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The Best Weapon
23th stage
( Deffence Weapon 5
)

最強兵器 決定戦
第23回
(防御兵器 5

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MEGA TRAVELLER
 

 

大口径砲の利点に射程の長さが無ければ、
 砲撃戦勝敗は、手数多さで決まる。
  砲弾防ぐ手立てがあるのか?



 メガトラベラーの宇宙において、小口径砲(低火力の副砲砲塔群)が有効な兵器であるならば、当然それらの目標となる主力艦バトルライダー巡洋艦)は、対抗手段を備えていなければなりません。
 さもなければ日清戦争当時の清国海軍のように、小口径砲弾の嵐によって、主力艦を撃破されてしまいます。

 しかしすでに述べてきたように、メガトラベラーの宇宙船建造ルールでは、重装甲艦の建造が難しくなっています。
 不可能なことではないのですが、あまりにも装甲の価格が高価であるため、厚い装甲を備えてしまうと、建造費が跳ね上がってしまうのです。
 重装甲の主力艦1隻軽装甲の主力艦3隻が同じ予算で建造できるとしたら、普通の海軍は、軽装甲の主力艦3隻を選ぶでしょう。

 低いテックレベルでは、パワープラントの低効率や装甲材質の制限などから、重装甲艦の建造が困難でした。
 おまけに、高いテックレベルで利用可能になる中間子砲は、装甲の存在に関係なく、損傷を与えることができますので、装甲の存在意義を否定してしまいます。
 小口径砲からの損傷を抑えるために重装甲を備えても、その重さのため鈍重な主力艦になってしまい、中間子砲の攻撃が当たりやすくなってしまう(沈められやすくなる)のでは、本末転倒でした

 一番、簡単な解決策は、艦艇の移動力を高めることです。
 「戦闘艇」や「主砲」の考察で分かりましたが、大きな移動力は全ての攻撃に対して回避DMを増やしてくれるため、攻撃の命中率を減らすことができるのです。
 これは、敵艦の火力を大きく減らせる(極端な場合にはゼロまで減らせる)ことと、ほぼ同じ意味を持っていました。

 ところが、「主砲」で考察しましたように、移動力6を実現可能な主力艦は、帝国バトルライダーしかありません。
 ゾダーンバトルライダー帝国主力艦は、コストの問題から移動力3を持たせることが限界です。
 ゾダーン巡洋艦だけは移動力計算をしていませんが、恐らくより大きくなることはないでしょう。
 装甲の代わりに移動力を高める解決策は、選べないのです。

 二番目の解決策として、防御兵器の活用がありました。
 散乱砂砲レーザーフュージョン・ガンなどを用いて、小口径砲による砲弾の嵐を防ぐのです。
 今回の考察では、砲弾の嵐を防ぐため、効率の良い防御兵器について考えます。
 これはまた同時に、防御兵器を突破するための、攻撃兵器を選択する考察にもなるでしょう。

 三番目、最後の解決策として、敵に撃たれる前に全ての敵を撃破する(それが可能な大火力を備える)という手段もあるのですが、これは
恐らく困難でしょう。
 20世紀テラの弩級戦艦と異なり、トラベラー世界において主力艦主砲小口径砲(低攻撃力の砲塔群)も、その最大射程は同じ10へクスです。
 一方的に、主力艦が撃ちまくれる訳ではありませんから。




考察の進め方


 冒頭で建艦思想に関する背景を説明しましたが、主力艦バトルライダー巡洋艦)を砲弾の嵐から守るため、薄い装甲では力不足であることが分かっています。
 装甲DM=9の装甲を「薄い装甲」と言い切ってしまうことは気が引けるのですが、数値がそう語っていますので、仕方ありません。
 低火力砲塔群(具体的には、三連架砲塔1基だけのミサイルレーザー砲塔群)に対して、有効な防御とは成り得ないのです。


 そこで、前回の考察では故意に存在を無視していた、防御兵器について考えます。


 核中和装置は、核ミサイルに対してとても有効な防御兵器でしたが、残念ながら、核ミサイル以外の兵器(例えば非核弾頭のミサイル)に対しては何の役にも立ちませんでした。
 今回の考察では、あまり取り扱いません。

 散乱砂砲は、すべての防御の基本です。
 ミサイルレーザーエネルギー兵器など、どんな兵器でも防御が可能でした。
 電力消費も少なく、安価です。

 ビーム・レーザーおよびパルス・レーザーは、ミサイルに対してのみ防御兵器として使えます。
 防御兵器として使うには電力消費が大き過ぎる気もしますが、必要とあれば攻撃にも使えることが利点でしょう。
 攻撃力が低くなるため、パルス・レーザーの評価は、行ないません。

 フュージョン・ガンプラズマ・ガンも、ミサイルに対してのみ防御兵器として使えます。
 防御兵器として使うのであれば、その射程が近距離に制限されることも、問題になりません。
 フュージョン・ガン単架砲塔でも、攻撃力5を発揮できます。
 少ない電力消費で大きな防御力を得られることが、大きな利点でしょう。
 攻撃力の小さなプラズマ・ガンも、評価を行ないません。

 反重力砲は、ミサイルに対してのみ防御兵器として使えます。
 その効果は極めて高く、確実にミサイルを防御できると言っても良いでしょう。
 今までの考察では、装備する価値の低い「使えない」兵器として扱ってきましたが、今回の考察で初めて「使える」存在意義を見出しました。

 幾度か試算を行なった結果、防御兵器の数は、武器設置点50個分としています。
 

 続いて、攻撃側の使用する兵器ですが、使用する兵器はミサイル核ミサイル非核弾頭ミサイル)、ビーム・レーザーフュージョン・ガン粒子加速砲の4種類。

 ミサイルは遠距離での命中率を用い、核ミサイルだけは核中和装置による防御の突破率も計算に含めています。

 ビーム・レーザーは、近距離での命中率を用いました。

 フュージョン・ガンは近距離でしか使えませんから、命中率も当然、近距離の数値を用いました。

 粒子加速砲は、近距離でも遠距離でも、命中率が変わりません。


 思った以上に、計算と図表が多くなってしまったため、今回の考察は、目標艦を帝国バトルライダー(2万トン、装甲DM=9、6G加速、移動力6)に限定しました。
 当然、テックレベルは15になります。

 攻撃側は、テックレベル14ゾダーン海軍を想定しました。




各種兵器の有効率(損傷期待値)
ミサイルと防御兵器


 帝国バトルライダーを襲うミサイルの嵐に対する、防御兵器の種類と配置について考察します。
 移動力6という非常識な回避DMのおかげで命中率は低いのですが、それでも敵艦の数が多ければ、それなりの数が命中するようになってしまいます。

 テックレベル14ゾダーン海軍が、武器設置点100個分ミサイル帝国バトルライダーを攻撃した場合を想定して、命中率、命中期待値、各種防御兵器の防御突破率、突破期待値を計算しました。

 防御兵器の数は、前述の通り武器設置点50個分です。


     表1  非核弾頭ミサイルによる損傷期待値(遠距離、防御射撃なし
        (ゾダーンが、帝国バトルライダーを攻撃した場合)

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 上記のように、目標艦からの防御射撃が全く行なわれないのであれば、三連架砲塔1基攻撃力3)のミサイル砲塔が、最も多くの損傷(兵器損傷燃料損傷)を与えられます。
 このミサイル攻撃に対して、目標艦が防御射撃を行なった場合は、防御突破数が以下のように小さくなりました。


       表2  散乱砂砲による防御射撃の効果

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 攻撃力3砲塔群100基によるミサイル攻撃は、およそ8.3発が命中します。
 その8.3発を効率良く防御できる散乱砂砲は、防御力4砲塔群50個でした(突破数が、最小の0.3です)。
 念のために計算したところ、砲塔群200基によるミサイル攻撃は、16.7発が命中して、突破数は3.3
 砲塔群400基によるミサイル攻撃は、33.3発が命中して、15.4発が突破します。
 低い防御力でも、多数の砲塔群による防御射撃は、意外と効果的でした。

 その一方で、攻撃力Aミサイルが命中した場合、防御力4散乱砂砲では防御効果をほとんど発揮できません。
 攻撃力Aミサイルに対して効率的な防御が可能な散乱砂砲は、30門散乱砂砲をまとめた防御力9散乱砂砲です(それでも4.2発3.4発が突破してしまいます)。

 攻撃力の大きいミサイル散乱砂砲で防御するためには、防御力の大きい散乱砂砲を用意しなければならりませんが、それらの砲塔群は、数を用意できません。
 数を用意できなければ、攻撃力の小さな多数のミサイルで攻撃された場合、あっという間に防御兵器が飽和してしまうかも知れません。
 砲塔群の配置は、ずいぶんと難しい選択問題になりました。


       表3  ビーム・レーザーによる防御射撃の効果

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 ビーム・レーザーによる防御射撃の効果は、散乱砂砲の場合と同じです。

 攻撃力3ミサイルに対しては、三連架砲塔1基攻撃力4)の砲塔群による防御が最も効率的ですが、攻撃力Aミサイルに対しては、効果がありません。
 三連架砲塔10基30門をまとめた、攻撃力9ビーム・レーザー砲塔群でも、あまり防御効果がありませんでした。


       表4  フュージョン・ガンによる防御射撃の効果

BW23_FIG04.GIF - 7,530BYTES

 フュージョン・ガンによる防御射撃は、単架砲塔1基攻撃力が、攻撃力5と大きいだけに、とても効率的でした。
 砲塔群200基によるミサイル攻撃は、突破数が1.21散乱砂砲レーザー兵器では3.3
 砲塔群400基によるミサイル攻撃は、突破数が9.8散乱砂砲レーザー兵器では15.4でした)。
 フュージョン・ガンによる防御射撃の効果は、散乱砂砲レーザー兵器による場合のおよそ1.5倍に相当するようです(攻撃力3のミサイルに対してですが)。

 しかしフュージョン・ガンを用いても、攻撃力Aミサイル攻撃はなかなか防御できません。
 散乱砂砲ビーム・レーザーの場合(4.2発3.4発が突破)より少ないのですが、4.2発2.9発が突破してしまいました。


       表5  反重力砲による
防御射撃の効果

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 反重力砲による防御射撃の特徴は、突破不可能なレベルの防御突破率にあります。
 副砲から発射される、攻撃力Aミサイルを確実に防御できる兵器は、反重力砲だけでした。
 50トンの反重力副砲攻撃力5)で、攻撃力Aミサイルを防御することは、必ずしも保証できないのですが、それ以外ならば完璧です。

 反重力砲の弱点は、副砲にしか設置できないため数を用意できないこと、ミサイル以外の兵器には使えないこと、以上の2つでしょう。


    表6  ミサイルに対して防御射撃を行なった場合の損傷期待値比較
        (攻撃力3非核弾頭ミサイル×100砲塔群、遠距離)

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 散乱砂砲ビーム・レーザーフュージョン・ガン、どの兵器で防御射撃を行なっても、攻撃力3砲塔群100基によるミサイル攻撃に対しては、有効な防御が行なえると判明しました。
 唯一の例外は反重力砲による防御射撃です。
 反重力砲の装備数と同じ、5発までのミサイルは完璧に防御できますが、砲塔群数の少なさからすぐに飽和して、6発以上のミサイルに対しては、無抵抗になってしまいました。


    表7  ミサイルに対して防御射撃を行なった場合の損傷期待値比較
        (攻撃力A非核弾頭ミサイル×10砲塔群、遠距離)

BW23_FIG07.GIF - 5,396BYTES

 ところが、ゾダーン側100トン副砲攻撃力A)のミサイルで攻撃してきた場合、防御力4〜5散乱砂砲ビーム・レーザーフュージョン・ガンは役に立ちません。
 唯一、反重力砲による防御射撃だけが効果を持ち、命中した4.2発ミサイルを完璧に防御してくれます。


    表8  ミサイルに対して防御射撃を行なった場合の損傷期待値比較
        (攻撃力A非核弾頭ミサイル×10砲塔群、遠距離)

BW23_FIG08.GIF - 5,517BYTES

 反重力砲に対抗するため、散乱砂砲ビーム・レーザーフュージョン・ガン防御力攻撃力)の大きな砲塔群に変えて、比較してみました。
 若干の防御効果は見られるのですが、それでも反重力砲の突破数0.0と比べた場合、大きく見劣りします。




各種兵器の有効率(損傷期待値)
ビーム・レーザーと防御兵器


 次に、ビーム・レーザーの嵐に対する、防御兵器の種類と配置について考察します。

 テックレベル14ゾダーン海軍が、武器設置点100個分ビーム・レーザー帝国バトルライダーを攻撃した場合を想定し、命中率、命中期待値、防御兵器の突破率、突破期待値を計算しました。

 防御兵器散乱砂砲の数は、前述の通り武器設置点50個分です。


     表9  ビーム・レーザーによる損傷期待値(近距離、防御射撃なし
        (ゾダーンが、帝国バトルライダーを攻撃した場合)

BW23_FIG09.GIF - 5,916BYTES

 上記のように、目標艦からの防御射撃が全く行なわれないのであれば、三連架砲塔1基攻撃力4)のビーム・レーザー砲塔が、最も多くの損傷(兵器損傷燃料損傷)を与えられます。
 このビーム・レーザー攻撃に対して防御射撃を行なった場合、防御突破数と損傷期待値が、大きく減少しました。


       表10  散乱砂砲による防御射撃の効果

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 攻撃力4砲塔群100基によるビーム・レーザー攻撃は、2.8発が命中します。
 ビーム・レーザーの命中率が低いため分かりにくいのですが、その2.8発を効率良く防御できる散乱砂砲は、防御力4砲塔群50個でした。
 防御を突破できるレーザー攻撃は皆無であり、突破数は0.0になっています。

 砲塔群   200基によるレーザー攻撃は、5.6発が命中しても、突破数0.0
 砲塔群   400基によるレーザー攻撃は、11.1発が命中して、突破数1.0
 砲塔群1,000基によるレーザー攻撃は、27.8発が命中して、突破数10.8

 命中率の低さから、散乱砂砲によるレーザー兵器の防御は、非常に効果的です。
 砲塔群400基による集中攻撃を受けても、防御兵器は飽和していません。

 この損傷期待値は、命中率の良い近距離でのレーザー攻撃での数値ですから、遠距離攻撃であれば、命中期待値も小さくなりますし、それに比例して損傷期待値も小さくなります。
 命中弾数が少ないのですから、効率良く防御されてしまうことは、明らかでした。


 その一方で、ミサイルの場合と同じように、攻撃力9ビーム・レーザーが命中した場合、防御力4散乱砂砲ではほとんど防御できません。
 攻撃力9ビーム・レーザーに対して効率的な防御が可能な散乱砂砲は、30門散乱砂砲をまとめた防御力9散乱砂砲です(1.7発中の突破数0.3)。
 砲塔群20基によるレーザー攻撃は、3.3発が命中して、突破数1.5
 砲塔群40基によるレーザー攻撃は、6.7発が命中して、突破数4.6
 砲塔群100基によるレーザー攻撃は、16.7発が命中して、突破数14.6
 防御力の高い散乱砂砲でも、攻撃力9レーザー攻撃を防ぐことは困難であり、すぐに飽和してしまうことが分かりました。


  表11 ビーム・レーザーに対して防御射撃を行なった場合の損傷期待値比較
        (攻撃力4ビーム・レーザー×100砲塔群、近距離)

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 防御力4の散乱砂砲による防御射撃は、攻撃力4×100砲塔群ビーム・レーザー攻撃に対して、有効な防御が行なえます。
 防御力9の散乱砂砲も、まだ飽和していません。


  表12 ビーム・レーザーに対して防御射撃を行なった場合の損傷期待値比較
        (攻撃力9ビーム・レーザー×10砲塔群、近距離)

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 防御力4の散乱砂砲による防御射撃は、攻撃力9×10砲塔群ビーム・レーザー攻撃に対して、効果がありませんでした。 
 防御力9の散乱砂砲ならば、有効な防御を行なえます。
 しかし砲塔群数が少ないため、すぐに飽和してしまうでしょう。


  表13 ビーム・レーザーに対して防御射撃を行なった場合の損傷期待値比較
        (攻撃力4ビーム・レーザー×400砲塔群、近距離)

BW23_FIG13.GIF - 4,216BYTES

 少し気になったので、より多くの砲塔群(400砲塔群)からビーム・レーザー攻撃を受けた場合の損傷期待値も、掲載しておきます。

 ビーム・レーザーの命中率が低いため、命中数が少ないことに起因するのですが、400砲塔群からのレーザー攻撃を受けても、防御力4の散乱砂砲は飽和していません。
 ビーム・レーザーが、対艦兵器として不向きであることを、暗示しているように思えます。
 帝国バトルライダー移動力6)以外の目標ならば、もう少し有効な数値が出たと筈だと思うのですが。




各種兵器の有効率(損傷期待値)
フュージョン・ガンと防御兵器


 三番目は、エネルギー兵器フュージョン・ガンの嵐に対する、防御兵器の種類と配置について考察します。
 エネルギー兵器の嵐ですと呼び方がいまひとつですので、プラズマの嵐とでも呼びましょうか。

 テックレベル14ゾダーン海軍が、武器設置点100個分フュージョン・ガン帝国バトルライダーを攻撃した場合を想定しました。

 防御兵器散乱砂砲の数は、今回も武器設置点50個分です。


    表14  フュージョン・ガンによる損傷期待値(近距離、防御射撃なし
        (ゾダーンが、帝国バトルライダーを攻撃した場合)

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 上記のように、目標艦からの防御射撃が全く行なわれないのであれば、複架砲塔2基攻撃力6)のフュージョン・ガン砲塔が、最も多くの損傷(兵器損傷燃料損傷)を与えられます。
 しかし、フュージョン・ガンの真髄は対艦攻撃ではなく、対ミサイル向けの防御射撃にあると考えていますので、フュージョン・ガンの砲塔群は単架砲塔1基攻撃力5)の砲塔群100個を想定しました。

 フュージョン・ガン攻撃に対しては、散乱砂砲だけが防御射撃を行なえます。


       表15  散乱砂砲による防御射撃の効果

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 攻撃力5砲塔群100基によるフュージョン・ガン攻撃は、2.8発が命中します。
 残念なことに、攻撃力5フュージョン・ガン攻撃を効率良く防御できる散乱砂砲は、防御力4砲塔群50個ではありません。
 三連架砲塔4基防御力7散乱砂砲砲塔群12個が最も効率的でした。
 防御力4砲塔群50個と比べて、大きな差がある訳でもないのですが。
 「エネルギー兵器は、散乱砂砲による防御を突破する際に+2のDMを得る」という特典が大きく効いています。

 参考のため、併記しておきますが、
 砲塔群200基によるフュージョン・ガン攻撃は、5.6発が命中して、突破数2.6

 砲塔群400基によるフュージョン・ガン攻撃は、11.1発が命中して、突破数7.5

 砲塔群1,000基によるフュージョン・ガン攻撃は、27.8発が命中して突破数23.4
でした


 複架砲塔2基攻撃力6)のフュージョン・ガン攻撃の場合は、

 砲塔群100基による攻撃は、8.3発が命中して、突破数7.0
 砲塔群200基による攻撃は、16.7発が命中して、突破数15.4

 砲塔群500基による攻撃は、41.7発が命中して、突破数40.3
となりました。
 命中弾数と防御突破数を見ると、フュージョン・ガンの砲塔配置を上記の配置にしてみたくなりますが、実際にフュージョン・ガン複架砲塔2基対艦攻撃に使える機会は少ないでしょう。
 早まってはいけません。



 ミサイルビーム・レーザーの場合と同じように、攻撃力9フュージョン・ガンが命中した場合、防御力4散乱砂砲ではまったく防御できません。
 攻撃力9フュージョン・ガンに対して防御が可能な散乱砂砲は、30門散乱砂砲をまとめた防御力9散乱砂砲ですが、あまり効果はありませんでした(1.7発中の突破数が1.0で、すでに飽和しています)。
 砲塔群20基によるフュージョン・ガン攻撃は、3.3発が命中して、突破数2.5
 砲塔群40基によるフュージョン・ガン攻撃は、6.7発が命中して、突破数5.9
 砲塔群100基によるフュージョン・ガン攻撃は、16.7発が命中して突破数15.9


  表16 
フュージョン・ガンに対して防御射撃を行なった場合の損傷期待値比較
        (攻撃力5フュージョン・ガン×100砲塔群、近距離)

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 攻撃力5フュージョン・ガン攻撃に対しては、防御力4散乱砂砲も、防御力9散乱砂砲も有効です。


  表17 
フュージョン・ガンに対して防御射撃を行なった場合の損傷期待値比較
        (攻撃力6フュージョン・ガン×50砲塔群、近距離)

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 攻撃力6フュージョン・ガン攻撃に対しては、防御力4防御力9でも、散乱砂砲の防御率は一気に低下しました。
 防御突破率が1つ上がっていることも影響していますが、命中弾数が増えていることも大きな要因です。


  表18 
フュージョン・ガンに対して防御射撃を行なった場合の損傷期待値比較
        (攻撃力9フュージョン・ガン×10砲塔群、近距離)

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 攻撃力9フュージョン・ガン攻撃に対して、防御力4散乱砂砲は防御効果を持ちません。
 防御力9散乱砂砲でも、ほとんど効果が無いようです。



各種兵器の有効率(損傷期待値)
粒子加速砲と防御兵器


 最後は、粒子加速砲の嵐に対する防御兵器について考察します。

 テックレベル14ゾダーン海軍が、武器設置点100個分粒子加速砲帝国バトルライダーを攻撃した場合を想定しました。


 実は粒子加速砲に対しては、一切の防御射撃が効きません。
 移動力による回避と装甲による被害減少だけが、数少ない防御手段なのです。


    表19  粒子加速砲による損傷期待値(近距離〜遠距離、防御射撃なし
        (ゾダーンが、帝国バトルライダーを攻撃した場合)

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 粒子加速砲は 上記のように、目標艦からの防御射撃を行なえません。
 命中弾は、すべて損傷を与えることができます。




各種兵器の有効率(損傷期待値)
散乱砂砲の防御効果


 まとめとして、散乱砂砲によってどれだけの防御効果が得られたのか、比較します。

 しつこく書いておきますが、テックレベル14ゾダーン海軍が、武器設置点100個分兵器帝国バトルライダーを攻撃した場合を想定しました。



    表20  各種兵器による損傷期待値(近距離〜遠距離、防御射撃なし
        (ゾダーンが、帝国バトルライダーを攻撃した場合)

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 前回の考察でも掲載しましたが、いくつかのデータを加えて、再掲載しました。
 攻撃側の兵器はミサイル核ミサイル非核弾頭ミサイル攻撃力A100トン副砲10基攻撃力3砲塔群100)、ビーム・レーザー攻撃力9砲塔群10攻撃力4砲塔群100)、フュージョン・ガン攻撃力950トン副砲10基攻撃力6砲塔群50)、粒子加速砲攻撃力9100トン副砲10基攻撃力5砲塔群)の10種です。

 ゾダーン海軍の艦艇が、帝国バトルライダー装甲DM=9移動力6)を各種の兵器で攻撃した場合、表20のような損傷を与えることが期待できます。
 前々回「ミサイル1」の考察から引きずっていますので、核ミサイルによって与えられる損傷期待値を、ひとつの基準として考えてみました。

 核ミサイル攻撃力9×10砲塔群)による損傷期待値は、兵器損傷0.8燃料損傷0.2通常ドライブの損傷0.04です。
 これを上回る損傷期待値を与えられる兵器は、非核弾頭ミサイル攻撃力9×10砲塔群攻撃力3×100砲塔群)、ビーム・レーザー攻撃力4×100砲塔群)、フュージョン・ガン攻撃力6×50砲塔群)、粒子加速砲攻撃力9×10砲塔群)の5種だけでした。
 その順位は非核弾頭ミサイル攻撃力3を筆頭に、粒子加速砲非核弾頭ミサイル攻撃力9)、フュージョン・ガンビーム・レーザーとなっています。

 これだけを見るならば、帝国バトルライダーに対して最も有効な砲塔群(主砲以外の兵器)は、非核弾頭ミサイルを使用する、単架砲塔1基攻撃力3)の砲塔群多数だということになるでしょう。


       表21  散乱砂砲防御力4)による防御射撃の効果

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 ところが、散乱砂砲による防御射撃を考慮すると、損傷期待値は、表21のように、大きく変化します。

 筆頭だった非核弾頭ミサイル攻撃力3)は、ほぼ完全に防御されてしまいます。
 
粒子加速砲防御射撃の影響を受けず、そのため、順位が2番目からトップに繰り上がりました。
 3番目の非核弾頭ミサイル攻撃力9)も、防御力4散乱砂砲では防御効果がないため、2位に上がります。
 4番目、5番目のフュージョン・ガンビーム・レーザーも大半が防御されてしまいました。

 目標艦防御兵器が飽和していない限り、小口径砲低火力副砲や砲塔群)による砲弾の嵐は、防御兵器で防がれてしまうのです。


       表22  散乱砂砲防御力9)による防御射撃の効果

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 防御力4×50砲塔群散乱砂砲を、防御力9×5砲塔群に変えた場合の防御射撃の効果です。

 攻撃力9非核弾頭ミサイルも一部が防御されてしまい、損傷期待値が減少しましたが、その代わりに、攻撃力3非核弾頭ミサイル損傷期待値が増えました。
 砲塔群数が50からに減り、防御兵器の飽和が早くなってしまったためです。

 最も多くの損傷を与える兵器は、今回も粒子加速砲でした。
 防御兵器を飽和させない限り、あるいは、兵器損傷を与えて目標艦防御兵器を減らさない限り、ミサイルレーザーフュージョン・ガンは、なかなか損傷を与えられません。


       表23  反重力砲防御力9)による防御射撃の効果

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 防御力9×5砲塔群反重力砲を装備した場合の、ミサイルによる損傷期待値です。

 攻撃力9ミサイルも、命中数が5発以下ならば完璧に防御できました。
 攻撃力3ミサイルは、命中数が5発を超えているので、超えた分がそのまま突破数になっています。
 核ミサイル非核弾頭ミサイルも防御できますから、核ミサイルによる損傷期待値がゼロになる、唯一の防御兵器でした。

 防御兵器の全てを反重力砲にしてしまうことは危険ですが、攻撃力の大きいミサイルが命中する可能性に備え、1〜2基程度反重力砲を装備しておくことは、賢明なことかも知れません。




結論


 帝国バトルライダーを襲うであろう、小口径砲弾の嵐(多数の副砲砲塔群による低火力兵器の集中攻撃)を防ぐため、防御兵器について考察を行なってみました。
 装甲を備えていても、装甲DM=9程度の薄い装甲では、小口径砲弾の嵐を防ぐことは不可能なのです。

 それに比べて、能動的な装甲とも言える防御兵器は、数に限りがあり(飽和する可能性を持ち)、突破判定が必要ではありますが、多くの命中弾を防いでくれます。

 散乱砂砲は、ほぼ万能の防御兵器です。
 ミサイルからレーザーエネルギー兵器まで防いでくれますが、攻撃力の大きい兵器エネルギー兵器に対する防御効果は低く、粒子加速砲を防ぐことは出来ません。

 ビーム・レーザーは、対ミサイル防御に関してのみ、散乱砂砲と同じ防御効果を期待できますが、その他の兵器を防ぐことは出来ません。

 フュージョン・ガンは、対ミサイル防御に限定するならば、極めて優秀です。

 反重力砲の存在意義は、高火力ミサイル攻撃を防ぐことにあると判明しました。
 装備できる数が少ないため、砲弾の嵐を防ぐことには向きませんが、ミサイル副砲の攻撃を完璧に防御できる、唯一の防御兵器です。
 許されるならば、1隻に1〜2基を装備しておくべきでしょう(大型艦ならば10基くらい装備しても構いませんが)。


 逆に、ゾダーン帝国バトルライダーを攻撃する手段としては、100トン副砲ミサイル攻撃力A核弾頭も、非核弾頭もOK)、三連架砲塔1基ミサイル砲塔群多数(攻撃力3、これは非核弾頭のみ)、100トン副砲粒子加速砲攻撃力9)の3種類しかないと分かりました。


 2008.12.20 初投稿