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The Best Weapon
32th stage ( SDB
2)

最強兵器 決定戦
第32回 (SDB2)

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1隻惑星防衛艦撃破するため、
    果たして、何隻の惑星防衛艦必要か?


 SDB評価の続きです。
 今回は、攻撃の命中率を計算に含め、撃破に必要な艦艇数を求めてみました。

 帝国のSDB、バンダースナッチドラゴンワイバーンワイアームの4モデルとTL15で建造されたT型哨戒艦(帝国百科掲載のもの)を比較します。




SDBの基本性能


 帝国のSDBは、すでに述べたように4つのモデルが存在します。
 共通する性能としては、船体サイズが400トン、6G加速、そのテックレベルで搭載できる最高モデルのコンピュータを搭載し、武装は三連架ビーム・レーザー砲塔2基と三連架ミサイル砲塔2基、などが挙げられます。
 詳細については「帝国海軍制式−惑星防衛艦」をご覧ください。

 テックレベル11で建造されるバンダースナッチ型は、装甲DM=5移動力=2の性能を備えます。
 コンピュータのモデルは5。
 バンダースナッチ型だけはテックレベル13未満で建造されていますから、ビーム・レーザーミサイルの攻撃力が1つ低くなっています。
 攻撃力の低さが、それぞれの命中率に影響していました。

 テックレベル13ドラゴン型は同じく装甲DM=5ですが、パワープラントの効率が向上したため、移動力=4を発揮します。

 テックレベル14ワイバーン型は、装甲技術の向上から装甲DM=7を獲得。
 移動力=4のままですが、より防御力が増しました。

 テックレベル15ワイアーム型は、装甲DM=10移動力=6を兼ね備えた無敵のSDBです。

 参考のため、比較に用いるT型哨戒艦は、テックレベル15の建造。
 船体サイズは同じく400トンで武装も同じですが、4G加速、移動力=0装甲DM=0、コンピュータのモデルは3という性能です。

 移動力を含めた防御能力がどれだけのものか、異種対決の戦闘結果で示してみることにしましょう。




SDBの攻防性能(戦術ポイントなし)


 SDBの武装は、三連架のビーム・レーザー砲塔攻撃力4)2基と、三連架のミサイル砲塔攻撃力3)2基です。
 T型哨戒艦の武装も同等でした。
 唯一、バンダースナッチ型はテックレベルの影響で、攻撃力が1つ低くなります。

 その武装で4モデルのSDBを攻撃し、それぞれのSDBを戦闘不能移動不能行動不能にするため、必要な攻撃艦艇の数を計算してみました。
 例えば、1隻の敵SDBを1ターンで戦闘不能に追い込むためには、同時に何隻の味方SDBが集中攻撃を仕掛けなければならないか、という数字です。

 戦闘不能の定義は、全ての兵器が損傷を受けて、使用不能になっている状態。
 移動不能は、通常ドライブが完全に機能を停止して、加速不能になっている状態。
 行動不能は、燃料タンクを全て破壊され、パワープラントを初めとする全ての機器が使用不能になっている状態だとします。


      表1 バンダースナッチ型を攻撃して、戦闘不能移動不能
           行動不能に追い込むため必要な、攻撃艦艇の数

BW32_FIG01.GIF - 6,555BYTES

 まずは、バンダースナッチ型SDBを攻撃した場合の、必要攻撃艦艇数です。
 バンダースナッチ型が同型のバンダースナッチ型SDBを攻撃した場合、4.2隻の火力を集中すれば戦闘不能に追い込めると分かりました。
 43隻を集中すれば移動不能に、37隻を集中すれば行動不能にも出来ます。

 ドラゴン型が攻撃した場合、1.6隻の火力で戦闘不能17隻移動不能14隻行動不能に追い込めました。
 テックレベルの高さ(搭載コンピュータのモデル差)が、攻撃力の向上にとても効果的だと分かります。

 ワイバーン型ワイアーム型が攻撃した場合、すでに十分命中率が高くなっていますので、顕著な変化はありません。
 ドラゴン型が攻撃した場合に比べて1〜2割、必要攻撃艦艇数が少なくなったくらいでした。

 T型哨戒艦が攻撃した場合、7.8隻の火力で戦闘不能72隻移動不能、あるいは行動不能に追い込めると分かりました。
 T型哨戒艦は搭載したコンピュータのモデルが低いため、攻撃の命中率も低くなり、攻撃力が小さくなってしまうのです。


      表2 ドラゴン型を攻撃して、戦闘不能移動不能行動不能
             追い込むため必要な、攻撃艦艇の数

BW32_FIG02.GIF - 6,333BYTES

 次は、ドラゴン型SDBを攻撃した場合の、必要攻撃艦艇数。

 バンダースナッチ型ドラゴン型SDBを攻撃した場合、ミサイルレーザーも命中しないことが分かりました。
 何十隻、何百隻のバンダースナッチ型が集中攻撃を行なっても、ドラゴン型を傷つけることは不可能です。
 などと結論しては面白く有りませんから、後で「戦術ポイントの使用」を前提とした再評価を行ないましょう。

 ドラゴン型が攻撃した場合、7.4隻の火力を集中すれば戦闘不能に追い込めました。
 また、72隻を集中すれば移動不能に、82隻を集中すれば行動不能にも出来ます。
 ドラゴン型だけはSDBであるにも関わらず、行動不能になるより、移動不能になる方が早かったのです。
 あるいは、私の設計ミスかも知れませんが。

 ワイバーン型が攻撃した場合、4.2隻の火力で戦闘不能43隻移動不能47隻行動不能に追い込めました。
 ワイアーム型が攻撃した場合、2.7隻の火力で戦闘不能29隻移動不能30隻行動不能に追い込めました。
 このレベルですと、テックレベル1〜2の差が、大きな影響を及ぼしていると分かります。

 T型哨戒艦が攻撃した場合、バンダースナッチ型と同じように、ミサイルレーザーも命中しません。
 T型哨戒艦の攻撃力は、ドラゴン型SDBに対して無力なのです。


     表3  ワイバーン型を攻撃して、戦闘不能移動不能行動不能
             追い込むため必要な、攻撃艦艇の数

BW32_FIG03.GIF - 6,427BYTES

 テックレベル14で建造された、ワイバーン型SDBを攻撃した場合の、必要攻撃艦艇数です。

 バンダースナッチ型T型哨戒艦は、ワイバーン型SDBに対して無力です。
 攻撃が、ミサイルレーザーも命中しません。

 ドラゴン型が攻撃した場合、18隻の火力を集中すれば戦闘不能に追い込めました。
 また、260隻を集中すれば移動不能に、240隻を集中すれば行動不能にも出来ます。
 だんだんと、必要な攻撃艦艇の数が大きくなってきましたが、ドラゴン型テックレベル14で建造された戦闘艦艇に対抗できるという事実は重要でしょう。
 ゾダーンヴァルグル戦闘艦艇は、最良のものでもテックレベル14でしか作れません。
 イフェイトを初めとするテックレベル13の惑星海軍はもちろんドラゴン型のSDBを配備していますし、貧乏な惑星海軍が帝国海軍から譲渡を受けて使用しているSDBもドラゴン型だと聞いています。
 それらの惑星海軍が運用しているドラゴン型SDBは、テックレベル差を補うための数が必要ですが、テックレベル14で建造されたゾダーンの通商破壊艦ヴァルグルの海賊船に対抗可能なのだと分かりました。

 ワイバーン型が攻撃した場合、8.5隻の火力で戦闘不能130隻移動不能110隻行動不能に追い込めました。
 ワイアーム型が攻撃した場合、4.9隻の火力で戦闘不能78隻移動不能61隻行動不能に追い込めました。


     表4  ワイアーム型を攻撃して、戦闘不能移動不能行動不能
             追い込むため必要な、攻撃艦艇の数

BW32_FIG04.GIF - 6,132BYTES

 テックレベル15で建造された、ワイアーム型SDBを攻撃した場合の、必要攻撃艦艇数です。

 バンダースナッチ型ドラゴン型ワイバーン型SDBT型哨戒艦は、ワイアーム型SDBに対して無力です。

 同型のワイアーム型が攻撃した場合のみ、79隻の火力を集中すれば戦闘不能に追い込めました。
 また、3,900隻を集中すれば移動不能に、1,100隻を集中すれば行動不能にも出来ます。


     表5  T型哨戒艦を攻撃して、戦闘不能移動不能行動不能
             追い込むため必要な、攻撃艦艇の数

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 最後は、T型哨戒艦を攻撃した場合の、必要攻撃艦艇数です。

 バンダースナッチ型T型哨戒艦を攻撃した場合、1.4隻の火力を集中すれば戦闘不能に追い込めました。
 5隻を集中すれば移動不能に、12隻を集中すれば行動不能にも出来ます。

 ドラゴン型が攻撃した場合、1.1隻の火力で戦闘不能3.5隻移動不能9.1隻行動不能でした。
 ワイバーン型ワイアーム型が攻撃した場合、1.0隻の火力で戦闘不能3.3〜3.4隻移動不能8.9隻行動不能です。

 同型のT型哨戒艦が攻撃した場合、1.6隻の火力で戦闘不能6.4隻移動不能15隻行動不能に追い込めると分かりました。

 以上のように、T型哨戒艦は回避能力が低く、装甲も薄いため、非常に脆い存在なのです。
 まぁ、SDBと比べること自体、間違っているような気もしますが。


      表6 SDBT型哨戒艦の優劣、勝利するために必要な物量差

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 敵SDB戦闘不能に追い込むため必要な、攻撃艦艇数を使って求めました。
 劣る性能差を覆して敵SDBとの戦闘に勝利するためには、どれだけの物量差が必要になるかという数字です。
 ランチェスターの二次法則を適用して大まかな数を求め、その後、シミュレーションプログラムを走らせて検算しました。
 以下は、表記の説明です。


対等
 攻防性能が「対等」だという意味です。
 同じ性能の同型艦ですから、艦艇数が多い方が勝ちます。

圧倒
 攻防性能が「圧倒」的な優位を備えています。
 極端な話、10隻対10万隻の戦いでも最終的には勝利できるでしょう。
 10万隻を撃破する前に、乗組員が過労で倒れそうに思いますが。

対抗不可
 攻防性能が極端に劣っているため「対抗不可能」です。
 極端な話、10万隻を用意しても、たった10隻の敵SDBに勝てません。

5〜25(数字)
 攻防性能に差はありますが、物量差でカバー可能な範囲にあります。
 「」の場合、敵SDB10隻に対して味方5隻のSDBでも、勝利できるということです。
 わずかな違いですが、4隻では無理でした。
 また「25」の場合は、敵SDB10隻に対して味方SDBが25隻あれば勝利できるということです。
 20隻では勝てませんでした。
 ドラゴン型ワイバーン型SDBバンダースナッチ型SDBT型哨戒艦の戦闘が、このパターンに該当していました。
 2.5倍の戦力差を用意できれば、性能の劣る艦艇でも勝利可能で、2倍の戦力差しか用意できなければ、敗北必至という訳です。

 ドラゴン型ワイバーン型SDBの対決を除いて、テックレベルの差は即ち、超えられない壁となってしまっているようです。
 しかし、それでは面白くないので、それを覆す要素を組み込んでみましょう。




SDBの防御性能(戦術ポイントあり)


 今度は「戦術ポイントの使用」を計算に含め、性能を評価してみました。
 SDBや哨戒艦の持つ戦術ポイントについては、一律2ポイントと想定します。

 私の設計したSDBは、臨検(乗り込み戦)に備えて、海兵隊員8名を乗り込ませた関係から指揮部門の乗組員が2名と多いのですが、もしも、その海兵隊員を乗せないとするならば、指揮部門の乗組員数は0になってしまいます。
 SDBに臨検用の兵員が必要かどうかについては悩むところですので、間を取って、指揮部門の乗組員は1名だけが乗っていることにしました。
 指揮部門の乗組員=士官、士官1人は戦術ポイント2ポイントを持っていると考え、SDB全体の戦術ポイントは2ポイントということです。

 戦術ポイントは基本的に、より多くの損傷を与えることが可能な「核ミサイル」の命中率を上げることに使用します。
 核ミサイルの命中率が「14+」であっても、戦術ポイントを2つ集中して用いれば命中率が「12+」になって、命中を期待できるようになるのです。
 戦術ポイントの使い方については、第15回「戦術ポイント」をご覧ください。


      表7 バンダースナッチ型を攻撃して、戦闘不能移動不能
           行動不能に追い込むため必要な、攻撃艦艇の数

BW32_FIG07.GIF - 6,531BYTES

 戦術ポイントを使用してバンダースナッチ型SDBを攻撃した場合の、必要攻撃艦艇数です。

 戦術ポイントを用いてバンダースナッチ型バンダースナッチ型SDBを攻撃した場合、2.8隻(67%)の火力を集中すれば戦闘不能に追い込めるようになりました。
 必要な艦艇数は67%に減少していますから、火力が1.5倍になった、とみなすことも出来るでしょう。
 また28隻(65%)で移動不能に、26隻(70%)で行動不能にも追い込めます。

 ドラゴン型が攻撃した場合、1.4隻(88%)の火力で戦闘不能15隻(88%)で移動不能13隻(93%)で行動不能に追い込めました。

 ワイバーン型が攻撃した場合、1.2隻(92%)の火力で戦闘不能14隻(93%)で移動不能11隻(92%)で行動不能です。
 ワイアーム型が攻撃した場合、1.1隻(92%)の火力で戦闘不能13隻(93%)で移動不能9.3隻(93%)で行動不能
 ワイバーン型ワイアーム型が攻撃した場合、もともと十分に高い命中率を持っていましたから、戦術ポイントを使用しても顕著な変化はありません。

 T型哨戒艦が攻撃した場合、4.5隻(58%)の火力で戦闘不能41隻(57%)で移動不能、あるいは行動不能に追い込めると分かりました。
 命中率が低かったため、T型哨戒艦の場合は戦術ポイントの恩恵が非常に大きくなったようです。
 それでも、まだまだ攻撃力は小さいのですが。


      表8 ドラゴン型を攻撃して、戦闘不能移動不能行動不能
             追い込むため必要な、攻撃艦艇の数

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 戦術ポイントを使用してドラゴン型SDBを攻撃した場合の、必要攻撃艦艇数です。

 バンダースナッチ型ドラゴン型SDBを攻撃した場合、ミサイルが1発だけ、命中するようになりました。
 32隻バンダースナッチ型が集中攻撃を行なえば、1ターンでドラゴン型戦闘不能に追い込めます。
 290隻の火力を集中すれば移動不能に、360隻を集中すれば行動不能に追い込むことも可能でした。

 ドラゴン型が攻撃した場合、4.3隻(58%)の火力を集中すれば戦闘不能に追い込めました。
 また、41隻を(57%)を集中すれば移動不能に、49隻(60%)を集中すれば行動不能にも出来ます。

 ワイバーン型が攻撃した場合、2.8隻(67%)の火力で戦闘不能28隻(65%)で移動不能32隻で(68%)で行動不能
 ワイアーム型が攻撃した場合、2.0隻(74%)の火力で戦闘不能21隻(72%)で移動不能23隻(77%)で行動不能に追い込めました。

 T型哨戒艦が攻撃した場合、バンダースナッチ型と同じように、ミサイルが1発だけ、命中するようになりました。
 94隻が集中攻撃を行なえば、1ターンでドラゴン型戦闘不能に追い込めます。
 860隻の火力を集中すれば移動不能に、1,080隻を集中すれば行動不能にも追い込めました。 


     表9  ワイバーン型を攻撃して、戦闘不能移動不能行動不能
             追い込むため必要な、攻撃艦艇の数

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 戦術ポイントを使用してワイバーン型SDBを攻撃した場合の、必要攻撃艦艇数です。

 バンダースナッチ型ワイバーン型SDBを攻撃した場合でも、ミサイルが1発だけ命中しました。
 110隻バンダースナッチ型が集中攻撃を行なえば、ワイバーン型戦闘不能に追い込めます。
 1,600隻ならば移動不能に、1,400隻ならば行動不能にも出来ました。
 膨大な艦艇数が必要ですが、決して、対抗不可能ではないということです。

 ドラゴン型が攻撃した場合、8.3隻(46%)の火力を集中すれば戦闘不能に追い込めました。
 120隻(46%)を集中すれば移動不能に、110隻(46%)を集中すれば行動不能にも出来ます。

 ワイバーン型が攻撃した場合、5.0隻(60%)の火力で戦闘不能74隻(56%)で移動不能64隻(58%)で行動不能に追い込めました。
 ワイアーム型が攻撃した場合、2.9隻(59%)の火力で戦闘不能43隻(55%)で移動不能36隻(59%)で行動不能に追い込めました。

 残念ながら戦術ポイントを使用しても、T型哨戒艦ワイバーン型SDBに対して無力だと分かりました。


     表10  ワイアーム型を攻撃して、戦闘不能移動不能行動不能
             追い込むため必要な、攻撃艦艇の数

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 戦術ポイントを使用してワイアーム型SDBを攻撃した場合の、必要攻撃艦艇数。

 バンダースナッチ型T型哨戒艦は、ワイアーム型SDBに対して無力です。

 ドラゴン型ワイバーン型は、ミサイルが1発だけ、命中するようになりました。
 その条件でドラゴン型が攻撃した場合、160隻の火力で戦闘不能7,800隻移動不能2,200隻行動不能に追い込めます。
 ワイバーン型が攻撃した場合、53隻の火力で戦闘不能2,600隻移動不能710隻行動不能に追い込めました。

 同型のワイアーム型が攻撃した場合は、40隻(51%)の火力を集中すれば戦闘不能に、2,000隻(51%)で移動不能に、530隻(48%)で行動不能に追い込めます。


     表11  T型哨戒艦を攻撃して、戦闘不能移動不能行動不能
             追い込むため必要な、攻撃艦艇の数

BW32_FIG11.GIF - 6,648BYTES

 戦術ポイントを使用してT型哨戒艦を攻撃した場合の、必要攻撃艦艇数です。

 T型哨戒艦に対する攻撃はもともと命中率が高いので、戦術ポイントを使用しても、大きな変化はありません。
 同型のT型哨戒艦が攻撃した場合、1割前後の向上が存在するだけでした。


      表12 SDBT型哨戒艦の優劣、勝利するために必要な物量差

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 再び、敵SDB戦闘不能に追い込むため必要な、物量差を表にまとめました。
 以下は、表記の説明です。

対等
 攻防性能が「対等」だという意味です。
 同じ性能の同型艦ですから、艦艇数が多い方が勝ちます。

圧倒
 攻防性能が「圧倒」的な優位を備えています。
 10隻対10万隻の戦いでも最終的には勝利できるでしょう。

対抗不可
 攻防性能が極端に劣っているため「対抗不可能」です。
 10万隻を用意しても、たった10隻の敵SDBに勝てません。

1〜120(数字)
 攻防性能に差はありますが、物量差でカバー可能な範囲にあります。

 バンダースナッチ型の場合、ドラゴン型10隻に対して50隻ワイバーン型10隻に対して100隻を用意できれば、勝利することが可能だと分かりました。
 テックレベル2〜3の劣勢は、5倍〜10倍の戦力数で覆せるのです。
 ただし流石に、テックレベル15ワイアーム型には歯が立ちませんでしたが。
 T型哨戒艦10隻に対しては、最低でも6隻の戦力を用意しない限り、負けてしまうようです(何だか悔しいですが)。

 ドラゴン型の場合、バンダースナッチ型10隻に対して3隻ワイバーン型10隻に対して20隻ワイアーム型10隻に対して100隻の戦力を用意すれば勝てます。
 テックレベルで優るバンダースナッチ型に対しては、3割(3分の1〜4分の1)程の戦力でも対抗できるということですが、バンダースナッチ型の説明でも書いたように5倍の戦力差があると負けてしまいました。
 ワイバーン型ワイアーム型の場合テックレベル1〜2の劣勢ですが、2倍〜10倍の戦力で挽回が可能です。

 ワイバーン型の場合、バンダースナッチ型10隻に対して2隻ドラゴン型10隻に対して6隻ワイアーム型10隻に対して50隻の戦力を用意すれば勝利が可能です。
 バンダースナッチ型に対しては、2割(5分の1〜8分の1)の戦力でも勝てますが1割(10分の1)では負けますし、ドラゴン型に対して6割(3分の2)ならば勝てますが、半分(2分の1)では負けてしまいます。
 テックレベルで劣るワイアーム型に対しては、5倍の戦力で勝てると分かりました。

 ワイアーム型の場合、ドラゴン型10隻に対して2隻ワイバーン型10隻に対して3隻の戦力を用意すれば勝利できます。
 それよりも数が減ると、ドラゴン型10隻に対して1隻のみワイバーン型10隻に対して2隻以下になると、テックレベルの優越にも関わらずワイアーム型が負けてしまうでしょう。

 T型哨戒艦は、バンダースナッチ型10隻に対して20隻ドラゴン型10隻に対して120隻の戦力を用意すれば勝てます。
 ワイバーン型ワイアーム型には相変わらず勝てませんが。




SDBによる反復攻撃の恐怖


 前回の考察でも述べましたが、SDBの恐ろしさは、戦闘不能になってもそのまま、戦闘以外の行動を継続できるという点にあります。
 6G加速の性能はそう簡単に失いません。
 装甲の薄いバンダースナッチ型ドラゴン型に対し、運の良い命中弾があれば「通常ドライブ−1」の損傷を与える可能性もあるでしょう。
 その場合、6Gの加速度を5Gに減らせるかも知れませんが、それだけです。
 パワープラントや探知器、通信機には何の損傷も負っていないSDBですから、そのままピケットとしての任務を果たすことも出来ますし、不利だと判断すれば、逃走することも容易です。

 宇宙戦闘ルールに書かれている、損傷コントロールをご覧ください。
 敵艦の射程内におらず、乗組員がすべて揃っている艦艇は、損傷コントロール(損傷箇所の応急修理)を試みることが出来るとあります。
 兵器スクリーンドライブ装置パワープラントコンピュータの修理しか出来ませんが、その難易度は〈難:11+〉で、成功確率は12分の1。
 つまり単純に考えて12ターン(4時間)の連続試行を行なえば、応急修理についてほば確実に成功するということです(実際は65%程度ですが)。
 バンダースナッチ型ドラゴン型は、核ミサイルの命中3回兵器損傷を4回受け、戦闘不能になりました。
 ですから、必要な応急修理の回数も3回になります。
 12ターン(4時間)の3倍は12時間。
 およそ12時間の戦線離脱で兵器の応急修理を終え、再度の攻撃を挑んでくるSDBという図式が出来上がりますね。
 これは非常に怖い話ではないでしょうか。 

 もちろん必ず反復攻撃を仕掛けなければならないという訳ではありませんが、星系の防衛を考えると、わずか12時間の応急修理で戦線復帰が可能だということは、大きなアドバンテージを発揮するでしょう。
 燃料損傷は応急修理の対象外ですので、SDBの受けた燃料損傷は次第に累積していきます。
 反復攻撃を繰り返すSDBも、最終的には燃料の全喪失によって行動不能となることでしょうが、それまでには10回近い反復攻撃が可能なのです。



 損傷した巡洋艦バトルライダーなどの大型艦は、船体サイズ1万トンに付き1つの応急修理しか行なえません。
 4万トン級の軽巡洋艦の場合は、1ターンに付き4箇所、36ターン(12時間)で144回の成功判定ですから、成功した応急修理は12回です。
 大型艦は修理効率が悪いと分かりました。
 また、SDBの反復攻撃を繰り返して受ける内に、大型艦燃料損傷は、次第に累積していきます。
 最後には行動不能に陥ってしまうかも知れません。
 行動不能になったら、視認距離からの精密射撃で確実に破壊されてしまいます。
 そうなる前に、ドック入りして燃料タンクの修理を行なうか、あるいは星系外へ退避(ジャンプ)しなければならないでしょう。

 また、高速で生存性の高い大型戦闘艇は、燃料損傷によって行動不能に陥る可能性が高いのです。
 その場合、自力帰還が出来ませんから、損傷機体の回収に手間が掛かりますし、苦労して回収したとしても、燃料損傷は応急修理で直せません。
 これもドックに入れて修理しなければならないのです。
 兵器損傷を受けて戦闘不能になった戦闘艇ならば、簡単に直せるのですが。



 このように恐ろしいSDBの反復攻撃を未然に防ぐためには、より多くの火力を集中して敵SDBの逃走を許さず、各実に撃破しなければなりません。
 敵SDBを1ターンの戦闘で移動不能行動不能に追い込むためには、戦闘不能に追い込む場合と比べて10倍〜20倍の火力集中が必要です。

 攻撃側が、敵SDB移動不能行動不能にすることを目的としており、反対に防御側が敵SDB戦闘不能にすることを目的としている場合、必要な戦力数はとてもアンバランスなものになりました。
 以下の表13に、必要な物量差を示します。

     表13 SDBT型哨戒艦の優劣、勝利するために必要な物量差
         攻撃側は敵SDBの移動不能/行動不能を目的としており、
         防御側は敵SDBを戦闘不能にすることを目的としている場合。

BW32_FIG13.GIF - 7,960BYTES

 敵SDB移動不能行動不能に追い込むために必要な物量差は、戦闘不能を目的とした場合に比べて、3倍〜4倍に増えてしまいました。
 これだけの戦力差を用意すれば、敵SDBの逃走を許さず、確実に撃破することが可能になる筈です。

 反対に、これだけの戦力差を持たない状態で敵SDB移動不能行動不能を狙った場合、確実に負けるでしょう。
 苦労して敵SDBの一部を行動不能に追い込んでも、残りの敵SDBは戦闘可能な状態にあり、味方のSDBはすべて戦闘不能になるのです。
 その戦場の勝者は敵ですから、行動不能になった敵SDBは回収され、造船所で修理されてしまうのです。
 戦った意味がありません(造船所での修理は時間が掛かりますので、その間、敵戦力を大きく削ったという意味合いはありますが)。




結論


 話は大きく変わりますが、ボードゲーム「第五次辺境戦争」をプレイした時、攻撃の焦点となったルージー星系のSDB戦隊数に、長いこと納得がいきませんでした。
 ルージー星系のSDB戦隊数500ですが、そのテックレベルは8です。
 「第五次辺境戦争」の戦闘ルールでは、テックレベルの差がそのままDMになりますから、実際のプレイではルージー星系のSDBが、わずか2週間の戦闘で壊滅してしまいました。
 ところが、その一方で、サプリメントの「第五次辺境戦争」には、ルージー星系のSDBが何ヶ月も何年も戦い抜いたという記述が存在するのです。

 星系作成ソフト「Heaven&Earth」においても、SDBの戦隊数は変わりませんでした。
 ですから、ルージー星系のSDB戦隊数は正しいのです。
 間違っているのは、SDBテックレベル(星系のテックレベルをそのまま適用するというルール)なのでしょう。



 今回の考察結果を、ルージー星系のSDBに当てはめてみました。
 ルージー星系は対ゾダーン防衛の最前線ですから、帝国海軍の最新型、ワイアーム型SDBが配備されていると考えるべきです。
 ワイアーム型SDB500戦隊ですから、占めて5,000隻ワイアーム型がルージー星系を防衛していることになりました。

 そこへ攻め込んでくるゾダーン軍は(SDBの評価しか済ませておりませんので、SDBを用いて考えると)彼らにとっての最新型、ワイバーン型SDBを投入してくるでしょう。
 その場合、単純に1回の戦闘に勝つだけならば5倍の戦力、25,000隻ワイバーン型、あるいはそれに相当するだけの巡洋艦戦力が必要になります。
 結構、とんでもない戦力規模ですが、これだけの戦力を用意しても、ルージー星系のワイアーム型SDBを撃滅できません。
 戦闘不能になったSDBは戦場から逃走し、応急修理を済ませた後で、再度の攻撃を仕掛けてくる可能性があるのです。
 つまり、ゾダーン軍がルージー星系を占領し続けるには、ルージー星系SDB戦隊の逆襲に備えて、25,000隻ワイバーン型を常駐させなければなりません。
 これは、イフェイト攻略を控えたゾダーン軍にとって、公式設定通りの大きな負担となります。
 それを防ぐため、ルージー星系のワイアーム型SDBに逃走を許さない戦闘を仕掛けるとした場合、今度は16倍の戦力、80,000隻ワイバーン型を投入する必要が生じました。
 集めるだけでも大変ですが、運ぶことを考えたらもっと大変でしょう。

 もしも、ルージー星系に配備されているSDBが、二線級のドラゴン型SDBだとした場合、上記の数字は大幅に小さくなります。
 常駐させる場合は6割に相当する、3,000隻ワイバーン型、一撃で片付ける場合は2倍、10,000隻ワイバーン型で十分だということになりますから。



 何となく、ルージー星系の防衛力が強くなったので、幸せな気分です。
 この調子で、次回は、SDBの対大型艦戦闘力を評価してみましょう。


2009.09.07 初投稿。