もしも地球の質量がもっと小さかったら?(仮想地球の3番目、ペティエル)

 地球の質量が小さかった場合、発生するガスの量は現在の地球よりもずっと少なくなります。また、地球の表面重力も当然ながら小さくなりますから、それに伴って地球を取り巻く大気の層もずっと薄くなるそうです。
 大気層が薄くなることによって、地球の姿はどう変わるのか。地球に生まれた生物はどうなっているのか、という思考実験が行なわれている訳です。

 それを読んで思いついた疑問なのですが、果たして、地球の大気がどれくらいの高さまで存在するのか、考えたことはありませんか?
 その高さでは、大気密度(気圧)がどの程度の大きさで、気温は何度になっているのでしょう?



 興味の赴くまま、理科年表を開いてみました。1976年にアメリカで発表された調査の結果が掲載されています(U.S. Standard Atmosphere 1976)。
 それに拠りますと、海面高度を「0:ゼロ基準」として、その気圧を1.0 atm、その地点の気温を288K(=15℃)とした場合、

 高度3kmで、気圧は0.7 atm、気温は269K(-4℃)。
 高度7kmで、気圧は0.41 atm、243K(-30℃)。
 高度16kmで、気圧は0.104atm、217K(-56℃)。
 高度40kmで、気圧は0.003 atm。
 高度200kmで、気圧は0.000000008 (10億分の8)atm。


というような数値が載っていました。

 また、メガトラベラーのレフリーズ・マニュアルに掲載されている、大気レベルの定義に拠れば、

 大気レベル 1 :微量大気( 0.001 〜 0.090 atm)
 大気レベル2〜3:極薄大気( 0.010 〜 0.420 atm)
 大気レベル4〜5:希薄大気( 0.430 〜 0.700 atm)
 大気レベル6〜7:標準大気( 0.710 〜 1.490 atm)
 大気レベル8〜9:濃厚大気( 1.500 〜 2.490 atm)


ということだそうです。

 つまり、地球と全く同じ環境の世界であっても、標高3km以上の高山/高原地帯の大気密度(気圧)は希薄大気(レベル4〜5)に相当しており、標高7km以上の高山では、極薄大気(レベル2〜3)に相当するのです。
 何となく、大気レベルのイメージが具体的に浮かんできませんか?



 ヘリコプターの(大気レベル5以上の世界でなければ使用できないという)制限は、高度3km以上の高空における、飛行性能の制限を示しているのでしょう。
 レシプロ機(TL5)やジェット機(TL6)の使用制限も、同じことだと思います。

 極薄大気に相当する、高度7km以上の成層圏を飛行する航空機があるじゃないか、と疑問を持たれる方もいらっしゃるかも知れません。
 その疑問については、高度7km以上に設置された空港は存在しないということを、指摘させて頂きます。ジェット機が巡航速度で極薄大気中を飛行することは可能でも、極薄大気中で離着陸を行なうことは困難なのです。
 極薄大気で離着陸可能な航空機を開発することも可能でしょうが、現在のTLでは製造/運用コストが高く付きますし、ある程度TLが進めば反重力輸送機器が実用化されますから、その必要も無くなるのです。

 さらに、標高16km以上の地点に達すれば、その地点の気圧は微量大気(レベル1)に相当することが分かりました。
 流石に1Gの重力下で、エベレストの2倍の高さを持つ高山は存在しないと思われます。ですから、その高度を飛ぶ航空機の外部環境が、微量大気(レベル1)に相当するということです。
 そして、その大気レベルは高度40kmまで続きます。
 高度50km以上は0.001atmを下回っていましたから、ルール上は真空として扱って構わないでしょう。



 もしも地軸が天王星のように傾いていたら?(4番目の仮想地球、ウラニア)

 地球の地軸は公転面に対して23.4度、傾いています。
 この傾斜によって気温の変動が生じ、四季が存在する訳なのですが、この地軸が天王星のように90傾いた状態になっていたら、どうなるのでしょうか?
 高緯度地方においては、半年間ずつの昼と夜が繰り返され、気温の差は著しく大きなものとなります。動物達は皆、赤道を越えて移住するか、冬の間に冬眠する以外、生き残ることができません。さらに、日食や月食が春分と秋分の日にしか起こらない(稀な現象になる)などと書かれていました。

 これほどまでの傾斜は極端ですが、地球のような20度前後の傾斜が惑星の温度環境にどのような影響を与えているのか、少し考えてみます。
 幸い、CT「偵察局」には、惑星の気温を決定する「気温公式」が存在しますので、それを利用して考察してみましょう。
 ついでに、公転軌道の離心率についても考察してみました。





2.標準大気世界の気圧と気温

 まずは、地球(規模8、大気レベル6)の大気データを考察してみましょう。
 理科年表から、標高別の大気密度(気圧)と気温を下記に転載します。

             表1 地球の標高別気圧と気温

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 左端の高度は、海抜高度を示しています。単位はkm。

 次の欄は大気密度(気圧)で、単位はbar。1気圧=1barということです。

 その次の気温は絶対温度(K)と摂氏(℃)を並べてみました。分かりやすいように氷点下(0℃以下)の気温青字で示しています。
 高度30〜50kmの範囲では、高度が上がっているにも関わらず気温が上昇していますが、これは電離層の影響による減少だそうです。私には良く分かりません。
 高度0(海抜高度)における気温が15℃になっていますが、この値が理科年表に掲載されていた気温です(U.S. Standard Atmosphere 1976)。アメリカの何処か、測定場所における気温なのでしょう。あるいは複数個所の平均値かも知れません。
 偶然かどうか分かりませんが、地球の地表気温の平均も15℃だそうです(CT「偵察局」の気温公式より)。折角ですから、この温度(15℃)を規準にして、今後の考察を進めていきましょう。

 最後、右端の欄は、CT/MTで使われる大気レベル(コード)です。
 前述した通り、メガトラベラーのレフリーズ・マニュアルに掲載されている、大気レベルの定義を用いました(恐らく、CTのルールでも同様でしょう)。



 参考書(ナツメ社の図解雑学シリーズ)によれば、高度10kmまでは「断熱膨張」によって、高度差1km毎に5〜7℃の温度変化が存在するそうです。表1に示された気温変化もそのようになっていますし、我々の常識でもそうでしょう。
 ところが、高度10kmからは反対に、気温
が上昇しています。これは、このあたりに濃密なオゾン層が存在するためであり、太陽光の紫外線を吸収して気温が上昇しているのだとのこと。
 紫外線の少ない星系ならば、そのまま断熱膨張で温度が低下すると考えるべきでしょうか? 反対に、紫外線の多い星系は、オゾン層における温度上昇が大きいのでしょうか?
 良く分かりませんので、地球のデータをそのまま当て嵌めておきますが。

 高度50kmを越えると、また急激に気温は低下するのですが、大気密度は1万分の8barしかありません。トラベラーでは真空として扱われる大気レベルですので、これ以上の高度については、気温変化を考えないことにします。



 上記のデータから余計な数字を省き、また、重力の異なる世界についての高度データ(標高)を加えたものが、下の表2になります。

           表2 標準大気世界の高度別気圧と気温 

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 計算が煩雑になるので、標準大気(レベル6〜7)の世界は、海面高度における気圧が1気圧(1.0bar)、気温が15℃(288K)であると考えました。
 海面高度よりも低い高度の気圧と気温が載せてあるのは、私の趣味です。深い意味はありません。

 規模8の世界において、標準大気と希薄大気との境目は、高度3kmになるでしょう。その地点の気温は、氷点下の−4℃です。
 希薄大気と極薄大気との境目は、高度6.7kmで、これ以上の高度で生活するためには人工呼吸装置(コンプレッサー)が不可欠になります。この地点の気温は−28℃ですから、万年雪や氷河が存在することも間違いありません。
 さらに高い高度16kmを越えると、気圧は微量レベルまで下がります。気温は−56℃ですから、とても寒いようです。



 ようやくここから、ちょっとSFっぽい考察になります。

 地球と同じ大気レベルを持ちながら、その大きさ(規模)が半分しかない世界は、どのような大気層になっているのでしょうか。
 具体的には、UWPの規模が4で、大気レベル6〜7という世界です。スピンワード・マーチ宙域には、アレル(リジャイナ星域)、ピサーディ(アラミス星域)、テュレデッド(ランス星域)など、いくつかの世界が見つかりました。
 これらの世界は規模が地球の半分ですから、自動的に重力も半分(0.5G)になります(惑星の密度が異なる可能性は、ここでは無視します)。重力が半分しかないのに海面高度の気圧が等しいのですから、大気層は2倍の厚さが存在しなければなりません。
 よって、単純に考えて、高度差による気圧変化の勾配を半分に減らしました。

 地球の場合、地表の面積1平方メートルの上に存在する大気の「質量」は10トンです。この大気に1.0Gの重力が掛かり、1気圧(1bar)の圧力を生じる訳です。
 ですから、重力が半分の0.5Gに減れば、1気圧を得るために必要な大気の「質量」は2倍の20トン、重力が0.25Gまで減れば、必要な大気の「質量」は4倍の40トンになると考えました。
 多分、この考え方で合っていると思います。

 世界の規模は、表面重力を求めるために利用しているだけですので、別のルールから表面重力を求めている(決めている)のであれば、そちらを利用してください。
 規模に拘る必要はありません。参考のため、MAG様から紹介して頂いた「惑星重力の決定ルール」を後述しておきます。

 実際には、脱出速度というものが大気分子にも影響しますので、こうした低重力世界で地球並みの大気圧を持つことは不可能だ、という話もあります(Severus様から指摘を受けました)。しかしそうすると、トラベラー宇宙に存在する多くの小型世界は大気を失ってしまいます。標準大気を持った小型世界が頻繁に発生する、トラベラーの世界作成ルールと矛盾してしまいますね。
 もちろん、それらの惑星が高密度のコアを持っていて、規模4でも1Gの表面重力を備えているという解釈はできます。ですが、重コア惑星がトラベラー宇宙にありふれてしまうというのは、大問題でしょう。
 トラベラー宇宙の世界観を壊さないために、低重力惑星が大気を喪失するという問題は忘れてください(笑)。

 そういう訳で、規模4の世界において、標準大気と希薄大気との境目は、高度6kmになります。
 希薄大気と極薄大気との境目は、高度13.4kmになりました。
 高度32kmを越えると、気圧は微量レベルまで下がります。



 地球と同じ大気レベルでありながら、その大きさ(規模)が4分の1(=2)である世界は滅多に存在しませんが、ケング(リジャイナ星域)、マータクター(268星域)の2つが見つかりました。
 これらの世界において、高度差による気圧変化の勾配は4分の1まで減少します。

 規模2の世界において、標準大気と希薄大気との境目は、高度12kmになります。
 希薄大気と極薄大気との境目は、高度26.8kmになりました。
 高度64kmを越えると、気圧は微量レベルまで下がります。

 また、規模2まで小さくなると、流石に無視できなくなってくるのが「衛星軌道上の大気密度」です。
 地球において、スペースシャトルや何かが周回する軌道の高さが150〜200km。
 この高度の大気密度は「10億分の8bar」という極めて薄い密度ですから、無視することも可能でしょう。
 ところが規模2、大気6〜7の世界において、高度200kmの周回軌道には、およそ0.0008bar(もう少しでレベル1の微量相当)の大気が存在していると明らかになりました。ちょっと、これは不味い事態ではないでしょうか。推進装置のない軌道宇宙港や慣性航行中の宇宙船は、空気抵抗で速度を失い、徐々に落下していきます。
 トラベラー世界ならば無視しても構わないかも知れません。ですが、このような世界において、宇宙船を周回軌道に乗せる際には注意しておくべきことでしょう。



 反対に、規模の大きい世界の場合は重力が強くなりますから、その分、大気層は薄くなると考えられます。
 スピンワード・マーチ宙域の帝国領において、規模A、大気6〜7の世界はコーグリ(ランス星域)1つしか見つかりません。Severus様の計算によれば、ランダム作成を行なった場合、こうした世界は1296分の5(=0.39%)の確率でしか発生しないとのこと。道理でなかなか見つからない訳ですね。
 しかしこの世界において、高度差による気圧変化の勾配は1.25倍に増えました。

 規模Aの世界において、標準大気と希薄大気との境目は、高度2.4kmになります。
 希薄大気と極薄大気との境目は、高度5.4kmになりました。
 高度12.8kmを越えると、気圧は微量レベルまで下がります。



 今度は気温についても考えてみましょう。
 というのも、大気圧はともかくとして、標高の高い地点がとても寒くなってしまったからです。
 考察を規模8の世界に限定しますが、高度0kmの気温15℃はともかくとして、高度3kmの気温が−4℃高度6.7kmの気温が−28℃。こんなに寒いのでは、まともな暮らしができません。

 この問題を解決するためには、海面高度の気温を15℃より上げる必要があります。
 主恒星の光度を上げるとか、公転半径を小さくして世界を主恒星へ近づけるとか、緯度の低い地方へ移動する(赤道に近付く)などの理由が必要ですが、そうした場合、各高度の気温は、表3のように変化しました。

  表3 標準大気世界の高度別気温(海面高度の気温を15℃単位で変更した場合) 

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 ご覧の通り、海面高度の気温が30℃に上がった場合、人間にとって快適な環境は高度3kmの高地(高原や山岳地域)となります。
 空調さえあれば、30℃の環境でも問題はありませんし、慣れれば快適な温度だと思うのですが、CT「偵察局」の記述によれば、人間が快適に暮らす上限の気温は30℃、だそうです。
 夏場は高原へ避暑に出掛ける風習から考えれば、何となく分かるような数字ですが。
 ちなみに、人間が快適に暮らせる気温の下限は0℃、人間が暮らせる(耐えられる)気温の範囲は、50℃〜-20℃の範囲だそうです。

 また、海面高度の気温が45℃に上がった場合、快適な環境は高度4〜5kmの高山になります。気圧は0.50〜0.70barで「希薄大気」として扱われますが、気温は快適になるのです。

 反対に海面高度の気温が0℃に下がった場合、高度3kmの高地も雪と氷に閉ざされるということが判明しました。実に寒い環境です。



 実際のところ、海面高度の気温が上がると、その分大気が膨張して密度が小さくなります。

 その結果、同じ高さ(標高)の大気は気圧が上がり、温度も若干高くなるのですが、表3の計算では誤差として無視してしまいました(積分計算のやり直しがとても面倒なのです)。
 反対に、海面高度の気温が下がると大気が収縮して、密度が大きくなります。
 温度変化も大きくなりますが、こちらの影響も無視しました。





3.濃厚大気世界の気圧と気温


 今度は、濃厚大気の世界について、高度別の大気密度(気圧)と気温を考察してみましょう。

           表4 濃厚大気世界の高度別気圧と気温

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 計算を簡単にするため、濃厚大気(レベル8〜9)の世界は、海面高度における気圧が2気圧(2.0bar)、気温が15℃(288K)であると考えました。
 余談になりますが、2気圧における水の沸点は120℃です。沸かしたてのお湯で紅茶やコーヒーを飲むことが好きなPCは、この点に注意してください。不用意に口を付けると、口腔内を火傷します。

 規模8の世界において、濃厚大気と標準大気との境目は、高度2kmになるでしょう。その地点の気温は、かろうじてプラスの3℃です。
 標準大気と希薄大気との境目は高度8kmになりました。気温は−36℃ですから、とても寒い環境です。
 希薄大気と極薄大気との境目は高度12kmで、これ以上の高度で生活するためには人工呼吸装置が必要です。この地点の気温は−56℃です。
 高度20kmを越えると、気圧は微量レベルまで下がります。気温は同じく−56℃でした(この温度については、自信がありません。もっと下がるかも知れませんし、反対に上がっている可能性もあります。濃厚大気の世界のオゾン層は、どの高度に存在するのでしょう?)。
 周回軌道の高さまで上がると、標準大気の場合と大きな違いは生じません。

 濃厚大気の世界は、明らかに大気が濃いのですが、濃くなった大気は大気圏の最下層(地表周辺)に高密度に圧縮された状態で存在しており、決して大気層が厚くなる訳ではありませんでした。
 大気層の厚さを決定する要因は、惑星の規模(表面重力の大きさ)だったのです。



 再び、海面高度の気温を変更した場合を考えてみました。

  表5 濃厚大気世界の高度別気温(海面高度の気温を15℃単位で変更した場合) 

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 海面高度の気温が30℃に上がった場合、人間にとって快適な環境は高度2kmの高地になります。

 また、海面高度の気温が45℃に上がった場合、快適な環境は高度5kmの高山です。気圧は1.0barで、半分の圧力しかない「標準大気」ですが、気温は快適でしょう。



 濃厚大気の世界は文字通り、大気が濃いので、温度の変化勾配も急です。
 高地(高原や山岳地帯)の気圧は呼吸可能なレベルを保っていましたが、気温が低すぎます。大気レベル8の世界で登山をレジャーにするのは、かなり危険な行為なのではないでしょうか。酸素マスクは要りませんが、厳重な防寒装備が不可欠になりました。極地探検のような雰囲気です。



 また、低地(海面高度)が暑過ぎる(高温多湿のジャングル地帯)とか、低地に毒性を持った植物が(腐海の如く)繁茂しているため、それらの危険を避けて居住者が高地に住んでいるという設定は良くあります(私も多用しています)。
 しかし、高度差によってこれだけ温度変化が生じてしまうとなると、適用には注意が必要だと分かりました。

 例えば、高度5kmの高原地帯に人口が集中しており、その地点の平均気温が12℃である場合、同じ緯度の低地(海面高度付近)は45℃です。かなり暑いですが、このぐらいならば設定として許される範囲でしょう。
 しかし、この高原地帯が赤道直下ではなく、緯度の高い地方にあったとすると、少し問題が生じてくるようです。赤道直下の低地は、その気温が何度くらいになっているのでしょうか。

 私は高度10kmの高原が適温(12℃)で、海面高度は猛暑のため居住不可能だという設定を造ったことがありました。空を飛ぶ訳ではありませんが、高山地帯に建てられた都市が雲の上に突き出していて、まるで都市が雲の上に建てられている(ように見える○ースやラ○ュタのような)世界をイメージしていた訳です。
 その時は漠然と「海面は暑い」と考えていただけでしたが、表5を見てみると、その世界の海面高度での気温はなんと75℃
 人類と同じタンパク質を用いた生物は、生存するどころか、海で発生することもできません。ちょっと、やりすぎていたようです。 





4.希薄大気世界の気圧と気温


 次は、希薄大気の世界です。
 同様に、高度別の大気密度(気圧)と気温を求めてみました。

           表6 希薄大気世界の高度別気圧と気温

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 簡略化のため、希薄大気(レベル4〜5)の世界は、海面高度における気圧が0.56気圧(0.56bar)、気温が15℃(288K)であると考えました。
 0.56気圧における水の沸点は88℃です。猫舌である私にはちょうど良い温度ですがその代わり、煮込み料理が上手く作れなくなります。こうした世界の台所には、圧力鍋が必須なのでしょう。

 規模8の世界において、希薄大気と極薄大気との境目は高度2.5mで、ちょっとした山に登るだけでも、人工呼吸装置が必要です。この地点の気温は0℃でした。
 高度12.5kmを越えると、気圧は微量レベルまで下がります。気温は−56℃でした。

 反対に、海面以下の高度へ下がると、当然ながら気圧と温度は上昇します。
 希薄大気と標準大気との境目は高度−1.7kmでした。気温は27℃ですから、少し暖かい環境になるようです。
 高度−8km以下まで下がれば、気圧は濃厚レベル(1.5bar以上)まで上がりました。それだけ標高の低い地点が存在すれば、の話ですが。



 海面高度の気温を変更した場合を考えてみます。

  表7 希薄大気世界の高度別気温(海面高度の気温を15℃単位で変更した場合) 

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 希薄大気の世界は大気が薄いので、居住可能な高度域が限定されています。
 高度2.5kmを越えると、そこはもう、人工呼吸装置が必要な「極薄大気」の世界なのです。快適な温度環境を求めて、高地や低地に移動するという選択肢は有り得ない、と分かりました。





5.極薄大気世界の気圧と気温


 極薄大気の世界です。
 このあたりになると、計算に自信がありません。推測した数字ばかりです。
 果たして、電離層はどのぐらいの高さに存在するのでしょうか。あるいは、存在しないのでしょうか。

           表8 極薄大気世界の高度別気圧と気温

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 極薄大気(レベル2〜3)の世界は、海面高度の気圧が0.26気圧(0.26bar)、気温15℃(288K)であると考えました。
 0.26気圧における水の沸点は66℃です。沸かしたてのお湯がぬるすぎます。それはともかく、こういう環境になると、煮沸殺菌が難しくなりました。圧力鍋を使えば問題はなくなりますが。

 さらに低い0.10気圧(極薄と微量の境界線)は、水の沸点が46℃です。
 0.01気圧(微量)になると、沸点は7℃。
 某SF作家の筆に拠ると、0.01気圧の環境に放り出された人間は凍死や酸欠死よりも早く、体内各所に気泡が発生して激しい苦痛にのたうちまわるそうです。怖いですね。

 こうした極薄大気の世界であっても、深い盆地や裂溝の底ならば、もう少し濃い大気が存在する可能性もあるでしょう。
 ラリィ・ニーヴンやロバート・フォワードが、そうしたテラフォーミングによって居住可能になった世界を、小説の中で描いています。
 ニーヴンの場合、惑星破壊兵器の使用によって深さ5km以上の渓谷を穿つというものですし(惑星キャニョン)、フォワードは複数のアステロイドを落下させて深さ16kmの窪地を造り出しました。

 規模8の世界の場合、大気が希薄(0.42bar)以上になるには、深さ3.3kmが必要でした。標準(0.70bar)を望むのであれば、深さ7.7kmが必要です。
 反対に山へ登る場合、高度7.5kmになると、人工呼吸装置でも十分な空気を集められないほど、大気が薄くなってしまいます(大気レベル1)。



 海面高度の気温を変更した数字です。

 表9 極薄大気世界の高度別気温(海面高度の気温を15℃単位で変更した場合) 

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 極薄大気の世界は、さらに大気が薄いので、居住可能な高度域が希薄大気の世界以上に限られてしまいました。
 とは言うものの、極薄大気の世界はその多くが規模も小さいので、高度差による気圧や気温の変化も少ないでしょう。ある意味、山に登っても低地に降りても、居住環境が変わらないのです(何処に行っても、劣悪な環境)。





6.地軸の傾きによる、気温変動


 今度は、地軸の傾きによって生じる気温変動についても考察してみましょう。

 地軸が傾いても、惑星全体が受け取る日照エネルギー量は変わりませんが、北半球と南半球で分けると、その分布には大きな偏りが生じてきます。
 その偏りが、夏と冬の季節を作り出す訳ですね。言うまでもないことですが、春と秋は日照エネルギーが均等に分けられている季節になります。

 さて、人類の故郷ソル星系を例に取って、地軸の傾きを考えてみましょう。各惑星の地軸の傾きは、以下のようになっていました。

 水星  傾きなし(ほぼ0度)
 金星  177.4度(自転方向が逆だという意味です。実質的な傾斜は2.6度)
 地球  23.4度
 火星  25.2度
 木星     3.1度
 土星  26.7度
 天王星 97.9度(=横倒し)
 海王星 27.8度


 冥王星は「惑星ではない」ので除外しました(笑)。

 傾きが、20度〜30度の範囲にある惑星(地球、火星、土星、海王星)と、3度以下でほとんどないと言える惑星(水星、金星、木星)、横倒しの惑星(天王星)、以上の3パターンに分類できます。
 どうにも極端な印象を受けますね。
 傾きが10〜20度とか、30度〜60度の惑星はないものでしょうか。



 以下の数値は、CT「偵察局」の巻末に掲載されていた気温公式の、ほぼ丸写しになります。
 気温公式のルールから求めているものですので、実際の数字とは若干、異なるかも知れません。

           表10 地軸の傾きによる、気温の変動

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 地軸の傾斜に応じて再計算した、『惑星北半球』の平均気温です。

 左端は地軸の傾斜。
 光度は日照エネルギー量に相当するもの。
 気温%は、規準となっている気温(K)に対する変化を表します。規準温度が15℃(288K)以外の場合は、この%を使って温度変化を求めて下さい。

 変化は、15℃を規準として求めた、実際の温度変化量(℃)。
 気温℃が、実際の温度になります。
 計算例としては、地球(軌道番号3=半径1.0AUを巡る、規模8、大気6、水界度7の世界)を用いました。



 表10を見て分かるように、地軸の傾きが存在すると、その世界には大きな気温変動が発生します。
 例えば傾きが10度の場合、夏が+12℃、冬が−6℃ですので、合計18℃の温度変化が生じました。20度の場合は35℃、30度は51℃、40度は64℃です。
 地軸の傾きが30度を越える世界は気温変動が激しすぎて、生物が住むのにかなり都合が悪そうですね。それもトラベラーの醍醐味ですが(笑)。

 地球(傾斜23.4度)における、夏冬の温度変化が35℃もあるのだろうか、と疑問に思われるかも知れません。
 あくまでこれは太陽の日照エネルギーから計算で求めた、北半球(あるいは南半球)全体の平均気温です。周囲に海水面(海洋や大きな湖)や森林が存在すれば、その気温変動は大きく緩和されるでしょう。低緯度地帯も気温変動の幅は小さくなると思われます。
 そのあたりをご了承ください。



 地軸を60度も傾けた場合、平均気温64℃の夏が3ヶ月、−24℃の冬が3ヶ月、15度の春秋が3ヶ月ずつ、訪れます。平均気温が64℃と−24℃なのですから、実際の気温はさらに10度前後変動することでしょう。おまけに冬の日照はほとんどありません(緯度が30度以上ならば、白夜があります)。

 地軸が90度傾いたウラニアの場合、夏が69℃で冬が−31℃という、さらに過激な環境へと変わりました。おまけに、日照の偏りが致命的です。
 夏になると日照は十二分に得られますが、酷暑で乾燥(雨が降りません)。冬は暗闇の世界で厳寒、すべてが雪と氷に埋もれてしまいます。明らかに、農業には不向きな世界ですね。

 公転軌道をもっと内側(例えば軌道番号0の0.2AU)にずらして、1年を56日間(=8週間)まで縮めれば、過ごしやすくなるでしょうか。
 春夏秋冬が2週間ずつ訪れますので、極端な温度の夏冬を2週間だけ我慢すれば良くなります。その代わりに春秋も2週間しかありませんから、やはり農業は困難ですが。

 反対に公転軌道をもっと外側へ動かすと、ダイナム(ランス星域)になります。確か公転周期が1600年という世界でしたから、春夏秋冬が400年ずつのスパンで存在しますね(苦笑)。
 これはこれで、過ごしやすい世界でしょう。



 地軸の傾きが全くない(0度)惑星は稀ですが、傾きが40度を越える世界も稀だとのこと。
 それと、地軸の傾きが5度の世界を作りたい場合は、傾き10度のデータを半分(夏が+6℃、冬が−3℃の気温変動)にすれば良いと思います。





7.公転軌道の離心率による、気温変動


 最後に、公転軌道が楕円であることによって生じる、気温変動を考察します。

 多くの惑星は、公転軌道が真円ではなく、楕円です。
 そのため、近日点と遠日点では、主恒星からの距離が変わります。
 距離が変われば必然的に、主恒星から受け取るエネルギー量も変化しますので、それに合わせた気温を再計算しなければなりません。

 再び、人類の故郷ソル星系を例に取ってみます。各惑星の公転軌道の離心率は、以下のようでした。

 水星  0.206
 金星  0.007
 地球  0.017
 火星  0.093
 木星  0.049
 土星  0.056
 天王星 0.046
 海王星 0.009


 離心率の定義については、専門書を参考にしてください。オーム社の「マンガでわかる宇宙」という本は、とても分かりやすいと思います。
 乱暴な言い方になりますが、水星の「0.206」という離心率は、近日点の軌道半径が平均よりも2割小さくなり、遠日点の半径が2割大きくなることを意味しています。

 水星のように「0.200」を越える離心率は、惑星の公転軌道として珍しいようです。次点の火星でも「0.093」ですから。その次が木星の「0.049」でした。
 あまり大きな離心率を持った惑星は、あまり一般的ではないのでしょう。



 この数値も、CT「偵察局」から気温公式の丸写しです。

            表11 離心率による、気温の変動

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 公転軌道の離心率から再計算した、『惑星全体』の平均気温です。

 左端は離心率です。
 光度は日照エネルギー量に相当するもの。
 気温%は、規準となっている気温(K)に対する変化を表します。規準温度が15℃(288K)以外の場合は、この%を使って温度変化を求めて下さい。

 変化は、15℃を規準として求めた、実際の温度変化量(℃)。
 気温℃が、実際の温度になります。
 計算例として今回も、地球(軌道番号3=半径1.0AUを巡る、規模8、大気6、水界度7の世界)を用いました。



 離心率の影響は、あまり大きくありません。
 離心率0.050までの影響(気温変動)は、地軸の傾き10度によって、簡単に覆されてしまいます。
 ちなみに地球の離心率は「0.017」ですから、離心率による気温変動は、「0.015」と「0.020」の平均値、わずか5℃(近日点の+2.5と、遠日点の−2.5の差)だけしかありません。
 地軸の傾きによる気温変動35℃の前には、ほとんど意味を持たないのです。



 もちろん、地軸の傾きが「ない」惑星であっても、離心率による気温変動によって、季節を作り出すことが可能です。
 ですが、離心率の大きな公転軌道を描く場合、近日点近傍の通過時間が短く、反対に遠日点近傍の経過時間が長くなることに留意してください。

 例えば、地球に離心率0.250の軌道を取らせると、気温が60℃を越える「夏」は2ヵ月しかありませんが、氷点下30℃の「冬」は4ヶ月も続くのです。
 残り6ヶ月は春と秋になりますが、平均気温が60℃と氷点下30℃の間になるだけで、適温になる期間はほとんどありません。平均気温が30℃〜0℃の間にある期間は、春と秋でわずか1ヵ月ずつですし、その1ヵ月も、月初めと終わりの気温差が30℃ありました。
 はっきり言って、普通の農業は不可能だと思います。





8.惑星重力の決定ルール


 MAG様がツリー掲示板に投稿された、惑星重力の決定ルールを紹介します。
 このルールは、MTの偵察局モジュール「World」の中にあるルールのようですが、簡単には入手できません。英文を和訳する手間もありますから、そのまま、紹介させて頂くことにしました。
 非常に面白いルールです。



A.惑星密度

 惑星密度を決定するため、まず、以下の表を用います。

            表12 惑星密度タイプの決定

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 「重コア」惑星は、非常に高密度のコアを持った惑星です。
 安定している、重い物質がコアになる訳ですから、イリジウム、オスミウム、プラチナ、レニウム、金、タングステンなどが主要な成分となるでしょう。同時に、それらの金属は地殻中にも豊富に含まれている筈です。
 「重コア」惑星に分類された中でも惑星密度は1.10〜2.25まで様々ですので、簡単な結論は出せませんが。

 「マントルコア」惑星は、標準的な、地球型のコアを持った惑星です。
 これらの惑星のコアは通常通り、鉄/ニッケル質のコアになります。

 「岩体」惑星は、岩石質の惑星です。
 この内部に鉄/ニッケルのコアは存在しないか、あるとしても、小さなものしか存在できません。

 「氷体」惑星は、文字通り、氷で構成された惑星です。

 

 少し気になりましたので、2D6の確率分布とDMの大きさから惑星密度タイプの存在期待値を求めてみました。
 外圏を巡る惑星にはDM+6が加わりますので、「内圏/可住圏」の場合(表13)と、「外圏」の場合(表14)に分けています。

        表13 惑星密度タイプの存在期待値(内圏/可住圏)

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          表14 惑星密度タイプの存在期待値(外圏)

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 内圏/可住圏の場合でも、マイナスのDMが無ければ「重コア」惑星が見つかる可能性はありません。
 「重コア」惑星は「内圏か可住圏」を巡る惑星で、「規模6以上」、あるいは「大気レベル6以上」の惑星でなければ有り得ないのです。「規模6以上で、大気6以上」の惑星ならば、36分の10(=27.8%)の確率で「重コア」になりますが。
 この「大気レベル6以上」の条件は、異種大気や腐食性大気も含まれますので、金星のような灼熱地獄の惑星も意外と狙い目でしょう。
 CT/MTの世界作成ルールからすると、ちょっとばかり確率が高過ぎるような気もしますが。後述するように「重コア」惑星のすべてが宝の山になる訳でもないようです。

 「内圏/可住圏」に存在する惑星は、その多くが「マントルコア」惑星になります。しかし、ごく稀に「岩体」惑星も存在しました(例えば、ソル星系の月がそうです)。
 「規模4以下」、「大気レベル3以下」の惑星は+1のDMを受けますから、両方が該当する惑星はDM+2です。「岩体」惑星である確率は、36分の10(=27.8%)になりました。



 「外圏」の惑星は、大気レベルを決定する際にDM−4を受けますから、大気レベル6以上を持つことが難しくなりました。特例として、可住圏の1つ外側を巡る惑星は、2Dで12が出ると異種大気に変わりますが、期待できる確率ではありません。
 もし、そうした好都合な世界が存在するとしても、惑星密度タイプを決定する際にはDM+6を受けます。ですからDMの最小値は+2。「重コア」惑星は絶対に見つからないのです。

 内圏や可住圏で一般的だった「マントルコア」惑星は、DM+4の時点で主役を「岩体」惑星に譲ります。その確率は50%を超えました。

 「氷体」惑星は、DM+4の範囲から見つかり始めます。
 その存在確率は徐々に上昇していきますが、DM+8の時点では36分の21(=58.3%)もの高確率でした。
 「規模4以下、かつ、大気レベル3以下」の惑星は星系内にありふれていますし、また、ガスジャイアントの衛星もそうした規模になることが多いようです。



 次に、下の表を用いて、正確な惑星密度を決定します。

          表15 惑星密度タイプから求める、惑星密度表

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 地球を規準にした密度比と、実際の密度(ton/kl)を併記しました。
 地球の密度は正確に書くと5.517ton/klですが、紙面を節約するため(数字を大きくして、見やすくするため)、小数第二位までの表記としております。

 参考のため、ソル星系の主要惑星(準惑星?)密度を並べてみました。数値は密度比で、カッコ内の数値が実際の密度(ton/kl)です。

 水星   0.98 (5.43) マントルコア」惑星です(2D=11)。
 金星   0.94 (5.24) 同じく「マントルコア」(2D=9)。
 火星   0.72 (3.93) 岩体」惑星の扱いになります(2D=14)。

 木星   0.24 (1.33) 大型ガスジャイアントですから、このルールでは対応
               できませんが、面白い数字になるので掲載しました。
 土星   0.13 (0.69) この惑星も大型ガスジャイアントです。
 天王星  0.23 (1.27) 小型ガスジャイアントとして分類されています。
 海王星  0.30 (1.64) この惑星も小型ガスジャイアントです。

 冥王星  0.34 (1.90) 確実に「氷体」準惑星でしょう(2D=11)。
 月    0.60 (3.34) 岩体」衛星です(2D=8)。
 ガニメデ 0.36 (1.94) 氷体」衛星(2D=12)。
 エウロパ 0.54 (3.01) 「岩体」衛星(2D=5)
 タイタン 0.34 (1.88) 氷体」衛星(2D=11)。
 ケレス  0.38 (2.05) 氷体」準惑星(2D=13)。
 パラス  0.76 (4.20) 岩体」小惑星(2D=16)。
 ヴェスタ 0.90 (5.00) マントルコア」小惑星(2D=7)。

 ざっと見たところ、ソル星系には「重コア」型の惑星はおろか、衛星や小惑星も見つかりませんでした。残念です。



 CT/MTにおいて、世界(惑星や衛星)の重力は単純に規模から求められます。
 規模8の地球が規準(1G)ですから、規模3の水星は(3/8=)0.375G、規模8の金星は(8/8=)1.00G、規模4の火星は(4/8=)0.50Gという風に。

 惑星密度を反映させたい場合は、上の表で求めた惑星密度を、規模から求めた重力に掛けてください。
 規模3、密度0.98の水星は(0.375×0.98=)0.368G、規模8、密度0.94の金星は(1.00×0.94=)0.94G、規模4、密度0.72の火星は(0.50×0.72=)0.36Gに変わります。
 密度が1に近い水星と金星はそれほど変わりませんが、密度0.72の火星は、規模3の惑星(=0.375G)よりも小さな重力に変化しました。





9.まとめ


 トラベラー宇宙には、様々な大気密度を持った世界が存在します。
 それらの世界において、高所の気圧はどうなっているのか、その地点の気温は何度になっているのか、という疑問を解消するため、大気密度の高度による変化を考察してみました。
 地球以外の世界における大気密度と気温の分布データが手に入りませんでしたから、上記のほとんどは推測となりますが、おおよその傾向は掴めたと思います。



 CT「偵察局」に掲載されていた気温公式から、地軸の傾きと、公転軌道の離心率による気温変動を考察してみました。
 地軸の傾きは、(独特の気象条件を作ったり、面白い景観を与えるなど)フレーバーとして手軽に使える要素ですが、その世界の温度環境には大きな影響を与えてしまうと分かりました。40度以上の極端な傾斜を与える際には、気を付けましょう。
 離心率の影響については、今回、初めて計算しましたが、意外と面白い結果が出ています。「0.050」以下の離心率において、気温変動はほとんど生じません。ですから、多くの惑星は、離心率をゼロとみなして構わないでしょう。大きな離心率を与えた惑星は大きな気温変動を生じますので、その結果も考慮すべきだと思いました。



 惑星密度を変数に取り入れた、惑星重力の決定ルールを紹介させて頂きました。
 トラベラーの舞台がより面白く、魅力的になることと思います。

 2011.01.09 初投稿