> 



 
 
 

The Best Weapon
38th stage ( Combat
4)
Cover and
 Pinpoint Location

最強兵器 決定戦
第38回(個人戦闘4)
援護物と狙い撃ち

LINE1.GIF - 286BYTES

MEGA TRAVELLER
 


 

援護物隠れる行為が、無意味になる可能性。


 今回の考察では、銃撃戦で非常に重要な要素になるであろう「遮蔽物」と「援護物」について考えてみます。
 ついでに、目標の装甲値を半減させる効果を持った、特殊な射撃方法
狙い撃ち」も考察します。



 プレイヤーズ・マニュアル p.73 からの引用ですが、遮蔽物援護物は以下のように定義されていました。

 目標を視界から完全に隠すことのできる壁や設備、地形などを「遮蔽物」と呼ぶ。
 このような遮蔽物のうしろにいるユニットに対しては、それが隠れていないことを宣言しないかぎり(「射撃を行なうために上半身を乗り出している」など)、視線を引くことができない。
 遮蔽物に隠れているユニットは、射撃することも射撃を受けることもない。

 ユニットはある種の物体(フェンスや廊下の角など)によって部分的に身を守ることができるが、相手の視界からは隠れられない。
 そのような物体を「援護物」と呼ぶ。
 どの物体が遮蔽物で、どの物体が援護物なのかは常識で判断すること。
 援護物に隠れているユニットは、射撃することができるし、射撃を受けることもある。

 遮蔽物に隠れいてるユニットが、自分の行動として射撃をすることに決めると、その時点で自動的に「援護物に隠れている」状態になる。
 援護物に隠れているユニットに対する射撃は、命中判定の難易度が1つ上がるが、完全な全身装甲でないユニットが目標ならば、命中した時に貫通しやすくなる(装甲度が半分)。




 また、p.74 に記載された狙い撃ちの定義は、以下の通りです。

 目標ユニットの装甲が弱い部分を狙って射撃することを「狙い撃ち」と呼ぶ。
 狙い撃ちを行なうと、命中判定の難易度が1レベル上がる
 狙い撃ちが命中したら、目標の装甲度を半分とみなしてダメージを計算する。


 上記2つ、援護物と狙い撃ちを見比べてみると、
  「命中判定の難易度が1レベル上がる
  「命中した時、装甲を半分として扱う
 この2点が全く同じです。
 数週間前、メガトラの個人戦闘ルールを読み直すまで全く気付きませんでしたが、援護物の効果と狙い撃ちの効果は、全く同一でした。
 言い換えれば「援護物に隠れることは、攻撃側に狙い撃ちを強制する」のです。

 という訳ですから、援護物の効果と狙い撃ちの効果を一緒にまとめて評価することは、合理的な考えでしょう。



2010.10.07 加筆
 失念していましたが、上記「援護物に隠れることは、攻撃側に狙い撃ちを強制する」が適用できるのは、目標が「完全装甲ではない防具」を着用している場合に限られます。
 宇宙服や戦闘アーマー、バトルドレスを着用している目標は、援護物に隠れていても装甲値半減の特典がありません。
 単に、命中難易度が1つ上がるだけです。

 また、近接戦闘においても「狙い撃ち」が選択できる可能性が見つかりました。
 日本語版では「出来ません」と明記されたルールが見つかりません。
 英文のマニュアルでも「Pinpoint Location(狙い撃ち)」のルールには、「Fire(射撃)」ではなく「Hit(命中)」と書かれているので、適用には問題がないように思えます。
 私の知らないエラッタで公式に否定されているかも知れませんが、ハウス・ルールとして使う分には全く問題がありませんので、考察にも書き加えました。





貫通状態によるダメージ期待値の変化
基本ダメージ3と4を比較


 「狙い撃ち」は、目標の装甲値を半減させる効果があります。
 目標の防具が全身装甲でない場合は、「援護物」も同じように装甲値を半減させてしまいます。
 ですから、目標の装甲が十分に厚いか、装甲が極端に薄い場合を除けば、貫通状態が変化することによって、より大きなダメージを与えられるようになる訳です。
 その変化は以下の3パターンが考えられるでしょう。

 「部分貫通」→「完全貫通」

 「無貫通」 →「部分貫通」
 「無貫通」 →「完全貫通」

 目標の装甲が十分に厚い(装甲値を半減しても「無貫通」の状態が変わらない)場合は「無貫通」 →「無貫通」ですから、「狙い撃ち」によってダメージ期待値が増えることはありません。
 命中判定の難易度が1つ上がるだけ、攻撃側にとっては不利になります。
 撃たれる目標にとってみれば、援護物が役立つことを意味する訳ですが。

2010.10.07 加筆
 エラッタより、目標が全身装甲の防具を着用している場合、装甲値の10分の1未満しかない貫通力の武器は、例外的成功を得ても、その結果を無視する(ダメージを与えられない)とのことです。
 装甲値半減によって、貫通力が装甲値の10分の1以上になれば、その例外的成功は有効な(ダメージを与えられる)命中に変わるのです。
 バトルドレス(装甲値18)を素手(貫通力1)で殴る、あるいは中距離のSMG射撃(同じく、貫通力1)で撃つような情況が当てはまりました。

 このような場合、どんなに良いサイコロの目を出しても「狙い撃ち」を行なわなければダメージを与えられなかった訳ですから、「狙い撃ち」は有効です。
 というか、絶対に「狙い撃ち」を行なわなければなりません。



 同様に、目標の装甲が極端に薄い(すでに「完全貫通」になっている)場合は「完全貫通」→「完全貫通」であり、ダメージ期待値は増えません。
 この場合も命中判定の難易度が1つ上がるだけ、攻撃側にとっては不利です。
 援護物も有効です。

 掲示板でも少し議論しましたが、私の解釈によって、半減する装甲値の「端数を切り捨て」しました。
 これによって「無貫通」→「完全貫通」という特殊な事例が生じてしまうのですが、これを除けば、ほとんど、この方法で問題ないと思われます。

2010.10.07 加筆
 エラッタによって、上記解釈が正しいと確認できました。
 「全ての戦闘の計算では、端数を落とします。貫通力3は、半分になると、1に減少します。0.3の損害は、0になります。
 ということですので。



 攻撃の貫通状態によって、射撃のダメージ期待値と無力化率がどのように変化するのか、考察の35回と同じように、比較してみます。
 表1は「無貫通
」、表2が「部分貫通」、表3が「完全貫通」の、ダメージ期待値と無力化率です。
 目標に4ポイント以上のダメージを与えられる場合は、目標を一撃で無力化できるとみなし、緑字で示しました。
 目標に9ポイント以上のダメージを与えられる場合は、目標を一撃で殺せる(破壊できる)とみなし、黄色字で示しています。


        表1 無貫通兵器のダメージ期待値
           (成功値が−5〜12+の範囲:基本ダメージ3)

BW38_FIG01.GIF - 16,295BYTES

 「無貫通」の場合、例外的成功(サイコロの目が命中値よりも2つ以上大きい場合)でしか、ダメージを与えることが出来ません。
 また、与えられるダメージは、その銃器が持っている「基本ダメージ」の大小に影響を受けません。
 ダメージの範囲は、1〜4ポイントです。


        表2 部分貫通兵器のダメージ期待値
           (成功値が−5〜12+の範囲:基本ダメージ3)

BW38_FIG02.GIF - 17,746BYTES

 「部分貫通」の場合、ダメージが半減してしまいますから、「かすり傷(サイコロの目が命中値と等しい場合)」はダメージを与えることが出来ません。
 有効なダメージを与えられる命中は、振ったサイコロの目が、1つ以上大きい場合に限られます。
 ダメージの範囲は、1〜12ポイントでした。
 「無貫通」の場合と比べると、与えるダメージは3倍(基本ダメージと同じ倍数)に増えています。


        表3 完全貫通兵器のダメージ期待値
           (成功値が−5〜12+の範囲:基本ダメージ3)

BW38_FIG03.GIF - 18,324BYTES

 「完全貫通」の場合、命中すれば確実にダメージを与えられます。
 ダメージの範囲は、1〜24ポイント。
 「無貫通」の場合と比べると、ダメージは6倍(基本ダメージの2倍数)です。


        表4 貫通状態によるダメージ期待値の変化
           (成功値が−5〜12+の範囲:基本ダメージ3)

BW38_FIG04.GIF - 14,757BYTES

 ダメージ期待値の変化が、最も分かりやすい部分は「命中率2+」でしょう。
 貫通状態が「無貫通」→「部分貫通」→「完全貫通」と移り変わるに連れ、ダメージ期待値は「2.0」→「6.0」→「12.0」へと増えていきます。
 ダメージ期待値の増分は「無貫通」を基準とし、「部分貫通」が3倍、「完全貫通」が6倍でした。
 表の下方、命中が難しい範囲では倍率が変わってくる(例えば、命中率10+の欄では5倍と15倍になる)のですが、とりあえず3倍と6倍で考えておきます。



 では、基本ダメージ4の銃器ではどうなるでしょう。
 「無貫通」のダメージ期待値は、銃器の基本ダメージに関わらず同じですから、表1の数値をそのまま用います。
 「部分貫通」と「完全貫通」の場合を、表5と表6に示しました。


        表5 部分貫通兵器のダメージ期待値
           (成功値が−5〜12+の範囲:基本ダメージ4)

BW38_FIG05.GIF - 17,920BYTES

 基本ダメージが4以上になると、「部分貫通」の「かすり傷」であってもダメージを与えられるようになります。
 「部分貫通」でダメージ半減、「かすり傷」でさらに半減ですから、基本ダメージ3以下ではダメージを与えられませんでした。
 そうすると、基本ダメージ8以上の兵器は「部分貫通」の「かすり傷」で2ポイントのダメージを与えることができると推測できます。
 手榴弾(基本ダメージは8)の考察をする際、面白いデータを期待できそうですが、残念ながら今回は見送ります。

 通常命中の場合のダメージが2ポイント、例外的命中ならば4ポイント以上を与えることが可能になり、ダメージの範囲は1〜24ポイントでした。
 「無貫通」の場合と比べ、ダメージは4倍に増えています。


        表6 完全貫通兵器のダメージ期待値
           (成功値が−5〜12+の範囲:基本ダメージ3)

BW38_FIG06.GIF - 18,672BYTES

 「完全貫通」の場合、「かすり傷」以外は確実に無力化できるでしょう。
 ダメージの範囲は、1〜32ポイント。
 「無貫通」の場合と比べ、ダメージは8倍に増えています。


        表7 貫通状態によるダメージ期待値の変化
           (成功値が−5〜12+の範囲:基本ダメージ4)

BW38_FIG07.GIF - 14,793BYTES

 今回もダメージ期待値の変化が最も分かりやすい部分として、「命中率2+」の色をに変えました。
 貫通状態が「無貫通」→「部分貫通」→「完全貫通と変わるに合わせて、ダメージ期待値は「2.0」→「8.0」→「16.0と増えています。
 増分は「無貫通」を基準とし、「部分貫通」が4倍、「完全貫通」が8倍でした。
 命中率10+の欄では11倍と22倍なのですが、この際ですから無視します。

 上記の表4と表7を用いて、「援護物」の効果と「狙い撃ち」の効果を評価していきましょう。
 その前に、ひとつだけ補足説明をしておきます。



 表1〜7の左端にある数字は、射撃の命中率を示しています。
 この書き方は以下の考察でも用いますが、要はサイコロ2個を振って、その目が命中率と等しいか大きければ、射撃は命中したことになる訳です。

 メガトラの個人戦闘ルールにおいて、サイコロの目が「命中率よりも幾つ大きい」かということは、とても重要でした。
 私は、命中難易度と命中DMから命中率を導き出し、サイコロの目がその命中率以上ならば命中する、というシステムに慣れているのですが、難易度とDMで表現することに慣れている方は、下記の表8を用いて換算してください。

         表8 命中難易度と命中DMから求める、命中率表

BW38_FIG08.GIF - 10,284BYTES

 DMの最大/最小値は±8の範囲です。
 表8で空欄になっている欄は、DMの制限から有り得ない命中率を意味します。

 難易度〈易〉ならば、命中率の範囲は「−5」から「11+」の範囲。
 どんなにDMが悪くても命中する確率が残ります。
 その命中が、ダメージを与えられるかどうかはともかく。

 難易度〈並〉ならば、命中率の範囲は「−1」から「12+」の範囲です。
 命中DMが−6よりも悪い場合、命中の可能性はありません。

 難易度〈難〉では、命中率の範囲は「3+」から「12+」。
 命中DMが−2よりも悪ければ、命中しません。

 難易度〈至難〉は、命中率の範囲が「7+」から「12+」。
 命中を期待するためには、命中DM+3以上が必要ですが、それでもほとんど命中しません。

 難易度〈不可能〉は、DM+7以上が無ければ、命中は有り得ません。
 DM上限は+8ですから、最大限のDMを使ってもほとんど命中しないでしょう。



 射撃の命中判定は、難易度〈易〉でDM+8が最大だと思っていました。
 しかし、ハンドガンを用いて、至近距離で、大型目標(自動車より大きいもの、動物なら重量500kg以上、ロボットなら機体容量500リットル以上)を攻撃する場合は、難易度がさらに1レベル下がるようです。
 プレイヤーズ・マニュアル p.71 に、そう書いてありました。
 難易度〈易〉の下は、果たして何と呼ばれるのでしょうか。





「援護物」と「狙い撃ち」の効果


 「援護物」や「狙い撃ち」によって命中難易度が1つ上がることを、私は「命中率が4つ悪くなる」と解釈しております。
 ですから例えば、命中の難易度が〈並〉でDM+5ならば、命中率は「2+」の欄を見ます。
 この状況で目標が「援護物」下にある場合、あるいは、攻撃側が「狙い撃ち」を選択した場合は、命中率が4つ悪くなって「6+」の欄を見ることになる訳です。

 ただし「援護物」に隠れている目標が、全身装甲の防具を身に付けている場合は、「援護物」による装甲半減効果はありません。
 装甲値が変わらず、命中難易度が上がるだけです。
 「援護物」の効果を評価するまでもないでしょう。
 攻撃側にとっては厄介な「援護物」であり、目標にとっては有り難い「援護物」となるのです。



 同じ命中DMで、通常射撃と狙い撃ちを行なった場合、ダメージ期待値と無力化率がどのように変化するか、表9〜11に示しました。


  表9 「援護物」や「狙い撃ち」によって変化するダメージ期待値と無力化率
         (「部分貫通」→「完全貫通」:基本ダメージ3)

BW38_FIG09.GIF - 12,947BYTES

 通常射撃と狙い撃ち、双方のダメージ期待値と無力化率を比べ、より大きい値を青字緑字で示しました。
 黄色の横線は、通常射撃と狙い撃ちの優劣を区別する、境界線です。
 ダメージ期待値と無力化率の両方について、狙い撃ちの方が優れている範囲は、赤線の上側。
 通常射撃の方が優れている範囲は、黄色線の下側。
 2本の線に挟まれた範囲は、ダメージ期待値と無力化率のどちらか片方だけが優れていて、残る片方が劣っていることを表します。

 狙い撃ちによって「部分貫通」が「完全貫通」に変わる場合ですが、これは例えば、装甲値5〜6の宇宙服を、貫通力6の戦闘ライフル(高速弾使用)で射撃した場合などが該当するでしょう。

 そうした状況において、攻撃側の命中率が9+〜12+であるなら、狙い撃ちは不可能になりました。
 狙い撃ちを試すことはもちろん自由ですが、命中を全く期待できなくなりますから、 狙い撃ちを諦めて、通常射撃を行なった方が良いのです。
 目標側からすれば、援護物に隠れることで自分が被弾する可能性をゼロに抑えることができました。

 攻撃側の命中率が0+〜8+の範囲にある時も、狙い撃ちは不利です。
 ダメージ期待値も無力化率も、せっかく「完全貫通」に変わったというのに、反対に少なくなってしまいました。
 ライフルでもハンドガンでも近距離の命中難易度は〈並:7+〉ですから、DM+7をもってしても、不利なのです。
 という訳ですから、(可能ならば)通常射撃を選択するべきでしょう。
 目標側にとって、まだ、援護物は有り難い存在のようです。

 攻撃側の命中率が−2〜−1の範囲にあると、判断に悩みます。
 無力化率は通常射撃の方が優れているのですが、ダメージ期待値については狙い撃ちの方が優れているのです。
 その時の攻撃側、目標側の状況に合わせて選択することだと思います。
 至近距離のハンドガン射撃で、DMが+4〜5の時がこれに該当します。

 攻撃側の命中率が−5〜−3の時は、明らかに狙い撃ちの方が有利です。
 目標側にとっては、援護物に隠れることで受けるダメージをかえって大きくしてしまうと分かりました。
 この状況では、援護物に隠れるべきではありません。
 出来ることならば、移動を行って移動DMによる回避を試みたり、あるいは煙幕や照明(暗闇)を利用したりして、その射撃から逃れるべきでしょう。
 しかし、命中難易度が〈易:3+〉であり、なおかつ命中DM+6以上でなければ、この情況には到達しませんが。



2010.10.07 加筆
 切り裂き魔の戦斧が貫通力8で基本ダメージ3、乗組員の着ている宇宙服の装甲値が5〜7の範囲ですので、近接戦闘においても表9の結果が適用できました。
 切り裂き魔が近接戦闘で「狙い撃ち」を試みるのであれば、その貫通状態は容易く「部分貫通」から「完全貫通」に変化してしまいます。

 恐ろしいことに、近接戦闘の命中難易度は〈易:3+〉です。
 命中DMが「+4」あれば、命中率−2〜−1の範囲になりますし、「+6」ならば命中率−5〜−3の範囲になってしまいます。

 また、近接戦闘で襲われる乗組員が近接戦闘で使える技能(例えば〈格闘〉技能)を持っていなかった場合、命中難易度が1つ下がってしまいます。
 難易度〈易〉の下にある筈の難易度を何と呼べば良いのか分からないので、DM+4で代替しておきますが、その場合、命中DM「0」の切り裂き魔でも命中率−1になってしまいました。
 命中DMが「+3」の優秀な切り裂き魔ならば、命中率−4になるのです。

 近接戦闘はその命中難易度が〈易〉であるため、「狙い撃ち」がとても有効になると確認できました。



  表10 「援護物」や「狙い撃ち」によって変化するダメージ期待値と無力化率
          (「無貫通」→「部分貫通」:基本ダメージ3)

BW38_FIG10.GIF - 12,721BYTES

 狙い撃ちによって「無貫通」が「部分貫通」に変わる場合は、例えば、装甲値5〜6の宇宙服を、貫通力3のハンドガンライフルで射撃した場合が該当します。

 攻撃側の命中率が2+〜12+の範囲にある時、狙い撃ちは不利でした。
 命中難易度が〈並〉で、命中DMが+5よりも小さい時は不利ということです。
 普通のキャラクターならば、命中DMが+5を超えることは無いでしょう。
 可能ならば、狙い撃ちよりも通常射撃を選択するべきです。
 目標側にとって、援護物は有効であると分かりました。

 攻撃側の命中率が−5〜1+の範囲にある時は、狙い撃ちが有利です。
 命中難易度が〈並〉で、命中DM+6以上。
 あるいは命中難易度〈易〉で、命中DM+2以上です。
 普通のキャラクターでも命中DM+2は簡単に得られるでしょう。
 ですから、至近距離のハンドガン射撃は、狙い撃ちを組み合わせることで、さらに威力を発揮すると分かりました。
 使っている銃器がSMGで、フルオート射撃をされたら大変です。

 援護物に隠れた目標を撃つ場合、自動的に狙い撃ちと同じような効果を得ることになりますから、目標が受けるダメージは大きくなります。
 この状況でも、援護物に隠れる行為は賢明と言えないでしょう。
 もちろん、着用している防具が全身装甲ならば、その心配は要りません。



2010.10.07 加筆
 貫通力3のカトラスで、宇宙服(装甲値5〜6)を着た目標(切り裂き魔?)を攻撃する場合、この表10を使えます。
 カトラスによる攻撃も命中難易度は〈易:3+〉ですから、わずかな+DMでも、「狙い撃ち」が効果を発揮できるでしょう。

 具体的には、命中DMが「+2」以上あれば命中率1+以下になります。
 筋力DMが+1(筋力5)以上と、〈大型刀剣−1〉以上の技能レベルを備えていれば、それだけでもカトラスによる「狙い撃ち」が効果的になるのです。
 もちろん、目標の扱っている武器の防御DMや技能レベルがマイナスとして働く訳ですから、上記の数字をそのまま適用することはできませんが、意外とカトラスも使えるのではないかと思えてきました。



  表11 「援護物」や「狙い撃ち」によって変化するダメージ期待値と無力化率
          (「無貫通」→「完全貫通」:基本ダメージ3)

BW38_FIG11.GIF - 12,816BYTES

 装甲半減ルールの解釈の仕方によって生じた、特殊な状況です。
 装甲値の半減(端数切捨て)によって、「無貫通」だった銃撃が「完全貫通」をするようになってしまいました。
 具体的には、装甲値5の宇宙服を貫通力4の銃器で狙い撃ちしたような状況です。
 あるいは、装甲値7の宇宙服を貫通力6で狙い撃ち、など。

 ダメージ期待値、無力化率の増加が極端に大きくなっていますので、私としては特例として、この状況は「無貫通」→「部分貫通」として扱いたいところです。
 しかしレフリーによっては、このルールをそのまま楽しめると思いますので、一緒に掲載しておきます。

 攻撃側の命中率が7+〜12+である時、狙い撃ちは不利です。

 攻撃側の命中率が6+の時は、ダメージ期待値は通常射撃の方が優れており、無力化率は狙い撃ちが優れています。

 攻撃側の命中率が−5〜5+の時は、狙い撃ちが有利です。
 命中難易度〈並〉でDM+2以上、あるいは、難易度〈易〉でDM−2以上ならば、援護物が役に立ちません。
 狙い撃ちがあまりにも有利になり過ぎてしまいますので、やはり、この情況は封印しておくべきではないでしょうか。



2010.10.07 加筆
 エラッタによって、上記のパターンが公式に認められました。
 貫通力4の近接戦闘武器は、が該当します。銃器ならば、磁気ピストル戦闘ライフル(通常弾)低TLのレーザー・ピストルになるでしょう。
 これらの武器で装甲値5の宇宙服を攻撃する場合、わずかな+DMで「狙い撃ち」が有効になる訳です。

 また、貫通力6の近接戦闘武器は手斧しかありませんでしたが、銃器にはスナッブ・ピストル(徹甲榴弾)戦闘ライフル(高速弾)重機関銃高TLのレーザー・ピストルなどがあります。

 近接戦闘や、至近距離のハンドガン射撃は難易度が〈易:3+〉ですから、命中DMが「−2」になっていても、「狙い撃ち」が有効だと分かりました。
 この情況で、「狙い撃ち」をしないことは有り得ないでしょう。
 難易度が〈並:7+〉になる近距離での射撃では、命中DMが「+2」あるだけで、「狙い撃ち」が有効になりました。
 非常に興味深い情況です。



 表9〜11の結果を、分かりやすいように表12としてまとめました。


  表12 「援護物」や「狙い撃ち」によって変化するダメージ期待値と無力化率
           (3つのパターンについて:基本ダメージ3)

BW38_FIG12.GIF - 5,932BYTES
 

 近距離で射撃を行なった場合、命中難易度はハンドガンもライフルも〈並〉です。
 命中DMが+8だとしても、命中率は「−1」までしか上がりません。
 ですから「部分貫通」→「完全貫通」の狙い撃ちが行なわれることもないでしょう。
 通常射撃を行なった方が有効だからです。

 その一方で、目標側は「援護物」を積極的に活用すると思われます。
 ただし、至近距離におけるハンドガンの命中難易度は〈易〉ですから、命中DMが+6あれば、狙い撃ちが有効な情況に変えられました。

 「無貫通」→「部分貫通」の狙い撃ちは、命中率「1+」で効果的です。
 命中難易度〈並〉の場合は命中DM+6が必要ですが、至近距離におけるハンドガン射撃ならば難易度〈易〉ですから、命中DM+2でも有効になるでしょう。
 SMGも同様。
 至近距離のハンドガン射撃が、さらに凶悪となりました。
 これを防ぐためには、装甲を半減されても「部分貫通」に至らない防具、装甲値7以上の宇宙服を着るしかありません。



 今度は、基本ダメージ4の銃器で同じように、通常射撃と狙い撃ちを行なった場合、ダメージ期待値と無力化率がどのように変化するか、表13〜15に示しました。

2010.10.07 加筆
 基本ダメージ4の近接戦闘武器は存在しませんので、表13〜15を用いた近接戦闘の「狙い撃ち」は考察していません。

  表13 「
援護物」や「狙い撃ち」によって変化するダメージ期待値と無力化率
         (
「部分貫通」→「完全貫通」
:基本ダメージ4)

BW38_FIG13.GIF - 13,290BYTES

 狙い撃ちによって、「部分貫通」が「完全貫通」に変わる場合。
 基本ダメージ4の銃器ですから、スナッブ・ピストル(徹甲榴弾)がこれに該当するようです。

 攻撃側の命中率が0+〜12+の時、狙い撃ちは不利です。
 命中難易度が〈並〉ならば、DM+7があっても駄目ですし、命中難易度が〈易〉ならば、命中DM+3でも不利になる訳です。
 可能ならば、通常射撃を選択するべきでしょう。
 目標側にとって、援護物は有用です。

 攻撃側の命中率が−1の時、無力化率は通常射撃が優れているのですが、ダメージ期待値は狙い撃ちが優れています。

 攻撃側の命中率が−5〜−2の時は、狙い撃ちが有利です。
 命中難易度が〈易〉で命中DMが+5以上ある場合、援護物は役に立ちません。
 至近距離でスナッブ・ピストルを撃ち込む場合、命中DMが+5以上あるならば、狙い撃ちによってさらに大きな被害を与えられるでしょう。
 すでに無力化率が97.2%もありますから、そんなことは必要ないように思えますが。



  表14 「援護物」や「狙い撃ち」によって変化するダメージ期待値と無力化率
          (「無貫通」→「部分貫通」:基本ダメージ4)

BW38_FIG14.GIF - 12,729BYTES

 狙い撃ちによって「無貫通」が「部分貫通」に変わる場合。
 榴弾を装填した戦闘ライフル突撃ロケットランチャー軽突撃銃が該当します。
 それ以外には、磁気ピストル散弾銃も見つかりました。
 磁気ピストルは命中難易度としてハンドガンの項を使用しますから、至近距離では〈易〉の射撃が可能になります。

 攻撃側の命中率が7+〜12+の時、狙い撃ちは不利です。
 命中難易度が〈並〉でDM+0以下、あるいは難易度〈易〉でDM−4以下の時は、通常射撃を行なうべきでしょう。

 攻撃側の命中率が4+〜6+の時、ダメージ期待値は通常射撃が優れているのですが、無力化率は狙い撃ちが優れています。
 これは、命中難易度〈並〉でDM+1〜+3、難易度〈易〉でDM−1〜−3の範囲でした。

 攻撃側の命中率が−5〜3+の時は、狙い撃ちが有利です。
 命中難易度〈並〉でDM+4以上、難易度〈易〉でDM+0以上の時、援護物は役に立ちません。
 フルオート射撃が可能なSMGにはかないませんが、基本ダメージ4の銃器が援護物や狙い撃ちによって「部分貫通」に変わると、とても強力な銃器になるのです。
 散弾銃の狙い撃ちも、切り裂き魔に対してかなり有効かも知れません(相手が装甲値6以下の宇宙服を着ている場合に限りますが)。



  表15 「援護物」や「狙い撃ち」によって変化するダメージ期待値と無力化率
          (「無貫通」→「完全貫通」:基本ダメージ4)

BW38_FIG15.GIF - 12,844BYTES

 装甲半減ルールの解釈の仕方によって生じた、特殊な状況です。

 攻撃側の命中率が8+〜12+である時、狙い撃ちは不利です。

 攻撃側の命中率が7+の時は、ダメージ期待値は通常射撃の方が優れており、無力化率は狙い撃ちが優れています。

 攻撃側の命中率が−5〜6+の時は、狙い撃ちが有利です。
 援護物も役に立ちません。



 表13〜15の結果を、分かりやすいように表16としてまとめました。


  表16 「援護物」や「狙い撃ち」によって変化するダメージ期待値と無力化率
           (3つのパターンについて:基本ダメージ4)

BW38_FIG16.GIF - 5,744BYTES

 命中難易度が〈並〉の場合、「部分貫通」→「完全貫通」の狙い撃ちが行なわれることは有り得ません。
 通常射撃を行なった方が有効だからです。
 目標側にとって、「援護物」はとても有効で、有り難い存在となります。
 ただし、至近距離におけるハンドガンの命中難易度は〈易〉ですから、命中DMが+6あれば、狙い撃ちが有効になるでしょう。

 「無貫通」→「部分貫通」の狙い撃ちは、命中率「3+」で効果的です。
 命中難易度〈並〉の場合は命中DM+4で、難易度〈易〉ならば命中DM±0で有効になりました。
 基本ダメージ4の銃器は、狙い撃ちの効果を増し、援護物の効果を減じる作用があるようです。
 この作用は基本ダメージが大きくなるほど(「無貫通」と「部分貫通」のダメージ差が顕著になるため)特に大きくなるでしょう。





結論


 「援護物」と「狙い撃ち」の有効性について考察を行いました。


 「援護物」は多くの場合に有効なのですが、攻撃側の命中DMが多いなどの理由で命中率が極めて高い場合、逆効果となる可能性が発見されました。
 実に意外な発見です。
 今回の考察は、目標が個人(キャラクター)であり、「全身装甲ではない」と想定していますから、対車輌攻撃などの場合は分かりませんが。


狙い撃ち」の真価は、装甲値の半減によって「無貫通」を「部分貫通」まで引き上げることにあると発見できました。
 基本ダメージの大きな銃器ほど、その効果が大きくなることが予想できます。
 もちろん「無貫通」であっても、「例外的命中」によって最低限のダメージは与えられました。
 しかし多くの場合、「狙い撃ち」によってより多くのダメージを与えることができるようになるのです。


 「援護物」に隠れている目標に対する「狙い撃ち」することで、装甲値を4分の1に減らすことは、掲示板における議論の結果、可能だと判断しました。
 難易度が2レベルも上昇しますからなかなか命中を期待できませんが、それによって「部分貫通」に変わることを期待するのであれば、有り得そうな話です。
 もちろん、「援護物」に隠れている目標に対する「速射」も可能でしょう。


2010.05.01 初投稿。
2010.10.07 加筆修正して、再投稿。