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The Best Weapon |
最強兵器 決定戦 第34回 (海賊船2) |
MEGA
TRAVELLER |
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海賊船の最優先課題は |
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船体サイズは400トン。非流線型。ジャンプ2、3G加速、コンピュータのモデルは2。三連架ビーム・レーザー砲塔2基(攻撃力4×2)と三連架ミサイル砲塔2基(攻撃力3×2)を装備。という設計です。 乗組員の人数が異様に多い(砲手が9名必要)という点を除けば、ほぼ公式設定通りなのではないでしょうか。 多すぎる砲手の人数は、乗り込み戦の戦闘員を兼ねていると思えば、それほど問題にはなりません。 そのP型海賊船のコンピュータを、初期値のモデル2から6までグレードアップした場合、海賊船の攻撃命中率がどれだけ向上したのか、期待値を求めました。 目標となった商船は、船体容積が100トン以上1千トン未満(サイズDM=−1)、移動力=0、コンピュータモデル=1(防御DM=0)として計算しています。 モデル数の高いコンピュータを搭載した商船、例えば、M型客船やT型哨戒艦を攻撃する場合の命中率と命中期待値は、その分だけ、下の欄を見れば分かります。 モデル6のコンピュータにグレードアップしたP型海賊船が、モデル3搭載のM型客船を攻撃する場合、目標船のコンピュータが2レベルアップしていますから、攻撃側の欄は2つ下、モデル4の欄を見れば良いということです。 表1 コンピュータをグレードアップしたP型海賊船が、 商船(防御DM=0)を攻撃した場合の命中率と命中期待値 |
コンピュータのグレードアップに伴って、命中期待値が大きくなっていることが明白です。 |
今回も戦術ポイントや乗組員の技量、その他の状況を考慮していません。コンピュータのモデル数だけを変数として計算しました。 |
コンピュータのモデルが2の場合、命中弾を1.4発も受けていたP型海賊船ですが、モデルを3に上げるだけで、0.9に下がりました。 |
商船からの精密射撃が成功する可能性は、ほとんどありません。 |
コンピュータのグレードアップに必要な予算は、上記のようになります。 |
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散乱砂を展開した場合、宇宙船は針路変更が出来ない(慣性のままに進む散乱砂の雲を置き去りにしてしまう)とか、自分の攻撃に若干のペナルティ(DM−1)を受けるとか、幾つかの問題点はありましたが、多数の攻撃を受けても、それら全ての攻撃にDM−3を与えることが出来るという点で、私は、散乱砂砲の機能を大変高く評価しております。 ところが、CT「宇宙海軍」の戦闘ルールで、1つの散乱砂砲は、1つの攻撃にしか対応できないと有効性を狭められ、さらには、攻撃兵器の突破判定(防御の成功判定)まで課されてしまいました。 そのルールを引き継いだMTの宇宙戦闘ルールも同様。 世間(デザイナー)は、散乱砂砲に冷たいのです。 逆に考えれば、CT基本ルールにおける散乱砂砲の能力が「過大評価されていた」という可能性もあるのですが……。 感情面はともかく、MTの宇宙戦闘ルールにおいて、商船搭載の散乱砂砲がどれだけ役に立つのか、あるいは、役に立たないのか、という点を、真面目に評価してみたいと思います。 攻撃側の海賊船は、三連架のビームレーザー砲塔(攻撃力4)と、三連架のミサイル砲塔(攻撃力3)を装備していることにしました。海賊船のコンピュータ・モデルは、以下で示すように様々です。 目標となる商船は、サイズDM=0、移動力=0。搭載コンピュータのモデル数は、1を想定しました。 肝腎の散乱砂砲塔は、三連架砲塔(防御力4)と単架砲塔(防御力3)に加え、TLの低い単架散乱砂砲(防御力2)の3種類を想定しました。 防御力を重視した商船であっても、三連架砲塔1基以上の砲塔群を用いることは無いと思います。 戦闘艇に関する過去の考察でも、三連架砲塔1基の砲塔群が最も効率良く防御できましたので、この防御力の散乱砂砲塔が最も多用されることでしょう。 単架砲塔1基の砲塔群は、混合砲塔に備えられた散乱砂砲のことです。三連架砲塔の他の砲架にはパルス・レーザーやミサイルが搭載されているため、1門以上の散乱砂砲を搭載することは出来ません。そのため、1門だけの砲塔群になりました。 自由貿易船に武装を施す場合、私が最も好む搭載方法です。 TLが10未満の世界で建造された宇宙船の場合、散乱砂砲の防御力が1つ小さくなりました。その場合、三連架砲塔1基の砲塔群は防御力が3に、単架砲塔1基の砲塔群は防御力が2に下がります。その防御力での突破率を評価するため、防御力2の欄も設けた訳です。 私の解釈ですと、散乱砂砲の性能は、供給される散乱砂の品質に拠っていました。 ですから、TL10未満の世界で散乱砂を補給した宇宙船の散乱砂砲は、TL15の造船所で建造されていても、防御力が低下してしまうのです。 スピンワード・メインでは、TLが11以上ある世界の方が珍しいですから、この航路を航行する宇宙船の防御力が低下していても、不思議ではありません。 あくまで、散乱砂砲に対する私の解釈が正しければ、の話ですが。 まずは、海賊船のコンピュータ・モデルが5、つまり海賊船と商船のコンピュータ・モデル差が4ある場合の防御突破率です。 表6 海賊船の攻撃が、散乱砂砲による防御を突破する確率 (海賊船と商船のコンピュータ・モデル差=4) |
上記の表で、上の3分の1にレーザーの攻撃力と命中率、中央の3分の1にミサイルの攻撃力と命中率、下の3分の1に散乱砂砲の防御力と攻撃の突破率を載せました。 |
モデル差=4の場合に比べれば、少しだけ数値が低くなりましたが、結果はあまり、変わりません。 |
コンピュータ・モデルが同等であれば、散乱砂砲もそれなりに役立つようです。 |
コンピュータ・モデルが優っているならば、散乱砂砲はとても役に立つようです。 |
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