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The Best Weapon |
最強兵器 決定戦 第39回(個人戦闘5) 手榴弾 |
MEGA
TRAVELLER |
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貴方が投げた手榴弾は、 |
射撃の命中難易度を適用した場合 |
ですから試しに、その解釈でダメージ期待値と無力化率を求めてみます。 まずは、問題となっているスナッブ・ピストル(徹甲榴弾)について計算しました。 徹甲榴弾が装填されたスナッブ・ピストルを、至近距離(命中難易度〈易〉)、近距離(同〈並〉)、中距離(同〈難〉)で射撃します。 射撃目標は、宇宙服(装甲値6)を着た切り裂き魔にしました。 射撃を行なうキャラクターが標準的なキャラクターであり、「敏捷力DM」が1、〈ハンドガン−1〉の技能を持っているとするならば、命中DMが「+2」です。 命中率は至近距離で「1+」、近距離で「5+」、中距離で「9+」になりました。 それぞれの場合について、攻撃目標となった切り裂き魔の受ける命中期待値と無力化率を表1に示しました。 また、目標になった切り裂き魔の周囲(同一マス、あるいは隣接マス)に居るキャラクター(敵味方を問いません)も、「巻き添え命中」を受けます。 表1 スナッブ・ピストル(徹甲榴弾)による「巻き添え命中」の評価 (ダメージ期待値と無力化率) |
至近距離で射撃を行なった場合、命中率は「1+」です。 |
至近距離で手榴弾の投擲を行なった場合、命中率は「5+」です。 |
〈並:7+〉を適用した場合 |
手榴弾は、敵から(場合によっては味方からも)恐れられるべきなのです。 唯一、まともな威力を発揮する情況が至近距離だけであり、投げつけた本人も死亡が確実なのでは、悲しすぎます。 この問題を解決する簡単な方法は「巻き添え命中」の命中率を固定してしまうことでしょう。 いくつか試行錯誤した結果、「巻き添え命中」の命中率を〈並:7+〉にすると概ね上手くいくことが判明しました。 ただし、目標が援護物下に居る場合は難易度が1つ上がって〈難:11+〉。 目標の防具が全身装甲でなければ、装甲値半減の効果もあります。 爆発地点から目標に視線が通らなければ、つまり、遮蔽物に隠れているのであれば、「巻き添え命中」の判定は行ないません。 また、目標が手榴弾を警戒していない、例えば不意討ちの場合や、ブービートラップに引っ掛かったなどの場合は難易度を1つ下げ、〈易:3+〉にします 攻撃目標がキャラクターではない場合、物や構造物である場合も、この難易度〈易〉を使って構わないと思います。 目標のサイズによる修正や移動DMの適用はまだ検討中で、決まっていません。 目標が無警戒の場合(難易度〈易〉)、通常の戦闘状態(難易度〈並〉)、目標が援護物に隠れている場合(難易度〈難〉)それぞれについて、ダメージ期待値と無力化率を比較してみました。 表3 手榴弾(TL13の榴弾)による「巻き添え命中」の評価 (ダメージ期待値と無力化率/ハウスルール) |
「巻き添え命中」の命中率を固定したことで、手榴弾の威力(破壊力)を評価できるようになりました。 |
手榴弾が「完全貫通」する状態で「巻き添え命中」を受けたキャラクターのダメージを表4に示しました。 |
隣接マスになると、手榴弾は「部分貫通」になりました。 |
2マス離れると宇宙服を着ている限り、手榴弾の貫通状態は「無貫通」になります。 |
同一マスでの貫通力を半減させる |
攻撃側の乗組員(命中DM+2)が、切り裂き魔の至近距離(同一マス)まで肉迫して、徹甲榴弾を装填したスナッブ・ピストルで射撃を行なった、という想定です。 「巻き添え命中」の命中率は、無警戒の場合(難易度〈易〉)、通常の戦闘状態(難易度〈並〉)、援護物に隠れている場合(難易度〈難〉)それぞれ異なります。 ですが、自分が引き金を引いたのですから、無警戒は有り得ません。 至近距離まで接近したのですから、恐らく援護物も使えないでしょう。 という訳で、最もありふれている通常の戦闘状態、難易度〈並:7+〉の欄を赤字で示しました。 表7 スナッブ・ピストル(徹甲榴弾)による「巻き添え命中」の評価 (ダメージ期待値と無力化率/ハウスルール、その1) |
至近距離におけるスナッブ・ピストルの命中率は、表1で示した通り「1+」です。 |
赤字は基本の貫通力。 |
これらのデータを見比べてみると、 |
スナッブ・ピストルの榴弾と徹甲榴弾は貫通力の差が6倍もありましたから、今回のハウスルールによっても、その立場が入れ替わることはありません。 |
手榴弾の場合、貫通力の半減によって、命中目標以外に対する貫通力はすべての場面で榴弾が徹甲榴弾を上回りました。 |
表10の考察ですでに説明済みですが、徹甲榴弾の貫通力を同一マスで半減することによって、スナッブ・ピストルを射撃する側の危険を大きく減らすことができました。 |
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前述の通り、手榴弾の投擲に「手投げ」の難易度を用いるのであれば、至近距離が〈並〉、近距離が〈難〉、中距離が〈至難〉となります。 一般のキャラクターならば命中DMは+1ですから、命中率は至近距離で「6+」、近距離で「10+」、中距離で「14+」になりました。 筋力10以上のキャラクターならば、遠距離(50メートル以上)に投擲することも可能であり、その場合の命中率は(命中DMを+1として)「18+」になるでしょう。 これが銃撃であれば、戦術ポイントを大量に注ぎ込まなければ命中は望めません。 ですから私はこの命中率が低すぎると感じていたのですが、この問題を相談した橘様から、下記のように諭されました。 命中判定に失敗したとしても、(致命的失敗で事故を起こさない限り)手榴弾は隣のマスに落ちるのです。 気付きませんでした。 外れた手榴弾は、どこか遠くへ行ってしまったり、消えてしまう訳ではありません。 狙ったマスのすぐ近くに落ちて爆発し、目標にもそれなりの被害を与えるのです。 2010.10.11 大幅に加筆修正 エラッタによって、幾つかのルールが追加されました。 必ずしも、隣のマスに落下するとは限らなくなったようです。 手榴弾を含む間接射撃が命中判定に失敗した場合、事故表を参照して、実際の砲撃が着弾した地点(手榴弾の落下場所)を決定します。 事故表のサイコロには、特別に観測者の〈照準〉技能レベル、手榴弾投擲の場合は、筋力DMと敏捷力DMが、マイナスDMとして用いられます。 事故の結果が、 微小の事故: 攻撃者と目標との距離の1D%、最低1マスのずれが生じます。 小の事故: 攻撃者と目標との距離の2D%、最低2マスのずれが生じます。 大の事故: 攻撃者と目標との距離の3D%、最低3マスのずれが生じます。 上記の数字をちょっと計算してみました。 攻撃者と目標との距離が、10、20、40、60、80、100マスの6段階について、どれだけの「ずれ」が生じているのか。 それぞれの事故で最小と最大の数値(マス数)を求めてみた結果が、以下の表13です。 表13 間接射撃がずれる距離(マス数)の範囲 |
例えば、攻撃者と目標との距離が10マスである時、事故が「微小事故」であれば、ずれは「0.1〜0.6マス」の範囲になります。 |
上の表14に、命中率(難易度〈難:11+〉)を絡めて考察した「ずれ分布」が、次の表15になります。 |
同じく表14に、命中率(難易度〈至難:15+〉)を絡めて考察した「ずれ分布」が表16です。 |
上の表3つを見ると一目瞭然ですが、DMなしの場合、40.0%の確率で1マス、51.4%の確率で2マスのずれ、8.6%の確率で3マスのずれが生じます。 |
図17 命中判定に失敗した間接射撃(手榴弾)の、落下地点がずれる方向 |
図18 手榴弾の落下地点が1マスだけ外れた場合 |
図19 手榴弾の落下地点が2マス外れた場合 |
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しかし、手榴弾の爆発に「巻き添え命中」の判定とダメージの適用は、果たして何時に行なわれるのでしょうか。 私はそのキャラクターの行動中、投擲の「命中判定の直後」に行なうものだと思っておりました。 ところが例によって、橘様から指摘を受けたのです。 間接射撃には、実は次のような縛りがあるのです。 プレイヤーズ・マニュアル、p.74。間接射撃: 間接射撃は、射撃が要請された次の戦闘ラウンドに着弾する。 実際には、「屋外での間接射撃は、射撃を要請した次の戦闘ラウンドに着弾する」と書いてある訳ですから、屋内での手榴弾投擲は例外になるのかも知れません。 しかし、屋内と屋外で手榴弾の扱いが変わってしまうのは不自然です。 また、「屋内での手榴弾はその戦闘ラウンドに着弾する」とはっきり書かれた文章も見つかりませんから、例外扱いをすべきではないでしょう。 ですから、手榴弾の着弾(爆発)による「巻き添え命中」判定は、次の戦闘ラウンドに行なうこととします。 間接射撃の着弾が遅れる理由は、発射までに費やす時間を指していました。 一方、手榴弾は必要だと思った時にすぐ投げることができますが、手榴弾のヒューズは短いもので3秒、長いもので7秒程度に設定されています。 着弾はともかくとして、手榴弾の爆発が次の戦闘ラウンドに持ち越されたとしても、おかしなことではありません。 その戦闘ラウンドで、まだ行動していないユニットの傍に手榴弾が落ちてきた場合、そのユニットは逃げる(3マス以上の距離に離れて手榴弾の致傷範囲外に出る、あるいは遮蔽物に隠れる)ことが可能です。 どうせ逃げるのであれば、手榴弾を投げてきた敵に向けて、突撃を行なっても良いでしょう。すでに敵は行動を終えているのです。突撃するユニットに対して、射撃してくることは有り得ませんから。 反対に、すでに行動を終えてしまった(手榴弾を投擲したキャラクター自身を含む)ユニットは、足元に転がり落ちた手榴弾を見て震え上がることでしょう。 彼(彼女)自身はもう、手榴弾に対して何もできないのです。 そして、手榴弾は次の戦闘ラウンドが始まった直後、全てのユニットが行動を始める前に爆発します。 明記された文章はありませんが、そうあるべきだと考えました。 2010.10.11 加筆 これもエラッタで補足されました。 手榴弾は、投擲者のターンの終了時(その戦闘ラウンドで、投擲者が行動の終了を宣言した時点)で爆発するそうです。 間接射撃の特例になるのでしょうか。 足元に落ちてきた手榴弾の爆発から逃れるためには、投擲者の行動を「妨害」して、それに成功しなければならないことになりました。 |
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