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最強兵器 決定戦 第43回(個人戦闘7) |
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TRAVELLER |
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遠距離/超遠距離における銃撃戦の始め方 |
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地形によって異なるDMを与えることで、その遭遇距離を変化させる訳ですね。 「至近距離」から「超遠距離」まで遭遇距離は様々ですが、結果が偏らないように、きちんと工夫がされていました。 表1に、遭遇場所の地形によって異なる、遭遇距離の範囲と確率分布を示しました。 CTに慣れているものですから、MTの「長距離/超長距離」という表記を、CTの「遠距離/超遠距離」に変更しています。 見直してみると、MTのプレイヤーズ・マニュアル中でも表記が統一されていませんね。困ったものです。 表1 遭遇場所の地形によって異なる、遭遇距離の確率分布 |
最も確率の高い「距離」を赤字で、それ以外でも確率が10%以上の「距離」を黄色字で示しました。 |
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考察の40回「個人戦闘6」で検討した貫通力表にいくつか新たな銃器を加え、その貫通力を比較してみました。 遠距離の考察を「1マス1.5メートル」の屋内マップで行なうことは困難です。 そこでスケールを「1マス15メートル」の屋外マップに変更しました。 至近距離と近距離は同一マス内、中距離は1〜2マス、遠距離が3〜14マス、超遠距離が15〜29マスということです。 「巻き添え命中」の致傷範囲も1マス15メートルが基準になりますので、ご注意ください。 表2 距離帯によって変化する銃器の貫通力 |
リストアップされた銃器の、それぞれの距離帯における貫通力です。緑色の銃器名は前回も考察した銃器、黄色の銃器名が新たに加えた銃器を示しています。 |
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「手投げ」「ハンドガン」「ライフル」の3種類と、「付属機器付きのライフル」について、至近距離から超遠距離までの命中難易度を、表3に示しました。 表3 至近距離から超遠距離までの命中難易度 (手投げ、ハンドガン、ライフルの比較、付属機器の評価) |
遠距離において、「手投げ」の命中難易度は〈不可能:19+〉です。 |
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乗組員の技量としては、標準的なキャラクター(敏捷力DM=1、技能レベル−0)と、優秀なキャラクター(敏捷力DM=2、技能レベル−2)を考えています。 おまけとして、ビアトリス(敏捷力DM=2、技能レベル−3)も加えておきました。 表4 無貫通しか期待できない銃器(ライフル)による ダメージ期待値と無力化率の変化(基本ダメージを問わない) |
遠距離のライフル射撃(セミオート射撃)は、ほとんど当たりません。命中難易度が〈難:11+〉なのです。 |
遠距離の命中難易度〈難:11+〉に変わりはありませんが、1回の射撃で3回の命中判定を行なえるようになりました。ですから、ダメージ期待値は3倍です。 |
「部分貫通」の銃器を用いると、遠距離射撃、目標が援護物に隠れていない状態で、それなりのダメージ期待値を得られました。 |
今回も、1回の射撃で3回の命中判定を行なえるようになりましたから、ダメージ期待値も3倍に増えています。 |
「完全貫通」の銃器を用いると、遠距離の射撃、目標が援護物に隠れていない状態のダメージ期待値は、「部分貫通」に比べて倍増します。 |
「完全貫通」のフルオート射撃はダメージ期待値が非常に大きくなりました。 |
ダメージ期待値と無力化率を比較してみました。 |
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今回の考察では弾丸射出式の銃器(軽/重機関銃)しか扱いませんが、擲弾筒や迫撃砲、戦術ミサイルなども支援火器に含まれます。 一般の歩兵が携行する銃器と比べて、より大きく、より重く、より強力であることが特徴でしょう。 歩兵の銃器よりも「破壊力がある(対戦車兵器など)」か「より遠くの敵を撃てる」ようにしたため、大きく、重くならざるを得ないのです。 テックレベル5〜6で主要な支援火器の地位を占めている、重機関銃について考えてみました。 プレイヤーズ・マニュアルと帝国百科に記述はありませんが、この支援火器は、重い架台に載せられていることが一般的ですし、照準器も標準装備です。 という訳で、重機関銃は「照準器+ジャイロ」付きのライフルである、とみなしても良いでしょう(私の独断)。 歩兵がボルトアクションやセミオートのライフルしか持っていない中、重機関銃だけが「照準器+ジャイロ」を装備し、フルオート射撃が可能な点は、とても重要です。 歩兵のライフルは、超遠距離で援護物に隠れた目標を撃つことができません(いくら撃っても命中を期待できません)。 しかし重機関銃は、同じ目標を狙い撃つことができるのです。 フルオート射撃が可能ですから、一撃で無力化することも期待できるでしょう。 具体的には、優秀なキャラクターに扱わせてダメージ期待値0.4、無力化率1.1%というわずかな数字ですが、撃たれる敵側は、超遠距離まで離れ、援護物に隠れていても安心できなくなった訳です。 敵が重機関銃を装備している場合、対峙する距離は遠方以上に離れなければならなくなりました。 色々と文献を調べていると、重機関銃が2〜4km先の目標を狙い、ピンポイントで命中させたという記述が見つかるのですが、MTにおいて、重機関銃の射程は超遠距離(〜500m)に制限されてしまっております。 納得しかねることなのですが、ルールに明記されているので諦めましょう。 個人的には、遠方(〜5km)までの射程があっても良いと思いますし、できれば、間接照準射撃も行ないたいくらいですが。 次は、テックレベル6〜9における支援火器の代表、軽機関銃を考えます。 「望遠照準器」が標準装備されているかどうかは、ちょっと分かりませんでした。超遠距離の射撃を行なう場合、とても便利な付属機器なのですけれど。 「照準器」を装備している場合のメリットは、重機関銃と同じですので省略。 中距離射撃における有用性、固定して使用するので自動的に「ジャイロ」装備扱いとなり、フルオート射撃が可能であることも省略して良いでしょう。 さて、テックレベル6では、貴重なフルオート火器(場合によっては速射も可能)として活躍した軽機関銃も、テックレベル7になり、歩兵全てが突撃ライフルを持つようになると、その重要性が低下してしまうのでしょうか。 いいえ、そんなことはありません。なぜなら、軽機関銃の減衰率は3だからです。 遠距離の射撃において、軽機関銃はまだ、貫通力3を発揮できるのです。 テックレベル7の歩兵は突撃ライフルと共にフラック・ジャケットを装備するようになりました。 フラック・ジャケットの装甲値は3ですから、突撃ライフルの銃弾が命中すると、至近距離〜中距離においては「部分貫通」、遠距離以上では「無貫通」になります。 「無貫通」の遠距離射撃がほとんど効かないことはすでに述べてきた通りですが、軽機関銃の場合、遠距離の射撃でも「部分貫通」を得られるのです。 遠距離で射撃戦を行なう場合、優秀なキャラクターの扱う軽機関銃1丁は、標準的なキャラクター10名の突撃ライフルに匹敵しますし、セミオートのライフルならば30名分の火力になりました。 軽機関銃を1丁でも持っている分隊は、軽機関銃を持たない分隊と比べ、遠距離で2〜4倍の火力を発揮できるということなのです。 近距離〜中距離の範囲まで接近できるならば、軽機関銃の利点を打ち消すことは可能ですが、果たして接近することは可能なのでしょうか。 支援火器にとって都合の良い距離帯、都合の良い状況ばかりで評価してきましたが、これらの銃器が活躍する場所は、このような遠距離/長遠距離での射撃戦にあります。 戦闘ライフルや磁気ライフルのような反則兵器を持っていればともかく、遠距離/超遠距離での銃撃戦を行なう情況になったら、速やかに、火力支援を要求してください。 また同時に、敵の支援火器の動向にも気をつけましょう。 目の前の敵兵を制圧/全滅させて喜んでいるところへ、突然、遠距離から銃弾が撃ち込まれ、味方が全滅する可能性があるのです。 |
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