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The Best Weapon
27th stage ( Picket
2)

最強兵器 決定戦
第27回 (ピケット2)

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MEGA TRAVELLER
 


 

ピケットを持たない艦隊は、
  どんなに強力であっても、
    
盲目というハンデを負っている



 長い間ほったらかしでしたが、再び、探知範囲とピケット艦に関する考察です。

 ピケットの話が出たついでに、日露戦争の日本海海戦を蒸し返しますが、この海戦における最大の武勲艦は、仮装巡洋艦「信濃丸」とその僚艦だろうと私は思っています。


 当時、バルチック艦隊の予想針路は、3通りが考えられました。
 100年以上たった21世紀だからこそ、対馬沖を通る最短コースしかなかったのだと言われていますが、当時、そんな詳細な情報は東郷の手にはありませんでした。

 連合艦隊の全てをぶつけなければ、強力なバルチック艦隊には勝てません。
 そして、バルチック艦隊が、東郷の待ち受ける対馬海峡を通る可能性は、3通りの中の1つでしかありません。
 予想が外れれば、バルチック艦隊は何の妨害も受けず、ウラジオストックに入港してしまいます。
 それはつまり、日本の敗戦を意味している訳ですから、東郷司令は薄氷を踏むような気持ちで、泊地に待機していたのです。

 その時、仮装巡洋艦「信濃丸」を始めとする多くのピケット艦(ある資料に拠れば25隻)が、バルチック艦隊の予想針路上に送り込まれました。
 ありったけの船舶を駆り出して、濃密な哨戒網を展開したのです。
 そして、その中の1隻「信濃丸」がバルチック艦隊を発見。
 バルチック艦隊の現在位置が判明したことで、東郷司令は全艦隊を出撃させて、迎え撃つことが出来たのでした。


 バルチック艦隊を捜索するピケット艦の哨戒網という訳ではありませんが、それなりの人口とテックレベル、宇宙港を備えた世界の周辺は、100倍直径の範囲内に対して、あるていどの哨戒網(監視網)を維持していると考えられます。

 GurpsTraveller のサプリメント「Far Trader」にも、100倍直径内の交通管制云々という記述がありました(私の英語力では、なかなか翻訳できませんが)。




惑星防衛のためのピケット網


 主要世界(惑星)の近傍空間を監視するためのシステム(航路監視衛星)について、計算を行なったことがありました。
 主要世界を中心としたジャンプ不能圏100倍直径の範囲内)を、漏れがないように全天監視するためには、一体何機の航路監視衛星が必要になるか、という計算です。

 その時はまだ、メガトラベラーの宇宙戦闘ルールを十分に理解していませんでしたが、探知器の有効距離50万km(10へクス)と仮定して、再計算しました。

 以前、宇宙戦闘ルールの距離を誤解して、1ヘクス=2万5千kmと計算していた時期もありました。
 分かる範囲で訂正しましたが、まだ間違ったままの箇所もあるかも知れません。
 ご了承ください。

 単独(単機)で、航路監視任務に就いている航路監視衛星の探知能力は、単機の偵察機と同等です。
 単機の偵察機確実な探知距離50万km9〜10ヘクスでした。
 ですから、航路監視衛星探知器の有効距離10へクスと仮定することは、十分、妥当だと思われます。



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  図1 惑星ガーダ・ヴィリスの100倍直径に展開するピケット群の配置
     (密度=標準  相互間距離=100万km(20へクス)=2デカ・ヘクス)

 航路監視衛星探知距離50万km10ヘクス)ですから、惑星近傍の全天監視を効率良く行なうためには、航路監視衛星の相互距離を、100万km20へクス)とするのが良いと考えました。

 図1の中心にある緑色の丸は、惑星ガーダ・ヴィリス(規模9)を表しています。
 ガーダ・ヴィリスの周囲を取り巻く、赤いヘクスは、惑星ガーダ・ヴィリスの地表、あるいは低軌道上(後述するA層)に設けられた、探知器の有効範囲を表しています。
 確かガーダ・ヴィリスにはBクラスの宇宙港と、埋設された中間子砲(対空砲台)が設けられていたと思いましたが。

 惑星ガーダ・ヴィリスから2〜4デカ・ヘクス離れた位置に描かれている★は、航路監視衛星の配置を表しており、周囲の黄色いヘクスは、航路監視衛星の探知器の有効範囲です。

 この配置方法ですと、配置されたピケットによって、ガーダ・ヴィリスの周囲を洩れなく監視することが可能になります。
 それどころか、100倍直径の外側まで探知器の有効範囲が広がっていますが、これについては、もちろん理由があります。
 機雷の敷設について考察していたら、100倍直径ぎりぎりまでを監視しているだけでは、商船の安全を守れないと分かりましたので、監視範囲を広げた訳です。

 その相互距離を保った場合での、航路監視衛星の配置を、標準のピケット密度と呼ぶことにしました。



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  図2 惑星ガーダ・ヴィリスの100倍直径に展開するピケット群の配置
     (密度=密   相互間距離:50万km(10へクス)=1デカ・ヘクス)

 航路監視衛星の相互距離を50万km10へクス)に設定した場合、航路監視衛星はお互いを探知器の有効範囲内に収め、相互監視することが可能になります。

 この方式は、
一部の航路監視衛星が機能を停止した場合に、隣接した他の航路監視衛星を使ってその被害状況(外部の手で破壊されたのか、単なる故障か)をモニター出来たり、機能停止した衛星の担当領域を肩代わり出来たりなどのメリットがあります。

 デメリットは、必要な機数が増大するので、コストが増えることでしょう。
 密度が疎の6機や標準の18機と比べると、密の60機は、購入や整備などの経費が、あまりにも大きくなってしまいます。

 この
航路監視衛星の配置を、密のピケット密度と呼ぶことにします。



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  図3 惑星ガーダ・ヴィリスの100倍直径に展開するピケット群の配置
     (密度=疎   相互間距離:150万km(30へクス)=3デカ・ヘクス)

 航路監視衛星の相互距離を150万km30へクス)に設定した場合、航路監視衛星は11〜15ヘクスの距離を航行する宇宙船の探知が、不確実になってしまいます。
 しかし、探知器の範囲内を航行する宇宙船が1隻以下しかいないという条件ならば、探知と追跡も可能でしょう。

 この方式のメリットは、何と言っても安上がりに済むことです。
 密の場合は60機、標準の場合でも18機必要な航路監視衛星が、わずか6機で済むのですから、非工業/低人口世界や、赤字に悩むローカル宇宙港の収支改善に大きく貢献できる筈です。
 商船の寄港数が少ない(宇宙港規模が4以下の)宇宙港ならば、この程度でも十分だと思われました。

 デメリットは、監視網に穴が開いてしまうことですが、監視網の穴をすり抜けることは、思うほど簡単ではありません。
 複数の
航路監視衛星から11へクス以上の距離を保って航行するためには、ゆっくりと、慎重に航行する必要があるでしょう。
 最先端(テックレベル14以上)の探知器と、高度なECM(戦術ポイント)を備えた宇宙船でなければ、試す価値もありません。

 あるいは、
航路監視衛星の配置と探知パターンをあらかじめ調べておくという手段もあります。
 民間の監視網ならば、こちらの方が簡単かも知れませんね。

 この
航路監視衛星の配置を、
疎のピケット密度と呼ぶことにします。


 規模1から規模Aの惑星(あるいは衛星)の、ジャンプ不能圏(100倍直径)を監視するために必要なピケット(航路監視衛星)の数を、下の表にまとめました。

     表4 100倍直径を監視するピケット(航路監視衛星)の必要数

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 例えば、ガーダ・ヴィリス(規模9)の100倍直径を監視する、航路監視衛星の数と配置を決めたい場合は、まずピケット密度を決めます。

 私としては
標準のピケット密度を使って欲しいので、この例でも標準を選びました。
 「ピケットの密度 標準」と書かれた縦の欄から、順番に視線を下へずらしていき、「規模 7〜A」の欄を見てください。

 「200万(40) 150〜250万 規模7〜A」と記されています。
 さらに、表の左端を見ると、「C層 12群」とありました。
 これは、ガーダ・ヴィリスから200万km40へクス)離れた位置(便宜上、C層と呼びます)に12群のピケットを配置するということです。

 その位置から上を見ますと、100万km20)の欄に「B層6群」、)の欄に「A層3群」と記されています。
 これらの意味は同様に、
100万km20へクス)離れた位置(B層と呼びます)に、6群のピケットが、ガーダ・ヴィリスの地表、または低軌道A層と呼びます)に、3群のピケットが存在するということです。

 
ピケット1群の規模は、単機の航路監視衛星でも、10隻のSDBでも、機動砲台モニター艦)でも、何でも構いません。
 A層地表、あるいは低軌道)に配置されたピケットは、地上に設置されたセンサー基地かも知れませんし、低軌道を巡る軌道宇宙港の付帯設備かも知れません(レフリーの裁量で、何でもありです)。
 先日入手した「宇宙港作成ルール(あなたも宇宙港オーナーになれる かも?)」によれば、宇宙港は地上に1基、軌道上に2基のセンサーを設置しており、お互いの死角をカバーすることになっているようでした。
 A層地表、あるいは低軌道)に3群のピケットが置かれている筈だと考えた私の推測は、それほど間違っていなかったようです。


 当初、
ピケット1群は、単機の航路監視衛星で十分だと考えていたのですが、色々と考察を進める内に、単機の航路監視衛星ではカバーできない不都合が見つかりました。
 現在進行形で悩んでいますので、わざと曖昧な書き方にしてあります。
 
 それとは別の問題ですが、
C層に配置された12群のピケットは、ガーダ・ヴィリスから200万km40へクス)離れていますので、100倍直径(144万km)のはるか外に配置されていることになっています。
 これを不都合に思うのでしたら、
C層の配置を、ガーダ・ヴィリスから150万km30へクス)の距離に縮めて下さい。
 同じ
150万km30へクス)の欄で、左下(密のピケット密度)に「D層18群」とありますから、150万km30へクス)に12機のピケットを配置しても問題ないことが分かります(ピケット密度は、標準の間になるということです)。


 A層からL層までに必要なピケットの数や、予備機などを含めた累計数を、下の2つの表にまとめました。
 SGGのH〜L層、LGGのM〜W層に関しては面倒なので、4層分、10層分の合計を載せてありますが。
 具体的な層ごとの数値が欲しい方は、6の等差数列を使って求めて下さい。

        表5  ピケット(航路監視衛星)の累計必要数

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       表6  ピケット(航路監視衛星)の必要数と予備機数

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 ガーダ・ヴィリス(規模9)の例ですと、ピケットの密度標準であれば、C層までを必要としていますから、予備3機を含んだ24機のピケットが必要だと分かります。
 ピケット密度ならば、E層までを必要としますので、予備9機を含めた72機のピケットが。
 ピケット密度であれば、B層まで、予備1機を含めた10機のピケットが必要となりました。

 この予備機の比率は、私が勝手に想像している数値です。
 ピケット(航路監視衛星)の信頼性に自信があるという方、あるいは、財政難で予備機を抱えている余裕なんかないという方は、予備機の比率を下げて下さい。
 もちろん、予備機はゼロ、という大胆な運用でもまったく構いません。




同時に追尾できる、目標の数


 色々と考えているうちに、ピケットが同時にどれだけ多数の目標を追跡できるのか、気になってしまいました。
 例えば、アルゴス型偵察衛星は探知回数の最大値が2ですから、単機で任務に就いている場合、どんな工夫をしても、同時に2つの目標しか追跡できないという事実は重要です。


 実は、ハードタイムズ掲載の遠隔操作ルールに関して、解釈の問題から、アルゴス型偵察衛星は成り立たないのではないか、という疑問が提示されているのですが、その問題は保留して(先送りして)、今回の考察を進めていきます。


 目標が2隻以上の宇宙船で編成された船団であっても、アルゴスはその内2つしか探知出来ません。
 つまり、その船団が本当に2隻だけの船団なのか、それとも探知できない3隻目以降の宇宙船が存在するのか、単機のアルゴスだけでは判断できないのです。
 アルゴスのオペレータがこの事実に慣れていない場合、100隻以上の大船団を見つけておきながら、その船団を「2隻の小規模な船団」と誤解してしまう可能性があるのでした。
 その危険性をわきまえているベテランのオペレータは「2隻以上の船団を発見。目標数は不明」と報告することで、あらかじめ誤解の芽を摘んでおくことでしょう。

 追跡に成功しなくても(艦種の識別が出来なくても)、目標の数が分かれば、その数を脅威の判断材料として使えました。

 単独の目標ならば、民間商船偵察任務の軍艦でしょうから、脅威度は低いと考えられます。

 数が10程度ならば、輸送船団小規模な艦隊で、脅威度は中。

 数が100以上なら大艦隊であり、(囮や、機雷100個以上を投入した機雷堰の可能性もあり得ますが)それなりの対応が必要になります。
 
 ところが、上記の例のように、目標の数が「1つか、2つ以上(たくさん)」としか分からないのであれば、脅威度の判定すら出来ません。
 「探知器」の考察で用いた「探知の成功率が97%以上ならば、確実に探知できるとみなす」ルールを用いて、ピケットが同時に探知できる目標の数を計算してみました。
 面倒なので、目標の視認レベルは「中」を想定しています。

 例えば、無人偵察機(単機)は同一目標に対して2回の探知を行なうことで、距離10〜11ヘクスの目標を確実に探知できます。
 距離9ヘクス以下ならば、1回の探知で確実に探知できますから、異なる2つの目標を同時に探知できると考えられました。


    表7 確実に探知できる距離で、同時に探知することが可能な目標の数

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 表7は、テックレベル15の宇宙船が、モデル9コンピュータを搭載して、難易度「易」の受動エネルギー探知(あるいは追跡)を行なった場合の、探知(追跡)成功期待値です。

 目標の視認レベルが「弱/無」であれば、目標との距離は2ヘクス小さく
なります。また、「」であれば、1ヘクス大きくなります。
 偵察機は「無人偵察機」、戦闘艇は「大型戦闘艇」を意味しています。
 括弧内の漢字と数字は、(単)=単機/単艦、(2)=2機/2隻という意味です。


 1回の探知で確実に探知できる距離は、9ヘクスの距離でした。

 その距離から、4〜5ヘクス離れる(13〜14へクスになる)だけで、探知(追跡)できる目標の数が、およそ半分に激減してしまうことが分かります。
 単機のアルゴスでは、14へクス離れた目標すら確実に探知することが出来なくなりました。
 あまりにも寂しい探知能力です。

 8ヘクス離れた距離(17ヘクス)になると、探知(追跡)の成功期待値は、わずか10分の1しかありません。
 17へクスの距離で10隻の船団を探知しようと思ったら、100回以上の探知回数が必要になってしまうのです。
 実に意外な発見でした。




ピケット1群当たりの探知能力


 おまけとして、MAG様の「スピンワードマーチ宙域の商業船舶」より、宇宙港規模と世界規模の関係から、星系内を航行中の商船数を求めてみました。

 まず、民間商船100倍直径ぎりぎりにジャンプアウトしてきて、主要世界の軌道宇宙港、または地上宇宙港に、入港するまでの時間を計算します。
 商船の加速度は1Gとしました。
 2G以上の加速度を持つ商船ならば、入港までの時間は短くなりますが、ここでは、一律1G加速だと想定します。
 これの2倍を、商船星系内航行時間だとしました。
 2倍にするのは、ジャンプアウト(入港時)とジャンプイン(出港時)の往復があるためです。

 2週間(336時間)当たりの商船寄港数は、宇宙港規模から決まってきますので、その数値を、1時間当たりの商船寄港数に換算します。

 1時間当たりの商船寄港数 × 星系内航行時間 = 星系内を航行中の商船数

 星系内を航行中の商船数を、以下の表8にまとめました。
 すべての商船が100倍直径でジャンプすると仮定したので、星系内通商に従事している筈の、非恒星間商船は無視しています。


 この数値から、ピケット1群当たりに必要な探知回数も計算できます。
 100倍直径の一点と、主要世界を結ぶ1つだけの航路を、すべての民間商船が航行していると想定した場合にしか成り立たない数値ですが。
 本当はもっとごちゃごちゃした表が3枚くらいあるのですが、数字ばかりがあっても分かり難いので、結論だけをまとめています。

 一番下の3行の数値が「ピケット1群当たりに必要な探知回数」です。
 気まぐれな民間商船が、等間隔を置いて平均的なペースで寄港してくれるとは思えませんから、安全係数を掛けて2倍の探知能力を持たせた方が良いでしょう。

 数値が「」であれば、ピケット1群は、アルゴス型偵察機航路監視衛星1機で十分です。
 1機でも、探知能力は2回ありますから、安全係数を2倍取っても大丈夫でしょう。

 数値が「」の場合は、ピケット1群に偵察機航路監視衛星2機を配備するか、あるいは、三連架の混合砲塔で武装した小艇大型戦闘艇1機が必要です。
 こうすることで、探知回数4回を確保できました。

 数値が「」以上の場合は、その数だけ偵察機航路監視衛星)を配備するか、半分の数の戦闘艇を置かなければなりません。
 より大型のピケット艦を配置することも考えられますが、非武装、または、武装型の小艇を多数配備する方が、コスト面では有利な筈です。


  表8  星系内を航行中の宇宙船数と、ピケット1群当たりに必要な探知能力

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 その結果、宇宙港規模が4以下(場合によっては5以下)ならば、ピケット密度は「」でも十分である。

 宇宙港規模が5以上(場合によっては5+以上ならば、ピケット密度は「標準」の密度が必要。

 宇宙港規模が6+以上ならば、ピケット密度は「」にした方が良い(コスト問題などで「標準」にする場合もあるでしょうが、「」の方が好ましいということです)。

 以上のことが分かりました。




結論


 とりあえず、惑星周辺を監視するピケット(航路監視衛星)の必要数について、まとめてみました。
 まずは、ピケットの相互間距離を標準の3段階に設定して、それぞれの場合の必要数を計算しました。

 コストダウンしか考えていない「」のピケット密度は論外として、ピケットの実用的な相互間距離は、50万〜100万km10〜20へクス)だと思われます。

 ピケット密度」で100倍直径の監視を行なっている場合は、単に貧乏で予算を確保できないなどの理由の他、海賊船通商破壊艦の攻撃によって、ピケットが撃破されてしまったということもあるでしょう。
 安価な偵察機(航路監視衛星)は、価格に比例して戦闘能力も低いですから、簡単に撃破されてしまう筈です。
 撃破された分の補充が間に合わなければ、ピケット密度が「」になることも、止むを得ません。

 ピケット密度標準」の場合、とりあえず、10へクス以内の目標ならば確実に探知できます。
 探知回数と同じ数だけ、目標の数を確認できますから、「識別信号」の発信を止めている、不審船海賊船通商破壊艦浮遊機雷など)の存在も、はっきりと探知できるでしょう。
 しかし、追跡に成功する可能性が低いので、囮に騙される可能性が高いのです。

 ピケット密度」の場合、ピケットの探知担当範囲は、25万km5ヘクス)しかありません。
 探知も追跡も、確実です。
 隣に存在するピケットの担当範囲、30〜50万km6〜10ヘクス)を探知(追跡)して、探知数を増やすこともできるでしょう。
 最大の問題点は、数がより多く必要になるため、コストがかかってしまうことです。
 予算さえあれば、万全なのですが。


2008.12.24 投稿前のチェック
2009.01.15 初投稿