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The Best Weapon
29th stage ( Mine
3)

最強兵器 決定戦
第29回 (機雷3)

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MEGA TRAVELLER
 


 

自律型浮遊機雷とは、
 無防備商船を見つけた途端に、
  群がって襲い来るピラニアのようなもの。


 無人攻撃機の姿をとった、自律型の浮遊機雷について考察します。
 掲示板においては、タイプCの機雷として分類しました。

 これら、無人攻撃機の建造価格は、MCr64.7〜6.6
 ミサイルを流用した浮遊機雷の、21,600〜2,200倍のコストが掛かります。
 ちょっと、高いですね。

 ただしミサイル流用の浮遊機雷は、敷設された場所から動くことが出来せん。
 近接信管の有効範囲内2,500km以内)に標的が接近してくるまで、じっと待っていることしか出来ないのです。

 それに対して、無人攻撃機の最大射程は10へクス(=50万km)。
 1機無人攻撃機が、浮遊機雷200発分の範囲をカバーできました。
 その場合、標的の探知と追跡に成功する必要がありますが。

 困ったことに、無人攻撃機の探知/追跡範囲は意外と狭いのです。
 目標商船の探知と追跡に成功するためには、無人攻撃機10kwの中性微子探知器モデル4以上のコンピュータを搭載しなければなりません。
 そうすることでようやく、無人攻撃機10へクス以内に侵入してきた目標を、高い確率で探知し、追跡し、攻撃することが出来るでしょう。

 もちろんモデル4以上のコンピュータを搭載した無人攻撃機は高価になりますから、数を用意することは出来ません。
 攻撃力の不足を補うため、モデル2以下のコンピュータしか搭載していない、廉価版の無人攻撃機が必要になります。

 私の想定では、モデル4〜8搭載探知/指揮用が1機と、モデル0〜2搭載攻撃用5〜9機が、集団を組んだ状態で運用されることになりました。
 特定の空域に全機を集めても、機雷堰のような形で横一列に並べても良いでしょう。

 民間商船が射程内に侵入してきたならば、探知/指揮用無人攻撃機が探知と追跡を行い、次の瞬間には、目標から10へクス以内に存在する攻撃用無人攻撃機が一斉に集中砲火を浴びせる、というパターンになる訳です。
 600トン以下の商船ならば、1ターンの攻撃ですべての兵器と燃料を失い、行動不能になることは確実でしょう。
 河に落ちた途端、ピラニアに食い付かれてあっという間に骨だけされてしまうという情景が、なぜか思い浮かんでしまいました。




パメラ級襲撃艦とZ45型戦闘ポッド


 復興委員会に投稿されている、「パメラ級襲撃艦」をご覧ください。
 その中に、大島様が考案された「Z45型戦闘ボッド」という名前の無人攻撃機が、掲載されています。
 この無人攻撃機は大変ユニークであり、メガトラの宇宙戦闘ルールに矛盾しない形で(ハウス・ルールもほとんど作らず)登場させることが可能な「機雷」になりました。
 大島様は、ミサイル搭載型人工衛星に近い、と表現されていますが、私の視点では、間違いなく自律型の浮遊機雷なのです。

 無人の攻撃機であること、超能力者によって遠隔操作を受けて行動することなどが、ハウス・ルール的ですが、その問題はロボットを乗組員として乗船させれば解決できるでしょう。
 「ロボットのルールはCTにしかないからハウス・ルールだ」と言われてしまうと、私も困ってしまうのですが。


 メガトラベラーに限らず、CTのルールにおいても、無人兵器は、あまり活躍場所がありません。
 これはゲームデザイナー側の方針で、優秀な無人兵器が幅を効かせてしまうと、プレイヤー・キャラクターの活躍する余地が狭まってしまうからだろうと推測しています。
 この推測が当たっていても外れていても構わないのですが、通商破壊戦に機雷などの無人兵器が登場しなければ、私は面白くないのです。

 大島様考案の無人攻撃機システムは、私が通商破壊戦に使おうと考えている、自律型浮遊機雷のイメージにぴったりですので、これを基にして、色々と考察を進めさせて頂きます。




無人攻撃機の設計


 Z45型戦闘ポッドを基にして、ゾダーンが帝国領内に投入する(と想定した)機雷の設計を行ないました。

 以下の設計の共通点として、船体サイズは10トン。
 形状8のアステロイド船体(非流線型:装甲DM=3)。
 1G加速(移動力1)。
 三連架ミサイル砲塔1基攻撃力2×3砲塔群)。
 コンピュータは、同じモデルの標準型を3基搭載。
 コストダウンのため、光ファイバー型回路保護は、採用しませんでした。

  モデル8搭載型 探知/指揮用として設計)     MCr64.7
 
  モデル4搭載型 探知/攻撃用として設計)     MCr22.3

  モデル2搭載型 廉価版の攻撃専用)        MCr10.8

  モデル0搭載型 超廉価版の攻撃専用)          MCr6.6

 以上のような価格で、4タイプの攻撃機をデザインできました。
 無人攻撃機の目標サイズは「」、視認レベルは電磁マスカーの働きで「」となります。

 搭載されるコンピュータのモデルによって、建造費が大幅に変わりました。
 仮に、MCr200の予算を確保できたとするならば、

  モデル8搭載型は、3機
  モデル4搭載型は、9機
  モデル2搭載型は、18機
  モデル0搭載型は、30機を購入することが出来るのです。

 モデル8搭載型3機モデル0搭載型30機は、どちらがより効果的に通商破壊を行なえるのでしょうか。




無人攻撃機と民間商船の、相互発見率
視認レベル「中」の民間商船



 無人攻撃機民間商船は、どちらが先に相手を発見できるのか、計算してみました。

 とりあえず、探知/追跡難易度の比較をしてみます。


       表1 民間商船無人攻撃機の探知/追跡難易度の比較

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 無人攻撃機は、モデル8〜モデル0コンピュータを搭載した4タイプです。
 逆探知による自機位置の暴露を防ぐため、能動探知/追跡は極力行ないません(廉価版の2タイプに至っては、能動探知器を搭載しませんでした)。

 無人攻撃機は全て、10kwの中性微子探知器を搭載しているため、最も難易度の低い探知手段が、難易度」の受動エネルギー探知になります。
 帝国領内を航行する民間商船は、すべてトランスポンダによる識別信号の発信が義務付けられていますので、その信号を逆探知すれば、商船の探知は自動的に成功するでしょう(成功判定も不要の筈です)。
 もしもトランスポンダを停止している(戦闘行動中の戦闘艦海賊船密輸船など)ならば、受動エネルギー探知で発見しなければなりませんが。

 受動エネルギー探知を行なう場合、目標となる民間商船は、ドラゴン級SDBからR型政府指定商船までが、視認レベル「」でした。
 探知の成功判定は、そのままの数値で成功になります。
 A型自由貿易船S型偵察艦は視認レベル「」ですので、探知の成功判定は+2の成功が必要でした。

 追跡手段は、受動エネルギー追跡を用います。
 受動物体追跡も同じ難易度ですが、ルール解釈が難しいので、どちらか片方だけしか一度には使えないとしておきます。
 成功判定の難易度は「」。
 敵星系へ投入された無人攻撃機にとって、接近してくる宇宙船はすべて敵ですから、詳細な識別は必要ありません。
 無人攻撃機は、照準の固定に成功次第、その目標を全力で攻撃します。
 目標の質量、または、パワープラント出力のどちらかが分かるだけで、無人攻撃機の同士討ちは避けられるでしょう。



 民間商船は、モデル7コンピュータを搭載したドラゴン級SDBテックレベル13で建造されています。どう見ても軍用艦艇ですが、分類上、民間商船に含めました)、モデル3搭載のT型哨戒艦M型政府指定客船モデル1新型搭載のR型政府指定商船S型偵察艦モデル1搭載のA型自由貿易船、合わせて6クラスがあります。

 この中では、T型哨戒艦S型偵察艦の2クラスだけが、10kwの中性微子探知器を搭載しています。
 受動エネルギー探知難易度は「」ですから、無人攻撃機を探知する場合には受動エネルギー探知を用いました。
 目標の視認レベルは「」ですから、探知の成功判定は+2の成功が必要です。
 追跡する場合には、目標のクラスをはっきり識別する必要がありますので、能動物体探知を用いることにします。

 ドラゴン級SDB中性微子探知器を搭載しているものの、最小探知能力が100kwのものですので、難易度は「」。
 能動物体探知難易度も「」、受動物体探知難易度が「」ですので、無人攻撃機を探知する場合には、受動エネルギー探知を用います。
 帝国領内の星系をパトロールしている訳ですから、SDBも常に識別信号を発信していることでしょう。
 逆探知の心配は、しなくて良いと思います。
 追跡の場合にはT型と同じく、能動物体探知を用います。

 M型R型A型3隻中性微子探知器を搭載していませんので、こちらも難易度」になることは同じですが、残念ながら受動エネルギー追跡を行なえません。
 探知する場合には、受動エネルギー探知を用います。
 追跡の場合には、唯一可能な能動物体追跡を用いることになるでしょう。


 上記の無人攻撃機民間商船の探知/追跡成功率を、難易度とコンピュータモデル数から計算すると、表2、表3のようになりました。

 表の数値は、その距離における探知成功率を表しています。
 赤字の「1.00」ならば、確実に探知/追跡が成功。
 黄色の「0.99〜0.80」ならば、探知/追跡は80%以上の確率で成功。
 緑色の「0.79〜0.01」は、探知/追跡可能ですが、その成功率が低いことを示しています。
 白色の「0.00」が記された距離では、探知/追跡が不可能でした。


    表2 民間商船無人攻撃機の探知成功率の比較(探知回数=1回)

BW29_FIG02.GIF - 10,024BYTES

 探知回数が1回だけの場合、お互いに全ての砲塔群攻撃に使えます。

 目標の視認レベルが「」の場合と「」の場合では、探知成功率が変わって来ますから、上の表2では、視認レベルが「」の民間商船だけを載せました。
 無人攻撃機の目標サイズが「」、視認レベルが「」ですので、成功率が2つも下がります。
 これだけでも、無人攻撃機側がずっと有利になりました。


 高レベルのコンピュータと、10kwの中性微子探知器の両方を備えている無人攻撃機モデル8)が最高の探知能力を備えています。

 探知目標となる民間商船は、常に識別信号を発信している筈ですから、無人攻撃機受動EMSが作動していれば、自動的にその存在を探知することができるでしょう。
 何らかの事情で、民間商船識別信号を停止していても、モデル8搭載型に悟られず接近することは不可能(確実に発見される距離が8ヘクス)ですし、モデル4搭載型でもかなり困難(同じく4ヘクス)です。
 探知に関しては、ドラゴン級SDBT型哨戒艦でさえ、モデル2搭載型無人攻撃機に劣っていました。
 超廉価版のモデル0搭載型が相手ならば、高い確率で接近できるでしょうが、成功率にはわずかな違いしかありません。


 ドラゴン級SDBは、高レベルのコンピュータモデル7)を装備しているものの、テックレベルの制限から10kwの中性微子探知器を搭載できないため、受動エネルギー探知の成功率が低くなりました。

 T型哨戒艦は、10kwの中性微子探知器を装備していますが、コンピュータのモデル数が低いため、その真価を十分に発揮できていません。
 探知成功率は、ドラゴン級SDBと同等です。

 M型客船R型商船の探知能力は、呆れるほど低いレベルです。
 隣接へクス(=視認距離)に接近するまで、無人攻撃機の存在を探知することはないでしょう。


    表3 民間商船無人攻撃機の追跡成功率の比較(追跡回数=1回)

BW29_FIG03.GIF - 9,916BYTES

 追跡回数が1回だけの場合、お互いに全ての砲塔群攻撃に使えます。

 追跡の場合は、目標サイズ、視認レベルに関わらず、同じ難易度ですから、成功率はコンピュータモデル数のみに依存していました。 
 ですから、コンピュータモデル数が高い無人攻撃機民間商船ほど、高い成功率を持っています。

 追跡の成功率は、モデル8搭載型無人攻撃機ドラゴン級SDBがほぼ同等です。
 その次が、モデル4搭載型無人攻撃機
 4番目と5番目が、T型哨戒艦M型客船
 6番が、モデル2搭載型無人攻撃機
 7番目が、R型商船
 8番目が、モデル0搭載型無人攻撃機でした。


 困ったことに、目標の追跡(固定)に成功できなければ、攻撃は行なえません。
 すべての砲塔群で攻撃を諦め、探知と追跡に集中した場合、どれだけの距離で、成功するか、計算してみました。


    表4 民間商船無人攻撃機の探知成功率の比較(探知回数=最大)

BW29_FIG04.GIF - 10,153BYTES

 無人攻撃機が、3つの砲塔群すべての攻撃を諦めて4回の探知を行った場合は、上記のような距離と成功率で、目標の探知に成功します。

 モデル8搭載無人j攻撃機は、距離10ヘクスの目標(視認レベル「」)を、100%の成功率で探知できます。

  モデル4搭載無人攻撃機は、距離9ヘクスの目標を97%の成功率で、モデル2搭載無人攻撃機は、距離7ヘクスの目標を、97%の成功率で探知できました。
 探知能力に関しては、ドラゴン級SDBT型哨戒艦よりも、優秀なのです。

 モデル0搭載廉価版攻撃機は、距離5へクスの目標を88%の成功率で探知できるでしょう。
 廉価版攻撃機の探知能力に期待は抱いていなかったのですが、意外と高性能でした。
 10kwの中性微子探知器を搭載しているだけで、探知能力が格段に高くなると分かります。


 民間商船側は、軒並み、探知能力が低くなっていました。
 コンピュータモデル数の低さが主な原因ですが、無人攻撃機の目標サイズが小さく、視認レベルも弱いため、探知しにくいということもあるようです。

 ドラゴン級SDBT型哨戒艦は、砲塔群の数が4つです。
 7ヘクスの距離にある無人攻撃機80%の確率で探知できました。
 探知能力に関しては、モデル2搭載型無人攻撃機にも劣ります。

 M型客船は、三連架の混合砲塔3基搭載していると想定しました。
 よって、砲塔群の数は9つ。
 受動エネルギー探知の探知判定を10回も判定できます。
 その結果、距離4ヘクスにある無人攻撃機を、84%の確率で探知できます。
 それでも探知能力は、モデル0搭載型無人攻撃機以下でしたが。


 R型商船は、三連架の混合砲塔2基搭載しています。
 砲塔群の数は6つ。
 距離2ヘクスにある無人攻撃機を、72%の確率で探知できますが、確実なレベル(80%以上の成功率)ではありません。
 探知能力に関しては、モデル0搭載型無人攻撃機以下ということになります。


    表
5 民間商船無人攻撃機の追跡成功率の比較(追跡回数=最大)

BW29_FIG05.GIF - 10,217BYTES

 無人攻撃機の追跡判定は、受動エネルギー追跡で4回の判定をしました。

 モデル8搭載無人攻撃機は、距離9ヘクスの目標を88%の成功率で追跡できます。
 探知/指揮用機雷として、高価なモデル8コンピュータを搭載した甲斐はあったと思われます。

 モデル4搭載無人攻撃機は、距離5ヘクスの目標を、同じく88%の成功率で追跡できました。
 追跡能力は、ドラゴン級SDBM型客船に次いで、4番目でした。

 モデル2搭載無人攻撃機は、距離3ヘクスの目標を88%の成功率で追跡できますが、その順位は低く、7番目になります。

 モデル0搭載超廉価版無人攻撃機は、距離2へクスの目標でも成功率が73%しかありません。
 最低です。
 追跡能力がこれほど低いのでは、単独で活動している場合、視認距離に接近するまで(自動的に追跡に成功するまで)攻撃を行なうことは困難でしょう。
 探知/指揮用機雷とリンクして、目標の照準データを受け取る以外に、活用の術はないと思われます。



 ドラゴン級SDBは、9ヘクスの距離にある無人攻撃機、80%の確率で追跡できます。
 探知に成功する距離ならば、ほぼ確実に、追跡にも成功するでしょう。
 ほんのわずか、モデル8搭載型には劣っていますが、モデル4以下無人攻撃機より優っていました。

 T型哨戒艦は、5ヘクスの距離にある無人攻撃機80%の確率で追跡できます。
 追跡能力に関しては、モデル4搭載型よりも劣り、モデル2搭載型には優っていました。

 M型客船は砲塔群の数が多いため、最大回数で探知/追跡を行なう場合、それなりの成功率を得られます。
 距離6ヘクスにある無人攻撃機を、84%の確率で追跡できました。
 追跡に関しては、モデル4搭載型よりも、わずかに優ります。
 しかし探知能力が低いため、単独航行の場合、隣接した目標を追跡することしか出来ないでしょう。

 R型商船は、距離3ヘクス90%の追跡成功率でした。
 追跡能力に関しては、モデル2搭載型よりも、わずかに優ります
 R型も探知能力が低いので、単独航行の場合、隣接した目標を追跡することしか出来ません。



 モデル8搭載型無人攻撃機ドラゴン級SDBはともかく、大部分の無人攻撃機民間商船において、目標との距離が2〜5ヘクスにならないと、追跡には成功できないという事実は大きいです。
 低TL建造の宇宙船や、コストパフォーマンス重視の(海賊船を含む)民間商船は、10へクスの最大射程を活かすことなく、距離2〜5ヘクスの砲撃戦を行なっているということなのでしょうか。

 ちなみに、大型商船の考察「スピンワードマーチのコンテナ船〜定期客船」より、1万トン級以上の大型商船は、モデル7(もしくは該当TL最高級)のコンピュータを搭載していることが分かっています。
 モデル7搭載ドラゴン級SDBと同等の探知/追跡能力ですから、距離5〜9ヘクスでも、目標をほぼ確実に捕らえることが出来るでしょう。




無人攻撃機と民間商船の、相互発見率
視認レベル「弱」の民間商船



 無人攻撃機民間商船は、どちらが先に相手を発見できるのか、今度は、視認レベル「」の民間商船と比較します。


     表6 民間商船無人攻撃機の探知成功率の比較(探知回数=1回)

BW29_FIG06.GIF - 8,084BYTES

 探知/追跡回数が1回だけの場合、お互いに全ての砲塔群攻撃に使えます。
 無人攻撃機民間商船の視認レベルは同等でした。
 それでも、無人攻撃機側の優位は揺らぎません。


 S型偵察艦10kwの中性微子探知器を装備していますが、コンピュータのモデル数1レベルと低いので、探知能力も低いままです。

 A型自由貿易船の探知能力は、R型商船と同レベルでした。
 隣接へクス視認距離)に接近するまで、無人攻撃機の存在を探知できません。


    表7 民間商船無人攻撃機の追跡成功率の比較(追跡回数=1回) 

BW29_FIG07.GIF - 7,977BYTES

 追跡の成功率は、A型自由貿易船S型偵察艦も、モデル2搭載型モデル0搭載型の中間に当たる性能でした。
 コンピュータモデル数が、そのまま追跡の成功率に影響しているためですが、目標に隣接するまで、追跡に成功することはほとんど不可能なようです。


 今回も同様に、すべての砲塔群で攻撃を諦め、探知と追跡に集中した場合、どれだけの距離で成功するか、計算してみました。

    表8 民間商船無人攻撃機の探知成功率の比較(探知回数=最大)

BW29_FIG08.GIF - 8,187BYTES

 表8は、無人攻撃機が3つの砲塔群すべての攻撃を諦め、4回の探知を行った場合の数値です。


 モデル8搭載型は、距離10ヘクスの目標を、97%の成功率で探知できます。

 モデル4搭載型
は、距離7ヘクスの目標を88%の成功率で、モデル2搭載型は、距離5の目標を88%の成功率で探知できました。
 探知能力は、A型自由貿易船S型偵察艦、双方より優れていました。

 超廉価版モデル0搭載型は、距離3へクスの目標を88%の成功率で探知できるでしょう。


 A型商船は、三連架の混合砲塔2基搭載しています。
 砲塔群の数は6つ。
 距離2ヘクスにある無人攻撃機を、72%の確率で探知できました。
 やはり、当てにはできません。
 探知能力に関しては、モデル0搭載型無人攻撃機以下です

 S型偵察艦は、複架の混合砲塔(ミサイルとパルス・レーザー)を1基搭載していると想定しました。
 砲塔群の数は2つですが、10kwの中性微子探知器を搭載しているアドバンテージがありますので、4ヘクスの距離にある無人攻撃機を、80%の確率で探知できます。
 探知能力に関しては、モデル2搭載型モデル0搭載型の中間に当たりました。


    表9 民間商船無人攻撃機の追跡成功率の比較(追跡回数=最大)

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 表9も、無人攻撃機が3つの砲塔群すべての攻撃を諦め、4回追跡を行った場合の数値です。

 モデル8搭載型距離9ヘクスの目標を、モデル4搭載型距離5ヘクスの目標を88%の成功率で、追跡できました。
 追跡能力は、A型自由貿易船S型偵察艦、双方より優れています。

 
モデル2搭載型は、距離3ヘクスの目標を、88%の成功率で追跡できました。
 追跡能力はS型偵察艦より優れていますが、A型自由貿易船には劣っています。

 超廉価版モデル0搭載型は、距離2へクスの目標を73%の成功率でしか追跡できません。
 追跡能力は、A型自由貿易船S型偵察艦のどちらにも劣っています。


 A型商船は、距離3ヘクスにある無人攻撃機を、90%の確率で追跡できます。
 追跡の場合は、距離2ヘクス97.7%の成功率でした。
 追跡能力に関しては、モデル2搭載型よりも、わずかに優れています

 S型偵察艦は、2ヘクスの距離にある無人攻撃機を、80%の確率で追跡できます。
 追跡能力に関しては、モデル2搭載型モデル0搭載型の中間です




無人攻撃機の攻撃期待値



 無人攻撃機の攻撃力について、考察します。

 パワープラント出力に余裕がありませんから、武装をミサイルにすることに対して、選択の余地はありません。
 しかし、そのミサイルを「攻撃力2×3砲塔群」にするか、「攻撃力3×1砲塔群」にするかについては、大いに悩むところでしょう。

 攻撃力2と3の場合、命中率にDM1の違いがありました。
 命中率の違いによる命中期待値の増加は、砲塔群数3倍の方が、ほとんどの場合で有利です。
 命中率が11+か12+といった状況でない限り、「攻撃力2×3砲塔群」が有利でした。

 また、200トン級の商船に命中した場合、致命的損傷を与える可能性が生じるか、生じないかの違いもあります。


 まずは、最も頻繁に用いられるであろう、遠距離での命中期待値です。
 コストパフォーマンスの比較も行ないますので、モデル8搭載型3機モデル4搭載型9機モデル2搭載型18機モデル0搭載型30機で計算しました。


      表10 無人攻撃機の攻撃期待値(遠距離:3〜10ヘクス

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 期待値が最も大きい数値を赤字で、二番目の数値を、三番目を黄色で示しました。

 ドラゴン級SDBを相手にする場合を除けば、「攻撃力2×3砲塔群」の方が、命中期待値は優勢です。

 T型哨戒艦M型客船に対しては、モデル2搭載型22.5発モデル0搭載型でも15発の命中を期待できました。
 明らかなオーバーキルですから、無人攻撃機の数が2分の1から3分の1でも、商船を確実に撃破できるでしょう。

 R型商船A型自由貿易船S型偵察艦に対しては、さらに多くの命中が期待できました。
 命中期待値で考えると、モデル2搭載型無人攻撃機が、最もコストパフォーマンスに優れていると言えそうです。


      表11 無人攻撃機の攻撃期待値(近距離:1〜2ヘクス

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 近距離になると、ミサイルの命中率は1つ悪くなります。
 それでもまだ、「攻撃力2×3砲塔群」の方が、概ね有利でした。




結論


 まとめです。

 テックレベル14で製造された無人攻撃機自律型浮遊機雷)が、帝国領内でどれだけの通商破壊を行なえるものか、考察してきました。



 ドラゴン級SDBは、探知/追跡の総合能力で、モデル8搭載型無人攻撃機に敵いません。
 トランスポンダを停止した状態で隠密航行していても、モデル8搭載型の方が先にSDBを発見することは、確実です。
 必ず、先制攻撃を受けてしまうでしょう。
 SDBの回避DMは高いので、それほど多くの損傷を受けるとは思えませんが。

 モデル4搭載型無人攻撃機ならば、SDBの方が先に相手を発見し、追跡できる可能性が高くなりました。
 無人攻撃機に先制攻撃を行い、無力化することも容易です。

 商船団を護衛する場合は、船団の前方にSDBを配置することで、これら無人攻撃機の活動を未然に防ぐことができるでしょう。
 どうやら、SDBを撃破するために無人攻撃機を用いることは、コストパフォーマンスから考えて得策ではないようでした。
 船団護衛のSDBを片付けるには、大型戦闘艇駆逐艦が必要なのです。



 T型哨戒艦は、探知/追跡の総合能力で、モデル4搭載型無人攻撃機に劣ります。
 モデル4搭載型無人攻撃機が商船の待ち伏せを行なった場合は、船団の商船だけに限らず、護衛役のT型哨戒艦までも先制攻撃を受け、撃破されてしまう可能性が高いと分かりました。
 幸運に恵まれれば、無人攻撃機を先に発見することも出来るのでしょうが。

 モデル2搭載型無人攻撃機ならば、T型哨戒艦の方が先に相手を発見し、追跡して撃破することも可能です。
 T型哨戒艦が護衛に付くだけで、モデル2以下無人攻撃機を無力化できるという点は、有り難いことですね。



 M型客船は、探知/追跡の総合能力でモデル2搭載型無人攻撃機にも劣ります。
 追跡能力だけは高いですから、船団を組んでいれば、僚艦が探知した目標を追跡することで、その高い能力を発揮できるでしょう。
 単独航行の場合は、目標に隣接するまで探知も追跡も出来ませんから、一方的に攻撃を受けることになるでしょう。



 R型商船A型自由貿易船は、探知/追跡の総合能力でモデル2搭載型無人攻撃機に劣ります。
 無人攻撃機と遭遇した場合、一方的に発見され、攻撃される可能性が高いでしょう。



 S型偵察艦10kwの中性微子探知器を搭載しているため、探知能力だけは高いのですが、追跡能力が低すぎます。
 追跡能力の高いSDBM型商船と船団を組ませれば、効果的な使い方が出来るかもしれません。
 あるいは、トランズポンダに応答しない目標の探知に成功した時点で、すぐさま方向転換して逃げ出すとか。
 ジャイロ・カディッツ機動部隊の護衛としてS型偵察艦が付けられた理由は、そんなところにあるのかも知れませんね。



 上記の考察結果を逆に考えてみると、ドラゴン級SDBを撃破することは、モデル8搭載型無人攻撃機でも困難。
 探知/追跡の能力では優位にあっても、火力(攻撃の命中率)が足りないのです。
 T型哨戒艦を片付けるためならば、モデル4搭載型1機と、数機のモデル2搭載型があれば十分。
 M型客船R型商船A型自由貿易船S型偵察艦だけを獲物とするのであればモデル2搭載型でも大丈夫ですが、T型哨戒艦が出てくると簡単に掃海されてしまう。
 ということが言えると思います。
 モデル0搭載型は安価ですが、目標に隣接しないと探知と追跡が出来ません。
 攻撃の命中率も低いので、コストパフォーマンスは悪化してしまいます。

 星系に存在する惑星海軍の規模とテックレベルにも拠りますが、探知/指揮用にはモデル4〜8搭載型を、攻撃用にはモデル2搭載型を用いるべきだと分かりました。


2009.04.13 投稿前のチェック。
2009.04.16 初投稿。