| |
The Best Weapon |
最強兵器 決定戦 第37回(個人戦闘3) 真空とゼロG |
MEGA
TRAVELLER |
|
真空とゼロGは、どちらが怖いのか? |
|
プレイヤーズ・マニュアル(略してPM)と帝国百科(IE)を読み比べて、宇宙服の装甲値を調べた結果が以下の表1です。 装甲値について、双方の記述を比べた結果、私の選択した数値が黄色の数字になっております。 それほど間違っていないつもりですが、問題点がありましたら御指摘ください。 「自己修復機能」はとても重要な要素なのですが、テックレベル13〜14の範囲ではオプション装備となっていました。 その一方で、プレイヤーズ・マニュアルには、テックレベル14以上の宇宙服、戦闘アーマー、バトルドレスは「自己修復機能付き」とも読み取れる記述があります。 という訳で、テックレベル14の戦闘アーマーとバトルドレスは「機能付き」として掲載しました。 テックレベル13のバトルドレスについては、分かりません。 とりあえず、付いていないものだとして扱っておきます。 ついでに、価格も載せてみました。 最も小さいサイズの生命維持装置も含めた価格です。 テックレベル7の宇宙服だけは、生命維持装置の価格が帝国百科に記載されていなかったため、宇宙服のみの価格ですが。 悪環境下専用宇宙服の記述は、プレイヤーズ・マニュアルと帝国百科の記述で整合が取れませんので、省きました。 申し訳ないのですが、私の考察では「存在しないアイテム」として扱います。 表1 様々なテックレベルで作られた宇宙服の装甲値、敏捷力修正値、価格表 |
多目的宇宙服の装甲値は、テックレベル8〜11の範囲で「5」、12〜13の範囲で「6」、14〜15の範囲で「7」になりました。 |
それほど顕著な変化ではありませんが、36人全員の敏捷力が−1される毎に、全員の「敏捷力DM」の平均値は−0.2となっていました。 |
敏捷力修正が無い場合は、前回の考察(36回)でも述べた通り、「+2」の優勢が2.8%、「+1」の優勢が22.2%、優劣無しの「±0」が50.0%、「−1」の劣勢が22.2%、「−2」の劣勢が2.8%の割合で発生する筈です。 |
|
真空中での銃器使用は音が発生しない、とか、レーザーの貫通力減衰が少なくなる、といった問題は、「減圧ダメージ」に比べれば些細なことだと思われます。 なにしろ「部分貫通」も含めた「貫通」の被害を受けた後は、毎ラウンド1ポイントのダメージを受けてしまうのですから。 標準的なキャラクターの耐久ポイントが3/5で合計8ポイント。 1ラウンド6秒、つまり10ラウンドが1分ですから、何の対策も施さなければ、減圧の被害を受け始めてから1分以内に、キャラクターは死んでしまうということになります。 意識を失う(無力化する)だけならば、もっと早いでしょう。 これを防ぐためには、宇宙服の破孔にパッチを当て、穴をふさぐ必要があります。 その難易度は、〈並〉、敏捷力、2秒、でした。 最低でも6秒(=1ラウンド)が必要ですから、どんなに上手くやっても最低限1ポイントのダメージを受けてしまいます。 2010.00.30 訂正 エラッタにより、行為判定のDMとして〈宇宙服〉技能を使えるようになりました。 その代わり「技能なし可」の条件は付きませんでしたので、〈宇宙服〉技能を持たないキャラクターにとって苛酷な修正となります(PCの多くは最低でも〈宇宙服−0〉を自動習得していると思われますが)。 さらに、エラッタの追加説明によって「戦闘ラウンドの終了時、宇宙服に孔が開いている場合のみ、1ポイントのダメージを受ける」ことが判明しました。 ですから、所要時間6秒で破孔を塞げば、キャラクターの受けるダメージは0で済みます。 分かり易くまとめると、 所要時間 6秒(1戦闘ラウンド) ダメージ0 8〜12秒(2戦闘ラウンド) ダメージ1 14〜18秒(3戦闘ラウンド) ダメージ2 20〜24秒(4戦闘ラウンド) ダメージ3 26〜30秒(5戦闘ラウンド) ダメージ4 32〜36秒(6戦闘ラウンド) ダメージ5 ということになりました。 つまり、宇宙服に自己修復機能が付いていれば「部分貫通」をしても、キャラクターはダメージを受けずに済むのです。 「高TLの宇宙服、戦闘アーマー、バトルドレスは、自動修復機能付きなので、1回だけダメージを受ける」というルールは、英文のプレイヤーズ・マニュアルに書かれていませんでした。 私の知らないエラッタが存在するのか、訳者の勘違いなのか、分かりませんが。 その所要時間について、表4にまとめてみました。 表4 宇宙服の応急修理に掛かる所要時間 (キャラクターの敏捷力に拠る) |
横軸は、キャラクターの敏捷力DMと〈宇宙服〉技能の合計値。 |
切り裂き魔が近接戦闘に入れない確率が、標準的なキャラクターでも41.7%、優秀なキャラクターなら58.3%もあります。 |
表5の説明文で記述した通り、応急修理の成功率を加算すると、無力化率も死亡率も一気に増加してしまいました。 |
おおよそは、表5についての考察と同じようなものになります。 |
戦闘ライフルによる攻撃でも、目標となった切り裂き魔の無力化率も死亡率が、急上昇してしまいました。 |
無力化率はそれほど変わりませんでしたが、死亡率が激増です。 |
表11 真空環境下の戦闘リスク(戦闘ライフルを用いた射撃戦闘の場合) |
表12 真空環境下の戦闘リスク(スナッブ・ピストルを用いた射撃戦闘の場合) |
真空環境下における無力化率と死亡率の増加については、表6、表9、表10の考察ですでに述べてきた通りです。 |
|
プレイヤーズ・マニュアルの p.37「〈ゼロG環境〉技能」の説明文と、p.90「ゼロG環境下での戦闘」を読み比べてみました。 手すり(磁気グリップや命綱も含まれるようです)を用いていれば、難易度は1つ下がりますが、その代わり、妨害は行えません。 手すり(命綱)で身体を固定しているため、急な動きを取れないと解釈すれば良いのでしょうか。 また、高反動の銃器で射撃する場合は、手すりを利用できないそうです。 射撃戦闘を低反動銃器で行なう、 手すり有り 難易度〈易〉、〈ゼロG環境〉、敏捷力 射撃戦闘を低反動銃器で行なう、 手すり無し 射撃戦闘、近接戦闘を行なう(あるいは攻撃される)、手すり有り 難易度〈並〉、〈ゼロG環境〉、敏捷力 射撃戦闘、近接戦闘を行なう(あるいは攻撃される)、手すり無し 難易度〈難〉、〈ゼロG環境〉、敏捷力 一旦、体の制御を失ってしまった場合は、難易度〈易〜難〉、〈ゼロG環境〉、敏捷力で成功判定を行ない、判定に成功するまで何も出来なくなってしまうようです。 CTと違う点は、制御を失っても手すり(磁気グリップや命綱)による特典(難易度が1つ低下)が残っていることでしょうか。 制御を失った際に決定される「事故」の程度(微小、小、大)によって難易度が変わります。 ですからそれらを平均し、難易度〈並〉で制御を取り戻せる、としておきます。 ゼロG環境下ですと、飛び跳ねる(何も無いところを跳んで移動する)という行動も可能なのですが、今回は戦闘面だけを考察します。 表13 ゼロG環境下で戦闘を行い、体の制御を維持できる確率 |
横軸はキャラクターの能力(〈ゼロG環境〉技能レベルと「敏捷力DM」の合計)。 |
宇宙服(装甲値6)に対して、「部分貫通」が可能な銃器は、徹甲榴弾を装填したスナッブ・ピストル、磁気ライフル、突撃ロケットランチャー、レーザー銃(低TLのピストルを除く)しかありません。 |
近接戦闘に入るための成功判定(難易度〈難〉、敏捷力(対立))があることから、戦斧による攻撃の命中率は、その成功判定値が上限となります。 |
「無貫通」の銃器で切り裂き魔を無力化することは出来ません。 |
ライフル射撃の命中率が高いため、切り裂き魔が体の制御を失う確率も高くなりました。 |
「部分貫通」の銃器の場合、セミオート射撃であっても、切り裂き魔を無力化できる確率が16.7%ありました。 |
「部分貫通」のセミオート射撃であっても無力化率が高いため、ゼロG環境の影響はあまり目立ちません。 |
|
|