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The Best Weapon
22th stage
( Sub Gun 1
)

最強兵器 決定戦
第22回
(副砲と砲塔群 1

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MEGA TRAVELLER
 

 

たとえ小口径(低火力)であっても、
 砲弾に、軽装甲艦無力である。



 大艦巨砲主義が始まるよりも少し前の時代、ちょうど日清戦争の頃ですが、速射砲という画期的な新兵器が登場しました。
 速射砲の照準原理などを説明していると話が長くなるので詳しいことは省きますが、従来の大砲よりも数倍の速さで撃てる大砲だと思ってください。

 清国は、装甲艦(戦艦)を筆頭に多数の大型艦を保有していましたが、貧乏な日本は小型艦しかありませんでした。
 装甲艦(戦艦)を1隻も持っていなかったのですから、常識から判断すれば、日本が勝てる筈もありません。

 ところが海戦の結果は、皆様ご存知の通りです。
 速射砲から放たれる砲弾の嵐の前に、清国装甲艦は成す術もなく撃破されてしまいました。
 これは、どのような理由によるものでしょうか。

 そもそも当時の装甲艦が備えている装甲は、小口径砲に対しても、無敵というレベルではありませんでした。
 機関部砲塔弾薬庫など、装甲艦重要な部分だけはきちんと厚い装甲板で囲まれていましたが、そうでない部分の方が多かったのです。
 それ以外の区画(上部構造)は何も防御が無いか、せいぜい小銃弾に耐えられる程度の薄い装甲が守っているだけでした。
 装甲の重量がかさむため、装甲艦といえど、これ以上の装甲は施せなかったのです。


 薄い装甲しか備えていないのですから、小口径の砲弾でも、命中すれば、少なからぬ被害を受けてしまいます。
 主力である装甲艦(戦艦)が、小口径砲弾で被害を受けることなど信じられないように思うでしょうが、当時の設計思想では、これが常識でした。
 よほど沢山の敵に囲まれていない限り、小口径砲弾の嵐を浴びることは有り得ないと考えられていたのです。
 小口径砲弾による被害が、深刻なレベルまで至る前に、敵艦をすべて沈めてしまえば問題は無い。
 清国装甲艦はそんな常識を前提にして作られており、同時に、それを実行可能な大火力(多数の大口径大砲)を
装備していたのです。

 しかし、速射砲という新兵器の存在が、常識を覆してしまいました。

 清国装甲艦が、目前の敵艦を沈めるよりも早く、日本軍速射砲から放たれた砲弾の嵐が、装甲艦の上部構造を穴だらけにしてしまったのです。
 機関部弾薬庫砲塔は想定通り、厚い装甲板に守られて無事でしたが、それ以外の非装甲箇所は、ボロボロでした。
 清国の水兵は勇敢に戦いましたが、自分達が1発を撃つ間に、日本軍は20発以上の砲弾を撃って来るのですから、話になりません(命中率は、清国の方が、日本軍よりも良かったそうですが、撃った砲弾の数が比較になりません)。
 乗組員の死傷者も続出したため、とても戦える状況ではなくなってしまいます。
 装甲艦はそれでも沈むことなく戦場を離脱できましたが、海戦は清国の負けに終わりました。

 その後、速射砲による砲弾の嵐に対抗するため、世界各国主力艦は、小口径の砲弾に対して十分な防御力を持つ装甲を、備えるようになりました。
 最終的には、大艦巨砲主義弩級戦艦へと進化していく訳ですね。


 メガトラベラーの建艦思想は、古代テラの歴史で言えば、20世紀の前半(それも、第一次世界大戦よりも前の時代)に該当しているようです。
 装甲DM=9程度では、小口径の速射砲攻撃力3程度の砲塔群)が、まだまだ有効ですから。
 CT「宇宙海軍」の建造ルールのように、装甲DM=15重装甲を実現できるなら、小口径砲を無視することも可能なのですが、メガトラベラーの宇宙船設計ルールでは、とてもそこまでは出来ません。

 無理に重装甲装甲DM=15)を備えたとしても、視認距離からの「精密射撃」は、その重装甲すら無視できてしまうという戦闘ルールです。
 前回、攻撃力3ミサイル非核弾頭ミサイル)による損傷期待値を計算して、日清戦争の黄海海戦が連想されました。
 小口径砲低火力の砲塔群)の存在を無視することは、当時の清国海軍のような運命を招いてしまうように思えます。


 余談になりますが、装甲巡洋艦という艦種は、従来の「非装甲が当たり前」であった巡洋艦装甲を施したため、装甲巡洋艦と呼ばれているだけなのだそうです。
 CT「宇宙海軍」に掲載されていた、ガラルク型装甲巡洋艦のデータを見て「装甲がこんなに薄いくせに、どこが装甲巡洋艦なんだ」と疑問を抱いた方は多いことでしょう(え、私だけですか?)。

 その疑問も、軍艦の発達を調べている内に納得することが出来ました。
 非装甲が当たり前巡洋艦に、装甲を施した艦が装甲巡洋艦になる(ある意味、画期的な発展である)訳ですから、装甲さえ備わっているならば、その厚さはどうでも良いことなのです。

 もう少し時代が下がってくると、今度は巡洋艦装甲が当たり前になりました。
 そうなると、もう誰もわざわざ「装甲巡洋艦」などという艦種名を使いません。
 巡洋艦は「装甲を持っていて当たり前」なのです。




考察の進め方


 まずは、主砲を除く各種兵器損傷期待値計算から考察を始めます。

 使用する兵器は、ミサイル核ミサイル非核弾頭ミサイル)、ビーム・レーザーパルス・レーザーフュージョン・ガン粒子加速砲の5種類。

 ミサイルは遠距離での命中率を用い、核ミサイルだけは核中和装置による防御の突破率も計算に含めています。

 ビーム・レーザーパルス・レーザーは、近距離での命中率を用いました。
 パルス・レーザーだけは、外部損傷表+2のDMを得られます。

 フュージョン・ガンは近距離でしか使えませんから、命中率も当然、近距離の数値を用いました。
 攻撃力が小さいため、明らかに命中率で劣るプラズマ・ガンは、計算していません。

 粒子加速砲は、近距離でも遠距離でも、命中率が変わりません。
 核ミサイルが以外に使えないと分かった以上、放射線損傷表を使うことのできる最後の兵器ですから、少し期待しています。


 攻撃対象は、お互いの主力艦
 ゾダーン側は、3万トン、装甲DM=8、3G加速、移動力3バトルライダー
 帝国側は2万トン、装甲DM=9、6G加速、移動力6バトルライダーと、4万トン、装甲DM=6、3G加速、移動力3軽巡洋艦を用いました。




各種兵器の有効率(損傷期待値)
帝国のバトルライダー


 最初の考察は、帝国バトルライダーが搭載すべき砲塔群についてです。

 帝国の仮想敵は、テックレベル14で建造された
ゾダーンバトルライダーであるという想定で、各種兵器の与えうる損傷期待値を比較してみました。
 目標艦の行なう防御射撃は、考慮していません。

 核ミサイルによる損傷期待値は、すでに前回の考察で求めてありますので、非核弾頭ミサイルによる損傷期待値だけを求めてみました。


     表1  非核弾頭ミサイルによる損傷期待値
        (帝国が、ゾダーンバトルライダーを攻撃した場合)

BW22_FIG01.GIF - 7,385BYTES

 やはり、三連架砲塔1基攻撃力3)のミサイル砲塔が、最も多くの損傷(兵器損傷燃料損傷)を与えられます。


     表2  ビーム・レーザーによる損傷期待値
        (帝国が、ゾダーンバトルライダーを攻撃した場合)

BW22_FIG02.GIF - 7,172BYTES

 ビーム・レーザーによる攻撃の場合も、三連架砲塔1基攻撃力4)のビーム・レーザー砲塔が、最も多くの損傷(兵器損傷燃料損傷)を与えています。


     表3  パルス・レーザーによる損傷期待値
        (帝国が、ゾダーンバトルライダーを攻撃した場合)

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 パルス・レーザーによる攻撃の場合は、三連架砲塔1基攻撃力3)あるいは、単架砲塔1基攻撃力2)のパルス・レーザー砲塔が、最も多くの損傷(兵器損傷燃料損傷)を与えていました。
 命中率が悪くても(ビーム・レーザーは7+で、パルス・レーザーは8+でした)、外部損傷表DM+2を得ている効果が現われているようです。


     表4  フュージョン・ガンによる損傷期待値
        (帝国が、ゾダーンバトルライダーを攻撃した場合)

BW22_FIG04.GIF - 6,040BYTES

 フュージョン・ガンによる攻撃は、単架砲塔1基攻撃力5)のフュージョン・ガン砲塔が、最も多くの損傷(兵器損傷燃料損傷)を与えていました。


     表5  粒子加速砲による損傷期待値
        (帝国が、ゾダーンバトルライダーを攻撃した場合)

BW22_FIG05.GIF - 7,264BYTES

 粒子加速砲による攻撃は、単架砲塔1基攻撃力2)の粒子加速砲砲塔が、最も多くの損傷(兵器損傷燃料損傷探知器損傷)を与えていました。
 放射線損傷表を使うことのできる特典が、効いています。


     表6  各種兵器による損傷期待値の比較
        (帝国が、ゾダーンバトルライダーを攻撃した場合)

BW22_FIG06.GIF - 6,301BYTES

 各種兵器が与える損傷期待値の比較を行ってみました。

 核ミサイルは、核中和装置の防御突破が必要なことから、高い攻撃力核ミサイルを用いることが要求されます。
 高い攻撃力を備えた砲塔は、武器設置点を10個も使用する副砲であったり、砲塔を10個まとめた砲塔群だったりする訳ですから、砲塔群数は少なくなってしまいます。
 損傷期待値が小さくなることも、仕方ないことでしょう。

 非核弾頭のミサイルは、三連架砲塔1基攻撃力3)の砲塔群100個が、最も多くの損傷を与えられます。
 その損傷期待値は、他の兵器と比べても最大であり、兵器損傷で32.1回、燃料損傷で10.0回(これだけはパルス・レーザーの10.4回の方が大きいです)を与えることが出来ました。
 かなり、有利な数値です。
 非核弾頭のミサイルは、核ミサイルと比べれば極めて安価ですし、砲塔の占有容積や重量、価格、管制ポイントなど多くの利点がありますから、とてもお得な兵器だと思えました。

 ビーム・レーザーは、近距離での命中率がミサイルの命中率と同じですから、近距離では、非核弾頭のミサイルと同じだけの損傷(兵器損傷25.9回と燃料損傷8.1回)を、与えることが出来ました。
 遠距離では、命中率が悪くなるため、兵器損傷18.5回と燃料損傷5.8回(非核弾頭のミサイルの半分程度)まで、損傷期待値が減少してしまいます。
 一般的な交戦距離が遠距離だとするならば、ビーム・レーザー損傷期待値は、非核弾頭ミサイルの半分しかないと言えるでしょう。

 パルス・レーザーは、外部損傷表DM+2を得られるため、燃料損傷の期待値では最高の10.4回を示しています。
 しかし遠距離での損傷期待値は、兵器損傷16.2回、燃料損傷6.9回ですから、やはり非核弾頭ミサイルの半分程度でした。

 防御射撃を考慮しない場合、フュージョン・ガン損傷期待値は、ビーム・レーザーのものと変わり有りません。
 近距離でしか使えない兵器ですので、対大型艦攻撃用の兵器としては、あまり魅力がないように思えます。
 フュージョン・ガンの真価を評価するためには、防御射撃を計算に含めなければならないのでしょうが、今回はパスしました。

 粒子加速砲放射線損傷を与えられます。
 そのため、命中1発当たりの損傷期待値は大きかったのですが、残念ながら、肝腎の命中率が低いため、武器設置点100個当たりの損傷期待値では、非核弾頭のミサイルに劣ってしまいました。
 もう少し、命中率の高くなる目標(例えば、移動力0大型艦)を攻撃するならば、命中率の不利もカバーされて、損傷期待値はもう少し大きくなるかも知れません。

 結論として、ゾダーンバトルライダーを無力化するための、帝国の兵器としては、三連架砲塔1基攻撃力3)のミサイル砲塔群100基を装備することが、最善だということになりました。




各種兵器の有効率(損傷期待値)
ゾダーンのバトルライダー その1


 2つ目の考察は、ゾダーンバトルライダーが搭載すべき砲塔群についてです。

 ゾダーンバトルライダーが最優先目標として攻撃すべき目標は、当然のことながら帝国バトルライダーでした。
 今回も、
目標艦の行なう防御射撃は、考慮していません。


     表7  非核弾頭ミサイルによる損傷期待値
        (ゾダーンが、帝国バトルライダーを攻撃した場合)

BW22_FIG07.GIF - 7,316BYTES

 やはり、三連架砲塔1基攻撃力3)のミサイル砲塔が、最も多くの損傷(兵器損傷燃料損傷)を与えられます。


     表8  ビーム・レーザーによる損傷期待値
        (ゾダーンが、帝国バトルライダーを攻撃した場合)

BW22_FIG08.GIF - 5,916BYTES

 ビーム・レーザーによる攻撃の場合も、三連架砲塔1基攻撃力4)のビーム・レーザー砲塔が、最も多くの損傷(兵器損傷燃料損傷)を与えています。


     表9  パルス・レーザーによる損傷期待値
        (ゾダーンが、帝国バトルライダーを攻撃した場合)

BW22_FIG09.GIF - 5,918BYTES

 パルス・レーザーによる攻撃の場合は、三連架砲塔2基攻撃力4)のパルス・レーザー砲塔が、最も多くの損傷(兵器損傷燃料損傷)を与えていました。
 目標艦の回避DM(移動力)が高すぎるため、攻撃力3の砲塔では、命中させること出来ないのです。


     表10 フュージョン・ガンによる損傷期待値
        (ゾダーンが、帝国バトルライダーを攻撃した場合)

BW22_FIG10.GIF - 6,012BYTES

 フュージョン・ガンによる攻撃も、パルス・レーザーの場合と同じような問題を生じました。
 単架砲塔1基攻撃力5)の命中率が,12+と低くなってしまったのです。
 砲塔群数は半分に減りますが、命中率が11+(3倍の命中確率)になる、複架砲塔2基攻撃力6)のフュージョン・ガン砲塔が、最も多くの損傷を与えることになりました。


     表11  粒子加速砲による損傷期待値
        (ゾダーンが、帝国バトルライダーを攻撃した場合)

BW22_FIG11.GIF - 7,223BYTES

 命中率低下の問題は、粒子加速砲において、さらに顕著です。
 粒子加速砲の命中率は、移動力6帝国バトルライダーに対して、攻撃力4以下では13+以上(命中不可能)、攻撃力5〜6でやっと12+、攻撃力9100トン副砲でも10+しかありません。
 そのおかげで、損傷期待値も小さなものになっています。


     表12 各種兵器による損傷期待値の比較
        (ゾダーンが、帝国バトルライダーを攻撃した場合)

BW22_FIG12.GIF - 6,135BYTES

 各種兵器が与える損傷期待値の比較を、再び行ってみました。
 帝国の艦艇が、ゾダーンのバトルライダーを攻撃する場合と比べると、泣きたくなるほど小さな損傷期待値です。
 その比率は、およそ11倍〜17倍
 主砲に関しては、戦力比3倍という数字が出ていますから、副砲砲塔群に関しては帝国側が圧倒的に有利だということになりました。

 この事実は、帝国側主力艦主砲を搭載したバトルライダー巡洋艦)の艦艇数で劣っていても(つまり、主力艦の艦数が3分の1以下であっても)、主砲を搭載していない砲艦大型戦闘艇の投入で、挽回が可能であることを暗示しています。
 ゾダーン側バトルライダーを全て撃破してしまえば、帝国バトルライダーを抑えられる手段は他に何もありません。
 ゾダーン艦隊戦力がどれだけ残っていようとも、帝国バトルライダーの前では、一方的に虐殺されることになるでしょう。


 ゾダーンが、帝国バトルライダーを攻撃する場合、最も効率の良い(損傷期待値の大きい)兵器は、非核弾頭のミサイルでした。
 すでに述べたように帝国が用いるミサイルと比べたら、極めて低い数字ですが、何も無いよりはマシでしょう。
 非核弾頭のミサイルは、三連架砲塔1基攻撃力3)の砲塔群100個が、最も多くの損傷を与えられます。
 その次が、粒子加速砲100トン副砲攻撃力910基でした。

 大型戦闘艇を攻撃するための防御兵器と同じように、とにかく、命中率の高い兵器が必要になるようです。
 どんなに大量の砲塔群を用意しても、命中率が低すぎて命中不可能ならば、損傷期待値はゼロになりますから。




各種兵器の有効率(損傷期待値)
ゾダーンのバトルライダー その2


 3つ目の考察は、ゾダーンバトルライダーが、帝国巡洋艦を攻撃する場合の砲塔についてです。


     表13 非核弾頭ミサイルによる損傷期待値
        (ゾダーンが、帝国巡洋艦を攻撃した場合)

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 やはり、三連架砲塔1基攻撃力3)のミサイル砲塔が、最も多くの損傷(兵器損傷燃料損傷)を与えられます。
 これは、3つのパターンすべてに関して共通でした。


     表14 ビーム・レーザーによる損傷期待値
        (ゾダーンが、帝国巡洋艦を攻撃した場合)

BW22_FIG14.GIF - 7,164BYTES

 ビーム・レーザーによる攻撃の場合も、三連架砲塔1基攻撃力4)のビーム・レーザー砲塔が、最も多くの損傷(兵器損傷燃料損傷)を与えています。


     表15 パルス・レーザーによる損傷期待値
        (ゾダーンが、帝国巡洋艦を攻撃した場合)

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 パルス・レーザーによる攻撃の場合は、三連架砲塔1基攻撃力3)あるいは、単架砲塔1基攻撃力2)のパルス・レーザー砲塔が、最も多くの損傷(兵器損傷燃料損傷)を与えていました。
 外部損傷表DM+2を得ているため、通常ドライブに損傷を与えることが、可能になっています。


     表16 フュージョン・ガンによる損傷期待値
        (ゾダーンが、帝国巡洋艦を攻撃した場合)

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 フュージョン・ガンによる攻撃は、単架砲塔1基攻撃力5)のフュージョン・ガン砲塔が、最も多くの損傷(兵器損傷燃料損傷)を与えていました。


     表17 粒子加速砲による損傷期待値
        (ゾダーンが、帝国巡洋艦を攻撃した場合)

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 巡洋艦移動力が低いため、命中率低下の問題は、やや改善されます。
 もっとも多くの損傷を与えられる粒子加速砲の配置は、100トン副砲(攻撃力9)の10砲塔群のままでした。
 それでもまだ、損傷期待値は小さいようです。


     表18 各種兵器による損傷期待値の比較
        (ゾダーンが、帝国巡洋艦を攻撃した場合)

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 移動力3巡洋艦に対して、各種兵器が与える損傷期待値の比較です。

 帝国の艦艇がゾダーンのバトルライダーを攻撃する場合と比べたら、1.0〜1.6倍のハンデまで縮まりました。
 それにしても、テックレベル14で作られたものとはいえ、ジャンプ能力を持たないバトルライダーが、ジャンプ能力を備えた巡洋艦に戦力比で劣るという現実は、悲しいものがあります。
 移動力6バトルライダーや、移動力3巡洋艦を建造できる、テックレベル15の技術力が異常だと考えることもできるでしょう。


 ゾダーンが、帝国巡洋艦を攻撃する場合、最も効率の良い(損傷期待値の大きい)兵器は、今回も非核弾頭のミサイルでした。
 非核弾頭のミサイルは、三連架砲塔1基攻撃力3)の砲塔群100個が、最も多くの損傷を与えられます。
 その次に攻撃力4ビーム・レーザー100砲塔群と、攻撃力5フュージョン・ガン100砲塔群が並びました。




結論


 今回は、主砲以外の兵器副砲砲塔群について、有効性を計算してみました。 
 日清戦争の黄海海戦から連想した小口径砲弾の嵐低火力砲塔群による集中攻撃)というものを想定し、その損傷期待値を求めてみた訳です。

 その結果は上記の通り。
 コンピュータモデル移動力で優る帝国側に、圧倒的な優位が発見されました。

 小口径砲弾の嵐を浴びたとしても、帝国バトルライダーは移動力6の性能故、なかなか戦闘不能の状態には陥りません
 その上、兵器損傷が累積して戦闘不能になったとしても、移動可能です。
 主砲を搭載した主力艦を持ち出さなければ、帝国のバトルライダーは撃破できないのです。

 それに対して、ゾダーンバトルライダー移動力3が限度でした。
 小口径砲弾の嵐を浴びたとすれば、わずかな損傷で主砲は火力を減じてしまい、主力艦としての存在意義を失ってしまいます(搭載している主砲が、帝国主力艦に効かなくなるということです)。
 戦闘不能にならずとも、主力艦として使えなくなってしまう点は、致命的でしょう。
 主砲以外の火力が役に立たない訳ではないのですが、帝国バトルライダーを撃破することはできません。

 帝国巡洋艦も同じような問題を抱えていますが、帝国側主砲は、攻撃力が9以下になるまで、ゾダーン主力艦に通用するのです。
 小口径砲弾の嵐に対する耐久力は、かなり大きいと考えてよいでしょう。
 装甲が薄いので、移動不能になる可能性は高いのですが、通常ドライブを損傷してもまだジャンプという離脱手段が残されています。
 ジャンプで離脱されてしまったら、損傷艦にトドメを刺すこともできません。

 次回は、故意に無視してきた、防御射撃について考察します。


2008.11.29 初投稿
2008.12.06 結論部分が未完成のまま投稿してしまい、書き直して再投稿。