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The Best Weapon
14th stage ( Controller
 )

最強兵器 決定戦
第14回 (管制装置)

LINE1.GIF - 286BYTES
MEGA TRAVELLER
 



 1人の乗組員は、果たして
   幾つのディスプレイを同時に見て
      幾つのパネルを同時に操作できるのか。



 今回の考察は、さらに激しく脱線して、管制装置パネルディスプレイ)に関する考察を行ないます。

 以前から、

 管制ポイントの大部分を付加装置(大型ホロ・ディスプレイヘッドアップ・ホロ・ディスプレイ)で処理して、乗組員1人に1つのパネルしか与えない設計は、許されるのか。

 大型ホロ・ディスプレイを、複数の乗組員で共有することはできるのか。

 共有が出来るなら10人乗りの宇宙船でも、大型ホロ・ディスプレイ1基パネル10個という設計は、許されるのか。
 
 逆に付加装置無しの場合、1人の乗組員は最大で幾つのパネルに手を届かせることができるのか。
 つまり、1人の乗組員が操作できる、最大のパネル数は幾つまでなのか。

 などと、下らないこと疑問を抱えていました。


 私の勝手な解釈ですが、

 大型ホロ・ディスプレイは、ブリッジや火器管制室の中央に設置された巨大な会議用テーブルのようなもので、室内の全員がその情報を共有できる


 ヘッドアップ・ホロ・ディスプレイは個人用ディスプレイであり、特定の乗組員1人しか、その情報を利用することが出来ない。
 ただし、1人の乗組員が、同時に複数のディスプレイを利用することは可能(1人が複数のディスプレイを個人専用として用いる)。

 乗組員1人に、最低1つのパネルが必要である。
 1人の乗組員が、複数の操作パネルを同時に操作することも可能で、その数に限度は無い。

 と考えています(再投稿の際、一部加筆しました)。

 レフリーズ・マニュアルの記述は曖昧なので、何でも有りのように思える
のですが。




考察の前提

 
 管制パネル付加装置の、使用可能なテックレベル、消費電力、占有容積、重量、価格、扱える管制ポイントを、表1に示します。

         表1   各種管制パネルと付加装置のデータ

BW14_FIG01.GIF - 6,331BYTES

 ざっと見ただけで、同じだけの管制ポイントを扱うならば、大型ホロ・ディスプレイが、最も効率良く扱えると分かるでしょう。
 その次が、ヘッドアップ(HU)・ホロ・ディスプレイです。

 宇宙船や輸送機器を設計する際、管制装置の設計で大きな制限となるものは、その宇宙船(あるいは輸送機器)を操縦するために必要な管制ポイントです。
 その次が、価格でしょう。
 特殊な小型艦艇や、小型の輸送機器でない限り、消費電力占有容積重量が問題になることは無いと思います。

 コンピュータによる管制ポイントの修正や、回路保護による重量と価格の増加は、どのパネルや付加装置でも同じ修正値になりますので、影響を与えません。




大型ホロ・ディスプレイを基準とした評価

 
 大型ホロ・ディスプレイを基準とするため、管制ポイント=1,500を扱うために必要な、管制パネル付加装置の数を、表2にまとめました。
 消費電力、容積、重量、価格は、それだけの数が消費する電力や、占有容積、重量、価格などです。

   表2 同じだけの管制ポイントを扱う場合に必要な、管制パネル付加装置
           (管制ポイント = 1,500 とした場合)

BW14_FIG02.GIF - 8,507BYTES

 1,500以上の管制ポイントを扱う場合、大型ホロ・ディスプレイが最も効率良いと、はっきり分かります。

 同じ管制ポイントを扱うために必要な装置数は、HUホロ・ディスプレイの場合で7.5倍になり、その消費電力は3倍、容積は3.75倍、重量も3.75倍、価格は1.5倍でした。

 ホログラフ型パネルの場合、装置数は1,000倍です。
 消費電力は40倍、容積は15倍、重量は20倍、価格が2倍でした。
 どう考えても、不経済です。


 次に、大型ホロ・ディスプレイ価格(=500,000cr)を基準として、同じ価格の管制パネル付加装置の数を、表3にまとめました。

       表3  同じ価格で装備できる、管制パネル付加装置の数
             (価格 = 500,000cr の場合)

BW14_FIG03.GIF - 8,485BYTES

 同じ価格(建造コスト)で比較した場合、大型ホロ・ディスプレイの扱える管制ポイントは、1,500ポイントですが、HUホロ・ディスプレイ1,000ポイント、ホログラフ型パネル750ポイントしか扱えません。
 つまり、HUディスプレイ5基、あるいは、ホログラフ型パネル500基備え付けるよりも、大型ホロ・ディスプレイ1基だけ備え付けた方が、より安価に大量の管制ポイントを扱えるということなのです。

 1,000以上の管制ポイントを扱う場合は、500未満の管制ポイントを扱う能力が無駄になるとしても、大型ホロ・ディスプレイが最も効率良く、経済的でした。
 これはテックレベル13以上の輸送機器ならば、すべてのテックレベルで言えることですが。




HUホロ・ディスプレイを基準とした評価

 
 HUホロ・ディスプレイを基準とするため、管制ポイント=200を扱うために必要な、管制パネル付加装置の数を、表4にまとめました。
 大型ホロ・ディスプレイは、これ以上細かく分けられませんので、装置数=1で計算してあります。

   表4 同じだけの管制ポイントを扱う場合に必要な、管制パネル付加装置
            (管制ポイント = 200 とした場合)

BW14_FIG04.GIF - 8,175BYTES

 200以上〜1,000未満の管制ポイントを扱う場合は、HUホロ・ディスプレイが最も効率良く、経済的な付加装置だと分かりました。

 高度適応型パネルは、価格に関しては、HUホロ・ディスプレイと同等ですが、消費電力で10倍、容積重量が4倍になる点で劣ります。 

 ホログラフ型パネル消費電力で13.4倍、容積が4倍、重量が5.4倍、価格が1.34倍など、すべての点で劣っていました。


 次に、HUホロ・ディスプレイの価格(=100,000cr)を基準として、同じ価格の管制パネル付加装置の数を、表5にまとめました。

       表5  同じ価格で装備できる、管制パネル付加装置の数
             (価格 = 100,000cr の場合)

BW14_FIG05.GIF - 8,226BYTES

 価格で比較すると、高度適応型パネル200基、または、ホログラフ型パネル100基が、HUホロ・ディスプレイ1基と同じ価格だと分かりました。
 その場合の管制ポイントは、高度適応型パネル200ホログラフ型パネル150ですから、それ以上の管制ポイントを扱う場合は、HUホロ・ディスプレイの方が、経済的だということになります。

 150以上〜1,000未満の管制ポイントを扱う場合は、HUホロ・ディスプレイが最も効率良く、経済的な付加装置でした。




ホログラフ型パネルを基準とした評価

 
 ホログラフ型パネルを基準とするため、管制ポイント=30を扱うために必要な管制パネル付加装置の数を、表6にまとめました。
 消費電力、容積、重量、価格は、それだけの数が消費する電力や、占有容積、重量、価格などです。
 付加装置であるディスプレイは、これ以上細かく分けられませんので、すべて装置数=1で計算してあります。

   表6 同じだけの管制ポイントを扱う場合に必要な、管制パネル付加装置
            (管制ポイント = 30 とした場合)

BW14_FIG06.GIF - 8,259BYTES

 30の管制ポイントを扱う場合、高度適応型パネルが最も経済的でした。
 ただし問題となる点は、高度適応型パネルのテックレベルが10ということです。
 普通に考えれば、テックレベル13以上の輸送機器には高度適応型パネルではなく、ホログラフ型パネルが設置されているでしょう。

 次点のホログラフ型パネルは、価格に関して高度適応型パネルの1.33倍、消費電力重量も1.33倍、容積だけが同等でした。
 性能は明らかに劣っていますが、それを超えた何らかのメリットがあるのでしょう。


 最後に、ホログラフ型パネルの価格(=20,000cr)を基準として、同じ価格の管制パネル付加装置の数を、表7にまとめました。

       表7  同じ価格で装備できる、管制パネル付加装置の数
             (価格 = 20,000cr の場合)

BW14_FIG07.GIF - 8,290BYTES

 40以上〜200未満の管制ポイントを扱う場合、HUディスプレイが最も経済的で効率の良い付加装置だと判明しました。
 問題はそのテックレベルが9であるということで、やはり、テックレベル12以下の輸送機器でなければ使えないでしょう。
 テックレベル13以上の輸送機器ならば、そのポジションをHUホロ・ディスプレイが占めてしまいますから、古臭いHUディスプレイは利用できない筈です。


 テックレベル13以上の輸送機器で200未満の管制ポイントを扱う場合、ホログラフ型パネルが最も効率良く、経済的な管制パネルだと分かりました。

 テックレベル10〜12の輸送機器ならば、高度適応型パネルと、HUディスプレイの組み合わせが経済的でしょう。
 40以上の管制ポイントを扱う場合は、HUディスプレイが取り付けられ、40未満の管制ポイントに対しては必要なだけの高度適応型パネルが用いられるということです。


 コスト面を考えると、テックレベル9HUディスプレイにも惹かれるのですが。
 テックレベル15で建造された大型戦闘艇の操縦席に、テックレベル9HUディスプレイテックレベル10高度適応型パネルが設置されている情景は、さすがに不味いでしょう。
 それを納得させるだけの設定があるのならば構いませんが(設計者から発注者まで、全員が重度の回顧主義者だったとか)。




ホログラフ型の無い世界

 
 テックレベルが11以下になると、管制装置ホログラフ型を用いることは出来なくなりました。
 テックレベル12であっても、使えるホログラフ設備は大型ホロ・ディスプレイだけになりますので、小型の宇宙船や輸送機器では実質的に使えないと考えても良いと思います。

 HU型ディスプレイを基準とするため、管制ポイント=50を扱うために必要な管制パネルの数を、表8にまとめました。

     表8 同じだけの管制ポイントを扱う場合に必要な、管制パネル
           (管制ポイント = 50 とした場合)

BW14_FIG08.GIF - 5,177BYTES

 消費電力や容積、重量を比較すると、50の管制ポイントを扱う場合、明らかにHU型ディスプレイが最も高性能で、経済的だと言えるでしょう。
 純粋に価格だけを比較するならば電気型パネルが最も安価なのですが、テックレベル8ですから、HUディスプレイとの併用は考えられません。
 コンピュータ型パネルの重量63kgという数字については、誤植ではないのだろうかという疑念を抱いています。


 HU型ディスプレイの価格(=20,000cr)を基準として、同じ価格の管制パネルの数を、表9にまとめました。

       表9  同じ価格で装備できる、管制パネル付加装置の数
             (価格 = 20,000cr の場合)

BW14_FIG09.GIF - 5,207BYTES

 HU型ディスプレイ追加の目安となる管制ポイントは、コンピュータ型パネルならば46ポイント高度適応型パネルならば40ポイントになると分かりました。


 操作パネル同士を比較するため、適当な価格(=7,000cr)を基準として、同じ価格の管制パネルの数を、表10にまとめました。

       表10 同じ価格で装備できる、管制パネル付加装置の数
             (価格 = 7,000cr の場合)

BW14_FIG10.GIF - 3,960BYTES




結論

 
 テックレベル13〜15の範囲の輸送機器設計において、

 
1,000以上の管制ポイント
を扱う場合は、大型ホロ・ディスプレイが最も効率良く、なおかつ経済的です。

 150以上〜1,000未満の管制ポイントを扱う場合は、HUホロ・ディスプレイが最も効率良く、経済的な付加装置でした。
 
 150未満の管制ポイントを扱う場合には、ホログラフ型のパネルを使用することになります。


 テックレベル12の輸送機器設計では、

 1,250以上の管制ポイントを扱う場合は、大型ホロ・ディスプレイが最も効率良く、なおかつ経済的です。

 40以上〜1,250未満の管制ポイントを扱う場合は、HUディスプレイが効率良く、経済的でした。
 
 40未満の管制ポイントを扱う場合には、高度適応型パネルを使用します。


 テックレベル10〜11の輸送機器設計では、

 40以上の管制ポイントを扱う場合、40基以上の高度適応型パネルを取り付けるよりも、HUディスプレイの追加が経済的です。
 40未満の管制ポイントしか扱わない場合、HUディスプレイは高く付くため、不経済になりました。


 テックレベル9の輸送機器設計では、

 46以上の管制ポイントを扱う場合、58基以上のコンピュータ型パネルを取り付けるよりも、HUディスプレイが経済的です。
 46未満の管制ポイントしか扱わない場合、HUディスプレイは高く付くため、不経済でした。


 テックレベル8の輸送機器設計では、 

 どれだけの管制ポイントを扱う場合でも、電気型パネルを用いる以外、選択肢がありません。



2008.09.21 初投稿
2009.08.31 表をgifファイルに差し替え、テックレベル11以下の考察を追加。