The Best Weapon
57th stage (Air Force 5)
Strafing

最強兵器 決定戦
第57回(空軍5)
機銃掃射
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MEGA TRAVELLER
 


 

機影を見つけたら
    走ってげても無駄!
        何処
でもいいから隠れろ!


 地上に存在する部隊(ユニット)が高所から見下ろされた場合、その部隊が身を守る術はほとんどありません。
 屋根のある建物や樹木を除けば、ほとんどの地形は遮蔽物として機能しませんから、 地上に存在する部隊がそれらに身を隠すこともできないのです。
 このあたりの事情は前回の考察「空軍4、航空偵察」にて論じました。

 さて、高所を飛行する航空機から地上の部隊に対して視線が通るということは、 地上の部隊が射撃(直接照準射撃)を受ける可能性がある、ということでもあります。
 実際問題、航空機が何かしらの武装を持っていれば、それを地上に向けることは必然的な流れであり、 第一次世界大戦においても登場初期の航空機は、小型爆弾と機関銃で地上目標を攻撃していました。

 今回は、航空機から地上に対して行われる 機銃掃射(Strafing)について考察してみましょう。

 必要に応じたハウス・ルールも作成してみます。



 今回は表が膨大な数になってしまったので、不要な部分をスキップできるようにしました。 下記の目次を見て、必要な部分をクリックして下さい。

 目次
    ※機銃掃射の命中率
       (3)テックレベル5〜6の機銃掃射
       (4)テックレベル7の機銃掃射
       (5)テックレベル8〜11の機銃掃射
       (6)テックレベル12〜13の機銃掃射
       (7)テックレベル14〜15の機銃掃射
    ※援護物に隠れた目標への機銃掃射
       (2)テックレベル5〜6の機銃掃射
       (3)テックレベル7の機銃掃射
       (4)テックレベル8〜11の機銃掃射
       (5)テックレベル12〜13の機銃掃射
       (6)テックレベル14〜15の機銃掃射
    ※大きな目標への機銃掃射
       (2)テックレベル5〜6の機銃掃射
       (3)テックレベル7の機銃掃射
       (4)テックレベル8〜11の機銃掃射
       (5)テックレベル12〜13の機銃掃射
       (6)テックレベル14〜15の機銃掃射
    ※機銃掃射の貫通とダメージ

       (2)テックレベル5〜6の機銃掃射
       (3)テックレベル7の機銃掃射
       (4)テックレベル8〜11の機銃掃射
       (5)テックレベル12〜13の機銃掃射
       (6)テックレベル14〜15の機銃掃射
    ※結論





機銃掃射に使える兵器


 機銃掃射(Strafing)とは、
 機関銃で敵をなぎはらうように射撃すること
 なのだそうです(引用元は大辞林、三省堂)。

 その機関銃が地面や要塞に設置されていても、車輌に搭載されていても、航空機に搭載されていても構わない訳ですが、 此処での機銃掃射は、 高所を飛行する航空機から地上ユニットに対して行われる射撃、 直接照準射撃のことを指す、と定義しておきましょう。
 
 実際に「COACC」の中では、

> 機銃掃射は、機関銃射撃、オートキャノン射撃、
> レーザー射撃による、地上目標への航空攻撃です。


 という風に定義されておりました。
 英文では、Strafing=機関銃を使った航空機からの対地攻撃、という定義がなされていましたので、 上記の解釈でも問題がないようです。

 ちなみに「プレイヤーズ・マニュアル、p.70」の中には、

> 攻撃側が速度4で移動中のエアラフトに乗っており、
> 速度3で移動する動物(近距離)を撃つ場合、
> 命中判定に適用するDMは−7になるわけです。


 という移動DMの計算例が存在しますが、あれもフルオート射撃が可能な自動火器で行われているとするならば、 機銃掃射の一例だと考えることができるでしょう。




(1)機関銃の性能諸元

 機銃掃射に使える兵器を「レフリーズ・マニュアル、p.79」と 「COACC、p.69」から抜粋し、一覧表にまとめてみました。
 まずは、口径20mm未満の機関銃(Machinegun)から。


       表1 航空機搭載用の機関銃(レフリーズ・マニュアル)

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 表の左端が武器名で、すぐ下に並記されている数字は弾薬1単位の弾数。
 一番上には重中軽、3種類の機関銃が並んでいます。 航空機に搭載することが前提なので、重い架台や冷却装置は無しで計算しました。 これらの機関銃はTL5〜6で利用可能になります。
 その下がガトリング銃。口径は5.5mmと7mmの2種類。この2つはTL7から利用可能。
 TL8でも2種類のガトリング銃が掲載されていましたが、数値がほとんど変わらないので省きました。
 最後は速射磁気砲(VRF)で、これはTL10にならなければ利用できません。

 武器名の右に書かれている数値は出力(kw)で、 その武器を使用するために必要な電力を表しています。
 ガトリング銃速射磁気砲だけしかデータがありません。

 更に右の欄は容積(Little)重量(kg)
 上段が銃本体のデータ、下段は弾薬(ベルト他)のデータです。

 その右側は価格(KCr)
 この欄も上段が銃本体のデータ、下段は弾薬(ベルト他)のデータです。
 速射磁気砲は桁違いに高価であることが確認できました。

 その右は貫通力/減衰ダメージの欄です。
 貫通力やダメージから考えて、 対人攻撃や非装甲車輌を攻撃するのであれば、機関銃ガトリング銃で十分ですが、 装甲車輌を攻撃する場合は速射磁気砲が必要だと言えるでしょう。
 それほど速射磁気砲の貫通力は圧倒的なのです。

 射程(km)は、超遠距離(0.5km)と遠方(5km)、超遠方(50km)の三段階に別れていました。
 機関銃が超遠距離(0.5km)まで、ガトリング銃が遠方(5km)まで、 速射磁気砲が超遠方(50km)まで、という具合です。
 「レフリーズ・マニュアル」に掲載されている通りですが、 個人的にはガトリング銃の射程が長すぎると思っています。
 「COACC」のルールでは、機関銃の射程が0.5km (500mマスのスケールで1マス)だと決まっておりました。
 メガトラの戦闘ルールで機銃掃射を行う場合、 (ガトリング銃を含む)機関銃の最大射程は超遠距離(0.5km)に限る、としても良いような気がします。
 もちろん、速射磁気砲は例外ですが。

 フルオート目標数は、機関銃の射撃速度を表しています。
 詳しくは、後述。




(2)機関砲の性能諸元

 次は、口径20mm以上のオート・キャノン(Autocannon)


     表2 航空機搭載用の機関砲(レフリーズ・マニュアルとCOACC)

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 表の左端が武器名であることは、表1と同様。
 上から口径の小さい順に、各種のオートキャノンを並べました。
 口径20mmと30mmのオートキャノンは「COACC」だけに掲載されていたものです。
 銃身の数で幾つかのバリエーションが存在し、それらは単銃身3銃身6銃身の3つでした。
 その下に並べたものは、 「レフリーズ・マニュアル」に掲載されているオートキャノンで、 口径は40mmと60mmです。
 この2つは「COACC」において、中口径の対空砲(Medium AAA)として扱われており、 その給弾方式がクリップ(Clip)式で、そのクリップの弾数がそれぞれ10発、5発だと記載されていたため、そのようにしました。
 最後は表1にも載せた速射磁気砲です。 重量や価格をオートキャノンと比較するため、同じデータを掲載することにしました。

 出力(kw)はその武器を使用するために必要な電力を表している訳ですが、 速射磁気砲だけしか数値がありません。
 他のオートキャノンは射撃を行う際、外部電力を必要としないようです。 少し疑問を抱かないこともないのですが、ルールがそうなっている以上は仕方がありません。
 納得いかないのであれば、それぞれのオート・キャノンに5〜60kwの消費電力を追加すべきでしょう。 20mmのオート・キャノンは銃身1つ当たり5kw(単銃身で5kw、6銃身で30kw)、 30mmのオート・キャノンは銃身1つ当たり10kw(同じく10〜60kw)という計算で。

 容積(Little)重量(kg)は、 この表でも上段が砲本体のデータ、下段が弾薬(クリップ他)のデータです。
 「COACC」に容積の概念は存在しませんから、 「COACC」だけに掲載されている武器には、容積のデータがありません。
 速射磁気砲の容積を参考にするのであれば、 オート・キャノンの容積は重量1kg当たり1リットルだと考えるべきでしょう。
 それにしても、口径30mmのオート・キャノンが、異様に軽過ぎるのではないでしょうか。 あまり重くし過ぎると今度は口径40mm以降とのバランスが取れなくなるので、調整は難しい問題ですが。

 価格(KCr)も上段が銃本体のデータ、下段は弾薬(ベルト他)のデータ。
 20〜30mmのオート・キャノンはとても高価でしたが、 速射磁気砲は桁違いに高価であることが確認できました。

 貫通力/減衰ダメージに不自然な数値はありません。 HEは榴弾、KEAPは徹甲弾を表す略号ですが、概ね、妥当な数字だと思います。
 ちょっと気になる点は、20mmのオート・キャノンの榴弾貫通力が、 単銃身の場合は「1」、3銃身と6銃身は「2」になっているところでしょうか。
 この違いについてはエラッタも見つかりませんでしたから、 テックレベルの違いが貫通力の違いをもたらしている、と解釈すべきなのだと思われます。 TL7以上の20mmオート・キャノンであれば、単銃身でも榴弾の貫通力を「2」に上げるべきでしょう。

 射程(km)は「COACC」のルールで、 オート・キャノンが1.5km(500mマスで3マス)です。
 ですから20mmと30mmのオート・キャノンの射程は1.5kmとしておきました。
 40mmと60mmのオート・キャノンは「レフリーズ・マニュアル」の表より、 遠方(5km)と超遠方(10km)です。
 かなり遠くまで撃てる訳ですが、機銃掃射直接照準射撃ですから、 視線を結ぶことが可能で、視認できる目標でなければ、射撃することができません。
 対人攻撃であれば3km、対車輌攻撃であれば6kmが最大射程距離となる筈です。 最大視認距離については、前回の考察「空軍4:航空偵察」を御覧下さい。

 フルオート目標数は、オート・キャノンの射撃速度を表していますが、 20mmと30mmのオート・キャノンの場合、3銃身と6銃身のフルオート目標数が異常です。
 実は単銃身のオート・キャノンも少し不自然です。
 このあたりも後で考察することにしておきましょう。
 40mmのオート・キャノンは射撃速度が「1,500発/分」ということなので、 「レフリーズ・マニュアル、p.82」の「36.フルオート射撃数」の表より目標数が「7(射撃速度1,280発/分以上)」、 60mmのオート・キャノンは射撃速度が「930発/分」ですから目標数が「6(射撃速度640発/分以上)」となりました。
 これも詳しくは、後述。




(3)レーザー砲の性能諸元

 今度は、エネルギー兵器であるレーザー砲(Laser)を考えてみます。


      表3 航空機搭載用のレーザー砲(レフリーズ・マニュアル)

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 表の左端は今回も武器名ですが、思うところがあって並べ方を変えました。
 「レフリーズ・マニュアル、p.80」の ビーム・レーザーパルス・レーザーの中から 出力=0.5Mw〜10Mwのものだけを抜き出して、1つの表に纏めてしまったのです。
 データの並べ方は出力(Mw)の小さい順。
 同じ出力のものが存在する場合は、貫通力の小さいものを上にしました。
 ビーム・レーザーパルス・レーザーの違い、 出力と貫通力の関係、経済性などを考察するためですが、意外と面白い結果が出ています。

 レーザーの出力メガワット(Mw)単位になりました。
 前述の通り、その範囲は0.5〜10Mwのものを抜き出してあり、その出力が小さい順に並べてあります。

 その右側に書かれたデータは容積(Little)重量(kg)です。
 更に右側に、価格(KCr)貫通力/減衰ダメージ射程(km)フルオート目標数を示しました。



 「レフリーズ・マニュアル、p.80」では2つの表に別れていたため分かり難かったことでしたが、 両者を並べることで幾つかの事柄が一目瞭然となりました。
 まず、TL8とTL13のビーム・レーザー(出力=0.5Mw)と、 TL8とTL13のパルス・レーザー(出力=1.0Mw)は、 基本的に同じものであり、1つのグループに纏められます。
 これらは、容積=30リットル、重量=30kgという点が完全に一致していますし、価格もほぼ同じ、射程も同じ。
 異なる点は、貫通力とダメージ、フルオート目標数の3つだけでした。

 その違いをもたらす要因について考えてみましたが、まずはテックレベル。
 テックレベルが8から13に上がることで、レーザーの貫通力とダメージが+1ずつ増えています。
 この性能向上はテックレベルの上昇に伴うもので、何のデメリットもありません。 テックレベルの高いレーザーを利用できるのであれば、そちらを選択すべきだと思われます。

 もうひとつの要因は、ビーム・レーザーパルス・レーザーの違いでしょう。
 ビーム・レーザーの出力は0.5Mwで、パルス・レーザーの出力は1.0Mwですから、 パルス・レーザーの出力は、ビーム・レーザーの2倍である、と言えるようです。
 その出力の違いが、貫通力(パルス・レーザーの方が1つ大きい)と フルオート目標数(同じく1つ多い)の違いを作り出していました。
 レーザー砲で消費される電力(=出力)を2倍にした代償が、貫通力+1とフルオート目標数+1にしかならないというのは、 果たして武器の性能として見合っているのかどうか大いに疑問です。
 ほんの+1だけ増えた貫通力にどれだけ意味があるのでしょうか。
 確かにメガトラの戦闘ルールにおいて、 貫通力1の違いで貫通状態が異なる(無貫通と部分貫通、あるいは部分貫通と完全貫通で別れる)ことは有り得ます。 ですが、そういった状況が頻繁に発生するとは思えません。
 つまり、貫通力+1は大きなメリットと成り得ない訳です。
 また、フルオート目標数の+1ですが、これも大したメリットではないでしょう。 消費電力が2倍になるということは、パルス・レーザー1門と同じ消費電力で、 ビーム・レーザー2門を賄えるということでもあります。
 命中判定の回数が3回(=基本1+追加2)のビーム・レーザー2門と、 命中判定の回数が4回(=基本1+追加3)のパルス・レーザー1門を比べた場合、 どちらがより多くのダメージを目標に与えられるのでしょうか?

 上記2つの理由から、私は低出力のパルス・レーザーに対して否定的な考えを抱いてしまいました。
 搭載容積や重量制限の関係で、ビーム・レーザー2門を載せるより、 パルス・レーザー1門を搭載する方が、 小型軽量、安価で済む、というぐらいしか、パルス・レーザーのメリットが見つからないのです。

 携帯式のエネルギー火器、レーザー・カービンやレーザー・ライフルと比べることが正しいかどうか分かりませんが、 テックレベル8のレーザー・カービンでさえ、貫通力が7ありました。 携帯式レーザーのダメージは3ですから、ダメージ4〜5のレーザー砲は若干、威力が大きいようです。
 しかし重量30kgの車載レーザー砲が携帯式のレーザー・カービンに優るところは、 射程と射撃速度(フルオート目標数)くらいしかないのでしょうか。
 私が出力=0.5〜1.0Mwのレーザー砲を肯定的に見られない理由は、このあたりにもありそうです。



 次のグループは、TL8のビーム・レーザー(出力=1.0Mw)と、 TL8のパルス・レーザー(出力=2.0Mw)
 この2つは容積=70リットル、重量=70kgとなって、貫通力は10〜12、ダメージは5で同じ、フルオート目標数は2〜3となっています。
 パルス・レーザーのメリットは、貫通力+2とフルオート目標数+1だけでした。
 やはりパルス・レーザーの旨味は少ないようです。
 貫通力は10〜12という範囲なので、携帯式のレーザー銃(TL8)よりは貫通力が大きくなりました。 ダメージは5で、こちらもわずかに大きくなっています。
 あまり魅力的な性能ではありませんが、 これらは車載式のレーザー機関銃(レーザー・カービンやレーザー・ライフルの自動火器版)だと思えば良いのでしょうか。



 最後のグループは、TL8とTL13のビーム・レーザー(出力=5.0Mw)と、 TL8とTL13のパルス・レーザー(出力=10Mw)です。
 これら4つは容積=330リットル、重量=330kgという点で共通しており、その貫通力は28〜33、ダメージは10〜12。
 一気に貫通力とダメージが大きくなりました。



 ところで、レーザー砲には電力を供給するパワープラント(動力源)が必要です。
 表3で示したレーザー砲の諸元には、パワープラントの容積、重量、価格が含まれておりません。
 火薬式の機関銃オート・キャノンは 一部の例外を除けば外部動力なしで射撃することが可能ですし、それらの例外も必要とする電力は極僅か(1〜4kw)でした。 電力供給は大した負担にはなりません。
 しかし、レーザー砲は電力供給が不可欠であり、最低でも0.5Mwが必要となります。 必然的にパワープラントも大きく重くなりますから、それらを含めないわけにもいかないでしょう。

 レーザー砲に必要なパワープラントの容積、重量、価格を加えて、表3を作り直してみました。
 テックレベル8のレーザー砲はMHDタービン、 テックレベル13のレーザー砲は出力135kwの燃料電池(Fule Cell)をパワープラントとして選択してあります。


      表4 航空機搭載用のレーザー砲(レフリーズ・マニュアル)

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 容積(Little)重量(kg)価格(KCr)のデータを、 パワープラント付きの数値に変更しました。他のデータに変更はありません。
 なのですが、その変更結果は上記の通りです。



 最初のグループ、TL8とTL13のビーム・レーザー(出力=0.5Mw)と、 TL8とTL13のパルス・レーザー(出力=1.0Mw)は、 パワープラント込みの重量が525〜1,697kgになりました。
 物凄く重いと思います。どうやっても車載式しか有り得ません。
 携帯式のレーザー銃は、射程と射撃速度を除けば、 これらのレーザー砲とほぼ同じ威力を重量10〜20kgで実現している訳で、 改めて考えてみれば物凄いことでした。どういった動力源(バッテリー?)を用いているのやら。

 後述しますが、「COACC、p.58」に掲載されているレーザー・ポッド(Laser Pod)は重量=1,500kgです。
 出力0.5Mwのビーム・レーザー1門を搭載しており、 それを1時間連続で射撃するだけの燃料(350L)も搭載していますが、明らかに重すぎです。



 次のグループ、TL8のビーム・レーザー(出力=1.0Mw)と、 TL8のパルス・レーザー(出力=2.0Mw)は、パワープラント込みの重量が1,737〜3,403kgになりました。
 「COACC」の航空機用外装ポッドには重量制限がありますので、 このサイズ(威力)のレーザー砲を航空機に搭載することは難しいようです。



 最後のグループ、TL8とTL13のビーム・レーザー(出力=5.0Mw)と、 TL8とTL13のパルス・レーザー(出力=10Mw)は、 パワープラント込みの重量が5,033〜16,997kgになりました。



 参考として、「COACC」の航空機用ガン・ポッドの性能諸元を以下に転載しておきます。 幾つかデータの抜けがありますが、原書でも抜けているデータですので諦めてください。


         表5 ガン・ポッドの性能諸元(「COACC」)

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 航空機の胴体下、もしくは翼下に懸架するタイプの外装式ガン・ポッドです。
 口径7mmのガトリング銃、口径20mm〜30mmのオート・キャノンと、 出力0.5Mwのビーム・レーザーを搭載したポッドが掲載されていました。

 表の左端が武器名
 その下に書かれている数字は、ポッド内に装填されている弾丸数で、 括弧内の数字はその弾丸を使い切るまでの射撃回数です。
 最低でも4回、多いもので20回の射撃が可能になっていました。
 レーザー・ポッドは1時間の連続射撃ができますから、常に射撃目標が射程内に存在するのであれば 最大で毎分10回、1時間で600回の射撃が可能でしょう。
 射撃回数が600回とは何とも羨ましい話ですが、レーザー・ポッドはあらかじめタービン発電機を回しておかないと射撃できません。
 戦闘が予想される場所、戦場へ入る数分前から発電機を回す必要がありますので、実際の射撃回数はもっと少ないことになりそうです。
 MHDタービンの始動には最低でも45秒が必要ですから、不意討ちへの反撃にレーザー・ポッドを使うことも難しいでしょう。

 出力(Mw)はレーザー・ポッドだけに記載された数値ですが、 レーザー砲に必要な電力はポッド内部の発電機で賄われるため、外部から供給する必要はありません。
 あくまで、レーザー出力を表すために記載した数値です。

 容積(Little)は「COACC」なので該当データが存在しません。

 重量(kg)は、150kg〜1,500kgの範囲でした。
 レーザー・ポッドが一番重くなっていますが、これは表4の重量からも予想できることです。
 それよりも、単銃身の20mmオート・キャノン+弾丸200発の重量が400kgで、 3銃身の20mmオート・キャノン+弾丸300発の重量が300kgというデータには納得がいきませんでした。
 表2から計算してみたところ、20mmオート・キャノンは銃本体の重量が200kgで、弾丸200発の重量は80kg、 合わせて280kgとなります。ガン・ポッドの重量は400kgですから、差分の120kgが外装などの重量になるのでしょう。
 それに対して、3銃身の20mmオート・キャノンは銃本体の重量が220kgで、弾丸300発の重量は120kg、 合わせて340kgとなりました。ガン・ポッドの重量300kgの中にはどうやっても納まりません
 前者の単銃身はともかくとして、後者の3銃身は不自然な重量ですから間違っていることが確実なのですが、エラッタ情報がないのです。
 参考とするため他の2つも計算してみましたが、 6銃身20mmオート・キャノン+弾丸1,200発の合計重量は790kg(ガン・ポッドは750kg)、 6銃身30mmオート・キャノン+弾丸400発の合計重量は690kg(ガン・ポッドは850kg)、 となりました。
 納得がいかないことばかりです。

 価格(KCr)はガン・ポッドの価格ですが、こちらは分かり易い数値でした。
 ガトリング銃ビーム・レーザーのガン・ポッド価格は不明ですので、 残念ながら検証不能。
 単銃身の20mmオート・キャノン+弾丸200発の価格は4.8kcr(ガン・ポッドは5.0kcr)
 3銃身の20mmオート・キャノン+弾丸300発の価格は7.0kcr(ガン・ポッドは7.2kcr)、 6銃身20mmオート・キャノン+弾丸1,200発の価格は10.0kcr(ガン・ポッドは10.4kcr)
 6銃身30mmオート・キャノン+弾丸400発の価格は21.0kcr(ガン・ポッドは21.6kcr)
 差分の0.2〜0.6kcrはポッドの外装費用でしょう。

 貫通力/減衰ダメージ射程(km)フルオート目標数は表1〜表3と同じデータなので、考察を省略しました。

 「COACC」に掲載されていたガン・ポッドのサンプルは上記の通りです。
 銃器の口径や搭載弾数等を参考にして下さい。




(4)射撃速度とフルオート目標数

 自動火器は、複数の弾丸を連続で発射することにより、通常の命中判定に加えて複数回の命中判定を行うことが出来ます。
 その回数は「プレイヤーズ・マニュアル」等の武器表に記載されている フルオート目標数の通りである筈ですが、 「レフリーズ・マニュアル、p.86、36.フル・オート射撃数」の数値と見比べてみたところ、 若干の食い違いが見つかりました。


           表6 射撃速度とフルオート目標数

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 表の上半分が「プレイヤーズ・マニュアル」に掲載されていた 射撃速度フルオート目標数で、 表の下半分が「レフリーズ・マニュアル、p.86」に掲載されていた 射撃速度フルオート目標数です。



 レフリーズ・マニュアル射撃速度は、 1分間当たりの発射弾数(発/分)という形で表現されていました。
 メガトラの場合、1分=10戦闘ラウンド、1戦闘ラウンド=6秒、という時間単位になっております。
 ですから1分間当たりの発射弾数を10で割れば、1戦闘ラウンド当たりの発射弾数を簡単に求められますし、 それは「プレイヤーズ・マニュアル」に掲載されていた 射撃速度の数字(発/ラウンド)と一致する筈でした。

 実際、プレイヤーズ・マニュアルにおいて射撃速度が4発/ラウンドの場合、 フルオート目標数は2回で、命中判定の回数は3回でした。
 レフリーズ・マニュアルにおいても射撃速度が40発/分=4発/ラウンドの場合、 フルオート目標数は2回で、命中判定の回数は3回ですから、 ここだけは一致しているのですが、それ以降は両者の数字が一致しません。



 フルオート目標数=3の欄で見比べてみると、 プレイヤーズ・マニュアルの場合は射撃速度=10発/ラウンドが必要で、 レフリーズ・マニュアルの場合は射撃速度=80発/分=8発/ラウンドで十分なのです。
 何故か射撃速度に2発の差が生じてしまいました。

 次にフルオート目標数=4の欄で比べるならば、 プレイヤーズ・マニュアルは射撃速度=20発/ラウンドで、 レフリーズ・マニュアルは射撃速度=160発/分=16発/ラウンドとなっています。
 今度は射撃速度に4発の差が生じました。

 基本的に、
 フルオート目標数を1つ増やすためには、射撃速度を2倍にしなければならない。
 あるいは、
 射撃速度が2倍になると、フルオート目標数が1つ増える。
 というルールになっている訳です。
 その部分に関しては、 プレイヤーズ・マニュアルレフリーズ・マニュアルも同じでした。
 違っているのは、フルオート目標数=3になるため必要な射撃速度が、 10発/ラウンド80発/分=8発/ラウンドという点だけでしょう。



 プレイヤーズ・マニュアルのフルオート目標数が「1発=0、4発=2回、10発=3回」となっているのは、 CT版のルールを引き継いでいるからだと思います。 CT版のフルオート射撃は「10発=3回」までしか存在していませんでしたが、 その流れでプレイヤーズ・マニュアルに「20発=4回」が追加されてしまったのでしょう。



 その一方でレフリーズ・マニュアルは、 射撃速度が2倍になると、フルオート目標数が1つ増える、というルールに従って、 射撃速度を決めているのだと思われます。
 射撃速度=1発/ラウンドは射撃速度=10発/分に等しいですから、フルオート目標数は「1発=0回」。
 射撃速度を2倍にすれば射撃速度は2発/ラウンド(=20発/分)なので、フルオート目標数は「2発=1回」。
 射撃速度を4倍にすれば射撃速度は4発/ラウンド(=40発/分)なので、フルオート目標数は「4発=2回」。
 レフリーズ・マニュアル、p.86の表中に射撃速度=20発/分というデータはありませんが、 もし存在するとしたならば、そのフルオート目標数は「1回」になるでしょう。
 射撃速度とフルオート目標数の関係は、きちんと等比数列を成していますから、 フルオート目標数が「2発=1回」となっていてもおかしくないのです。

 同じようにして、射撃速度が4発/ラウンド(=40発/分)以降のフルオート目標数を求めていくと、
 射撃速度が8倍、8発/ラウンド(=80発/分)になると、フルオート目標数は「8発=3回」、
 射撃速度が16倍、16発/ラウンド(=160発/分)になると、フルオート目標数は「16発=4回」、
 射撃速度が32倍、32発/ラウンド(=320発/分)になると、フルオート目標数は「32発=5回」、
 射撃速度が64倍、64発/ラウンド(=640発/分)になると、フルオート目標数は「64発=6回」、
 射撃速度が128倍、128発/ラウンド(=1,280発/分)になると、フルオート目標数は「128発=7回」、
 という数値になりました。

 射撃速度が2倍になると、フルオート目標数が1つ増える、というルールに間違いがないことを確認できました。
 表2で示した口径40mmと60mmのオート・キャノンも、射撃速度が「1,500発/分」と「930発/分」ですから、 それぞれ「射撃速度1,280発/分以上=128発/ラウンド以上=7回」、「射撃速度640発/分以上=64発/ラウンド以上=6回」に該当するので、 フルオート目標数が「7回」と「6回」になるのです。



 個人用携帯火器については、プレイヤーズ・マニュアルの記述(ルール)、 フルオート目標数が「1発=0、4発=2回、10発=3回、20発=4回」に従えば良いと思います。
 フルオート目標数が「3回」の時に消費される弾数が10発と8発ですから、余計に2発の弾丸を発射してしまうというだけです。
 長期的には弾薬消費量が2割も違ってきますが、個人が参加する小規模な戦闘では大きな問題も起こらないでしょう。
 車載用の重火器や大砲の場合はレフリーズ・マニュアルの表(ルール)、 フルオート目標数が「1発=0、4発=2回、8発=3回、16発=4回」を使っても構わないと思います。

 少しでも自分を有利にしたいと考えるプレイヤーの中には、
「俺の磁気ライフルは特別製で、
 フルオート射撃でも8発しか弾丸が出ないようにカスタマイズしてある。
 だから40発入りの弾倉で、フルオート目標数3回の射撃を5回できるんだ」

 と主張する方が居るかも知れませんが、そうした場合はレフリーの裁量で判断(許可or却下)して下さい。




(5)多銃身オートキャノンとフルオート目標数

 さて、ここで問題がひとつ。
 表2を見た時点で気付いた方もいらっしゃるでしょうが、 「COACC」に掲載されているオート・キャノンは、 そのフルオート目標数が異常です。

 具体的には、単銃身のオート・キャノンのフルオート目標数が「2」、 3銃身と6銃身のオート・キャノンのフルオート目標数が「7」と「15」になっていました。



 まずは最も違和感の強い、フルオート目標数「15」から考えてみましょう。
 表6へ示してある通り、「レフリーズ・マニュアル、p.82」の表に掲載されている射撃速度の最大値は、 毎分1,280発(=128発/ラウンド)までであり、対応するフルオート目標数も「7回」までしかありません。
 この「15回」というフルオート目標数は、一体、何処から出てきた数字なのでしょうか?
 それをはっきりさせておかないと、気持ち悪くて先へ進めません。

 自然な流れとして、射撃速度が毎分1,280発よりも更に早いためフルオート目標数が増えた、という理由を思いつきました。
 しかし、フルオート目標数が「15」になるためには、どれだけの射撃速度を実現しなければならないのでしょうか?
 射撃速度が2倍になるとフルオート目標数が1つ増えるというルールに従って、 毎分1,280発よりも大きい射撃速度について、フルオート目標数を計算で求めてみました。


           表7 射撃速度とフルオート目標数

BW57_Fig07.gif - 12.4KB

 今度は表の上半分が「レフリーズ・マニュアル」に掲載されていた 射撃速度フルオート目標数、 表の下半分が計算で求めた射撃速度フルオート目標数です。

 ご覧の通り、フルオート目標数で「15回」を得るためには、 その射撃速度を毎分327,680発(=32,768発/ラウンド)まで大きくしなければなりません。
 しかし、そんな射撃速度を持った機関銃は私の知る限り存在しませんし、 1戦闘ラウンド(=6秒間)で32,768発の弾丸を発射することも無理でしょう。
 そもそも、それだけの弾丸を航空機に搭載することすらできません。
 6銃身のオート・キャノンがフルオート目標数「15回」の射撃をできる、 とした「COACC」のルールには、何か裏がありそうです。

 この謎を解決するため、「COACC」の中に記されている射撃戦闘ルールの中から、 関連しそうな情報を探してみました。

>・機関銃1門は、
> 1回の射撃で10発の銃弾を発射(消費)します。
>・単銃身のオートキャノン1門は、
> 1回の射撃で10発の銃弾を発射(消費)します。
>・3銃身のオートキャノンは、
> 1回の射撃で50発の銃弾を発射(消費)します。
>・6銃身の機関銃やオートキャノンは、
> 1回の射撃で100発の銃弾を発射(消費)します。


 1回の射撃で発射(消費)される弾丸の数は、上記の通りだそうです。
 意外と分かり易い数字が見つかって有難いのですが、この数字はまた別の問題を呼び起こしてしまいました。



 「COACC」に掲載されている機関銃オート・キャノンは、 1回の射撃で10発〜100発の弾丸を発射(消費)する訳ですから、1戦闘ラウンド当たり10発〜100発の射撃速度を備えていると考えられます。
 早速、その射撃速度を表6、あるいは表7に当て嵌めてみましょう。

 1回の射撃で10発の弾丸を発射(消費)する単銃身のオート・キャノンは、 射撃速度で毎分80発+(=8発/ラウンド)の欄を参照することになりました。
 その欄のフルオート目標数は「3」で、命中判定の回数は「4回」。
 おや? 表2に掲載されていた、単銃身のオート・キャノンのフルオート目標数は「2」でしたね。
 フルオート目標数が1つ少ないようです。

 1回の射撃で50発の弾丸を発射(消費)する3銃身のオート・キャノンは、 射撃速度で毎分320発+(=32発/ラウンド)の欄を使いますので、フルオート目標数は「5」、命中判定の回数は「6回」。
 表2に掲載されていた、3銃身のオート・キャノンのフルオート目標数は「7」でしたから、 此処でも微妙に数値が食い違っています。

 1回の射撃で100発の弾丸を発射(消費)する6銃身のオート・キャノンは、 射撃速度で毎分640発+(=64発/ラウンド)の欄で、フルオート目標数は「6」で、命中判定の回数は「7回」。
 表2に掲載の6銃身オート・キャノンはフルオート目標数が「7」ですから、やはり違っていました。
 どういった理由で、上記のような食い違いが生まれてしまったのでしょうか?



 再び「COACC」の射撃戦闘ルールを読み直します。
 すると、以下のような記述が見つかりました。

> 機銃の数だけ、あるいは、機銃の銃身の数だけ
> 「機銃掃射」の行為判定を行って下さい。
> 例えば、単銃身のオートキャノン2門が射撃を行うのであれば、
> 1目標当たり2回の命中判定を行います。
> 6銃身のオートキャノン1門が射撃を行うのであれば、
> 1目標当たり6回の命中判定です。


 なんと、銃身の数だけ(the number of guns or gun barrels firing.)命中判定のサイコロを振るのだそうです。
 航空機には 同口径の機関銃オート・キャノンを多数搭載したものが目立ちますから、 単銃身の機関銃オート・キャノンの複数搭載に適用することは理解できます。
 しかし、同じルールを多銃身のオート・キャノンにまで適用するのは、ちょっと強引ではないでしょうか?

 更に、上記の命中判定に加えて、銃器表の中に記載されている「フルオート目標数」が巻き添えの命中判定として追加されるそうです。
 ですから単銃身のオート・キャノンは「2回」を、 3銃身は「7回」を、6銃身は「15回」を上記の命中判定回数に追加して下さい。

 分かり易く表に纏めると、以下のようになりました。


           表8 射撃速度とフルオート目標数

BW57_Fig08.gif - 9.43KB

 「COACC」に掲載されている 機関銃オート・キャノンについて、 その命中判定の回数を示しました。
 表の上半分は主目標に対する命中判定の回数で、 表の下半分が巻き添え命中の回数を加えた命中判定の回数です。
 弾丸の消費量から求めた射撃速度も載せておきました。

 明らかに不自然な数字です。
 上記のような「COACC」独特のルールは、メガトラの「プレイヤーズ・マニュアル」、 「レフリーズ・マニュアル」のフルオート目標数と一致していません。
 「COACC」で作った航空機だけしか登場しない戦闘ならばともかく、 個人用の携帯銃器、輸送機器設計ルールで作った車輌、宇宙船、砲台等が登場する戦闘の場合は、 同じタイプの銃器でもフルオート目標数が異なるため、困ったことが起こりそうです。

 そのような場合は、「COACC」のフルオート目標数を、「プレイヤーズ・マニュアル」や 「レフリーズ・マニュアル」の数値に合わせるべきでしょう。
 そうすれば、フルオート目標数の食い違いを悩まずに済みます。



 オート・キャノンのフルオート目標数を、 その射撃速度から「レフリーズ・マニュアル」のフルオート目標数に合わせたところ、 表2のオート・キャノン、表5のガンポッド性能諸元は、以下のように変わりました。


   表9 航空機搭載用の機関砲(表2のフルオート目標数を修正したもの)

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 フルオート目標数以外の数値は、表2と同じです。


   表10 ガン・ポッドの性能諸元(表5のフルオート目標数を修正したもの)

BW57_Fig10.gif - 9.07KB

 これもフルオート目標数以外の数値は、表5と同じです。



 機銃掃射に用いる兵器、機関銃オート・キャノンレーザー砲の性能評価が終わりましたので、今度は命中判定について考察を進めたいと思います。





機銃掃射の命中率


 此処からは、機銃掃射の命中判定に関する考察を行います。



 表1〜表3へ示した通り、機関銃オート・キャノンレーザー砲の最大射程は超遠距離(〜0.5km)から遠方(〜5km)、超遠方(〜50km)まで様々でした。
 航空機は移動の途中、任意の地点で地上目標に対して機銃掃射を行える訳ですが、 その射界(射撃可能な範囲)には、ハウス・ルールで若干の制限を設けています。



回転砲塔(Turret):

 機首の下に回転砲塔を備えた対戦車ヘリの如く、 機体下部に回転砲塔を備えた航空機は、 任意の方向へ機銃掃射を行うことが可能です。
 その砲塔の取り付け位置によって撃てない方向/角度が存在すると思われますが、そのあたりは常識で判断して下さい。

 反重力戦車トレピダのように、 機体上部に回転砲塔を備えた航空機は、 機体を傾斜させた方向(左右のどちらか)の地上目標にしか機銃掃射を行うことができません。
 緩やかな旋回でも急旋回でも構いませんが、右旋回を行っていたら右方向に存在する地上目標、 左旋回を行っていたら左方向に存在する地上目標に対してのみ、機銃掃射を行えるということです。
 その範囲は角度として120度(前方30度と後方30度を除いた側面の全域)だとしておきます。 但し、機体の傾斜角度の問題から、下向き45度までの目標しか狙い撃つことができません。
 航空機の高度が1レベル(=150メートル)であれば、水平距離で1マス以上離れている目標でなければ撃つことができず、 高度が2レベル(=300メートル)であれば、2マス以上離れている目標でなければ撃てない、ということです。
 それより近く(高度1レベルであれば同じマス、高度2レベルであれば1マス以内)に存在する地上目標は、死角に入っていると考えて下さい。
 前方の地上目標については、後述する前方固定銃の制限に従います。

 機体後部に回転砲塔を備えた航空機は、 後方120度(真後ろを基準にして左右60度ずつの範囲)に存在する地上目標に対して機銃掃射を行うことができます。
 但し、機体の傾斜角度の問題から、下向き45度までの目標しか狙い撃つことが出来ません。
 また、水平飛行時か上昇時にしか、その砲塔に搭載した兵器を機銃掃射に用いることが出来ないことにしました。 降下中に地上目標を撃つことは出来ない、ということです。



可動銃(Flexible Mount):

 砲塔ほど広くはありませんが、ある程度の可動範囲を持たせて装備されている銃器が可動銃です。
 第二次大戦中の爆撃機が針鼠のように装備した機関銃、 戦後の回転翼機が機体側面のドアを開けて撃つ機関銃、 などがそれに該当するでしょう。

 可動銃の射界は、それが設置された方向を基準として左右45度、合計90度の扇形の範囲であるとします。
 機体の前方に設置されていれば上記の通り左右45度の範囲、 機体の左右に設置されていれば前方45度から後方45度までの範囲を撃つことができるのです。
 右前方45度を基準として設置すれば、真正面(前方0度)から真横(90度)の範囲を撃つこともできます。
 但し、自分より低い位置に存在する地上目標を狙い撃つため、 下向き45度までの目標しか狙い撃つことができない、という制限も課せられていますので御注意下さい。
 それでも、左右の地上目標を機銃掃射する際に旋回をしなくても良いという点は有難いことでしょう。

 上向き45度に設置して斜め上銃として用いることも有り得ます、 機銃掃射に使うことができませんから、此処では取り扱いません。
 下向き45度の角度で設置された斜め下銃については聞いたことがありませんが、 地上目標に対する機銃掃射を専門とするのであれば「有り」でしょう。
 斜め下銃の場合は、航空機の真下を撃つことも可能です。



固定銃(Fixed Mount):

 航空機に特定の方向(その多くは前方)に向けて搭載され、 機体自身を動かすことで照準を合わせる機関銃固定銃です。
 機体を動かして照準を合わせるという都合上、パイロットが射手(砲手)を兼ねることになりますが、 余分な乗組員(専門の砲手)を乗せる必要がありません。
 そのため1人乗りの航空機では前方固定銃が一般的な武装となっています。

 前方固定銃機銃掃射を行う場合は、 航空機の機首を下げなければなりません。
 それを再現するため、機銃掃射を行っている間は、 少なくとも1高度レベルを下げなければいけない(降下しなければいけない)、 ということにしておきます。
 実はこのルール、「COACC」では 機銃掃射爆撃を含めた全ての地上攻撃を対象としていたのですが、 流石に不自然だったので、私のハウス・ルールでは 前方固定銃による機銃掃射のみに限定しました。
 回転翼機が前方固定銃機銃掃射を行う場合については、 レフリーの裁量にお任せします。

 機首を下げていても、その射界は下向き45度程度にしかなりません。
 ですから今回も、下向き45度までの目標しか狙い撃つことができない、という制限に従って下さい。



最大射程(Max Range):

 機銃掃射に用いる兵器は、機関銃オート・キャノンレーザー砲などがあります。
 それぞれの兵器は最大射程を持っていますから、 航空機から目標までの距離が最大射程以下であることを確認して下さい。



 射界と最大射程距離の問題をクリアしたのであれば、次は命中判定です。




(1)機銃掃射の命中率

 まずは、命中判定に関する行為判定のルールを探してみました。
 「COACC」における機銃掃射の命中判定は、以下のようになっていました。

>TL7以下の航空機が、機銃掃射を命中させるためには:
>
> 〈難〉、〈砲術〉
>
>レフリー:
> コンピュータ・レベルを+DMに適用。
> ヘッドアップ・ディスプレイを使用していれば+1。
> 機銃掃射を行う航空機がヘリコプターであれば+1。


 テックレベル7以下の航空機機銃掃射を行う場合、 その行為判定の難易度は〈難:11+〉なのだそうです。

 これをメガトラの個人戦闘ルールで決められている命中難易度表と比較してみましょう。


        表11 火器管制型の命中難易度表(中距離〜遠方)

BW57_Fig11.gif - 14.7KB

 いつもの命中難易度表です。
 表の上端は距離帯
 その下に「ライフル」関連の命中難易度
 下半分は様々なテックレベルにおける「火器管制型」の命中難易度を示しました。



 この表から考えてみるならば、メガトラの個人戦闘ルールではテックレベル7では、 火器管制型の命中難易度が超遠距離(250〜500m)と遠方(500m〜5km)で〈難:11+〉です。
 上記の機銃を「ライフル」だと見なすのであれば、照準器を付けて〈難:11+〉になるのは 遠距離と(50〜250m)超遠距離(250〜500m)の2つ。
 COACC機銃掃射は、上記のどれかに該当すると思われます。
 軽機関銃と重機関銃の射程が1マスだけ(500メートルまで)ですから「ライフル」扱いでも構わないのですが、 航空機関砲(Aircraft cannon)は命中判定の都合上、火器管制型だと見なされるのでしょうか?

 それから、遂に「(宇宙船以外の)輸送機器」に搭載されたコンピュータが、戦闘で役立つ場面の登場です。
 機銃掃射の命中判定に、コンピュータ・レベルが+DMとして適用、だそうで。
 但し、高レベルのコンピュータを搭載している車輌は珍しく、 TL14の反重力戦車トレピダであっても、搭載されているコンピュータはモデル3(DM=+3)でした。
 より一般的なGキャリアーのコンピュータはモデル0ですからDMなしです。
 残念なことですね。
 この行為判定の対象は地上目標だけなので今回は考慮されていませんが、目標が輸送機器であるならば、 目標とされた輸送機器に搭載されているコンピュータのモデル数はマイナスのDMとして適用されるべきでしょう。
 そうしないと、高レベルのコンピュータを搭載した輸送機器同士の戦闘では、バランスが取れません。

 ヘッドアップ・ディスプレイによる+1は、その機能を考えれば至極もっともな話だと思います。
 戦闘機関連の書籍を読むと、このヘッドアップ・ディスプレイの採用でどれだけ戦闘が楽になったか、ということがたくさん書いてあります。
 DM+1では足りない程、有難い存在なのでしょう。

 ヘリコプターであれば+1というルールは、その移動速度が遅いこと、移動DMが少ないことを意味しているのではないでしょうか?
 私の考察では、無視しておくことにしました。



 テックレベル8以上の航空機については良く似たルールですが、難易度の異なる行為判定が適用されました。
 実際のところ、難易度以外はすべて同じですが。

>TL8以上の航空機が、機銃掃射を命中させるためには:
>
> 〈並〉、〈砲術〉
>
>レフリー:
> コンピュータ・レベルを+DMに適用。
> ヘッドアップ・ディスプレイを使用していれば+1。
> 機銃掃射を行う航空機がヘリコプターであれば+1。


 テックレベル8〜13の場合、火器管制型の命中難易度が〈並:7+〉になるのは超遠距離(250〜500m)だけでした。
 COACC機銃掃射が、 メガトラの火器管制型、超遠距離(250〜500m)の射撃に該当することは間違いないでしょう。
 ですから、メガトラのルールで機銃掃射を再現するのであれば、 火器管制型の命中難易度をそのまま用いれば良いのです。

 機関銃の最大射程は超遠距離(〜500m)ですから、 その距離での命中難易度は〈並:7+〉〈難:11+〉
 オート・キャノンも超遠距離の射撃ならば、 命中難易度は〈並:7+〉〈難:11+〉です。 最大射程が長くなりますからオート・キャノンは遠方(〜5km)での射撃も可能で、 その場合の命中難易度は〈難:11+〉になりました。
 レーザー砲の場合も同様です。

 テックレベル14〜15になれば、その命中難易度は遠方(500m〜5km)でも〈並:7+〉になりますが、 テックレベルが違い過ぎるので除外しました。
 このテックレベルの命中率については後で考察しますが、 「COACC」は航空機を扱ったゲームですので、 上記の命中難易度についてテックレベル14〜15の命中難易度に当て嵌めるのは、明らかに筋違いなのです。




(2)移動DMの影響

 何故、機銃掃射が超遠距離(250〜500m)の距離帯で行われるのか。
 COACCのスケール(1マス=500m)の都合だと言い切ってしまうことは簡単ですが、 それだけでは根拠が弱過ぎます。
 きっと、スケール以外にも何か理由があるのでしょう。

 その理由を考えてみました。
 それは、移動DMというルールで再現されているのではないでしょうか?



 移動DMは移動速度(km/h)を10で割った値であり、 射撃戦闘の命中判定を行う際、防御側に有利なDM(マイナスのDM)として扱われます。
 特に、

> 移動中のユニットが攻撃を行うときには、
> そのユニットの移動速度を不利なDMとして適用しなければなりません。
> したがって、走りながら(速度2で)攻撃しているキャラクターは、
> 攻撃にDM−2を適用しなければなりません。
> このDMには目標までの距離帯は関係しません。


 というルールが存在しますから、攻撃側が移動している場合、その移動DMの影響は大きいのです。
 概ね、移動速度が100km/hになれば移動DMは−10ですから、ほとんどの攻撃は当たらなくなるでしょう。

 こうしたルールが存在するため、メガトラの個人戦闘ルールを使った場合、 高速で移動するキャラクターや輸送機器(航空機や反重力型輸送機器、宇宙船)から行う射撃は、 ほとんど命中しなくなってしまいました。
 特に航空機は最低速度というルールが存在するため、 150km/hや350km/hという速度よりも早く移動していない限り、失速して墜落してしまいます。
 航空機は最低速度より遅い速度で移動することができないので、 その移動DMもより大きくなる訳です。

 でも、この状況は変ですよね。
 この考察のタイトルでもある機銃掃射は現実でも盛んに行われていることですし、 それら現実の射撃でも多くの命中があり、大きな効果が得られています。
 つまり、これは不自然なルールであり、現実に合致していないのでしょうか?

 結論を出す前に、ルールをもう少し先まで読み進めてみるべきでしょう。



 次のページには、移動方向を合わせるという行為と、 火器管制装置を使用するというルールが記述されていました。
 それは移動方向を合わせることに成功すれば、 その射撃は火器管制装置がついているものとみなして攻撃を行えますし、 火器管制装置を使用するのであれば、

> 火器管制装置を使用した射撃の場合は、上記の移動DMのルールは適用しません。
> かわりに、その輸送機器と目標の速度の差を、
> 「近距離」における防御側の移動DMとして使ってください。
> 通常と同じように、「近距離」を越える1距離帯ごとに移動DMは半分になります。
> たとえば、火器管制装置を持つエアラフトが速度4で移動しており、
> 目標が速度3で移動しているときには、目標にされた輸送機器は
> 「近距離」では−1の移動DMしか得られず、
> 「中距離」以遠ではDMは得られません。
>
> 以上のルールは、移動方向が合っているときには
> 火器管制装置がなくても適用されます。


 という風に、距離帯を1つ越える毎に移動DMが「半分になる」ということになっていました。
 実に有難い救済ルールです。

 掲示板でも議論しましたが、機銃掃射を企てる航空機が、 地上の目標に対して移動方向を合わせることは可能ですし、実際にも有り得ます。
 開放型のエアラフトに乗り込んだキャラクターが、 車内から携帯式の突撃銃や磁気ライフルを撃ちまくるような状況がそれに該当するでしょう。
 また、航空機に搭載される銃器類は、 その多くが火器管制型の命中難易度を用ることになっていました。 つまり、それらの銃器は火器管制装置を使用している訳で、上記ルールの適用対象になるのです。
 こういうことならば、高速で移動する航空機であっても機銃掃射が可能でしょう。

 以下は、実際に計算してみた移動DMの影響を距離帯毎に示した表です。
 考察の51回「砲兵7:対戦車砲」の表4を再掲載しました。


              表12 移動DMの影響

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 移動DMの大きさは、攻撃側、あるいは、目標の移動速度10km/h毎に−1が発生します。
 そして、

> 距離帯が「近距離」よりひとつ遠ざかるごとに、
> この移動DMは2分の1になります(端数切捨て)。


 というルールなので、目標側の移動によるDMは距離帯によって大きく変化しました。
 その計算結果が上の表の数値になった訳です。

 計算を簡略化するため、英文エラッタに掲載されていたルール、

> MOVEMENT DM GUIDE (% OF TARGET SPEED)
>  移動DMガイド(目標速度の%)
>  Range Bands 距離帯
>  C/S M L VL D VD+
>  100 50 25 10 5 -
> 近/至近距離(C/S)は移動DMがそのまま(100%)で適用。
> 中距離(M)は半分(50%)、遠距離(L)は4分の1(25%)、
> 超遠距離(VL)は10分の1(10%)、遠方(D)は20分の1(5%)。
> 超遠方(VD)よりも遠い場合、移動DMは適用されず。


 を適用しました。



 ご覧の通り、超遠距離や遠方で発生する移動DMは小さな数値に過ぎません。
 至近/近距離ならば、移動速度10km/h毎に−1の移動DMも、 超遠距離では100km/h毎に−1、遠方では200km/h毎に−1しか生じませんし、 超遠方に至っては、どんな移動速度であっても移動DMは「なし」です。

 反重力戦車トレピダの最高速度は1,000km/hですから、最高速度で飛行していれば、 超遠距離で−10、遠方で−5の移動DMが適用される筈でした。
 しかしながら、それは実際、どの程度の効果があるのでしょうか。
 命中難易度と絡ませて、具体的に考えていきます。




(3)テックレベル5〜6の機銃掃射

 実戦に使用できる、実用的な航空機が登場するのはテックレベル5の世界からです。
 当然、機銃掃射が実際に行われるテックレベルも5以降、となる筈なのですが、 メガトラベラーの場合、遠距離での命中難易度が〈難:11+〉ですから、 期待するほどの命中率があるかどうかも分かりません。
 というか、この命中難易度と移動DM(最低速度が150km/hという条件)から考えれば テックレベル5〜6の航空機で機銃掃射を行うことは無理なのではないでしょうか。 史実では実際に行われていることなのですけれど。

 「COACC」のルールにおいて、機銃掃射の行為判定については、 テックレベル7以下とテックレベル8以上という2つの区分しかなされておりませんでしたが、 テックレベル5〜6の機銃掃射が再現可能なのかどうか、とても気になります。
 そこで、この問題を確認するため、 TL5〜6の航空機が行う機銃掃射についても、 その命中難易度と命中率を求め、評価することにしました。



 テックレベル5〜6の航空機機銃掃射を行う場合、その命中難易度は表11より、 中距離で〈並:7+〉、遠距離〜超遠距離で〈難:11+〉、 遠方で〈至難:15+〉でした。

 こうした命中難易度において、距離帯ごとに異なる移動DMを加味すると、実際の命中率は以下のように変化します。
 思うところがあり、移動速度を100km/h、200km/h、400km/h、800km/hの4段階に分けて、考察してみました。



 まずは、航空機の移動速度が100km/hだった場合から。
 通常の航空機ならば失速が確定の超低速ですが、ヘリコプターや飛行船ならば問題にはなりません。


       表13 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:100km/h)

BW57_Fig13.gif - 10.2KB

 表の左端が、機銃掃射を行う距離帯と、その距離帯における移動DM
 その右側が、機銃掃射の命中難易度

 表の右側は、砲術技能レベル+戦術ポイント等の+DMによって変化する、機銃掃射の命中率です。
 命中に必要な目標値と命中の可能性(%)を並記しました。



 TL5〜6の航空機が移動速度100km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は中距離(5〜50m)と超遠距離(250〜500m)でした。同率です。
 その次が遠距離(50〜250m)で、最後が遠方(500m〜5km)。
 TL5〜6の航空機が、移動速度100km/hで機銃掃射を行うのであれば、 地上目標との距離が超遠距離(250〜500m)になる位置で攻撃を行うべきなのです。



 次は、航空機の移動速度が200km/hだった場合。
 テックレベル5〜6の航空機であれば、大抵の航空機は最低速度が150〜175km/hですから、 機銃掃射を企てるには手頃な速度でしょう。


       表14 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:200km/h)

BW57_Fig14.gif - 9.75KB

 表13と同じ形式です。



 TL5〜6の航空機が、移動速度200km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は超遠距離(250〜500m)でした。
 その次が同率で遠方(500m〜5km)と遠距離(50〜250m)。
 最後が僅差で中距離(5〜50m)でした。
 中距離は移動DMの影響を受けやすいため、移動速度が大きくなると劇的に命中率が悪くなるのです。



 次は、航空機の移動速度が400km/hだった場合。
 少し早い移動速度になりました。
 地上目標の視認は難易度が1つ上がりますが、対空砲火や敵航空機の追撃を避けるには手頃な速度かも知れません。


       表15 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:400km/h)

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 表13と同じ形式です。



 TL5〜6の航空機が、移動速度400km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は超遠距離(250〜500m)になりました。
 その次が遠方(500m〜5km)ですが、この速度になるとほとんど命中弾を得られなくなります。



 最後が、航空機の移動速度が800km/hだった場合。
 かなり早い移動速度です。
 地上目標の視認は難易度が2つ上がり、ほとんど成功しなくなりました。
 対空砲火や敵航空機の追撃を避けるには十分な速度なのでしょうが、航空偵察は困難です。


       表16 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:800km/h)

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 表13と同じ形式です。



 TL5〜6の航空機が、移動速度800km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は同率で超遠距離(250〜500m)と遠方(500m〜5km)でした。
 命中DMが+8でも8.3%という命中率ですから、ほとんど命中弾を期待できません。



 TL5〜6の航空機機銃掃射を行う場合は、 その移動速度を200km/h以下まで落として、機関銃の最大射程ぎりぎり、超遠距離(250〜500m)で行うべきだ、 ということが分かりました。
 それにしても、命中率が悪すぎるのではないでしょうか。
 これは命中難易度の違いによって、遠距離の命中率が悪くなり過ぎてしまったためなのですが。

 メガトラベラーの個人戦闘ルールでは、 TL5〜6の航空機が行う機銃掃射の命中率が悪くなり過ぎて、再現できません。
 「COACC」のルールにおいて機銃掃射を再現する際、 TL5〜6の航空機が行う場合もTL7以下の航空機の中に含めてしまった理由は、 此処にあるようです。
 メガトラベラーでTL5〜6の航空機が行う機銃掃射を再現する際も、 その命中難易度はTL7の航空機として扱うべきなのではないでしょうか?




(4)テックレベル7の機銃掃射

 テックレベル7の航空機機銃掃射を行う場合、その命中難易度は表11より、 中距離〜遠距離で〈並:7+〉、超遠距離〜遠方で〈難:11+〉になっていました。

 こうした命中難易度において、距離帯ごとに異なる移動DMを加味すると、実際の命中率は以下のように変化します。
 移動速度を100km/h、200km/h、400km/h、800km/hの4段階に分けて、考察してみました。



 まずは、航空機の移動速度が100km/hだった場合です。


       表17 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:100km/h)

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 表の左端が、機銃掃射を行う距離帯と、その距離帯における移動DM
 その右側が、機銃掃射の命中難易度

 表の右側は、砲術技能レベル+戦術ポイント等の+DMによって変化する、機銃掃射の命中率です。
 命中に必要な目標値と命中の可能性(%)を並記しました。



 TL7の航空機が、移動速度100km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は遠距離(50〜250m)でした。
 その次が遠方(500m〜5km)、その次が僅差で中距離(5〜50m)と超遠距離(250〜500m)。
 TL7の航空機が、移動速度100km/hで機銃掃射を行うのであれば、 地上目標との距離が遠距離(50〜250m)になる位置で攻撃を行うべきである、ということです。



 次は、航空機の移動速度が200km/hだった場合です。


       表18 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:200km/h)

BW57_Fig18.gif - 9.97KB

 表17と同じ形式です。



 TL7の航空機が、移動速度200km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は遠方(500m〜5km)と遠距離(50〜250m)でした。
 この2つの距離帯では同じ命中率を得られますから、貫通力の減衰や最大射程のことを考慮するのであれば、 機銃掃射の際は遠距離での攻撃を選ぶべきなのでしょう。
 しかし、例えばオート・キャノンの貫通力は距離による減衰がありませんし、 最大射程距離も遠方まで届きますから、その2つの問題が解決されるのであれば、遠方と遠距離、 どちらで機銃掃射を行っても結果は変わらなくなります。
 その次が僅差で超遠距離(250〜500m)。
 その次は大きな差があってほとんど命中しなくなりますが、中距離(5〜50m)でした。



 次は、航空機の移動速度が400km/hだった場合です。


       表19 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:400km/h)

BW57_Fig19.gif - 9.54KB

 表17と同じ形式です。



 TL7の航空機が、移動速度400km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は遠方(500m〜5km)になりました。
 その次が超遠距離(250〜500m)。
 機銃掃射を行って、実際に命中弾が得られるのは、この2つの距離帯でしょう。
 3番目に命中率の良い遠距離(50〜250m)は、ほとんど命中を得られません。 命中DMが+8でも27.8%の命中率しかないのでは、この距離帯で機銃掃射を行っても、ほとんど効果がないと思われます。
 最も命中率の悪い距離帯は中距離(5〜50m)でしたが、この距離帯での機銃掃射は絶対に命中しなくなりました。 単なる脅し(威嚇射撃)以外の意味は無いでしょう。



 最後に、航空機の移動速度が800km/hだった場合を求めました。


       表20 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:800km/h)

BW57_Fig20.gif - 9.27KB

 表17と同じ形式です。



 TL7の航空機が、移動速度800km/hで機銃掃射を行う場合も、 最も命中率が高い距離帯は遠方(500m〜5km)でした。
 命中率が高いと言っても、DM+4で8.3%、DM+8で58.3%ですから、あまり命中とダメージを期待できません。
 その次が超遠距離(250〜500m)なのですが、DM+8で8.3%という命中率。ほとんど命中しないでしょう。
 遠距離(50〜250m)と中距離(5〜50m)では命中が有り得ません。 この2つの距離帯で行われる機銃掃射は絶対に命中しなくなりました。



 TL7の航空機が行う機銃掃射について、 距離帯毎に異なる移動DMと、その命中率を求めてみました。

 移動速度が100km/hであれば、機銃掃射が最も命中しやすい距離帯は遠距離(50〜250m)です。 他の距離帯、遠方(500m〜5km)と超遠距離(250〜500m)、中距離(5〜50m)での命中率はほぼ同じでした。
 200km/hになれば、遠方(500m〜5km)と遠距離(50〜250m)が同率で一位。 その次が僅差で超遠距離(250〜500m)でした。中距離(5〜50m)ではほとんど命中しません。
 400km/hになると、機銃掃射は遠方(500m〜5km)で最も良く命中するようになります。 超遠距離(250〜500m)では当たり難くなり、中距離(5〜50m)では命中しません。
 800km/hになると、命中率は全体的に悪くなりますが、遠方(500m〜5km)と超遠距離(250〜500m)でしか命中を期待できません。 遠距離(50〜250m)と中距離(5〜50m)では命中しなくなりました。

 この計算結果から考えて、TL7の航空機は移動速度が200km/h以下の場合、 機銃掃射を遠距離(50〜250m)で行うべきである、と言えるでしょう。
 移動速度が200km/h以上の場合は遠方(500m〜5km)で行うべきですが、銃器の射程が足りない場合は超遠距離(250〜500m)となります。




(5)テックレベル8〜11の機銃掃射

 テックレベル8〜11の航空機機銃掃射を行う場合、その命中難易度は 中距離〜超遠距離で〈並:7+〉、遠方で〈難:11+〉と変化します。
 テックレベル7と比べて変わっているのは超遠距離だけですが、実は、この変化が大きな違いをもたらしていました。

 今回も距離帯ごとに異なる移動DMを加味し、 移動速度を100km/h、200km/h、400km/h、800km/hの4段階に分けて、実際の命中率を考察してみましょう。



 まずは、航空機の移動速度が100km/hだった場合です。


       表21 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:100km/h)

BW57_Fig21.gif - 10.1KB

 表13と同じで、表の左端が機銃掃射を行う距離帯と、その距離帯における移動DM
 その右側が、機銃掃射の命中難易度です。

 表の右側は、砲術技能レベル+戦術ポイント等の+DMによって変化する、機銃掃射の命中率。
 命中に必要な目標値と命中の可能性(%)を並記しました。



 TL8〜11の航空機が移動速度100km/hで機銃掃射を行う場合、 超遠距離(250〜500m)の命中難易度が並〈7+〉に変わったおかげで、 最も命中率が高い距離帯は超遠距離となります。
 その次が僅差で遠距離(50〜250m)。
 3番目と4番目が遠方(500m〜5km)と中距離(5〜50m)でした。
 テックレベル8の場合、移動速度が100km/hであっても 機銃掃射は超遠距離(250〜500m)で行うべきなのです。



 次は航空機の移動速度が200km/hだった場合。


       表22 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:200km/h)

BW57_Fig22.gif - 10.0KB

 表21と同じ形式です。



 TL8〜11の航空機が、移動速度200km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は超遠距離(250〜500m)でした。
 その次が同率で遠方(500m〜5km)と遠距離(50〜250m)。
 最後の中距離(5〜50m)はほとんど命中を期待できません。



 次は航空機の移動速度が400km/hだった場合。


       表23 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:400km/h)

BW57_Fig23.gif - 9.69KB

 表21と同じ形式です。



 TL8〜11の航空機が、移動速度400km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は超遠距離(250〜500m)でした。
 その次が遠方(500m〜5km)。
 テックレベル8〜11であっても、機銃掃射を行って実際に命中弾が得られるのは、この2つの距離帯だと思われます。
 3番目に命中率の良い遠距離(50〜250m)は、ほとんど命中を得られません。
 4番目の中距離(5〜50m)は絶対に命中しなくなりました。



 最後は、航空機の移動速度が800km/hだった場合。


       表24 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:800km/h)

BW57_Fig24.gif - 9.35KB

 表21と同じ形式です。



 TL8〜11の航空機が、移動速度800km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は同率で遠方(500m〜5km)と超遠距離(250〜500m)の2つになりました。
 遠距離(50〜250m)と中距離(5〜50m)で行われる機銃掃射は、絶対に命中しません。



 TL8〜11の航空機が行う機銃掃射について、 距離帯毎に異なる移動DMと、その命中率を求めてみました。

 テックレベル7とは大きく異なり、TL8〜11の航空機が行う機銃掃射は、 どんな移動速度であっても、最も命中しやすい距離帯が超遠距離(250〜500m)でした。
 移動速度が800km/hの場合だけ、遠方(500m〜5km)と同じ命中率となっていましたが、 機銃掃射は超遠距離(250〜500m)で行うべきなのです。
 念のための確認ですが、移動速度が100km/hであれば、命中率の次点は遠距離(50〜250m)。
他の距離帯、遠方(500m〜5km)と超遠距離(250〜500m)、中距離(5〜50m)での命中率はほぼ同じでした。
 200km/hの場合は、遠方(500m〜5km)と遠距離(50〜250m)が同率で二位。
 400km/hの場合は、遠方(500m〜5km)。
 800km/hの場合は前述の通り、遠方(500m〜5km)と同率でしたので、2番目はありません。




(6)テックレベル12〜13の機銃掃射

 テックレベル12〜13の機銃掃射になると、その命中難易度は 中距離で〈易:3+〉、遠距離〜超遠距離で〈並:7+〉、 遠方で〈難:11+〉と変わりました。
 距離帯ごとに異なる移動DMを加味し、4つの移動速度で考察した結果は、以下の通りです。



 まずは航空機の移動速度が100km/hだった場合です。


       表25 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:100km/h)

BW57_Fig25.gif - 10.2KB

 今回も表13と同様。
 表の左端が機銃掃射を行う距離帯と、その距離帯における移動DM
 その右側が機銃掃射の命中難易度です。

 表の右側は、砲術技能レベル+戦術ポイント等の+DMによって変化する、機銃掃射の命中率。
 命中に必要な目標値と命中の可能性(%)を並記しました。



 TL12〜13の航空機が移動速度100km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は中距離(5〜50m)と遠距離(50〜250m)でした。
 その次が遠方(500m〜5km)。
 3番目が超遠距離(250〜500m)です。



 次は航空機の移動速度が200km/hだった場合。


       表26 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:200km/h)

BW57_Fig26.gif - 10.2KB

 表25と同じ形式です。



 TL12〜13の航空機が、移動速度200km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は超遠距離(250〜500m)でした。
 2番目が同率で遠方(500m〜5km)と遠距離(50〜250m)。
 最後が中距離(5〜50m)です。



 次は航空機の移動速度が400km/hだった場合。


       表27 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:400km/h)

BW57_Fig27.gif - 9.93KB

 表25と同じ形式です。



 TL12〜13の航空機が、移動速度400km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は超遠距離(250〜500m)でした。
 その次が遠方(500m〜5km)で、3番目が遠距離(50〜250m)。
 テックレベル12以上になると中距離の命中難易度が〈易:3+〉になるため、 どんなに不利なDMが累積しても11+(8.3%)の確率で命中が得られるようになりました。
 4番目の中距離(5〜50m)でもそれなりの命中を期待できる訳です。
 DMの最大値が±8であるという制限のためですが、ちょっと不思議な感じです。



 最後は、航空機の移動速度が800km/hだった場合。


       表28 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:800km/h)

BW57_Fig28.gif - 9.92KB

 表25と同じ形式です。



 TL12〜13の航空機が、移動速度800km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は同率で遠方(500m〜5km)と超遠距離(250〜500m)でした。
 3番目は何故か中距離(5〜50m)で、この距離帯で行われる機銃掃射は、 前述の条件により、8.3%の確率で命中します。
 4番目は遠距離(50〜250m)ですが、この距離帯ではどんなに優秀なパイロットでも決して命中弾を得られません。



 TL12〜13の航空機が行う機銃掃射は、 その命中難易度のパターンから、TL5〜6の航空機と同じような命中率になりました。

 移動速度が100km/hの場合、機銃掃射が最も命中しやすい距離帯は、 同率で超遠距離(250〜500m)と中距離(5〜50m)でした。3番目が僅差で遠距離(50〜250m)です。
 移動速度が200km/hの場合、最も命中率の良い距離帯は超遠距離(250〜500m)。次点が同率で遠方(500m〜5km)と遠距離(50〜250m)です。
 移動速度が400km/hの場合、最も命中率の良い距離帯は超遠距離(250〜500m)で、次点が遠方(500m〜5km)でした。
 移動速度が800km/hの場合、最も命中率の良い距離帯は同率で遠方(500m〜5km)と超遠距離(250〜500m)になります。

 TL12〜13の航空機機銃掃射を行う際は、 移動速度に関わらず超遠距離(250〜500m)を選ぶべきでしょう。
 移動速度が遅い場合、200km/h以下であるならば、中距離(5〜50m)や遠距離(50〜250m)でもそれなりの命中弾を得られます。
 移動速度が速い場合、400km/h以上であるならば、中距離(5〜50m)や遠距離(50〜250m)での命中弾は望めない筈でしたが、 中距離での命中難易度が〈易:3+〉になるため、 どんなに不利なDMが累積しても11+(8.3%)の確率で命中が得られるようになりました。
 その例外を除くと、移動速度が速い場合の機銃掃射は 超遠距離(250〜500m)か遠方(500m〜5km)で行われるべきだ、ということになります。




(6)テックレベル14〜15の機銃掃射

 テックレベル14〜15の航空機が行う機銃掃射は、その命中難易度が 中距離〜遠距離で〈易:3+〉、超遠距離〜遠方で〈並:7+〉になりました。
 距離帯ごとに異なる移動DMを加味し、4つの移動速度で考察した結果は、以下の通りです。



 まずは航空機の移動速度が100km/hだった場合です。


       表29 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:100km/h)

BW57_Fig29.gif - 10.1KB

 今回も表13と同様。
 表の左端が機銃掃射を行う距離帯と、その距離帯における移動DM
 その右側が機銃掃射の命中難易度です。

 表の右側は、砲術技能レベル+戦術ポイント等の+DMによって変化する、機銃掃射の命中率。
 命中に必要な目標値と命中の可能性(%)を並記しました。



 TL14〜15の航空機が移動速度100km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は遠距離(50〜250m)でした。
 その次が遠方(500m〜5km)。
 3番目が同率で超遠距離(250〜500m)と中距離(5〜50m)です。



 次は航空機の移動速度が200km/hだった場合。


       表30 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:200km/h)

BW57_Fig30.gif - 10.2KB

 表29と同じ形式です。



 TL14〜15の航空機が、移動速度200km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は同率で遠方(500m〜5km)と遠距離(50〜250m)でした。
 3番目が超遠距離(250〜500m)。
 最後が中距離(5〜50m)です。



 次は航空機の移動速度が400km/hだった場合。


       表31 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:400km/h)

BW57_Fig31.gif - 10.0KB

 表29と同じ形式です。



 TL14〜15の航空機が、移動速度400km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は遠方(500m〜5km)でした。
 その次が超遠距離(250〜500m)で、3番目が遠距離(50〜250m)。
 テックレベル14以上になると中距離〜遠距離での命中難易度が〈易:3+〉になるため、 どんなに不利なDMが累積しても11+(8.3%)の確率で命中が得られるようになりました。
 テックレベル12〜13の考察でも書きましたが、何となく違和感があります。



 最後は、航空機の移動速度が800km/hだった場合。


       表32 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:800km/h)

BW57_Fig32.gif - 9.92KB

 表29と同じ形式です。



 TL14〜15の航空機が、移動速度800km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は遠方(500m〜5km)でした。
 次点は超遠距離(250〜500m)。
 3番目は遠距離(50〜250m)と中距離(5〜50m)ですが、この距離帯で行われる機銃掃射は、 前述の条件により、どんなに不利なDMが加算されても8.3%の確率で命中します。



 TL14〜15の航空機が行う機銃掃射は、 その命中難易度のパターンから、TL7の航空機と同じような命中率になりました。

 移動速度が100km/hの場合、機銃掃射が最も命中しやすい距離帯は遠距離(50〜250m)です。 次点が遠方(500m〜5km)、3番目が同率で超遠距離(250〜500m)と中距離(5〜50m)でした。
 移動速度が200km/hの場合、遠方(500m〜5km)と遠距離(50〜250m)が同率で一位。 その次が僅差で超遠距離(250〜500m)、4番目の中距離(5〜50m)は命中率が大きく下がります。
 移動速度が400km/hの場合、最も命中率の良い距離帯は遠方(500m〜5km)で、 次点が超遠距離(250〜500m)3番目が遠距離(50〜250m)で、4番目が中距離(5〜50m)でした。
 移動速度が800km/hの場合、最も命中率の良い距離帯は遠方(500m〜5km)で、次点が超遠距離(250〜500m)。 3番目が同率で遠距離(50〜250m)と中距離(5〜50m)になります。

 TL14〜15の航空機が移動速度が200km/h以下の場合もTL7の航空機と同じように、 機銃掃射は遠距離(50〜250m)で行うべきである、と言えました。
 移動速度が200km/h以上の場合は遠方(500m〜5km)で行うべきですが、 銃器の射程が足りない場合は超遠距離(250〜500m)、ということも同様です。



 当たり難くなったとはいえ、中距離(5〜50m)や遠距離(50〜250m)でも命中弾が有り得る、ということに注意して下さい。





援護物に隠れた目標への機銃掃射


 移動DMについての命中率計算が一通り終わったところで、気になったことを掲示板に揚げてみました。

> 命中難易度が〈易:3+〉になってしまった以上、
> どんなに大きな移動DM(例えば−20とか−40)が存在しても、
> その移動DMは(他の要因によるDMを加算された後)
> −8まで切り捨てられてしまう。
>
> 2D6で11+が出れば、12分の1の確率(=8.3%)で命中してしまう、
> ということなのでは?
> 
> 亜音速(800km/h、移動DMは−80)で飛行している戦闘機からの機銃掃射が、
> 地上の目標に対して11+(=8.3%)で命中してしまうという情景は、
> 正しいのでしょうか?


 という疑問を解決するためです。



 上記の疑問に対する解答は、橘様から頂けました。

> 私の答えは
>
> >1. 正しい。
>
> ですね。
>
> ルール上はということもありますが、撃たれる側にしても
> ただぼーっと突っ立っている、あるいはただ移動しているというだけですから。
> 亜音速という高速では会敵時間はほんの一瞬なので
> 標的側の回避行動自体は無意味ですが、あらかじめ援護物に隠れるなどしていれば
> 難易度自体を上昇させることができますので…
>
> 亜音速からの射撃は援護物を得た目標に対しては
> 命中を得られないということになります。




 援護物に隠れることで、射撃の命中難易度を上昇させる。

 橘様に指摘されるまで、このルールの存在をすっかり忘れておりました。
 確かに、ぼーっと突っ立ている、あるいは、ただ移動しているだけであれば、 その地上目標(キャラクターやロボット、異星生物)は上空から撃ちまくられても仕方ありません。
 地上目標として撃たれる立場に成り切って、援護物に隠れてみることにしましょう。
 その場合、機銃掃射の命中率は、どのように変化するのでしょうか?




(1)援護物に隠れた地上目標への命中率

 「プレイヤーズ・マニュアル、p.73」の定義によれば、

 目標を視界から完全に隠すことのできる壁や設備、地形など=遮蔽物。
 部分的に身を守ることはできるが、相手の視界からは逃れられない=援護物。


 という区別が為されているようです。
 ちなみに原文(英語)では、Obstructions(=遮蔽物)Cover(=援護物) という風に書き分けがなされておりました。
 原文を訳す時には気を付けないといけませんね。



 それはともかく、
 援護物に隠れている目標を射撃する際は命中難易度がひとつ上がる
 というルールを適用して、表11の命中難易度表を作り直してみました。
 以下に、その表を掲載します。


     表33 火器管制型の命中難易度表(中距離〜遠方:援護物あり)

BW57_Fig33.gif - 14.6KB

 表11を作り直した、目標が援護物に隠れている場合の命中難易度表です。
 表の上端は距離帯
 その下に「ライフル」関連の命中難易度
 下半分は様々なテックレベルにおける「火器管制型」の命中難易度

 この難易度表を使い、様々なテックレベル、様々な移動速度の航空機から行われる、 機銃掃射の命中率を再評価してみました。




(2)テックレベル5〜6の機銃掃射(援護物あり)

 テックレベル5〜6の航空機機銃掃射を行う場合、その難易度は表33の通り、 中距離で〈難:11+〉、遠距離〜超遠距離で〈至難:15+〉、 遠方で〈不可能:19+〉となりました。

 ひとつ上がった命中難易度を使い、距離帯ごとに異なる移動DMを加味して、実際の命中率を求めてみます。



 まずは、航空機の移動速度が100km/hだった場合から。


    表34 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:100km/h:援護物あり)

BW57_Fig34.gif - 9.74KB

 表13と同じ形式です。
 表の左端が機銃掃射を行う距離帯と、その距離帯における移動DM
 その右側が、機銃掃射の命中難易度です。

 表の右側は、砲術技能レベル+戦術ポイント等の+DMによって変化する、機銃掃射の命中率。
 命中に必要な目標値と命中の可能性(%)を並記しました。



 TL5〜6の航空機が、移動速度100km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は中距離(5〜50m)と)超遠距離(250〜500m)でした。
 しかし目標が援護物に隠れてしまうと、そのほとんどが命中なくなります。
 命中DMが+8もあれば気になりませんが、命中DMが+2や+4しかない状況では大問題でしょう。



 次は、航空機の移動速度が200km/hだった場合。


    表35 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:200km/h:援護物あり)

BW57_Fig35.gif - 9.56KB

 表34と同じ形式です。



 移動速度200km/hで機銃掃射を行う場合、命中率が更に悪くなりました。
 最も命中率が高い距離帯は超遠距離(250m〜500m)のままですが、 命中DMが+4以下の場合、命中弾を得ることができないのです。



 次は、航空機の移動速度が400km/hだった場合。


    表36 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:400km/h:援護物あり)

BW57_Fig36.gif - 9.36KB

 表34と同じ形式です。



 TL5〜6の航空機が、移動速度400km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は超遠距離(250m〜500m)ですが、 命中DMが+7以上ないと、どの距離帯でも命中弾を得ることができません。



 最後に、航空機の移動速度が800km/hだった場合。


    表37 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:800km/h:援護物あり)

BW57_Fig37.gif - 9.29KB

 表34と同じ形式です。



 TL5〜6の航空機が、移動速度800km/hで機銃掃射を行う場合も、 最も命中率が高い距離帯は超遠距離(250m〜500m)ですが、 今度は命中DMが+8でも命中弾を得ることが出来なくなりました。
 命中弾を得るためには、命中DMが最低でも+11以上必要となります。
 この速度で援護物に隠れた目標を攻撃するのは、全く持って無意味だということが分かりました。



 TL5〜6の航空機が、援護物に隠れた目標に対して 機銃掃射を行うことは、ほとんど無意味であるという結論に達しました。
 このテックレベルではコンピュータによる命中DMの加算も期待できませんから、援護物に隠れた目標は無視するべきなのでしょう。

 地上目標の側からすると、TL5〜6の航空機が行う機銃掃射に対して 援護物に隠れることは極めて有効だ、と言える訳なのですが。




(3)テックレベル7の機銃掃射(援護物あり)

 テックレベル7の航空機が援護物に隠れた目標に対して機銃掃射を行う場合、 その命中難易度は表33の通り、中距離〜遠距離で〈難:11+〉、 超遠距離〜遠方で〈至難:15+〉へと上昇します。

 ひとつ上がった命中難易度を使い、距離帯ごとに異なる移動DMを加味すると、 実際の命中率は以下のように変化しました。
 今回も移動速度を100km/h、200km/h、400km/h、800km/hの4段階に分けて考察しています。



 まずは、航空機の移動速度が100km/hだった場合から。


    表38 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:100km/h:援護物あり)

BW57_Fig38.gif - 9.96KB

 表34と同じ形式です。
 表の左端が、機銃掃射を行う距離帯と、その距離帯における移動DM
 その右側が、機銃掃射の命中難易度

 表の右側は、砲術技能レベル+戦術ポイント等の+DMによって変化する、機銃掃射の命中率です。
 命中に必要な目標値と命中の可能性(%)を並記しました。



 TL7の航空機が、移動速度100km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は遠距離(50〜250m)でした。
 しかし、ほとんど命中しません。
 命中DMが+8もあれば気になりませんが、命中DMが+2や+4しかない状況では大問題です。
 TL7の航空機が、移動速度100km/hで機銃掃射を行うのであれば、 地上目標との距離が遠距離(50〜250m)になる位置で攻撃を行うべきである、ということに変わりはありませんが、 その命中率の低さが気になりました。
 目標が援護物に隠れるだけで、命中率がこれほど悪くなってしまうとは。



 次は、航空機の移動速度が200km/hだった場合。


    表39 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:200km/h:援護物あり)

BW57_Fig39.gif - 9.71KB

 表38と同じ形式です。



 TL7の航空機が移動速度200km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は遠方(500m〜5km)と遠距離(50〜250m)でしたが、 命中DMが+3以下の場合、命中弾を得ることができません。
 結構、悲惨です。



 次は、航空機の移動速度が400km/hだった場合。


    表40 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:400km/h:援護物あり)

BW57_Fig40.gif - 9.48KB

 表38と同じ形式です。



 TL7の航空機が、移動速度400km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は遠方(500m〜5km)です。
 しかし、命中DMが+4以下の場合、どの距離帯でも命中弾を得ることができませんでした。
 地上目標がパイロットの腕前(命中DM)を知っている筈はないので、 技能レベルの低いパイロットが行う機銃掃射は脅し(威嚇射撃)として有効なのでしょうが、 実質的なダメージを与えることは無いのです。



 最後に、航空機の移動速度が800km/hだった場合。


    表41 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:800km/h:援護物あり)

BW57_Fig41.gif - 9.37KB

 表38と同じ形式です。



 TL7の航空機が、移動速度800km/hで機銃掃射を行う場合も、 最も命中率が高い距離帯は遠方(500m〜5km)なのですが、 今度は命中DMが+6以下では命中弾を得ることができません。



 TL7の航空機が行う機銃掃射について、 地上目標が援護物に隠れた状態での命中率を求めました。

 移動速度が100km/hであれば、機銃掃射が最も命中しやすい距離帯は遠距離(50〜250m)のままです。
 しかし、その命中率は大幅に低下しており、命中DMの高いベテランでもない限り、 効果的な機銃掃射を行うことはできないでしょう。
 200km/hになると、命中弾を得るためには命中DM+4以上の技量が必要です。 その場合、最も命中しやすい距離帯は遠方(500m〜5km)と遠距離(50〜250m)が同率で一位。 その次が僅差で超遠距離(250〜500m)でした。中距離(5〜50m)では命中弾を得られません。
 400km/hになると、今度は命中弾を得るためにDM+5以上の技量が必要となります。 最も命中しやすい距離帯は遠方(500m〜5km)で、次が超遠距離(250〜500m)。 遠距離(50〜250m)と中距離(5〜50m)では命中しません。
 800km/hになると命中DMは+7以上が必要で、遠方(500m〜5km)でしか命中弾を期待できません。

 この計算結果から考えて、TL7の航空機は移動速度を200km/h以下に抑え、 機銃掃射を遠距離(50〜250m)で行うべきだと思われます。 この結論は、目標が援護物に隠れていても、隠れていなくても同じでした。
 最良の条件(移動速度と距離帯)を揃えても命中率が悪すぎますから、 地上目標が援護物に隠れているのであれば、隠れていない他の目標を撃つべきなのでしょう。

 地上目標の側から考えると、TL7の航空機が行う機銃掃射に対しても、 援護物に隠れることは極めて有効である、と言えるのです。




(4)テックレベル8〜11の機銃掃射(援護物あり)

 テックレベル8〜11の航空機が援護物下の地上目標に対して機銃掃射を行う場合、 その命中難易度は表33より、 中距離〜超遠距離で〈難:11+〉、遠方で〈至難:15+〉へと変化しました。
 今回も距離帯ごとに異なる移動DMを加味し、 移動速度を100km/h、200km/h、400km/h、800km/hの4段階に分けて、実際の命中率を考察してみます。



 まずは、航空機の移動速度が100km/hだった場合。


    表42 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:100km/h:援護物あり)

BW57_Fig42.gif - 10.2KB

 表34と同じで、表の左端が機銃掃射を行う距離帯と、その距離帯における移動DM
 その右側が、機銃掃射の命中難易度です。

 表の右側は、砲術技能レベル+戦術ポイント等の+DMによって変化する、機銃掃射の命中率。
 命中に必要な目標値と命中の可能性(%)を並記しました。



 TL8〜11の航空機が移動速度100km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は超遠距離(250〜500m)となっています。
 その次が僅差で遠距離(50〜250m)。
 テックレベル7の場合と比べて1つだけ命中率が良くなりましたが、援護物に隠れていると命中率が大幅に低下していることは変わりません。
 命中の可能性をゼロにできる訳ではありませんが、地上目標が援護物に隠れることは、 テックレベル8〜11であっても確かに効果的だと言えるのです。



 次は航空機の移動速度が200km/hだった場合。


    表43 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:200km/h:援護物あり)

BW57_Fig43.gif - 9.87KB

 表42と同じ形式です。



 TL8〜11の航空機が、移動速度200km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は超遠距離(250〜500m)のままでしたが、命中率が大幅に低下しました。
 その次が同率で遠方(500m〜5km)と遠距離(50〜250m)ですが、この距離帯でも極端に命中率が低下しています。
 最後の中距離(5〜50m)はどうやっても命中弾を得られません。



 次は航空機の移動速度が400km/hだった場合。


    表44 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:400km/h:援護物あり)

BW57_Fig44.gif - 9.58KB

 表42と同じ形式です。



 TL8〜11の航空機が、移動速度400km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は超遠距離(250〜500m)であることは変わりません。
 しかし例によって命中率が大幅に低下。命中DMが+2以下は命中弾を得ることができません。
 その次が遠方(500m〜5km)で、遠距離(50〜250m)と中距離(5〜50m)は絶対に命中しなくなりました。



 最後は、航空機の移動速度が800km/hだった場合。


    表45 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:800km/h:援護物あり)

BW57_Fig45.gif - 9.50KB

 表42と同じ形式です。



 TL8〜11の航空機が、移動速度800km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は同率で遠方(500m〜5km)と超遠距離(250〜500m)の2つですが、 命中DMが+6以下では命中弾を得ることができません。
 遠距離(50〜250m)と中距離(5〜50m)で行われる機銃掃射は、絶対に命中しませんでした。



 TL8〜11の航空機が行う機銃掃射について、 地上目標が援護物に隠れた状態での命中率を求めました。

 テックレベル7とは異なり、TL8〜11の航空機が行う機銃掃射は、 どんな移動速度であっても、最も命中しやすい距離帯が超遠距離(250〜500m)でした。
 移動速度が800km/hの場合だけ、遠方(500m〜5km)と同じ命中率となっていましたが、 機銃掃射は超遠距離(250〜500m)で行うべきでしょう。

 また、目標が援護物に隠れている場合は、 テックレベル8〜11の機銃掃射であっても命中率が大幅に低下していました。
 命中率が低いので、どうやっても命中弾を得られない、という状況が頻発していますし、 命中弾を得られるにしても、高い技量が必要だったりしています。
 やはり、地上目標が援護物に隠れているのであれば、隠れていない他の目標を撃つべきだ、という結論は変わりありません。

 そして地上目標の側から見て、 援護物に隠れることは機銃掃射に対して極めて有効である、 という点も同様でした。




(5)テックレベル12〜13の機銃掃射(援護物あり)

 テックレベル12〜13の機銃掃射は、目標が援護物に隠れている場合、その命中難易度が 中距離で〈並:7+〉、遠距離〜超遠距離で〈難:11+〉、 遠方で〈至難:15+〉になりました。
 距離帯ごとに異なる移動DMを加味し、4つの移動速度で考察した結果は、以下の通りです。



 まずは航空機の移動速度が100km/hだった場合です。


    表46 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:100km/h:援護物あり)

BW57_Fig46.gif - 10.3KB

 今回も表34と同様。
 表の左端が機銃掃射を行う距離帯と、その距離帯における移動DM
 その右側が機銃掃射の命中難易度です。

 表の右側は、砲術技能レベル+戦術ポイント等の+DMによって変化する、機銃掃射の命中率。
 命中に必要な目標値と命中の可能性(%)を並記しました。



 TL12〜13の航空機が移動速度100km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は同率で超遠距離(250〜500m)と中距離(5〜50m)でした。
 このテックレベルでは、目標が援護物に隠れていても高い命中率を発揮できるようです。
 遠方(500m〜5km)や遠距離(50〜250m)でも十分な命中率でした。



 次は航空機の移動速度が200km/hだった場合。


    表47 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:200km/h:援護物あり)

BW57_Fig47.gif - 9.88KB

 表46と同じ形式です。



 TL12〜13の航空機が、移動速度200km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は超遠距離(250〜500m)でした。
 次点が同率で遠方(500m〜5km)と遠距離(50〜250m)。
 この3つの距離帯ならば、援護物に隠れている目標であっても命中弾を得ることが出来そうです。
 中距離(5〜50m)だけは命中DMが+5以上でなければ命中弾を得ることが出来ません。



 次は航空機の移動速度が400km/hだった場合。


    表48 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:400km/h:援護物あり)

BW57_Fig48.gif - 9.55KB

 表46と同じ形式です。



 TL12〜13の航空機が、移動速度400km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は超遠距離(250〜500m)となりました。
 その次が遠方(500m〜5km)です。
 中距離(5〜50m)で命中弾を得るためには命中DMが+7以上必要で、遠距離(50〜250m)ではどうやっても命中弾を得られません。



 最後は、航空機の移動速度が800km/hだった場合。


    表49 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:800km/h:援護物あり)

BW57_Fig49.gif - 9.45KB

 表46と同じ形式です。



 TL12〜13の航空機が、移動速度800km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は同率で遠方(500m〜5km)と超遠距離(250〜500m)でした。
 ほとんど命中することはありませんが、攻撃側の命中DMが+7以上ならば命中する可能性があるのです。
 遠距離(50〜250m)と中距離(5〜50m)では、命中弾を得られません。



 TL12〜13の航空機が行う機銃掃射は、 目標が援護物に隠れていても、それなりに高い命中率を発揮できました。

 移動速度が100km/hの場合、機銃掃射が最も命中しやすい距離帯は超遠距離(250〜500m)と中距離(5〜50m)です。
 移動速度が200km/hの場合は、超遠距離(250〜500m)。
 移動速度が400km/hの場合も、超遠距離(250〜500m)。
 移動速度が800km/hの場合は、遠方(500m〜5km)と超遠距離(250〜500m)でした。

 TL12〜13の航空機機銃掃射を行う場合は、 移動速度に関わらず超遠距離(250〜500m)で行うべきでしょう。
 移動速度が800km/hの場合は遠方(500m〜5km)で行っても構いません。



 援護物に隠れることで、機銃掃射の命中難易度はひとつ上がります。 しかしTL5〜6の航空機が通常の射撃を行う場合と同程度の命中率を発揮できました。
 地上目標の立場からするとTL12〜13の航空機はかなり厄介な存在なのです。




(6)テックレベル14〜15の機銃掃射(援護物あり)

 テックレベル14〜15の機銃掃射は、目標が援護物に隠れている場合、その命中難易度が 中距離〜遠距離で〈並:7+〉、超遠距離〜遠方で〈難:11+〉になりました。
 距離帯ごとに異なる移動DMを加味し、4つの移動速度で考察した結果は、以下の通りです。



 まずは航空機の移動速度が100km/hだった場合です。


    表50 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:100km/h:援護物あり)

BW57_Fig50.gif - 10.3KB

 今回も表34と同様。
 表の左端が機銃掃射を行う距離帯と、その距離帯における移動DM
 その右側が機銃掃射の命中難易度です。

 表の右側は、砲術技能レベル+戦術ポイント等の+DMによって変化する、機銃掃射の命中率。
 命中に必要な目標値と命中の可能性(%)を並記しました。



 TL14〜15の航空機が移動速度100km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は遠距離(50〜250m)でした。
 このテックレベルでは、目標が援護物に隠れていても高い命中率を発揮できるようです。
 遠方(500m〜5km)や超遠距離(250〜500m)、中距離(5〜50m)でも十分な命中率でした。



 次は航空機の移動速度が200km/hだった場合。


    表51 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:200km/h:援護物あり)

BW57_Fig51.gif - 10.2KB

 表50と同じ形式です。



 TL14〜15の航空機が、移動速度200km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は同率で遠方(500m〜5km)と遠距離(50〜250m)でした。
 3番目が超遠距離(250〜500m)。
 この3つの距離帯ならば、援護物に隠れている目標であっても命中弾を得ることが出来そうです。
 中距離(5〜50m)だけは命中DMが+5以上でなければ命中弾を得ることが出来ません。



 次は航空機の移動速度が400km/hだった場合。


    表52 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:400km/h:援護物あり)

BW57_Fig52.gif - 9.80KB

 表50と同じ形式です。



 TL14〜15の航空機が、移動速度400km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は遠方(500m〜5km)となりました。
 その次が超遠距離(250〜500m)です。  遠距離(50〜250m)で命中弾を得るためには命中DMが+3以上必要で、中距離(5〜50m)ではどうやっても命中弾を得られません。
 援護物の存在によって命中難易度が〈易:3+〉から〈並:7+〉に変わったため、 大きな移動DMを解消できなくなった、ということが原因のようです。
 移動DMの影響をそれほど受けない遠距離や遠方からの機銃掃射であれば、それなりの命中弾を得られる訳ですが。



 最後は、航空機の移動速度が800km/hだった場合。


    表53 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:800km/h:援護物あり)

BW57_Fig53.gif - 9.30KB

 表50と同じ形式です。



 TL14〜15の航空機が、移動速度800km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は遠方(500m〜5km)でした。
 しかし、移動速度が800km/hで援護物に隠れていても、 命中DMが+8あれば7+(=58.3%)で命中弾を得られると事実に衝撃を覚えました。
 テックレベル14〜15の火器管制装置は高性能なのです。 反重力戦車トレピダに襲われたキャラクターは、 遠方からの機銃掃射に気を付けて下さい。
 次点は超遠距離(250〜500m)ですが、命中弾を得るためには命中DMが+7以上必要です。
 遠距離(50〜250m)と中距離(5〜50m)では、命中弾を得られません。



 TL14〜15の航空機が行う機銃掃射は、 目標が援護物に隠れていても、それなりに高い命中率を発揮できました。

 移動速度が100km/hの場合、機銃掃射が最も命中しやすい距離帯は遠距離(50〜250m)です。
 移動速度が200km/hの場合は、同率で遠方(500m〜5km)と遠距離(50〜250m)。
 移動速度が400km/hの場合は、遠方(500m〜5km)。
 移動速度が800km/hの場合も、遠方(500m〜5km)でした。

 TL14〜15の航空機の移動速度が200km/h以下の場合、 機銃掃射は遠距離(50〜250m)で行うべきです。
 移動速度が200km/h以上の場合は遠方(500m〜5km)で行うべき、ということになりました。



 援護物に隠れることで、機銃掃射の命中難易度はひとつ上がります。
 しかしテックレベル14〜15の火器管制装置は高性能であるため、 機銃掃射を全て避けられる訳ではない、ということも明らかになりました。
 反重力戦車トレピダに襲われた場合は、援護物に隠れるだけでは不十分。 お互いに姿が見えない遮蔽物の陰に隠れるべきだ、という結論が出てしまったようです。



 ところで、私はこれまでの考察で命中DMの上限を+8としてきましたが、この上限にもそれなりの根拠があります。
 搭載しているコンピュータのモデル数をそのまま+DMとして加算できるのですから、 高いテックレベルの航空機ならば、そのモデル数だけで簡単に+8や+9のDMを得られるでしょう。
 〈砲術〉技能や〈照準〉技能、ヘッドアップ・ディスプレイの+1と合わせれば、最高で+18くらいの+DMになりそうな気もします。
 しかしながら、モデル9のコンピュータを搭載している輸送機器は、宇宙船を除けば存在しません。 少なくとも、「反乱軍ソース・ブック」に掲載されている反重力戦車トレピダテックレベル14で製造された戦闘用車輌であるにも関わらず、モデル3のコンピュータしか搭載していませんでした。
 需要と価格とのバランスから、地上で使用される戦闘用車輌に搭載されるコンピュータは、モデル3が限界なのでしょう。
 モデル3のコンピュータが上限であるのならば、それにヘッドアップ・ディスプレイの+1を追加してDMは+4。
 〈砲術〉技能と〈照準〉技能を合わせれば、+8のDMも簡単に達成できそうな気がしました。
 技量の高いパイロットや砲手と組み合わせれば更に上の+12にまで届きそうですが、 あまり頻繁に発生する条件でもなさそうですから、考察では+8を上限としておいた訳です。





大きな目標への機銃掃射


 今度は反対に、命中難易度がひとつ下がる条件、について考察してみましょう。

 考察の51回「砲兵7:対戦車砲」でも触れましたが、 「プレイヤーズ・マニュアル、p.71」には、

> 大型目標(自動車より大きいもの)。
> 動物なら重量500キログラム以上、ロボットなら機体容量500リットル以上。


 を目標とした射撃は、その命中難易度がひとつ低く(易しく)なるというルールが存在します。

 自動車より大きいものと言いつつ、 具体的な条件が重量500キログラム以上だったり、 機体容量500リットル以上だったりするのは不思議な感じですが、 これは重量1トン未満の小型車輌が存在することを念頭に置いての補足条件なのでしょう。
 とにかく、一般的な車輌であれば、大型目標として扱うことができ、 命中難易度がひとつ下がることは間違いありません。この条件で三度、機銃掃射の命中率を評価してみましょう。



 考察の48回「砲兵4:直接射撃−榴弾」でも書きましたが、HJ版のルールには誤訳が存在します。
 「自動車より大きいもの」の原文は「groundcar-size or larger」ですから、 この部分は「自動車と同じ大きさか、より大きいもの」と訳さなければなりません。
 正しい訳語は「自動車と同じ大きさか、より大きいもの」です。御注意下さい。




(1)大きな目標への命中率

 大型目標を射撃する際は命中難易度がひとつ下がる というルールを適用して、表11の命中難易度表を作り直しました。
 その実態は、以下の通りとなります。


     表54 火器管制型の命中難易度表(中距離〜遠方:大きな目標)

BW57_Fig54.gif - 14.3KB

 表11を作り直した、大きな目標を狙った場合の命中難易度表です。
 表の上端は距離帯
 その下に「ライフル」関連の命中難易度
 下半分は様々なテックレベルにおける「火器管制型」の命中難易度

 大きな目標を狙うことで、命中難易度が〈易:3+〉となる距離帯が大幅に拡大しました。

 テックレベル5〜6は中距離まで。
 テックレベル7は遠距離まで。
 テックレベル8〜13は超遠距離まで。
 そしてテックレベル14以上は遠方まで、といった具合です。

 命中難易度が元から〈易:3+〉だった部分は赤字で表現しました。
 元から命中難易度が〈易:3+〉だった距離帯は、 難易度が上昇する要因が存在しても、例えば「狙い撃ち」を行っても、 命中難易度は〈易:3+〉のままである、ということです。
 ただし難易度の上昇要因が2つ以上重なっている場合、 例えば更に「速射」を行うような場合は、順当に難易度が上がっていくものとしました。
 難易度の上昇要因がひとつ打ち消される、と解釈して頂けば問題ないでしょう。

 この難易度表を使って、様々なテックレベル、様々な移動速度の航空機から行われる、 機銃掃射の命中率を三度評価してみました。




(2)テックレベル5〜6の機銃掃射(大きな目標)

 テックレベル5〜6の航空機機銃掃射を行う場合、その命中難易度は表54より、 中距離で〈易:3+〉に、遠距離〜超遠距離で〈並:7+〉、 遠方で〈難:11+〉となります。

 易しくなった命中難易度を使い、距離帯ごとに異なる移動DMを加味すると、 実際の命中率は以下のように変化しました。
 今回も移動速度を100km/h、200km/h、400km/h、800km/hの4段階に分けて考察しています。



 まずは、航空機の移動速度が100km/hだった場合から。


    表55 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:100km/h:大きな目標)

BW57_Fig55.gif - 10.3KB

 表の左端が、機銃掃射を行う距離帯と、その距離帯における移動DM
 その右側が、機銃掃射の命中難易度

 表の右側は、砲術技能レベル+戦術ポイント等の+DMによって変化する、機銃掃射の命中率です。
 命中に必要な目標値と命中の可能性(%)を並記しました。



 大きな目標に対して、移動速度100km/hで機銃掃射を行う場合も、 最も命中率が高い距離帯は、同率で中距離(5〜50m)と超遠距離(250〜500m)のままでした。
 TL5〜6の航空機がここまで速度を落とすことは困難ですから、あまり意味はありませんが。



 次は、航空機の移動速度が200km/hだった場合。


    表56 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:200km/h:大きな目標)

BW57_Fig56.gif - 10.3KB

 表55と同じ形式です。



 TL5〜6の航空機が、移動速度200km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は超遠距離(250〜500m)でした。
 大きな目標(車輌など)に対して機銃掃射を行う場合でも、 目標との距離は超遠距離(250〜500m)を保つべきなのです。



 次は、航空機の移動速度が400km/hだった場合。


    表57 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:400km/h:大きな目標)

BW57_Fig57.gif - 10.0KB

 表55と同じ形式です。



 TL5〜6の航空機が、移動速度400km/hで機銃掃射を行う場合も、 最も命中率が高い距離帯は超遠距離(250m〜500m)です。
 また、中距離(5〜50m)では命中難易度が〈易:3+〉になったため、 どんなに不利なDMが累積しても11+(8.3%)の確率で命中が得られるようになりました。
 技能なしのペナルティを負わない限り、最低限(8.3%)の命中を期待できる訳です。



 最後に、航空機の移動速度が800km/hだった場合。


    表58 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:800km/h:大きな目標)

BW57_Fig58.gif - 10.0KB

 表55と同じ形式です。



 TL5〜6の航空機が、移動速度800km/hで機銃掃射を行う場合も、 最も命中率が高い距離帯は超遠距離(250m〜500m)なのですが、 砲手の命中DMが大きくない限り、命中弾を期待できません。
 中距離(5〜50m)の命中難易度は〈易:3+〉ですから、この移動速度でも、 例によって11+(8.3%)の命中弾を得られます。



 大きな目標を射撃する場合であっても、TL5〜6の航空機は移動速度を200km/h以下に抑え、 超遠距離(250〜500m)で機銃掃射行うべきである、ということが分かりました。




(3)テックレベル7の機銃掃射(大きな目標)

 テックレベル7の航空機機銃掃射を行う場合、その命中難易度は表54より、 中距離〜遠距離で〈易:3+〉に、超遠距離〜遠方で〈並:7+〉になります。

 易しくなった命中難易度を使い、距離帯ごとに異なる移動DMを加味すると、 実際の命中率は以下のように変化しました。
 今回も移動速度を100km/h、200km/h、400km/h、800km/hの4段階に分けて考察しています。



 まずは、航空機の移動速度が100km/hだった場合から。


    表59 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:100km/h:大きな目標)

BW57_Fig59.gif - 10.3KB

 表55と同じで、表の左端が機銃掃射を行う距離帯と、その距離帯における移動DM
 その右側が、機銃掃射の命中難易度です。

 表の右側は、砲術技能レベル+戦術ポイント等の+DMによって変化する、機銃掃射の命中率。
 命中に必要な目標値と命中の可能性(%)を並記しました。



 TL7の航空機が、移動速度100km/hで機銃掃射を行う場合も、 最も命中率が高い距離帯は遠距離(50〜250m)のままですが、その命中率がとても高くなりました。
 必要な技能を持たない場合は難易度上昇というペナルティを受けてしまいますから、そうした事情は例外としますが、 +DMがあればほぼ自動的に命中すると言って良い程、高い命中率となっています。
 この命中率ならば、ダメージ2倍(〜8倍)の例外的命中も簡単に得られるでしょう。
 他の距離帯、遠方(500m〜5km)や遠距離(50〜250m)、中距離(5〜50m)でも命中弾を得ることは容易ですが、 ダメージの大きさも考慮するのであれば、100km/hで移動するTL7の航空機は 遠距離(50〜250m)で機銃掃射を行うべきなのです。



 次は、航空機の移動速度が200km/hだった場合。


    表60 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:200km/h:大きな目標)

BW57_Fig60.gif - 10.2KB

 表59と同じ形式です。



 TL7の航空機が、移動速度200km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は遠方(500m〜5km)と遠距離(50〜250m)になりました。
 表59の遠距離ほどの命中率ではありませんが、それでも高い命中率となっています。
 与えられるダメージもそれなりに大きいことでしょう。
 中距離(5〜50m)で命中弾を得ることは困難ですが、決して不可能なことではありません。 +DMが大きければ容易に命中させられます。



 次は、航空機の移動速度が400km/hだった場合。


    表61 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:400km/h:大きな目標)

BW57_Fig61.gif - 10.1KB

 表59と同じ形式です。



 TL7の航空機が、移動速度400km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は遠方(500m〜5km)です。
 移動DMの大きさを考慮すれば当然という状況ですが、大きな目標を狙っているため、その命中率はかなり高くなりました。
 遠方でもかなりの頻度で命中します。
 それに加えて遠距離(50〜250m)と中距離(5〜50m)では、その命中難易度が〈易:3+〉になったため、 どんなに不利なDMが累積しても11+(8.3%)の確率で命中が得られるようになりました。
 技能なしのペナルティを負わない限り、最低限(8.3%)の命中を期待できる訳です。



 最後に、航空機の移動速度が800km/hだった場合。


    表62 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:800km/h:大きな目標)

BW57_Fig62.gif - 10.0KB

 表59と同じ形式です。



 TL7の航空機が、移動速度800km/hで機銃掃射を行う場合も、 最も命中率が高い距離帯は遠方(500m〜5km)なのですが、 砲手の+DMによっては、かなり高い命中率となりました。
 その次に命中率が高いのは超遠距離(250〜500m)ですが、+DMの大きさによって逆転現象が生じてしまいますから、単純に優劣を付けられません。
 3番目と4番目は遠距離(50〜250m)と中距離(5〜50m)で、この距離帯は命中難易度が〈易:3+〉ですから、 例によって11+(8.3%)の命中弾を得られるのです。



 TL7の航空機が行う機銃掃射に関して、 大きな目標に対する命中率を求めました。

 移動速度が100km/hであれば、機銃掃射が最も命中しやすい距離帯は遠距離(50〜250m)のままですが、 他の距離帯であっても十分な命中率を得られるようになりました。 しかしダメージの倍増までを考慮するのであれば、やはり最も命中率の高い遠距離で射撃を行うべきでしょう。
 移動速度が200km/hになった場合は、遠方(500m〜5km)か遠距離(50〜250m)で機銃掃射を行うべきですが、 超遠距離(250〜500m)や中距離(5〜50m)でもそれなりの命中弾を期待できます。
 移動速度が400km/hであれば、機銃掃射を遠方(500m〜5km)で行うべきです。 超遠距離(250〜500m)でも命中を期待できますし、遠距離(50〜250m)と中距離(5〜50m)では 11+(8.3%)の命中弾を得られるようになりました。
 移動速度が800km/hになっても、遠方(500m〜5km)ならば高い命中率となっています。 超遠距離(250〜500m)でも命中を期待できること、遠距離(50〜250m)と中距離(5〜50m)で 11+(8.3%)の命中弾を得られることは、変わりません。

 大きな目標を機銃掃射する場合であっても、 TL7の航空機は移動速度を200km/h以下に抑えて遠距離(50〜250m)で行うか、 移動速度が200km/h以上であれば遠方(500m〜5km)で行うべきでしょう。
 それ以外の条件であっても、最低限(8.3%)の命中率を得られますから、 大きな目標に対する機銃掃射は極めて効果的である、と言えそうです。




(4)テックレベル8〜11の機銃掃射(大きな目標)

 テックレベル8〜11の航空機が援護物下の地上目標に対して機銃掃射を行う場合、 その命中難易度は表54より、 中距離〜超遠距離で〈易:3+〉、遠方で〈並:7+〉へと変化しました。
 今回も距離帯ごとに異なる移動DMを加味し、 移動速度を100km/h、200km/h、400km/h、800km/hの4段階に分けて、実際の命中率を考察してみます。



 まずは、航空機の移動速度が100km/hだった場合。


    表63 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:100km/h:大きな目標)

BW57_Fig63.gif - 10.2KB

 表55と同じで、表の左端が機銃掃射を行う距離帯と、その距離帯における移動DM
 その右側が、機銃掃射の命中難易度です。

 表の右側は、砲術技能レベル+戦術ポイント等の+DMによって変化する、機銃掃射の命中率。
 命中に必要な目標値と命中の可能性(%)を並記しました。



 TL8〜11の航空機が移動速度100km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は超遠距離(250〜500m)であり、 その次が僅差で遠距離(50〜250m)であるということに変わりはありません。
 ダメージ倍増の例外的命中も十分に期待できるでしょう。



 次は航空機の移動速度が200km/hだった場合。


    表64 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:200km/h:大きな目標)

BW57_Fig64.gif - 10.3KB

 表63と同じ形式です。



 TL8〜11の航空機が、移動速度200km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は超遠距離(250〜500m)であり、十分なダメージを期待できます。
 遠方(500m〜5km)と遠距離(50〜250m)の命中率は大きく低下していますが、命中を期待できないほどではありませんでした。
 中距離(5〜50m)であっても、11+(8.3%)の命中弾を得られるでしょう。



 次は航空機の移動速度が400km/hだった場合。


    表65 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:400km/h:大きな目標)

BW57_Fig65.gif - 10.1KB

 表63と同じ形式です。



 TL8〜11の航空機が、移動速度400km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は超遠距離(250〜500m)でした。
 この距離帯は移動DMの影響をあまり受けないのですが、 それに加えて命中難易度が〈易:3+〉に変わったため、高い命中率を保っています。
 遠方(500m〜5km)の命中率も高いので、それなりの命中弾を期待できるでしょう。
 その反面、移動DMの影響が大きい距離帯、遠距離(50〜250m)と中距離(5〜50m)で命中が難しくなりました。
 特に中距離(5〜50m)では、最低限(=8.3%)の命中弾を得られるだけです。



 最後は、航空機の移動速度が800km/hだった場合。


    表66 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:800km/h:大きな目標)

BW57_Fig66.gif - 10.1KB

 表63と同じ形式です。



 TL8〜11の航空機が、移動速度800km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は同率で遠方(500m〜5km)と超遠距離(250〜500m)の2つでした。
 大型目標を狙っているおかげで、この移動速度であっても多くの命中弾を得られるでしょう。
 遠距離(50〜250m)と中距離(5〜50m)で行われる機銃掃射は、 どんなに大きな+DMを持っていても、11+(8.3%)でしか命中しません。



 TL8〜11の航空機が行う機銃掃射について、 大きな目標に対する命中率を求めました。

 TL8〜11の航空機が行う機銃掃射は、 どんな移動速度であっても、最も命中しやすい距離帯が超遠距離(250〜500m)です。
 移動速度が800km/hの場合だけは遠方(500m〜5km)も同じ命中率となりますが、 機銃掃射は超遠距離(250〜500m)で行うべきだ、という結論は変わりません。
 大きな目標に対して機銃掃射を行っているため、その命中難易度がひとつ低下した結果として、 超遠距離(250〜500m)と遠方(500m〜5km)での命中率がとても高くなりました。
 また、遠距離(50〜250m)と中距離(5〜50m)においても、その命中難易度が〈易:3+〉であるため、 どんなに条件が悪くても11+(8.3%)の命中率を保っています。
 機銃掃射で狙われる地上目標の側からすれば恐ろしい話ですが。




(5)テックレベル12〜13の機銃掃射(大きな目標)

 テックレベル12〜13の機銃掃射で大きな目標を撃つ場合の命中難易度は、表54で示した通り、 中距離が〈易:3+〉、遠距離〜超遠距離で〈易:3+〉、 遠方のみ〈並:7+〉です。
 どちらも同じ〈易:3+〉のようですが、 中距離だけは命中難易度が上がる要素がひとつあっても〈易:3+〉のまま、という点が異なりました。
 距離帯ごとに異なる移動DMを加味し、4つの移動速度で考察した結果は、以下の通りです。



 まずは航空機の移動速度が100km/hだった場合。


    表67 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:100km/h:大きな目標)

BW57_Fig67.gif - 10.3KB

 今回も表55と同様。
 表の左端が機銃掃射を行う距離帯と、その距離帯における移動DM
 その右側が機銃掃射の命中難易度です。

 表の右側は、砲術技能レベル+戦術ポイント等の+DMによって変化する、機銃掃射の命中率。
 命中に必要な目標値と命中の可能性(%)を並記しました。



 TL12〜13の航空機が移動速度100km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は超遠距離(250〜500m)でした。
 その次が遠距離(50〜250m)、3番目が遠方(500m〜5km)、最後が中距離(5〜50m)です。
 どの距離でも、それなりの命中弾を得られる状態になっていました。



 次は航空機の移動速度が200km/hだった場合。


    表68 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:200km/h:大きな目標)

BW57_Fig68.gif - 10.3KB

 表67と同じ形式です。



 TL12〜13の航空機が、移動速度200km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は今回も超遠距離(250〜500m)でした。
 2番目は同率で遠方(500m〜5km)と遠距離(50〜250m)。

 技能なしの場合は、最も命中率が高い距離帯が遠距離(50〜250m)。
 2番目は中距離(5〜50m)。
 3番目が同率で遠方(500m〜5km)と超遠距離(250〜500m)になっています。

 ところで、行為判定に必要な技能を持たない場合、行為判定の難易度がひとつ上がるというペナルティが存在していました。 命中難易度が〈易:3+〉であっても、技能なしの場合は〈並:7+〉になり、 敏捷力などによるDMも加算できないという状況だった訳です。
 しかし、テックレベル12〜13の火器管制型で、中距離を撃つ場合は状況が異なりました。 この距離帯での命中難易度は前述の通り〈易:3+〉ですから、 難易度をひとつ上げるペナルティが存在しても〈易:3+〉のままになるのです。 +DMは加算できませんが、難易度が〈易:3+〉ですから、最終的な命中率が大きく変化しました。
 上記で命中率の順位が逆転しているのは、そのためです。
 ルール上の不具合だと思いますが、こうした事例は特殊な状況でしか発生しませんので放置することにしましょう。



 次は航空機の移動速度が400km/hだった場合。


    表69 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:400km/h:大きな目標)

BW57_Fig69.gif - 10.2KB

 表67と同じ形式です。



 TL12〜13の航空機が、移動速度400km/hで機銃掃射を行う場合も、 最も命中率が高い距離帯は超遠距離(250〜500m)です。
 2番目が遠方(500m〜5km)。3番目が遠距離(50〜250m)という順位。
 中距離(5〜50m)での命中率は更に下がり、11+(8.3%)でしか命中弾を得られません。

 技能なしの場合の命中率は、超遠距離(250〜500m)と中距離(5〜50m)で、同率の11+(8.3%)でした。
 遠方(500m〜5km)と遠距離(50〜250m)では命中弾を得られません。



 最後は、航空機の移動速度が800km/hだった場合。


    表70 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:800km/h:大きな目標)

BW57_Fig70.gif - 10.1KB

 表67と同じ形式です。



 TL12〜13の航空機が、移動速度800km/hで機銃掃射を行う場合も、 最も命中率が高い距離帯は同率で遠方(500m〜5km)と超遠距離(250〜500m)でした。
 3番目と4番目も同率で遠距離(50〜250m)と中距離(5〜50m)。 この距離帯での命中率は、最低限の11+(8.3%)となっています。

 技能なしの場合、最も命中率が高い距離帯は中距離(5〜50m)で11+(8.3%)
 他の距離帯では命中弾を期待できませんでした。



 TL12〜13の航空機が行う機銃掃射について、 大きな目標に対する命中率を求めました。

 TL12〜13の航空機が行う機銃掃射も、 どんな移動速度であっても、最も命中しやすい距離帯が超遠距離(250〜500m)です。
 移動速度が800km/hの場合だけは遠方(500m〜5km)も同じ命中率となりますが、 機銃掃射を超遠距離(250〜500m)で行うべきだ、という結論も同じです。




(6)テックレベル14〜15の機銃掃射(大きな目標)

 テックレベル14〜15の機銃掃射は、大きな目標を撃つ場合、その命中難易度が 中距離〜遠距離で〈易:3+〉、超遠距離〜遠方で〈易:3+〉です。
 どちらも同じ〈易:3+〉のようですが、 中距離〜遠距離は命中難易度が上がる要素がひとつあっても〈易:3+〉のまま、という点が異なりました。
 距離帯ごとに異なる移動DMを加味し、4つの移動速度で考察した結果は、以下の通りです。



 まずは航空機の移動速度が100km/hだった場合。


    表71 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:100km/h:大きな目標)

BW57_Fig71.gif - 10.2KB

 今回も表55と同様。
 表の左端が機銃掃射を行う距離帯と、その距離帯における移動DM
 その右側が機銃掃射の命中難易度です。

 表の右側は、砲術技能レベル+戦術ポイント等の+DMによって変化する、機銃掃射の命中率。
 命中に必要な目標値と命中の可能性(%)を並記しました。



 TL14〜15の航空機が移動速度100km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は遠方(500m〜5km)でした。
 その次が超遠距離(250〜500m)、3番目が遠距離(50〜250m)、最後が中距離(5〜50m)です。
 命中難易度がすべての距離帯で〈易:3+〉、もしくは〈易:3+〉になったため、 移動DMの大きさだけが最終的な命中率を左右するようになってしまいました。
 ですから、遠い距離帯ほど命中率が高い、という現象が生じてしまうのです。

 行為判定に必要な技能を持たない場合、行為判定の難易度がひとつ上がるというペナルティの件ですが、 命中難易度が前述の通り〈易:3+〉になる距離帯は、 テックレベル14〜15の場合、中距離と遠距離の2つに広がりました。
 色々と問題が起きているのですが、やはり今回も気にしない方が良いでしょう。



 次は航空機の移動速度が200km/hだった場合。


    表72 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:200km/h:大きな目標)

BW57_Fig72.gif - 10.3KB

 表71と同じ形式です。



 TL14〜15の航空機が、移動速度200km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は今回も遠方(500m〜5km)でした。
 2番目は超遠距離(250〜500m)で、3番目が遠距離(50〜250m)。

 技能なしの場合は遠方(500m〜5km)と遠距離(50〜250m)が同率で1番。
 3番目が超遠距離(250〜500m)となっています。



 次は航空機の移動速度が400km/hだった場合。


    表73 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:400km/h:大きな目標)

BW57_Fig73.gif - 10.3KB

 表71と同じ形式です。



 TL14〜15の航空機が、移動速度400km/hで機銃掃射を行う場合も、 最も命中率が高い距離帯は遠方(500m〜5km)です。
 2番目が超遠距離(250〜500m)で、3番目が遠距離(50〜250m)という点も同様ですが、 遠距離での機銃掃射は命中が難しくなりました。
 中距離(5〜50m)での命中率は更に下がり、11+(8.3%)でしか命中弾を得られません。

 技能なしの場合の命中率は、遠方(500m〜5km)で9+(27.8%)となっている以外、 遠距離〜中距離で11+(8.3%)と一定でした。



 最後は、航空機の移動速度が800km/hだった場合。


    表74 機銃掃射の命中率(移動DMの影響:800km/h:大きな目標)

BW57_Fig74.gif - 10.2KB

 表71と同じ形式です。



 TL14〜15の航空機が、移動速度800km/hで機銃掃射を行う場合も、 最も命中率が高い距離帯は遠方(500m〜5km)でした。
 移動速度が800km/hであっても、その命中率は高いレベルにあります。大きなダメージを与えることも容易でしょう。
 2番目は超遠距離(250〜500m)で、命中率は大きく下がりますが、まだ命中弾を期待できます。
 3番目は同率で遠距離(50〜250m)と中距離(5〜50m)。 命中DMがどれだけでも、最低限の命中率11+(8.3%)しかありませんでした。



 TL14〜15の航空機が行う機銃掃射は、 大きな目標を狙う場合、移動速度が大きくてもそれなりの命中率を得ることが出来るようです。

 すべての距離帯で命中難易度が〈易:3+〉〈易:3+〉ですから、 機銃掃射が最も命中しやすい距離帯は移動速度に関係なく、遠方(500m〜5km)でした。
 2番目は超遠距離(250〜500m)ですが、移動速度が大きくなる程、移動DMの影響によって命中率が悪くなります。
 遠距離(50〜250m)と中距離(5〜50m)での射撃は移動DMの影響を受けやすいため、移動速度が大きくなる程悪くなりますが、 命中難易度が〈易:3+〉であるため、 最低でも11+(8.3%)の命中率が得られるでしょう。
 TL14〜15の航空機が大きな目標を狙う場合、 遠方(500m〜5km)で高い命中率を発揮できるということが判明しました。

 高速で移動していても、高い命中率を発揮できるということは、脅威だと思います。




(7)大きな目標が援護物に隠れた場合の命中率

 「自動車と同じ大きさか、より大きいもの」であっても、 それらの大きな目標が援護物に隠れているという状態は十分に有り得ます。

 大型目標を射撃する際は命中難易度がひとつ下がる
 という条件と、
 援護物に隠れている目標を射撃する際は命中難易度がひとつ上がる
 という条件が競合して、
 命中難易度は通常と変わらない
 という、面白くもない結果になる訳ですが。



 こうした状況では、表11で示した命中難易度と、表13〜32で示した命中率をそのまま用いることができます。
 そして、考察の結果もほぼ同様。



 TL5〜6の航空機機銃掃射を行う場合は、 その移動速度を200km/h以下まで落として、機関銃の最大射程ぎりぎり、超遠距離(250〜500m)で行うべきだ、 ということが分かりました。

 TL7の航空機は移動速度を200km/h以下に落として、 遠距離(50〜250m)からの機銃掃射を行うべきです。
 そうすれば、狙った大型目標が援護物に隠れていても、命中弾を与えることができるでしょう。

 TL8〜11の航空機も移動速度を低速にすることは同じですが、 機銃掃射を超遠距離(250〜500m)で行うべきだ、という点が異なりました。

 TL12〜13の航空機機銃掃射を行う際は、 移動速度に関わらず超遠距離(250〜500m)を選ぶべきでしょう。

 TL14〜15の航空機の場合、移動速度が200km/h以下ならば、 遠距離(50〜250m)からの機銃掃射で高い命中率を得ることができます。
 狙った大型目標が援護物に隠れていても、その命中精度ならば関係ありません。
 移動速度が400km/h以上であるならば、遠方(500m〜5km)からの機銃掃射が効果的でしょう。



 こんな状況ですから、大きな目標が機銃掃射を受けた場合、 援護物に隠れていても命中弾を無くすことは困難なのです。





機銃掃射の貫通とダメージ


 機銃掃射の命中率に関する長い考察は此処までにして、今度は貫通状態とダメージについて考えます。




(1)貫通力とダメージの比較

 機銃掃射に用いる兵器、機関銃オート・キャノンレーザー砲について、 それぞれの貫通力ダメージを以下の表に纏めました。
 減衰がある兵器に関しては、距離帯毎に異なる貫通力を示してあります。


             表75 貫通力とダメージ

BW57_Fig75.gif - 14.0KB

 軽/中機関銃5.5mmガトリング・ガン7mmガトリング・ガンは、 貫通力が1〜3、ダメージが3です。
 重機関銃貫通力が3〜6で、 軽/中機関銃と比べて2倍の貫通力を持っています。 ダメージは3で同じでした。

 オート・キャノンは、その口径にもよりますが、 榴弾(HE)貫通力が2〜9、 ダメージが6〜10です。
 徹甲弾(KEAP)貫通力は8〜22、 ダメージは4〜8でした。
 例によって榴弾(HE)貫通力が低い代わりにダメージが大きい
 徹甲弾(KEAP)貫通力が高い代わりにダメージが小さい、と区別されているようです。
 貫通力ダメージの大きさに対して不満が無い訳でもないのですが、 遠い距離帯であっても貫通力が減衰しない点は有難いことだと思いました。

 ビーム・レーザー(TL8)は出力=0.5Mwのものです。
 その最大射程は2.5kmもありますから遠方(500m〜5km)の距離帯まで十分に届くのですが、 対地攻撃に使うことが前提だとしたら、貫通力が小さ過ぎるのでないでしょうか。
 遠距離から遠方の距離帯においてビーム・レーザーは、 軽/中機関銃と同レベルの貫通力、1〜2しか持っておりません。



 オート・キャノン榴弾(HE)機関銃は、 対人攻撃か非装甲車輌向け。
 オート・キャノン徹甲弾(KEAP)は装甲車輌向け。
 という使い分けがなされていると思っていたのですが、メガトラベラーの輸送機器設計ルールで考えると、 榴弾(HE)機関銃の貫通力が小さ過ぎるようです。
 「帝国百科」にサンプルとして掲載されている 地上車エアラフトの装甲値が4ですから、 貫通力が3以下の機関銃、口径30mm以下のオート・キャノンは、 それらの車輌に対してどう頑張っても「無貫通」の状態にしかなりません。
 「無貫通」だとダメージ期待値も小さいのですが、これで良いのでしょうか?

 輸送機器設計ルールの根幹に影響してしまいそうな疑問は棚上げにしておき、とりあえず、考察を先へ進めます。




(2)テックレベル5〜6の機銃掃射

 TL5〜6の航空機による機銃掃射は、 その火器管制装置の性能が低いため、どうしても低い命中率しか得られません。
 機銃掃射を命中させるためには、 移動DMによる悪影響を抑えるため、できる限り低速で飛行しなければならない訳です。
 もちろん、航空機には最低速度というものが存在しており、 その速度は単純(非流線形)の機体で150km/h、遷音速(流線形)の機体で175km/hという数値でした。
 ですから機銃掃射に最適な速度は200km/h前後、ということになるでしょう。



 表13〜16で考察した通り、機銃掃射の命中率が最も高い距離帯は超遠距離(250〜500m)でした。
 ダメージ期待値は、この距離帯で求めることにします。
 また、移動速度は200km/h、命中DMは+4を想定しました。


            表76 機銃掃射のダメージ期待値
     テックレベル5〜6、移動速度200km/h、超遠距離、命中DM+4

BW57_Fig76.gif - 16.3KB

 表の左端は武器名

 その次が、機銃掃射を行う距離帯における、 貫通力ダメージです。

 表の右側は、ダメージ期待値
 「完全貫通」と「部分貫通」、「無貫通」、 3つの貫通状態におけるダメージ期待値を示しました。
 同時に、その貫通状態になるための条件、目標の装甲値の範囲も並記しています。



 例えば、軽機関銃装甲値=4の車輌を狙い撃つ場合、 ダメージ期待値は「無貫通」の0.1となりました。
 TL5〜6の航空機であっても 軽機関銃による機銃掃射はほとんど命中しませんし、 命中してもダメージを1ポイントしか与えられない、ということですが、実に情けない話です。
 TL5〜6の航空機機銃掃射を行う際は、 TL7の航空機として命中難易度を求めるべきではないかと強く思いました。

 目標が装甲値=0ならば、貫通状態が「完全貫通」に変わって、 その場合のダメージ期待値は0.9へ増えます。
 あまり大きな数値ではありませんが、「無貫通」と比べれば10倍のダメージです。
 頼もしい……と表現するべきでしょうか?



 口径20mmのオート・キャノンは、テックレベル5〜6の世界であっても利用可能でした。 単銃身のものだけに限定されてしまいますが、一応、利用できるのです。
 装甲値=4の車輌に対して用いるのであれば、 榴弾(HE)の貫通状態は「無貫通」で、 ダメージ期待値0.1
 徹甲弾(KEAP)の貫通状態は「完全貫通」となり、 ダメージ期待値1.2に増えました。
 まだまだ小さい数値だと思いますが、TL5〜6の航空機(火器管制装置)では、これが限界なのでしょう。



 今度は、目標が援護物に隠れている状態、表35で求めた命中率による、ダメージ期待値です。


            表77 機銃掃射のダメージ期待値
  テックレベル5〜6、援護物あり、移動速度200km/h、超遠距離、命中DM+4

BW57_Fig77.gif - 16.6KB

 表76と同じ形式です。



 表35の考察で述べた通り、移動速度200km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は超遠距離(250m〜500m)のままですが、 命中DMが+4以下の場合、命中弾を得ることができません。
 そのため、ダメージ期待値はすべての銃器で0(無し)となります。

 TL5〜6の航空機が援護物に隠れた地上目標に対して機銃掃射を行うことは、 上の表へ示した通り、無意味なことだと分かりました。



 今度は、大きな目標を狙った場合のダメージ期待値です。
 表56で求めた命中率を使用しました。


            表78 機銃掃射のダメージ期待値
  テックレベル5〜6、大きな目標、移動速度200km/h、超遠距離、命中DM+4

BW57_Fig78.gif - 16.6KB

 表76と同じ形式です。

 ダメージ期待値が大きく増えました。
 増えたと言っても、元々の数値が小さいので大したことはないのですが、絶対値としては大きくなっています。



 軽機関銃で車輌を狙い撃つ場合、 ダメージ期待値0.9になりました。
 歩兵を撃つ場合のダメージ期待値は5.7ですから、その増加率は6.3〜10.3倍にもなっています。

 口径20mmのオート・キャノンで車輌を撃つ場合のダメージ期待値は、 榴弾0.9徹甲弾7.7でした。
 こちらも6.3〜10.3倍に増加しています。

 実は、この表で示したダメージ期待値は、 後述する表83(TL8、移動速度200km/h、超遠距離、命中DM+4)で示した数値と全く同じでした。
 TL8の航空機が歩兵に対して機銃掃射を行う場合と、 TL5〜6の航空機が車輌(大きな目標)に対して機銃掃射を行う場合は、 命中率もダメージ期待値も同じだったということです。

 それだけTL5〜6の航空機に搭載されている火器管制装置の性能が悪いということなのですが、 TL5〜6の航空機が歩兵に対して機銃掃射を行うことは、 メガトラのルールで再現できない、ということも分かりました。
 TL5〜6の航空機が歩兵に対して攻撃を試みる場合は、 機銃掃射ではなく、爆撃等、他の手段を用いるべきなのでしょう。




(3)テックレベル7の機銃掃射

 TL7の航空機も火器管制装置の性能は低く、命中率も低いままです。
 機銃掃射に最適な速度が200km/h前後である、ということも変わりませんでした。

 表18の数値を見ながら考察した通り、 TL7の航空機が移動速度200km/hで機銃掃射を行う場合、 最も命中率が高い距離帯は遠方(500m〜5km)と遠距離(50〜250m)でした。
 この2つの距離帯では同じ命中率を得られますが、貫通力の減衰や最大射程のことを考慮するならば、 機銃掃射は遠距離で行うべきです。



 TL7の航空機が移動速度200km/hで遠距離から行う、 機銃掃射のダメージ期待値を求めてみました。
 命中DMは同じ+4を想定しています。


            表79 機銃掃射のダメージ期待値
      テックレベル7、移動速度200km/h、遠距離、命中DM+4

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 表の左端は武器名

 その次が、機銃掃射を行う距離帯における、 貫通力ダメージです。

 表の右側は、ダメージ期待値
 「完全貫通」と「部分貫通」、「無貫通」、 3つの貫通状態におけるダメージ期待値を示しました。
 同時に、その貫通状態になるための条件、目標の装甲値の範囲も並記しています。



 例えば、装甲値=4の車輌を、軽機関銃で狙い撃つのであれば、 ダメージ期待値装甲値4+の欄を見なければなりません。
 その結果は「無貫通」で、 ダメージ期待値0.2でした。
 軽機関銃による機銃掃射はほとんど命中しませんし、 命中してもダメージが1ポイントか2ポイントしか与えられない、ということです。

 目標が装甲値=0の歩兵であるならば、何らかの理由で防具を身に着けていない兵士であるならば、 貫通状態は「完全貫通」に変わるでしょう。
 その場合のダメージ期待値は1.6。
 運が良ければ、一撃で6ポイントや12ポイントのダメージを与えることもできる筈です。 あくまで……運が良ければ(サイコロの目が良ければ)の話ですが。

 どうにも軽機関銃という兵器は、 航空機からの機銃掃射に向いていないような気がします。



 今度は口径20mmのオート・キャノンを見てみましょう。
 単銃身も3銃身も6銃身も、弾薬消費量とフルオート目標数が異なるだけですから、使用する欄は同じです。
 オート・キャノンの場合、距離帯による貫通力の減衰は生じませんでした。
 榴弾(HE)を用いるのであれば、 装甲値=4の車輌に対する貫通状態は「無貫通」で、 ダメージ期待値0.2
 徹甲弾(KEAP)を用いるのであれば、 同じ車輌に対する貫通状態は「完全貫通」となり、 ダメージ期待値2.3
 どちらの砲弾が車輌攻撃に向いているのか、という点は明らかでしょう。



 ほぼ同じ条件ですが、今度はひとつ遠い距離帯、超遠距離から機銃掃射を行う場合のダメージ期待値です。


            表80 機銃掃射のダメージ期待値
      テックレベル7、移動速度200km/h、超遠距離、命中DM+4

BW57_Fig80.gif - 17.9KB

 表79と同じ形式です。

 命中率がひとつ悪くなっただけ、8+から9+へ変わっただけなのに、 ダメージ期待値は大きく減少しました。



 軽機関銃装甲値=4の車輌を狙い撃つ場合、 そのダメージ期待値0.1で、半減です。
 装甲値=0の歩兵を撃つ場合であっても、 ダメージ期待値は0.9ですから、ほぼ半減だと言えるでしょう。

 口径20mmのオート・キャノンで車輌を撃つ場合、 榴弾ダメージ期待値0.1で半減。
 徹甲弾ダメージ期待値1.2で、 こちらもほぼ半減しています。

 TL7の航空機が行う機銃掃射の距離帯を遠距離から超遠距離に変更することで、 その機銃掃射の有効性がほぼ半減するということが明らかになりました。
 その逆の言い方をするならば、遠距離で行う機銃掃射は、 超遠距離で行う機銃掃射と比べて、2倍のダメージを与えられるということです。



 今度は、表39で求めた命中率で、ダメージ期待値を比較してみました。
 表39は、目標が援護物に隠れている場合の命中率です。


            表81 機銃掃射のダメージ期待値
   テックレベル7、援護物あり、移動速度200km/h、遠距離、命中DM+4

BW57_Fig81.gif - 18.2KB

 表79と同じ形式です。



 軽機関銃オート・キャノンも、目標にほとんどダメージを与えられません。
 援護物のおかげで命中率が12+(2.8%)まで下がってしまいましたので、その所為でしょう。

 TL7の航空機が行う機銃掃射に対して、 援護物に隠れるという行為が極めて有効であることが、ダメージ期待値からも確認できました。



 今度は、大きな目標を狙った場合のダメージ期待値です。
 表60で求めた命中率を使用しました。


            表82 機銃掃射のダメージ期待値
   テックレベル7、大きな目標、移動速度200km/h、遠距離、命中DM+4

BW57_Fig82.gif - 18.1KB

 表79と同じ形式です。



 援護物に隠れた状態とは反対に、ダメージ期待値が大きく増えました。

 軽機関銃で車輌を撃つ場合のダメージ期待値1.2、 歩兵を撃つ場合のダメージ期待値は7.6ですから、5〜6倍の増加です。

 口径20mmのオート・キャノンで車輌を撃つ場合、 榴弾ダメージ期待値1.2徹甲弾ダメージ期待値10.2で、 やはり4〜6倍の増加でした。

 TL7の航空機機銃掃射で狙うべき地上目標は小さな歩兵などではなく、 野砲や車輌、建物、集積物資などの大きな目標だ、ということなのでしょう。
 それらの目標に対して、 機関銃オート・キャノンが効くのか (貫通力が足りるのか)、という疑問は残りますが。




(4)テックレベル8〜11の機銃掃射

 TL8〜11の航空機になると火器管制装置の性能が向上したため、 機銃掃射の命中率が最も高い距離帯は表22で示した通り、超遠距離(250〜500m)になりました。
 命中率を上げるため、できる限り低速で飛行しなければならないことは同じですが、 TL8〜11の航空機が行う機銃掃射の評価は、超遠距離で計算します。
 命中率は表22で求めたものを使用しました。

 命中DMは、今回も+4を想定しています。


            表83 機銃掃射のダメージ期待値
     テックレベル8〜11、移動速度200km/h、超遠距離、命中DM+4

BW57_Fig83.gif - 18.1KB

 表76と同じ形式です。

 TL7の航空機TL8〜11の航空機で大きく異なる点は、超遠距離における命中難易度です。 そのためTL7では9+だった命中率が、TL8〜11では5+に向上しました。
 その結果が上記の数値です。



 軽機関銃装甲値=4の車輌を狙い撃つ場合、 ダメージ期待値0.9になりました。
 表79、TL7の航空機が遠距離で行う場合と比べると、 「無貫通」の状態であってもダメージ期待値が10倍に増えていました。
 装甲値=0の歩兵を撃つ場合のダメージ期待値は5.7ですから 「完全貫通」のダメージ期待値は6倍以上。
 驚くほどの増加でした。

 TL7の航空機に関する考察で、 機銃掃射軽機関銃は使えない、 という結論が出ていたように思いますが、それは早計だったようです。
 火器管制装置の性能がそれなりならば、TL8以降の航空機であれば 軽機関銃による機銃掃射も十分に命中しますし、 ダメージを与えられるということが判明しました。
 TL7の航空機軽機関銃が使えない理由は、 火器管制装置(命中率)にあった、と言う訳です。
 少し安心しました。
 パイロット(砲手)の〈砲術〉技能とコンピュータのモデル数を組み合わせて大きな命中DMを確保すれば、 TL7の航空機に搭載した軽機関銃でも 効果的な機銃掃射を行えるということなのでしょう。



 口径20mmのオート・キャノンで車輌を撃つ場合も、 榴弾ダメージ期待値0.9で10倍。 徹甲弾ダメージ期待値7.7で6倍。
 機銃掃射の効率がずいぶんと上がったようです。



 今度は、目標が援護物に隠れている状態、表43で求めた命中率による、ダメージ期待値です。


            表84 機銃掃射のダメージ期待値
  テックレベル8〜11、援護物あり、移動速度200km/h、超遠距離、命中DM+4

BW57_Fig84.gif - 18.1KB

 表83と同じ形式です。



 命中率が大幅に低下し、9+(27.8%)となってしまいました。

 軽機関銃装甲値=4の車輌を狙い撃つ場合の ダメージ期待値0.1
 装甲値=0の歩兵を撃つ場合のダメージ期待値は0.9。
 ダメージ期待値も大きく減少してしまいましたが、実はこの数値、 TL7の航空機が超遠距離で射撃した場合と同じだったりします。

 そう考えると、この条件での機銃掃射が無意味だとは思えません。
 命中率が低くても命中弾は有り得ますし、それなりのダメージを与えることができるのですから。
 逆の立場、地上目標の側から見ると、援護物に隠れても安心できないという不安材料のひとつだったりしますが。



 今度は、大きな目標を狙った場合のダメージ期待値です。
 表64で求めた命中率を使用しました。


            表85 機銃掃射のダメージ期待値
  テックレベル8〜11、大きな目標、移動速度200km/h、超遠距離、命中DM+4

BW57_Fig85.gif - 18.3KB

 表83と同じ形式です。



 援護物に隠れた状態とは正反対で、ダメージ期待値が大きく増えました。

 軽機関銃で車輌を撃つ場合のダメージ期待値2.4、 歩兵を撃つ場合のダメージ期待値は14.2ですから、今回は2.4〜2.8倍の増加です。

 口径20mmのオート・キャノンで車輌を撃つ場合、 榴弾ダメージ期待値2.4徹甲弾ダメージ期待値18.9で、 やはり2.4〜2.8倍でした。

 TL8〜11の航空機機銃掃射を行うのであれば、 野砲や車輌、建物、集積物資などの大きな目標はもちろんのこと、歩兵といった個人目標に対しても、 十分有効な命中率とダメージが得られるようです。
 そして、援護物があっても完全な保護は有り得ません。
 撃たれる側(地上目標)からすると、TL8〜11の航空機が行う機銃掃射は、 どうやっても無視できない、非常に厄介な攻撃手段になるようです。




(5)テックレベル12〜13の機銃掃射

 TL12〜13の航空機の火器管制装置は、機銃掃射を行う距離帯において、 TL8〜11の航空機に搭載されているものとほぼ同等です。
 中距離(5〜50m)の距離帯の命中難易度が〈並:7+〉から〈易:3+〉に変わった、 という唯一の相違点も存在しますが、中距離からの機銃掃射はあまり実用的ではないので、無視することにしした。

 命中率が最も高い距離帯は表26で示した通り、超遠距離(250〜500m)ですから、 TL12〜13の航空機が行う機銃掃射の評価も、超遠距離で計算します。
 命中DMは今回も+4を想定。


            表86 機銃掃射のダメージ期待値
     テックレベル12〜13、移動速度200km/h、超遠距離、命中DM+4

BW57_Fig86.gif - 18.4KB

 表76と同じ形式です。

 TL12〜13の航空機の命中率は前述の通り、TL8〜11の航空機と同じです。
 そのため、ダメージ期待値も同じ数値となりました。
 但しそれだけでは面白くありませんから、軽/中機関銃重機関銃速射磁気砲(VRF)に置き換え、プラズマA砲を追加しています。



 速射磁気砲装甲値=4の車輌を狙い撃つ場合、 貫通状態は「完全貫通」、ダメージ期待値19.2でした。
 ほぼ一撃で地上車エアラフトを撃破できるでしょう。
 歩兵を狙った場合も、 装甲値=5以下のクロースやフラックジャケットならば「完全貫通」、 装甲値=10の初期型戦闘アーマーならば「部分貫通」となります。
 ほぼ確実に即死するのではないでしょうか。
 TL12〜13の航空機が行う機銃掃射は、 それが速射磁気砲によって行われるのであれば、極めて効果的だと言えるのです。



 口径20mmのオート・キャノンで車輌を撃つ場合は、 榴弾ダメージ期待値0.9
 徹甲弾ダメージ期待値7.7で6倍。
 TL8〜11の航空機が行う場合と同じでした。



 初登場のプラズマA砲(PA-11)は、テックレベル10で登場します。
 テックレベル11ではプラズマB砲と並んで戦車の主砲という位置付けですが、 テックレベル13では装甲車用の支援火器に転落。
 テックレベル14では完全に廃れてしまうという不遇の兵器でした。
 それはともかく、TL12〜13の航空機に搭載する兵器として考えるのであれば、何の問題もないでしょう。
 プラズマA砲は超遠距離において、 装甲値=22以下の目標に対して「完全貫通」が得られ、 そのダメージ期待値38.3
 速射磁気砲の2倍もダメージを与えることができるようです。
 圧倒的でした。



 今度は、目標が援護物に隠れている状態、表31で求めた命中率による、ダメージ期待値です。


            表87 機銃掃射のダメージ期待値
 テックレベル12〜13、援護物あり、移動速度200km/h、超遠距離、命中DM+4

BW57_Fig87.gif - 18.3KB

 表86と同じ形式です。



 命中率は9+(27.8%)。

 速射磁気砲ダメージ期待値は、 で装甲値=4の車輌を狙い撃つ場合で3.1
 装甲値=5〜10の歩兵を撃つ場合で1.5〜3.1です。

 プラズマA砲ダメージ期待値は、 「完全貫通」の目標に対して6.1
 かなりの高確率で車輌を破壊し、個人(兵士)を即死に陥らせるでしょう。

 TL12〜13の航空機機銃掃射を行う場合、 使用している兵器にもよりますが、狙った目標が援護物に隠れていても、大きなダメージを与えることができるようです。
 地上目標の立場からすると、TL12〜13の航空機に狙われた場合、 援護物に隠れても安心は得られません。



 今度は、大きな目標を狙った場合のダメージ期待値です。
 表64で求めた命中率を使用しました。


            表88 機銃掃射のダメージ期待値
 テックレベル12〜13、大きな目標、移動速度200km/h、超遠距離、命中DM+4

BW57_Fig88.gif - 18.7KB

 表86と同じ形式です。



 ダメージ期待値が大きく増えました。

 速射磁気砲ダメージ期待値は、 「完全貫通」で47.2、 「部分貫通」で23.6です。
 一撃で撃破、あるいは即死させるには、十分な値だと言えるでしょう。

 プラズマA砲ダメージ期待値は、 「完全貫通」で94.4、 「部分貫通」で47.2でした。

 TL12〜13の航空機が行う機銃掃射は、 大きな目標を狙った場合、より効果的であることが明らかです。



 TL12〜13の航空機が行う機銃掃射の命中率は、 TL8〜11の航空機が行う場合と変わりません。
 しかし、その機銃掃射に用いられる兵器が、 機関銃から速射磁気砲へ、 オート・キャノンからプラズマA砲へ置き換えられることで、 圧倒的な破壊力(殺傷力)を発揮できることが判明しました。

 テックレベルが低い場合、機銃掃射の破壊力があまりにも小さ過ぎるため、 破壊色を補うために爆撃という攻撃手段が必要となっていましたが、 TL12〜13の航空機が、 速射磁気砲プラズマA砲を使って行う機銃掃射ならば、 十分な破壊力を備えているので、爆撃が不要になるかも知れません。
 そんな印象を抱いてしまうほど、これらのダメージ期待値は圧倒的だったのです。




(6)テックレベル14〜15の機銃掃射

 TL14〜15の航空機になると、火器管制装置の性能は更に向上します。
 機銃掃射の命中率が最も高い距離帯は表31の通り、遠方(500m〜5km)まで遠ざかりました。
 安心して良いのか悪いのか分かりません。
 TL14〜15の歩兵を相手に戦っている反乱軍やゲリラは、目の前の歩兵と戦っている最中にも、 気が付いたら遠方から速射磁気砲やフュージョン砲を撃ち込まれて、吹き飛ばされているという事態になりかねませんので。

 今回もダメージ期待値を計算しましたが、距離帯は遠方で求めました。
 命中率は表31で求めたものを使用しています。
 命中DMは今回も+4を想定。


            表89 機銃掃射のダメージ期待値
     テックレベル14〜15、移動速度400km/h、遠方、命中DM+4

BW57_Fig89.gif - 18.4KB

 表76と同じ形式です。

 TL14〜15の航空機で恐ろしいことは、 遠方(500m〜5km)における命中難易度が〈並:7+〉であること、です。
 この距離帯だと、移動DMは移動速度200km/h毎に−1しか付きません。
 そのため、これほど厳しい条件でも命中率は5+(83.3%)になっていました。



 このテックレベルになると軽/中機関銃重機関銃を使うことは有り得ないので、 該当部分には速射磁気砲(VRF)ダメージ期待値を掲載しました。
 速射磁気砲装甲値=4の車輌を狙い撃つ場合、 貫通状態は「完全貫通」になりますから、 そのダメージ期待値19.2です。
 ほぼ一撃で地上車エアラフトを撃破できるでしょう。
 フルオート目標数が「4」ですから、別個の目標を撃つのであれば、 1回の射撃で5輌の地上車を撃破できる訳です。
 怖いですね。
 このテックレベルの歩兵は戦闘アーマーやバトルドレスを着ていますから、 装甲値=10の歩兵を撃つならば「部分貫通」、 装甲値=18の歩兵を撃つならば「無貫通」になりました。
 ダメージ期待値は9.6と0.9なのですが、歩兵の装甲値が高過ぎます(苦笑)。
 速射磁気砲で歩兵を撃つのは、 その歩兵がしっかりとした防具を着ている限り、効果は少ない、ということなのでしょう。
 歩兵の防具が薄ければ、その装甲値が低いのであれば、 速射磁気砲による機銃掃射も効果的になるのですが。



 フュージョンX砲で行う機銃掃射は、 装甲値が33以下の目標に限りますが、 ダメージ期待値57.5でした。
 地上車エアラフトは一撃で撃破され、 恐らく、修理不能なレベルまで破壊されるでしょう。 目標が個人(兵士)だった場合は、バトルドレスを着用していても即死して、跡形も残らない筈。
 実に怖い話ですが、 この機銃掃射が遠方(500m〜5km)から行われているという事実に、 私は更なる恐怖を覚えます。



 今度は、表52で求めた命中率。
 目標が援護物に隠れている状態でのダメージ期待値です。


            表90 機銃掃射のダメージ期待値
  テックレベル14〜15、援護物あり、移動速度400km/h、遠方、命中DM+4

BW57_Fig90.gif - 18.1KB

 表89と同じ形式です。



 命中率は大きく下がりましたが、それでもまだ9+(27.8%)でした。

 速射磁気砲ダメージ期待値は、 で装甲値=4の車輌を狙い撃つ場合で3.1
 装甲値=10〜18の歩兵を撃つ場合で0.1〜1.5です。

 フュージョンX砲ダメージ期待値は、 装甲値が33以下の目標に限りますが、9.2もありました。
 平均値ですから9.2という数字が小さく見えるかも知れませんが、その内訳は、
 サイコロの目が「9」ならば、11.1%の確率で15ポイントのダメージ、
 「10」ならば、8.3%の確率で30ポイントのダメージ、
 「11〜12」ならば、同じく8.3%の確率で60ポイントのダメージを与える、
 ということになっています。
 60ポイントのダメージを受けたとしたら、大抵の車輌は一撃で撃破(破壊)、個人(兵士)だったら即死です。
 ダメージを受ける確率が低くてもフュージョンX砲が恐ろしい兵器であることに変わりはありません。

 TL14〜15の航空機機銃掃射を行う場合、 狙った目標が援護物に隠れていても、それなりの命中弾を得られることが判明しました。
 そのダメージも十分大きいようです。
 地上目標の立場からするとTL14〜15の航空機に狙われた場合、 援護物に隠れても安心は得られないということが分かりました。
 手足も頭も物陰に隠れ、遮蔽状態(お互いに視線が通らない状態)となれば安心なのでしょうが、その状態では戦闘を継続できません。



 今度は、表73で求めた命中率、大きな目標を狙った場合のダメージ期待値です。


            表91 機銃掃射のダメージ期待値
  テックレベル14〜15、大きな目標、移動速度200km/h、遠方、命中DM+4

BW57_Fig91.gif - 18.7KB

 表89と同じ形式です。



 命中率が1+(97.2%)となり、ダメージ期待値が増えました。

 速射磁気砲で車輌を撃つ場合のダメージ期待値47.2、 歩兵を撃つ場合のダメージ期待値は2.4〜23.6です。
 ダメージ期待値は2.4〜2.8倍の倍増。

 フュージョンX砲ダメージ期待値は、 装甲値が33以下の目標ならば141.7
やはり2.4倍の増加です。

 TL14〜15の航空機が行う機銃掃射は、 大きな目標を狙った場合、より効果的であることが分かりました。



 最後は、表27〜32、表61〜74で幾度か登場した最低限の命中率、11+(=8.3%)のダメージ期待値です。
 命中難易度が〈易:3+〉である場合、移動DMがどんなに大きくても、どんなに不利なDMが累積しても、 DMの最大値が±8であるという制限のため11+(8.3%)の確率で命中が得られるようになりました。
 その場合のダメージ期待値を求めておきます。


            表92 機銃掃射のダメージ期待値
                 最低限の命中

BW57_Fig92.gif - 23.7KB

 表89と同じ形式です。
 但し、ダメージ期待値が小さくなり過ぎましたので、小数第二位まで表示するようにしました。



 前述の通り、命中難易度が〈易:3+〉である場合は、どんなに不利なDMが累積していても、 最低限の命中率11+(8.3%)が得られるようになります。



 この条件に合致するのがTL14〜15の航空機ばかりとは限らないので、 軽/中機関銃重機関銃の欄を復活させました。
 貫通状態が「完全貫通」になる目標を狙い撃つのであれば、 ダメージ期待値0.14。 「部分貫通」になる目標は、 ダメージ期待値0.03、です。
 サイコロの目で「11か12」が出れば、ダメージを1ポイントか3ポイント与えられる、ということでした。
 残念ながら、「無貫通」になる目標には、ダメージを与えられません。
 「無貫通」でダメージを与えるためには、 例外的命中(必要な数値よりも2つ以上大きな目を出すこと)が必要なのですが、 命中率が11+では、どうやっても例外的命中を得られないからです。



 速射磁気砲を用いる場合、 「完全貫通」と「部分貫通」になる目標への ダメージ期待値は、0.28〜0.56でした。
 機関銃と比べて4〜20倍のダメージを与えられます。
 ぎりぎりの命中でも2〜5ポイントのダメージを与えられることになっていましたから、 個人(兵士)が目標になったのであれば、一撃で無力化(意識喪失)ということも有り得るでしょう。



 フュージョンX砲ダメージ期待値は、 装甲値が33以下の目標ならば「完全貫通」で、4.67
 サイコロの目が「11」ならば5.6%の確率で15ポイントのダメージ、 「12」ならば2.8%の確率で30ポイントのダメージを与えることになりました。
 車輌はともかく、個人(兵士)はバトルドレスを着ていても即死が確定だと思います。怖いですね。



 最低限の命中率11+(8.3%)は、用いる兵器によって恐ろしい殺傷力を持つようです。
 命中難易度が〈易:3+〉になる条件は限られていますが、 中距離(5〜50m)や遠距離(50〜250m)から航空機が行う機銃掃射は、 貫通条件が「完全貫通」と「部分貫通」ならば、 それなりのダメージを与えることができました。
 貫通条件が「無貫通」ならば、ダメージを与えることは出来ません。
 反対に撃たれる立場の地上目標からすると、 中距離や遠距離を通過しながら航空機が行っていく機銃掃射は、 命中率こそ低いものの、無視できないダメージを与えていくということになります。
 貫通状態が「無貫通」であると確信できるのでない限り、何らかの対策を講じるべきでしょう。





結論


 今回は、航空機が行う機銃掃射について考察してみました。



 まずは、機銃掃射に用いる兵器、機関銃オート・キャノンレーザー砲の性能評価を行っています。
 ついでにフルオート射撃に関する考察も行いました。



 次は、機銃掃射の命中難易度と命中率の評価。
 移動DMを加味して、機銃掃射の命中率が最も高い距離帯を探し出しました。
 移動速度が100km/hという超低速の条件を除けば、最も命中率の高い距離帯は、
 TL5〜6の航空機で超遠方(250〜500m)、
 TL7の航空機で遠方(50〜250m)、
 TL8〜13の航空機で超遠方(250〜500m)、
 TL14〜15の航空機で遠方(500m〜5km)、です。

 但し、命中難易度が〈易:3+〉になっている場合は、 どんなに不利なDMが累積しても11+(8.3%)の確率で命中が得られるため、 中距離(5〜50m)や遠距離での命中率の方が高い、という逆転減少も生じるようになりました。



 最後に、機銃掃射のダメージ期待値を求めました。
 その結果から、TL5〜7の航空機は機銃掃射の際に車輌等の大きな目標を狙うべきであること、 歩兵等、人間サイズの目標を狙ってもほとんど無意味であること、援護物に隠れた目標には機銃掃射が当たらないこと、などが判明しています。
 TL8〜11の航空機ならば、歩兵を狙っても十分な命中弾を得ることが出来ました。 しかし援護物はある程度有効です。援護物に隠れていない目標を優先的に狙い撃つべきでしょう。
 TL12〜13の航空機は、強力な兵器を使った機銃掃射を行うようになります。 そのため、機銃掃射は極めて有効な対地攻撃手段となるでしょう。
 TL14〜15の航空機は、 理不尽なほど高い命中率と大きなダメージ期待値を持っているので、援護物に隠れていても歩兵は安全になれません。 TL14〜15の航空機に見つかってしまった歩兵は、遮蔽物に隠れる以外に助かる方法がないのです。






2014.03.16 初投稿。
2014.03.20 表85が表示されなかったミスを修正。