r> r> r> r> r> r> r> r> r> r> r> >   r> r> r> r> r> >r> r> >>>>>>>

 
 
 

The Best Weapon
24th stage
( Deffence Weapon 6
)

最強兵器 決定戦
第24回
(防御兵器 6

LINE1.GIF - 286BYTES

MEGA TRAVELLER
 

 

大口径砲の利点に射程の長さが無ければ、
 砲撃戦勝敗は、手数多さで決まる。
  砲弾防ぐ手立てがあるのか?



 メガトラベラーの建艦思想が、古代テラの歴史の中で第一次世界大戦よりも前の時代に該当していると考える、もうひとつの根拠は「大砲の射程距離」でした。

 メガトラベラーの宇宙戦闘ルールでは、大口径砲主砲)でも小口径砲副砲砲塔群)でも、射程距離が全く同じであることに、今更ながら気付かされました。
 ミサイルレーザーのように、兵器の種類による命中率の違いはありますが、主砲副砲砲塔群の区別による射程距離の変化はありません。

 20世紀初期に弩級戦艦が誕生して以降、戦艦主砲口径は桁違いに大きくなっていきます。
 主砲射程距離の大きさが、極めて重要な要素となっていました。
 その結果、必然的に戦艦射程距離も、他の艦艇射程距離を凌駕するようになります。
 巡洋艦駆逐艦は、戦艦を自分の砲の射程内に入れる(射程距離内に近付く)まで、戦艦から一方的に撃たれるしかない、という状況が生まれました。

 ところがメガトラベラーでは、戦艦駆逐艦も、戦闘艇すら同じ距離で砲撃を始めることになります。
 トラベラー宇宙では、戦艦駆逐艦射程距離が全く同じなのです。


 弩級戦艦の登場以前(日清戦争や日露戦争の頃)は、直接照準以外の砲撃システムが確立していませんでした。
 そのため、大砲口径の大きさに関わらず、近い距離の目標しか撃てません。
 大砲の射程は十分な長さがあったのですが、遠い目標を撃っても命中を期待できないといった理由から、遠距離での攻撃は行なわれていませんでした。

 メガトラベラーの建艦思想(ハードとソフトの進歩)も、その程度のレベル止まりだということです。
 探知に関するルールから考えてみると、11へクス以上の遠距離目標には照準が困難だから、兵器の最大射程は10へクスで十分だとする思想なのでしょうか。
 しかし、無線通信によって、僚艦が「固定」した目標に対しても攻撃が可能なのですから、探知能力の限界有効射程距離の限界、ではないようにも思えます。
 私には想像も付かないような理由が秘められているのでしょうか。

 それはともかく、戦艦などの大型艦が小型の商船海賊船に向け、射程外から一方的に撃ってくるという状況は生まれ難いようでした(探知ルールにより、こちらが照準を固定できない可能性は存在しますが、固定できれば反撃は可能です)。


 以前の考察(第6回「探知」)で、トラベラー宇宙は「飛行機」が存在しないため、「水上艦艇による通商破壊」が可能な世界です、と述べました。
 「飛行機」のように広域索敵が可能な、高速移動手段が存在しないため、「飛行機」の目を逃れる手段である「潜水艦」も必要なかったのです。

 しかし、小口径砲装甲の関係から考察を進めたところ、弩級戦艦(アウトレンジが可能な大口径主砲と、小口径砲を完全に防御できる装甲を備えた、高速戦艦)も存在できないと分かりました。


 あまり軍艦の歴史に興味の無い方は、弩級戦艦大きくて強い戦艦、というイメージをお持ちでしょう。
 確かにそのイメージは正しいのですが、実は弩級戦艦は「従来型戦艦の価値をゼロにしてしまう」程、画期的で強力な新型戦艦だったのです。

 弩級戦艦に対しては、弩級戦艦をぶつける以外に、勝ち目がありません。
 極端な話、弩級戦艦1隻に(前弩級艦と呼ばれる)在来型戦艦10隻を差し向けたとしても、弩級戦艦1隻はそのすべてを撃破した上に、自身は無傷でいることが可能な程なのです(若干の誇張あり)。
 そのぐらい、弩級戦艦は強さが桁違いな存在なのでした



 メガトラベラーのルールで、装甲DM=156G加速移動力6を兼ね備えることが出来、20へクス以上射程距離を持つ兵器を保有していれば、それこそが弩級戦艦となることでしょう。
 主砲の射程距離を20へクス以上にした時点で、特別なハウス・ルールが必要になりますが、それを除けばテックレベル15で作られたバトルライダーが、それに最も近い存在のようでした。




考察の進め方


 前回の考察(第23回「防御兵器5」)において、帝国バトルライダーについて、防御兵器を検討しましたので、今度は同じく帝国巡洋艦を対象として、砲弾の嵐から自身を守る防御兵器を検討します。


 核中和装置は、核ミサイルに対してとても有効な防御兵器でしたが、残念ながら、核ミサイル以外の兵器(例えば非核弾頭のミサイル)に対しては何の役にも立ちませんでした。
 今回の考察では、あまり取り扱いません。

 散乱砂砲は、すべての防御の基本です。
 ミサイルレーザーエネルギー兵器など、どんな兵器でも防御が可能でした。
 電力消費も少なく、安価です。

 ビーム・レーザーおよびパルス・レーザーは、ミサイルに対してのみ防御兵器として使えます。
 防御兵器として使うには電力消費が大き過ぎる気もしますが、必要とあれば攻撃にも使えることが利点でしょう。
 攻撃力が低くなるため、パルス・レーザーの評価は、行ないません。

 フュージョン・ガンプラズマ・ガンも、ミサイルに対してのみ防御兵器として使えます。
 防御兵器として使うのであれば、その射程が近距離に制限されることも、問題になりません。
 フュージョン・ガン単架砲塔でも、攻撃力5を発揮できます。
 少ない電力消費で大きな防御力を得られることが、大きな利点でしょう。
 攻撃力の小さなプラズマ・ガンも、評価を行ないません。

 反重力砲は、ミサイルに対してのみ防御兵器として使えます。
 その効果は極めて高く、確実にミサイルを防御できると言っても良いでしょう。
 高攻撃力のミサイル攻撃から防御する際に、真価を発揮します。

 幾度か試算を行なった結果、防御兵器の数は武器設置点100個分としています。
 

 続いて、攻撃側の使用する兵器ですが、使用する兵器はミサイル核ミサイル非核弾頭ミサイル)、ビーム・レーザーフュージョン・ガン粒子加速砲の4種類。

 ミサイルは遠距離での命中率を用い、核ミサイルだけは核中和装置による防御の突破率も計算に含めています。

 ビーム・レーザーは、近距離での命中率を用いました。

 フュージョン・ガンは近距離でしか使えませんから、命中率も当然、近距離の数値を用いました。

 粒子加速砲は、近距離でも遠距離でも、命中率が変わりません。


 前回の続きとして今回の考察は、目標艦を帝国巡洋艦(4万トン、装甲DM=6、3G加速、移動力3)に限定しました。
 当然、テックレベル15になります。

 攻撃側は、今回もテックレベル14ゾダーン海軍を想定しました。




各種兵器の有効率(損傷期待値)
ミサイルと防御兵器


 帝国巡洋艦を襲うミサイルの嵐に対抗する、防御兵器の種類と配置について考察します。

 テックレベル14ゾダーン海軍が、武器設置点100個分ミサイル帝国巡洋艦を攻撃した場合を想定して、命中率、命中期待値、各種防御兵器の防御突破率、突破期待値を計算しました。

 防御兵器の数は、前述の通り武器設置点100個分です。
 前回の考察「防御兵器5」においては、バトルライダー武器設置点50個分防御兵器を装備しましたが、移動力3巡洋艦には多数の命中弾が予想されるため、防御兵器の数を2倍に増やしてみました。


     表1  非核弾頭ミサイルによる損傷期待値(遠距離、防御射撃なし
        (ゾダーンが、帝国巡洋艦を攻撃した場合)

BW24_FIG01.GIF - 7,377BYTES

 巡洋艦の場合も、前回のバトルライダーと同じように、目標艦からの防御射撃が全く行なわれないのであれば、三連架砲塔1基攻撃力3)のミサイル砲塔が、最も多くの損傷(兵器損傷燃料損傷)を与えられます。
 移動力の低下(バトルライダー巡洋艦)と、装甲の減少(バトルライダー巡洋艦)の相乗効果によって、命中弾数が5倍、損傷期待値は9倍〜15倍に増えてしまいました。
 この命中弾数から考えると、防御兵器の数は2倍ではなく、5倍に増やすべきだったように思えます。

 このミサイル攻撃に対して、目標艦が防御射撃を行なった場合は、防御突破数が以下のように小さくなりました。


       表2  散乱砂砲による防御射撃の効果

BW24_FIG02.GIF - 8,175BYTES

 攻撃力3砲塔群100基によるミサイル攻撃は、およそ41.7発が命中します。
 その41.7発を効率良く防御できる散乱砂砲は、防御力4砲塔群100個でした(突破数が、最小の11.8でした)。
 残念ながら、防御兵器はすでに飽和しています。
 それでも30発ミサイルを阻止しているのですから、立派なものですが。

 完璧なレベル(突破数0.7)で防御が可能な数は、砲塔群40基によるミサイル攻撃まででした。
 それ以上の数で集中攻撃を受けた場合には、防御射撃が飽和してしまうのです。


 攻撃力Aミサイルが命中した場合、防御力4散乱砂砲では防御効果を発揮できません。
 攻撃力Aミサイルに対して効率的な防御が可能な散乱砂砲は、30門散乱砂砲をまとめた防御力9散乱砂砲でした。
 それでも8.3発6.7発が突破していますので、あまり効果はありません。


       表3  ビーム・レーザーによる防御射撃の効果

BW24_FIG03.GIF - 8,759BYTES

 ビーム・レーザーによる防御射撃の効果は、散乱砂砲の場合とほぼ同じです。

 攻撃力3ミサイルに対しては、三連架砲塔1基攻撃力4)の砲塔群による防御が最も効率的ですが、攻撃力Aミサイルに対しては、効果がありません。
 三連架砲塔10基30門をまとめた、攻撃力9ビーム・レーザー砲塔群でも、あまり防御効果がありませんでした。


       表4  フュージョン・ガンによる防御射撃の効果

BW24_FIG04.GIF - 7,598BYTES

 フュージョン・ガンによる防御射撃は、単架砲塔1基攻撃力が、攻撃力5と大きいだけに、とても効率的でした。
 砲塔群60基によるミサイル攻撃は、突破数が0.7散乱砂砲レーザー兵器では2.9
 砲塔群40基によるミサイル攻撃は、突破数が0.1散乱砂砲レーザー兵器では0.7でした)。
 フュージョン・ガンによる防御射撃の効果は、散乱砂砲レーザー兵器による場合のおよそ1.5倍に相当することが確認できました(攻撃力3ミサイル限定ですが)。

 しかしフュージョン・ガンを用いても、攻撃力Aミサイル攻撃はなかなか防御できません。
 散乱砂砲ビーム・レーザーの場合(8.3発6.7発が突破)より少ないのですが、8.3発5.7発が突破してしまいました。


       表5  反重力砲による
防御射撃の効果

BW24_FIG05.GIF - 5,117BYTES

 反重力砲による防御射撃の特徴は、突破不可能なレベルの防御突破率にあります。
 副砲から発射される、攻撃力Aミサイルを確実に防御できる兵器は、反重力砲だけでした。
 50トンの反重力副砲攻撃力5)で、攻撃力Aミサイルを防御することは、必ずしも保証できないのですが、それ以外ならば完璧です。

 反重力砲の弱点は、副砲にしか設置できないため数を用意できないこと、ミサイル以外の兵器には使えないこと、以上の2つでしょう。


    表6  ミサイルに対して防御射撃を行なった場合の損傷期待値比較
        (攻撃力3非核弾頭ミサイル×100砲塔群、遠距離)

BW24_FIG06.GIF - 5,658BYTES

 散乱砂砲ビーム・レーザーフュージョン・ガン、どの兵器で防御射撃を行なっても、攻撃力3砲塔群100基によるミサイル攻撃に対しては、有効な防御が行なえると判明しました。
 フュージョン・ガンの防御効果が、若干ですが、高いことも分かります。
 あまり役に立っていないのが、反重力砲です。
 反重力砲の装備数と同じ10発までのミサイルは完璧に防御できますが、砲塔群数の少なさからすぐに飽和して、11発以上のミサイルに対しては、無抵抗になってしまいました。


    表7  ミサイルに対して防御射撃を行なった場合の損傷期待値比較
        (攻撃力A非核弾頭ミサイル×10砲塔群、遠距離)

BW24_FIG07.GIF - 5,396BYTES

 ところが、ゾダーン側100トン副砲攻撃力A)のミサイルで攻撃してきた場合、防御力4〜5散乱砂砲ビーム・レーザーフュージョン・ガンは役に立ちません。
 損傷期待値は、防御なしの場合と同じ数値です。
 反重力砲による防御射撃だけが効果を持ち、命中した8.3発ミサイルを完璧に防御してくれました。


    表8  ミサイルに対して防御射撃を行なった場合の損傷期待値比較
        (攻撃力A非核弾頭ミサイル×10砲塔群、遠距離)

BW24_FIG08.GIF - 5,457BYTES

 反重力砲に対抗するため、散乱砂砲ビーム・レーザーフュージョン・ガン防御力攻撃力)の大きな砲塔群に変えて、比較してみました。
 若干の防御効果は見られるのですが、それでも反重力砲の突破数0.0と比べた場合、やはり見劣りします。




各種兵器の有効率(損傷期待値)
ビーム・レーザーと防御兵器


 ビーム・レーザーの嵐に対する、防御兵器の種類と配置について考察します。

 テックレベル14ゾダーン海軍が、武器設置点100個分ビーム・レーザー帝国巡洋艦を攻撃した場合を想定し、命中率、命中期待値、防御兵器の突破率、突破期待値を計算しました。

 防御兵器散乱砂砲の数は、前述の通り武器設置点100個分です。


     表9  ビーム・レーザーによる損傷期待値(近距離、防御射撃なし
        (ゾダーンが、帝国巡洋艦を攻撃した場合)

BW24_FIG09.GIF - 7,164BYTES

 上記のように、目標艦からの防御射撃が全く行なわれないのであれば、三連架砲塔1基攻撃力4)のビーム・レーザー砲塔が、最も多くの損傷(兵器損傷燃料損傷)を与えられます。
 移動力6バトルライダーと異なり、多くのレーザー攻撃が命中していました。
 命中弾数はおよそ10倍、損傷期待値は18倍です。
 こうなってしまうと、防御射撃に期待するしかありません。
 

       表10  散乱砂砲による防御射撃の効果

BW24_FIG10.GIF - 8,135BYTES

 攻撃力4砲塔群100基によるビーム・レーザー攻撃は、27.8発が命中します。
 その27.8発を効率良く防御できる散乱砂砲は、防御力4砲塔群100個で、突破数は4.1になっていました。

 砲塔群40基によるレーザー攻撃は、11.1発が命中して、突破数0.1でした。
 これならば、ほぼ完璧に防御していると言えます。

 また、ミサイルの場合と同じように、攻撃力9ビーム・レーザーが命中した場合、防御力4散乱砂砲ではほとんど防御できません。
 攻撃力9ビーム・レーザーに対して防御が可能な散乱砂砲は、防御力9散乱砂砲ですが、とても十分な防御効率ではありません。
 命中した5.8発の内、2.4発が突破してしまいます。

 防御力の高い散乱砂砲でも、攻撃力9レーザー攻撃を防ぐことは困難であり、すぐに飽和してしまうことが分かりました。


  表11 ビーム・レーザーに対して防御射撃を行なった場合の損傷期待値比較
        (攻撃力4ビーム・レーザー×100砲塔群、近距離)

BW24_FIG11.GIF - 4,232BYTES

 防御力4の散乱砂砲による防御射撃は、攻撃力4×100砲塔群ビーム・レーザー攻撃に対して、有効な防御が行なえます。
 命中弾数が多いので、防御力9の散乱砂砲は飽和してしまいました。


  表12 ビーム・レーザーに対して防御射撃を行なった場合の損傷期待値比較
        (攻撃力9ビーム・レーザー×10砲塔群、近距離)

BW24_FIG12.GIF - 4,075BYTES

 防御力4の散乱砂砲による防御射撃は、攻撃力9×10砲塔群ビーム・レーザー攻撃に対して、効果がありませんでした。 
 防御力9の散乱砂砲ならば、有効な防御を行なえます。
 しかし砲塔群数が少ないため、すぐに飽和してしまうでしょう。

 ビーム・レーザー攻撃は、ミサイルと比べてみると、損傷期待値は半分から4分の1程度しか与えられません。
 どうにも、対艦攻撃には不向きな兵器のようです。




各種兵器の有効率(損傷期待値)
フュージョン・ガンと防御兵器


 エネルギー兵器プラズマの嵐に対する、防御兵器の種類と配置について考察します。

 テックレベル14ゾダーン海軍が、武器設置点100個分フュージョン・ガン帝国巡洋艦を攻撃する場合を想定しました。

 防御兵器散乱砂砲の数は、今回も武器設置点100個分です。


    表13  フュージョン・ガンによる損傷期待値(近距離、防御射撃なし
        (ゾダーンが、帝国巡洋艦を攻撃した場合)

BW24_FIG13.GIF - 6,026BYTES

 上記のように、目標艦からの防御射撃が全く行なわれないのであれば、単架砲塔1基攻撃力5)のフュージョン・ガン砲塔が、最も多くの損傷(兵器損傷燃料損傷)を与えられます。
 前回の考察で現われた複架砲塔2基攻撃力6)のフュージョン・ガンが最多の損傷を与えるという結果は、たまたま命中率が11+と12+の境界線だったために、生じた現象のようです。
 やはり、フュージョン・ガン単架砲塔1基攻撃力5)で装備することが最適解であるようでした。
 バトルライダーを攻撃する場合と比較すると、命中弾数は6.6倍、損傷期待値は11倍です。

 フュージョン・ガン攻撃に対しては、散乱砂砲だけが防御射撃を行なえます。


       表14  散乱砂砲による防御射撃の効果

BW24_FIG14.GIF - 8,224BYTES

 攻撃力5砲塔群100基によるフュージョン・ガン攻撃は、27.8発が命中します。
 今回、最も効率良く防御できる散乱砂砲は、三連架砲塔10基防御力9)の散乱砂砲砲塔群10個が最も効率的でした。
 攻撃力6フュージョン・ガン攻撃も、攻撃力950トン副砲による攻撃も、同じような結果になっており、防御力9散乱砂砲塔が最も効率良く防御できるのです。

 しかし、27.8発の命中に対して、散乱砂砲塔群が10基しかありませんから、すでに飽和してしまっていました。
 攻撃力5砲塔群40基による攻撃であっても、11.1発の命中で、突破数が3.9ですから、やはり防御は困難です。

 攻撃力9砲塔群4基による攻撃の場合は、命中数2.3で、突破数1.0
 飽和していない筈ですが、十分な防御は出来ません。

 フュージョン・ガンの攻撃を散乱砂砲で防御することは、難しいと分かりました。


  表15 
フュージョン・ガンに対して防御射撃を行なった場合の損傷期待値比較
        (攻撃力5フュージョン・ガン×100砲塔群、近距離)

BW24_FIG15.GIF - 4,252BYTES

 攻撃力5フュージョン・ガン攻撃に対してであっても、散乱砂砲の防御率は十分なレベルと言えません。
 損傷期待値は、防御なしの場合とそれほど変わらないのです。
 防御突破率が高いことに加え、命中弾数の増加が、大きく影響しました。


  表16 
フュージョン・ガンに対して防御射撃を行なった場合の損傷期待値比較
        (攻撃力9フュージョン・ガン×10砲塔群、近距離)

BW24_FIG16.GIF - 4,113BYTES

 攻撃力9フュージョン・ガン攻撃に対して、防御力4散乱砂砲は防御効果を持ちません。
 防御力9散乱砂砲でも、ほとんど効果がありませんでした。




各種兵器の有効率(損傷期待値)
粒子加速砲と防御兵器


 粒子加速砲の嵐に対する防御兵器について考察します。

 テックレベル14ゾダーン海軍が、武器設置点100個分粒子加速砲帝国巡洋艦を攻撃した場合を想定しました。


 粒子加速砲に対しては、一切の防御射撃が効きません。
 移動力による回避と装甲による被害減少だけが、数少ない防御手段なのです。


    表17  粒子加速砲による損傷期待値(近距離〜遠距離、防御射撃なし
        (ゾダーンが、帝国巡洋艦を攻撃した場合)

BW24_FIG17.GIF - 7,272BYTES

 粒子加速砲の命中弾数と損傷期待値は、3.4倍に増えています。
 粒子加速砲は、目標艦からの防御射撃を行なえませんので、命中弾すべてが、損傷を与えることができました。




各種兵器の有効率(損傷期待値)
散乱砂砲の防御効果


 まとめとして、散乱砂砲によってどれだけの防御効果が得られたのか、比較します。

 しつこく書きますが、今回の考察ではテックレベル14ゾダーン海軍が、武器設置点100個分兵器で、帝国巡洋艦を攻撃した場合を想定しました。



    表18  各種兵器による損傷期待値(近距離〜遠距離、防御射撃なし
        (ゾダーンが、帝国巡洋艦を攻撃した場合)

BW24_FIG18.GIF - 8,645BYTES

 前々回(第22回)の考察でも掲載しましたが、いくつかのデータを加えて、再掲載しました。
 攻撃側の兵器はミサイル核ミサイル非核弾頭ミサイル攻撃力A100トン副砲10基攻撃力3砲塔群100)、ビーム・レーザー攻撃力9砲塔群10攻撃力4砲塔群100)、フュージョン・ガン攻撃力950トン副砲10基攻撃力5砲塔群100)、粒子加速砲攻撃力9100トン副砲10基攻撃力2砲塔群50)の10種です。

 ゾダーン海軍の艦艇が、帝国巡洋艦装甲DM=6移動力3)を各種兵器で攻撃した場合、損傷期待値は、表18のようになります。
 全ての兵器の損傷期待値が、核ミサイルによって与えられる損傷期待値を、上回りました。
 中でも損傷期待値の大きい兵器は、非核弾頭ミサイル攻撃力3×100砲塔群)、ビーム・レーザー攻撃力4×100砲塔群)、フュージョン・ガン攻撃力5×100砲塔群)です。

 これだけを見るならば、帝国巡洋艦に対して最も有効な砲塔群(主砲以外の兵器)は、非核弾頭ミサイルを使用する単架砲塔1基攻撃力3)の砲塔群多数になるでしょう。


       表19  散乱砂砲防御力4)による防御射撃の効果

BW24_FIG19.GIF - 8,681BYTES

 散乱砂砲防御力4×100砲塔群)による防御射撃が行なわれると、各種兵器損傷期待値は上記のように大きく減少します。

 最も多くの損害を与える兵器は、単架砲塔1基フュージョン・ガン攻撃力5×100砲塔群)になりました。
 しかし、近距離でしか使えないフュージョン・ガンが活躍する機会は少ないだろうと思います。

 2番目は、100トン副砲粒子加速砲攻撃力9×10砲塔群)。
 粒子加速砲は、近距離でも遠距離でも、命中率が変わりません。
 ゾダーン海軍の小口径砲として多用したいところですが、電力消費や占有容積の面で多くを装備することが難しいでしょう。

 3番目が、非核弾頭ミサイル攻撃力3×100砲塔群)でした。
 散乱砂砲の防御射撃により多くの命中弾が防御されてしまいますが、電力消費がほぼゼロであること、砲塔の占有容積が少ないことなどから、有用だと思われます。


       表20  散乱砂砲防御力9)による防御射撃の効果

BW24_FIG20.GIF - 8,630BYTES

 防御力4×100砲塔群散乱砂砲を、防御力9×10砲塔群に変えた場合の防御射撃の効果です。
 防御力9になったお陰で、攻撃力9ミサイルビーム・レーザーフュージョン・ガンの防御も部分的に出来るようになりましたが、確実ではありません。

 砲塔群数が10に減り、散乱砂砲の飽和が早くなりました。
 そのため、非核弾頭ミサイル攻撃力3×100砲塔群)と、ビーム・レーザー攻撃力4×100砲塔群)の損傷期待値が、増えてしまっています。
 フュージョン・ガンの場合は、双方(攻撃力9攻撃力5)の損傷期待値が、小さくなりました。

 防御兵器が飽和しているならば、非核弾頭ミサイルビーム・レーザーフュージョン・ガンなどを用いた方が、より多くの損傷を与えられるのです。


 そこで、防御兵器が飽和していない状態、攻撃側が、武器設置点100個分ではなく、40個分で攻撃してきた場合を評価してみました。


       表21  散乱砂砲防御力4)による防御射撃の効果

BW24_FIG21.GIF - 8,439BYTES

 攻撃側が武器設置点40個分の兵器で攻撃を行い、巡洋艦防御兵器が飽和しなかった場合は、表21のような損傷期待値となります。
 低攻撃力ミサイルビーム・レーザーは、ほぼ完全に防御されました。
 高攻撃力ミサイルビーム・レーザーは防御されませんが、命中数が少ないため、損傷期待値も低い数値のままです(それでも、核ミサイル損傷期待値よりは大きいのですが)。

 最も多くの損害を与える兵器は、今回も単架砲塔1基フュージョン・ガン攻撃力5×40砲塔群)になりました。
 しかし、近距離でしか使えないフュージョン・ガンが活躍する機会は少ないだろうと思う点は同じです。

 2番目は、100トン副砲粒子加速砲攻撃力9×4砲塔群)。
 3番目が、単架砲塔2基の粒子加速砲(攻撃力2×20砲塔群)でした。
 粒子加速砲は、近距離でも遠距離でも、命中率が変わりません。
 防御兵器が飽和していない状況でも、確実に損傷を与えられる粒子加速砲は、意外と使える兵器のようです。

 4番目が、100トン副砲非核弾頭ミサイル攻撃力9×4砲塔群)でした。
 本当ならば核ミサイルを撃ち込みたいところですが、帝国核中和装置防御力9)に防御されてしまうので、非核弾頭ミサイルを撃つ方が、より多くの損傷を与えられると判明しました。


       表22  散乱砂砲防御力9)による防御射撃の効果

BW24_FIG22.GIF - 8,489BYTES

 再び、防御力4×100砲塔群散乱砂砲を、防御力9×10砲塔群に変えた場合の防御射撃です。
 防御力9になったお陰で、攻撃力9ミサイルビーム・レーザーフュージョン・ガンの防御も部分的に出来るようになりましたが、確実ではありません。

 最も多くの損傷を与えられる兵器は、非核弾頭ミサイル攻撃力3×40砲塔群)。
 2番目が、粒子加速砲攻撃力9×4砲塔群)でした。




結論


 帝国巡洋艦を襲う、小口径砲弾の嵐(多数の副砲砲塔群による低火力兵器の集中攻撃)を防ぐため、防御兵器について考察を行なってみました。

 それぞれの防御兵器の特徴については、前回の考察と同じ結果が出ました。

 散乱砂砲は、ほぼ万能の防御兵器です。
 ミサイルからレーザーエネルギー兵器まで防いでくれますが、攻撃力の大きい兵器エネルギー兵器に対する防御効果は低く、粒子加速砲を防ぐことは出来ません。

 ビーム・レーザーは、対ミサイル防御に関してのみ、散乱砂砲と同じ防御効果を期待できますが、その他の兵器を防ぐことは出来ません。

 フュージョン・ガンは、対ミサイル防御に限定するならば、極めて優秀です。

 反重力砲の存在意義は、高火力ミサイル攻撃を防ぐことにあると判明しました。
 装備できる数が少ないため、砲弾の嵐を防ぐことには向きませんが、ミサイル副砲の攻撃を完璧に防御できる、唯一の防御兵器です。


 しかし、バトルライダーの場合と比べてみると、副砲砲塔群による攻撃の命中数が3倍10倍と、とても多くなりました。
 そのため、防御兵器の数を2倍に増やしたくらいでは、とても足りません。

 移動力3巡洋艦の場合、武器設置点100個分防御兵器で防御できる攻撃が、武器設置点40個分程度に限られてしまうようです。
 攻撃側が武器設置点100個分で攻撃してくるならば、巡洋艦防御兵器は飽和してしまうことが分かりました。

 攻撃側が武器設置点100個分の攻撃兵器を集めるとしたら、それはつまり大型戦闘艇30〜50機(小艇は、砲塔1個の火力を分割することが可能なため)、400トンのSDBなら25隻に相当します。

 演習を行なわない限り、はっきりしたことは言えませんが、移動力3以下の主力艦帝国巡洋艦や、ゾダーンバトルライダー)の強さに疑問を感じ始めました。
 移動力6主力艦帝国バトルライダー)が、非常識な強さを持っているだけだと思うのですが、


 2008.12.20 初投稿