>>>>>>


 
 
 

The Best Weapon
11th stage
 ( Defence
Weapon 1)

最強兵器 決定戦
第11回
 (防御兵器1)

LINE1.GIF - 286BYTES

MEGA TRAVELLER
 


 

砲塔群の攻撃目標は、大型戦闘艇にあらず、
 目標は、戦闘艇が放ったミサイルビームなり。



 大型戦闘艇を搭載する、空母(航空母艦)の設計を始めました。
 恒星間航行能力を持たない、大型戦闘艇を活用するためには、必須の軍艦です。
 空母無しで、大型戦闘艇だけの戦闘力や生存性、コストを評価しても、それだけでは意味がありません。
 そこで、CT「宇宙海軍」に掲載されている各種空母のデータを、メガトラベラーのルールへ置き換えることから始めた訳なのですが、防御兵器(砲塔群)の設計で悩んでしまいました。

 考察の第9回「戦闘艇2」で述べましたように、大型戦闘艇による「精密射撃」は、恐ろしい破壊力があります。
 私の考えている、空母の加速能力は2G。
 大型戦闘艇の接近を許さないほどの、加速性能は発揮できません。 
 防御DMを高めるための移動力も、大きくする余裕はないのです。
 空母の建造目的は大型戦闘艇の輸送ですから、大型戦闘艇の積載スペースを削って、加速能力移動力を大きくする訳にはいきませんから。

 次の対策として、敵の大型戦闘艇空母の射程外(当然、敵の大型戦闘艇からも空母は射程外)で撃破するという対策が考えられました。
 それは迎撃任務に充てられた、護衛艦大型戦闘艇の仕事です。
 護衛艦大型戦闘艇による迎撃で、すべての敵戦闘艇を撃破できれば良いのですが、確実に撃破できる保障はありません。
 そこで最後の手段、空母自身による防御戦闘が必要となってきます。

 先手を取って、大型戦闘艇をすべて撃破するだけの火力を備えられれば最高ですが、そんなことは望みようもありません。
 散乱砂砲レーザー砲エネルギー兵器によって、敵大型戦闘艇の攻撃を、効率良く無力化する方法について、考察してみました。




考察の進め方


 防御兵器の性能をどのように評価するか、2週間近く悩み続けていました。

 散乱砂砲レーザー砲エネルギー兵器反重力砲などの防御兵器は、攻撃してきた兵器を防ぐためのものですから、相手からの攻撃が決まらないと、その性能も評価できません。

 色々と悩んだ結果、大型戦闘艇10機を、攻撃側の基準とすることにしました。
 たった10機と感じるかも知れませんが、10機による攻撃ですら、そのすべてを防ぐことはとても困難だったのです。
 攻撃側のテックレベルは15に限定しました。
 変数を減らさないと、まともな評価が出来ませんので。

 防御側の艦艇は、第9回の考察にも採用した、サイズDM+1(2万〜6万トン)、移動力=0の大型艦を使用します。
 そして、防御に用いる兵器は、武器設置点100個分を規準としました。
 つまり、大型艦の1万トン分の火力を防御射撃に振り向けるということです。
 10万トン以上の巨大な輸送母艦ならば、その5倍を用いても良いでしょうが、とりあえず、1万トンを基準にしました。

 武器設置点100個を防御兵器に割り当てる時、どのような兵器を、どのように装備すれば、最も効率良く、大型戦闘艇による攻撃を防御できるか評価します。
 具体的には、前述した大型戦闘艇10機の攻撃を受けて、何発の命中弾を受けるかという数字を比較するのです。

 防御側のテックレベルも15を想定しています。
 また、核中和装置の存在によって、大型戦闘艇から発射された核ミサイルは、自動的に無力化されるとも考えました(第5回の考察「スクリーン」を参考にして下さい)。



 大型戦闘艇の武装は、

1.ミサイル(攻撃力2)+レーザー(攻撃力2)+散乱砂砲(防御力3)の混合砲塔
 これが基本だった筈なのですが、小艇に限っては砲塔の分割が可能らしいと判明したので、以下のパターンも評価してみました。
 
2.ミサイル3門      (攻撃力3) ×1砲塔群
3.ミサイル1門      (攻撃力2) ×3砲塔群
4.ビーム・レーザー または パルス・レーザー1門
              
(攻撃力2) ×3砲塔群
5.ミサイル1門×2パルス・レーザー1門×1の混合砲塔も強力そうです。
              (攻撃力2) ×3砲塔群

6.フュージョン・ガン1門 (攻撃力5) ×2砲塔群
7.プラズマ・ガン1門   (攻撃力3) ×2砲塔群

 計算前の予想では、ミサイル1門×3砲塔群が、一番強力に思えます。
 電力消費量は少ないし、必要ならば核ミサイルも使えます。
 問題は、射撃のたびに、ミサイルを消耗してしまうことでしょうか。

 レーザー兵器ならば、散乱砂砲以外の防御兵器が効きません。
 三連架砲塔のレーザーならば、数も十分に用意できます。

 フュージョン・ガン2門も、近距離でしか使えない制限付きですが、散乱砂砲による防御が効きにくい(防御突破判定で、DM+2を得られる)点で期待できます。
 問題は、50トンしかない大型戦闘艇で、必要なエネルギー量が確保できるかということですね。

 プラズマ・ガンは、電力消費がフュージョン・ガンより少なく、レーザーより大きい攻撃力を得られるというメリットがあります。
 しかし、射程が近距離に限られたり、砲塔の占有容積が大きかったり、デメリットもありますので、使い勝手が悪そうでした。



 防御兵器としては、

1.散乱砂砲
 防御の基本です。
 ミサイルレーザーエネルギー兵器など、どんな兵器でも防御が可能。
 電力消費も少なく、安価です。

2.ビーム・レーザー
 ミサイルに対してのみ、防御兵器としても使えます。
 サイズDM=−2、移動力=6の大型戦闘艇には、どうやっても命中しませんので、最初から防御兵器として使う方法も有りでしょう。
 防御兵器として使うには、電力消費が大き過ぎる気もしますが。

3.パルス・レーザー
 同じく、ミサイルに対してのみ、防御兵器として使えます。
 単架砲塔として使うのでなければ、明らかにビーム・レーザーに劣っていますので、検討する価値も無いようです。

4.フュージョン・ガン
 ミサイルに対してのみ、防御兵器として使えます。
 防御兵器として使うのであれば、その射程が近距離に制限されることも、問題になりません。
 単架砲塔で攻撃力5ですから、実は、その防御効果に大きな期待をしています。

5.プラズマ・ガン
 ミサイルに対してのみ、防御兵器として使えます。
 電力消費は少ないのですが、攻撃力が中途半端なので、あまり期待していません。

6.反重力砲
 ミサイルに対してのみ、防御兵器として使えます。
 その効果は極めて高く、確実にミサイルを防御できると言っても良いでしょう。
 しかし、副砲にしか装備できませんので、数を揃えることが大変ですし、攻撃にも使えません。
 散乱砂砲も防御専門の兵器ですが、ミサイルだけでなく、レーザーエネルギー兵器の防御にも使える点が違います。
 反重力砲は、対ミサイル防御専門の防御兵器なのでした。


 上記の兵器を、砲塔10基の10砲塔群としたり、砲塔1基の100砲塔群などに配置したりして、その防御効果(具体的には、突破を許してしまった命中弾数)を評価していきます。




散乱砂砲の防御効果


 最も基本的な(CTの基本ルールから登場していた)防御兵器、散乱砂砲の防御効果を評価します。
 散乱砂砲の砲塔群配置は、

三連架砲塔10基(防御力9)×10砲塔群
      7 基(防御力8)×14砲塔群
      4 基(防御力7)×25砲塔群
      3 基(防御力6)×33砲塔群
      2 基(防御力5)×50砲塔群
      1 基(防御力4)×100砲塔群
 単架砲塔 1 基(防御力3)×100砲塔群

 以上の配置(組み合わせ)が考えられました。

 大型戦闘艇の攻撃は、命中判定なしで、全弾が命中したと想定しています。
 あるいは2倍の20機が攻撃を行なって、その半数が命中したと考えても良いのですが、深く考えると泥沼にはまりそうなので、難しいことは考えていません。

 とにかく大型戦闘艇10機分の攻撃が命中し、それを防御するという前提です。


 命中10回に対して、防御力9の散乱砂砲10砲塔群を割り当てる場合は、命中1回に対して、1砲塔群で防御するということで簡単でした。

 命中10回に対して、防御力6の散乱砂砲33砲塔群を割り当てる場合は、やや難しいのですが、均等に割り振っています。
 具体的には、命中1回3砲塔群を充てるパターンが7回と、4砲塔群を充てるパターンが3回でした。
 防御射撃の場合は、サイコロを振る前に、防御射撃の目標をすべて指示しておくルールだったと思います。
 サイコロの結果を見て、「このミサイルは防御に成功したから、残り2つの砲塔群は次のミサイルに目標を変更する」、というようなことは許されなかった筈ですが。
 この解釈で、合っていますよね(弱気)。


        表1    散乱砂砲−武器設置点100個分の防御効果

散乱砂砲

ミサイル

ミサイル

Bレーザー

フュージョン・

プラズマ・

武器設置点100個の

3門×10

1門×30

1門×30

ガン1門×20

ガン1門×20

防御効果(TL10+)

攻撃力3

攻撃力2

攻撃力2

攻撃力5

攻撃力3

門数

防御力

群数

突破率

突破数

突破率

突破数

突破率

突破数

突破率

突破数

突破率

突破数

30

10

11+

0.8

12+

20.3

13+

20.0

8+

14.2

10+

11.7

20

14

10+

1.1

11+

17.2

12+

16.4

7+

14.2

9+

9.9

10

25

9+

0.5

10+

9.2

11+

7.1

6+

13.4

8+

7.1

33

8+

0.6

9+

7.7

10+

4.6

5+

14.9

7+

8.5

50

7+

0.7

8+

7.6

9+

4.3

4+

16.1

6+

9.0

100

6+

0.4

7+

5.1

8+

1.7

3+

17.4

5+

8.0

100

5+

1.6

6+

10.3

7+

5.1

2+

20.0

4+

12.9


 大型戦闘艇の攻撃が防御射撃を突破して、損傷をもたらす可能性(期待値)は、上の表1に示した通りです。
 大型戦闘艇ミサイル1門×3砲塔群の武装を搭載した場合、最大で30発の命中を与え、30回の損傷判定を行わせる可能性がある訳ですから、その火力は凶悪です。

 防御力が高い筈である、20〜30門をまとめた散乱砂砲の防御効果は、予想以上に、低いものでした。
 防御力が8〜9なのに、突破数が10以上あるのです。
 これは、散乱砂砲の砲塔群数が10〜14と少なく、多くの攻撃が防御射撃を受けずに済んでいるためでした。
 ミサイル1門×30群の攻撃を例に挙げれば、16〜20発の攻撃が、防御射撃なしで突破(命中)しているのです。
 それが無ければ、高い確率でミサイル攻撃を阻止しているのですが。

 この攻撃例で、最も効率よく防御を行なっている砲塔群配置は、三連架砲塔1基(3門)×100砲塔群の散乱砂砲でした。

 防御射撃は、突破判定のサイコロを振らせることに意義がある、ということでしょうか。

 ミサイル(3門×10と1門×30)、レーザー×30に対しては、三連架砲塔1基×100砲塔群の配置が、最も効率良いようです。

 フュージョン・ガン×20とプラズマ・ガン×20に対しては、三連架砲塔4基×25砲塔群が、最も効率良いことも分かりました。
 これは、散乱砂砲の配置がどうこうというより、エネルギー兵器散乱砂砲に対する突破率の高さが原因でしょう。
 突破判定でDM+2の効果は、軽視できません。
 防御力の低い散乱砂砲では、エネルギー兵器を満足に防げないということですから。




レーザー兵器の防御効果


 レーザー兵器エネルギー兵器は、攻撃だけでなく、対ミサイル防御にも使える利点があります。
 果たして、これが利点なのかどうかについては、時間があったら(気が向いたら)、後で論じることにしましょう。

 それはともかく、ビーム・レーザー砲の砲塔群配置は、

三連架砲塔10基(攻撃力9)×10砲塔群
      7 基(攻撃力8)×14砲塔群
      5 基(攻撃力7)×20砲塔群
      4 基(攻撃力6)×25砲塔群 
      2 基(攻撃力4)×50砲塔群
      1 基(攻撃力4)×100砲塔群
 複架砲塔 1 基(攻撃力3)×100砲塔群
 単架砲塔 1 基(攻撃力2)×100砲塔群

 以上の配置(組み合わせ)が考えられます。

 また、パルス・レーザー砲の砲塔群配置は、

三連架砲塔10基(攻撃力7)×10砲塔群
      7 基(攻撃力6)×14砲塔群
      4 基(攻撃力5)×25砲塔群 
      2 基(攻撃力4)×50砲塔群
      1 基(攻撃力3)×100砲塔群
 単架砲塔 1 基(攻撃力2)×100砲塔群

 以上の配置(組み合わせ)がありました。


      表2 ビーム・レーザー砲−武器設置点100個分の防御効果

ビーム・レーザー砲

ミサイル

ミサイル

武器設置点100個の

3門×10

1門×30

防御効果(TL13+)

攻撃力3

攻撃力2

門数

攻撃力

群数

突破率

突破数

突破率

突破数

30

10

11+

0.8

12+

20.3

21

14

10+

1.1

11+

17.2

15

20

9+

0.8

10+

13.3

10

25

8+

1.2

9+

11.9

50

7+

0.7

8+

7.6

100

6+

0.4

7+

5.1

2

100

5+

1.6

6+

10.3

100

4+

4.2

5+

16.4

 

 ミサイルに対する防御効果は、レーザー兵器散乱砂砲と同じ表を使いますので、攻撃力(防御力)が同じならば、同じ数値になります。
 三連架ビーム・レーザー砲塔1基の攻撃力が3、三連架散乱砂砲塔1基の防御力も3ですから、全く同じ結果になりました。
 ミサイル防御の効果だけを考えるならば、ビーム・レーザー散乱砂砲は同等です。
 後は、レーザーは電力消費が大きいが、遠距離でも攻撃にも使えるとか、散乱砂砲は防御にしか使えないが、レーザーやエネルギー兵器の防御にも使えて安価だとか、別の要素で比較する必要があると思います。


      表3 パルス・レーザー砲−武器設置点100個分の防御効果

パルス・レーザー砲

ミサイル

ミサイル

武器設置点100個の

3門×10

1門×30

防御効果(TL13+)

攻撃力3

攻撃力2

門数

攻撃力

群数

突破率

突破数

突破率

突破数

30

10

9+

2.8

10+

21.7

21

14

8+

3.2

9+

19.9

10

25

7+

2.7

8+

15.4

50

6+

2.0

7+

12.6

100

5+

1.6

6+

10.3

100

4+

4.2

5+

16.4


 大型戦闘艇の武装として搭載する場合(第10回の考察「パルス・レーザー」)では褒めまくったパルス・レーザーですが、大型艦に搭載する防御兵器としては、まったく使えません。
 攻撃力が低くなるため、どう考えても、ビーム・レーザーに劣ってしまうのです。
 メリットは、一切ありませんでした。




エネルギー兵器の防御効果


 防御兵器として使われるエネルギー兵器に対しては、前述した通り、大いに期待しています。
 防御兵器ですから、近距離の目標にしか射撃できないことも、問題ありません。

 フュージョン・ガンプラズマ・ガンには、50トンの副砲も存在していました。
 防御兵器として使うより、攻撃兵器として使うべきだという先入観がありましたが、副砲サイズの防御専用兵器(反重力砲)の例もありますので、防御兵器としての性能を評価してみます。


 フュージョン・ガンの砲塔群配置は、

  50トン 副砲(攻撃力10)×10砲塔群
 複架砲塔10基(攻撃力9)×10砲塔群
      8 基(攻撃力8)×12砲塔群
      5 基(攻撃力7)×20砲塔群
      2 基(攻撃力6)×50砲塔群
 単架砲塔 1 基(攻撃力5)×100砲塔群

 以上の配置(組み合わせ)が、プラズマ・ガンの砲塔群配置は、

  50トン 副砲 (攻撃力6
)×10砲塔群
 複架砲塔10基(攻撃力7)×10砲塔群
      8 基(攻撃力6)×12砲塔群
      5 基(攻撃力5)×20砲塔群
      2 基(攻撃力4)×50砲塔群
 単架砲塔 1 基(攻撃力3)×100砲塔群

 以上の配置(組み合わせ)が考えられました。

      表4 フュージョン・ガン−武器設置点100個分の防御効果

フュージョン・ガン

ミサイル

ミサイル

武器設置点100個の

3門×10

1門×30

防御効果(TL15)

攻撃力3

攻撃力2

門数

攻撃力

群数

突破率

突破数

突破率

突破数

副砲

10

12+

0.3

13+

20.0

20

10

11+

0.8

12+

20.3

16

12

10+

1.4

11+

19.0

10

20

9+

0.8

10+

13.3

50

8+

0.1

9+

4.3

100

7+

0.0

8+

1.7


 単架のフュージョン・ガンは、予想以上の防御力でした。
 ミサイル1門×30の攻撃を、ほぼ完封しています(突破数が、わずか1.7です。ビーム・レーザー5.1でした)。
 その上(後で表にまとめますが)、その消費電力は、三連架ビーム・レーザーよりも少なくて済むのです。
 防御兵器としては、極めて優秀だと言えるでしょう。
 近距離や視認距離に接近してきた、対大型戦闘艇の攻撃兵器として使える可能性も、十分にあります。


       表5 プラズマ・ガン−武器設置点100個分の防御効果

プラズマ・ガン

ミサイル

ミサイル

武器設置点100個の

3門×10

1門×30

防御効果(TL12+)

攻撃力3

攻撃力2

門数

攻撃力

群数

突破率

突破数

突破率

突破数

副砲

10

8+

4.2

9+

22.8

20

10

9+

2.8

10+

21.7

16

12

8+

3.7

9+

21.3

10

20

7+

3.4

8+

18.3

50

6+

2.0

7+

12.6

100

5+

1.6

6+

10.3


 ビーム・レーザーに対するパルス・レーザーの如く、攻撃力の面で見劣りします。
 テックレベル10〜11(フュージョン・ガンを使えないテックレベル)の狭い範囲でしか、プラズマ・ガンの活躍する状況は有り得ないのではないでしょうか。




反重力砲の防御効果


 最後の考察は、対ミサイル防御だけに限れば究極の防御兵器反重力砲です。

 反重力砲は、100トンと50トンの副砲しか搭載できません。
 その砲塔群配置は、

 100トン副砲(攻撃力9)×10砲塔群
   50トン副砲(攻撃力5)×10砲塔群
 

        表6  反重力砲−武器設置点100個分の防御効果

反重力砲

ミサイル

ミサイル

武器設置点100個の

3門×10

1門×30

防御効果(TL15)

攻撃力3

攻撃力2

門数

攻撃力

群数

突破率

突破数

突破率

突破数

副砲

10

21+

0.0

22+

20.0

副砲

10

17+

0.0

18+

20.0


 ミサイル1門×30の攻撃に対して、なんと20発が突破判定なしで命中している、という事実は致命的でした。
 ある意味、反重力砲の防御効果は最低だとも、言えてしまいます。
 散乱砂砲レーザーエネルギー兵器における10砲塔群の防御力と比べれば、良い方なのですが、これらの兵器はもっと細かく分けて、100砲塔群まで数を増やすことが出来ました。
 しかし、反重力砲は副砲ですから、これ以上、分割できません。
 兵装の種類を1つでも増やして、兵器全体の耐久力を増やすために装備する、というメリットしか、反重力砲は持たないのでしょうか。




混合砲塔に対する防御効果


 おまけです。
 本当ならば、一番最初に行なっておくべき考察のような気もしますが、なぜか後回しになってしまいました。

 表7は、ミサイル1門(攻撃力2)+レーザー1門(攻撃力2)+散乱砂砲1門(防御力3)の混合砲塔に対する、散乱砂砲の防御効果を示したものです。


        表7  散乱砂砲−武器設置点100個分の防御効果

散乱砂砲

ミサイル

Bレーザー

ミサイル

武器設置点100個の

1門×10

1門×10

レーザー

防御効果(TL10+)

攻撃力2

攻撃力2

散乱砂砲

門数

防御力

群数

突破率

突破数

突破率

突破数

突破率

突破数

30

10

12+

5.1

13+

5.0

 

10.1

20

14

11+

3.6

12+

3.2

 

6.8

10

25

10+

1.3

11+

0.7

 

1.9

33

9+

1.4

10+

0.8

 

2.2

50

8+

1.2

9+

0.5

 

1.7

100

7+

0.7

8+

0.1

 

0.8

100

6+

2.0

7+

0.7

 

2.6


 ミサイル1門レーザー1門散乱砂砲1門の混合砲塔は、CT「宇宙海軍」に掲載の大型戦闘艇や、MAG様のジェリュイ級大型戦闘艇における基本武装です。
 次に述べる武装の砲塔分割が公認されていると分かるまでは、このパターンの武装が最強だと思っていました。

 ミサイル1門レーザー1門を搭載した大型戦闘艇10機ですから、その攻撃回数は10回ずつ、計20回になります。
 武器設置点100個(三連架砲塔1基×100砲塔群)の散乱砂砲で、ほぼ完璧な防御が可能のようでした。
 突破数は、わずか0.8ですので。


        表8  散乱砂砲−武器設置点100個分の防御効果

散乱砂砲

ミサイル

Bレーザー

ミサイル×2

武器設置点100個の

1門×20

1門×10

レーザー×1

防御効果(TL10+)

攻撃力2

攻撃力2

 

門数

防御力

群数

突破率

突破数

突破率

突破数

突破率

突破数

30

10

12+

13.2

13+

7.0

 

20.2

20

14

11+

11.8

12+

5.1

 

16.9

10

25

10+

5.8

11+

2.7

 

8.5

33

9+

5.2

10+

1.5

 

6.7

50

8+

5.2

9+

1.6

 

6.7

100

7+

3.4

8+

0.6

 

4.0

100

6+

6.8

7+

1.7

 

8.5


 ミサイル1門×2パルス・レーザー1門の混合砲塔を積んだ、大型戦闘艇10機による攻撃に対する、防御効果の計算です。
 電力消費の少ない散乱砂砲を、ミサイルに交換するだけですから、コストと管制ポイントの増加だけで、攻撃力の増強が可能でした。
 複架のフュージョン・ガンに置き換える場合と比べたら、その程度の労力は微々たるものでしょう。
 ミサイルの消費量も増加しますが、それは散乱砂砲の散乱砂を置き換えれば、簡単に解決します。

 攻撃回数が20回と10回ですので、合わせて30回。
 武装を変更したことで、大型戦闘艇の攻撃力は50%増しです。
 攻撃回数が増えたため、防御を突破して命中する攻撃の期待値は、0.8から4.0へ、増加してしまいました。


 ちなみに、上記に示した混合砲塔(ミサイルレーザー散乱砂砲、あるいは、ミサイル×2レーザー)を搭載した大型戦闘艇からの攻撃を、散乱砂砲以外の防御兵器で防御した場合も考えてみました。
 その場合、ミサイルの攻撃だけは高い確率で防御できますが、レーザーの攻撃は突破判定なしの命中を許してしまうことになります。
 つまり、ミサイル攻撃の完璧な防御(突破数ゼロ)に成功したとしても、レーザーが10回の命中をしてしまった、ということです。
 これでは、防御射撃の意味がありません。

 大型戦闘艇の武装がミサイルだけに限定されていれば、散乱砂砲以外の武装(レーザーエネルギー兵器など)も、防御兵器として投入できますから、全体としての防御力は上がります。
 防御だけにしか使えない、散乱砂砲を搭載するメリットは減ってしまうでしょう。
 場合によっては、防御兵器として散乱砂砲を搭載しない大型艦というものも、十分に有り得るかも知れません。

 しかし、大型戦闘艇の武装がミサイル以外にもあるとしたら?
 レーザーエネルギー兵器による精密射撃を防ぐために、大型艦は散乱砂砲の搭載が必須となるでしょう。
 もしも散乱砂砲を搭載しなければ、大型戦闘艇によるレーザー(あるいはエネルギー兵器)による攻撃に対して、極めて無防備な存在となってしまいますので。


 このことから、大型戦闘艇ミサイル以外の兵器を混合して搭載することは、目標艦の防御方法を多様化させることが出来ます。
 また、目標艦の防御方法に偏りがあった場合、その弱点を突くことが出来るという点で、とても有効だと思います。

 目標となった大型艦も、防御兵器をひとつの手段に限定することは危険でした。
 単架砲塔のフュージョン・ガン×100砲塔群は、ミサイル防御に関して大変優秀で、攻撃面でも大きな攻撃力を発揮できます。
 しかし、敵のレーザー攻撃を防ぐことは出来ません。
 全種類の防御兵器を積む必要があるとは思いませんが、散乱砂砲と、それ以外の兵器レーザー、あるいは、エネルギー兵器)の2種類を、十分な数で搭載しておく必要があるのではないでしょうか。



結論


 大型戦闘艇の攻撃(特に、視認距離からの精密射撃を意識しています)を防ぐためには、防御兵器の数が必要です。

 エネルギー兵器フュージョン・ガンプラズマ・ガン)を除けば、砲塔1基の砲塔群を多数配置する方法が、最も効率良く、防御射撃を行なえることも分かりました。
 高い防御力の砲塔群10個よりも、低い防御力の砲塔群100個の方が、効率良く、防御を行なえるのです。


 各種ある防御兵器の中では、散乱砂砲が最も汎用性が高いと分かりました。
 電力消費、占有容積、重量、価格、すべての面でも優秀です。
 攻撃に使う意図がない、あるいは、電力の確保に不安がある補助艦艇では、すべての防御兵器を散乱砂砲にしても、良いかも知れません。
 唯一の欠点は、攻撃に使えないことでした。
 乗り込み戦を受けた時の防衛に、若干の不安が残ります。


 ビーム・レーザーは、対ミサイル防御に関してならば、散乱砂砲と同等の防御力を発揮します。
 その電力消費、重量、価格というデメリットは、攻撃にも使えるというメリットとのバランスで考えるべきでしょう。
 レーザーやエネルギー兵器の防御に使えない点も、デメリットのひとつとして数えておきます。
 パルス・レーザーは、論外でした。
 兵器の種類を増やし、兵器全体の耐久力を増やすメリットしか、認められません。


 フュージョン・ガンも、対ミサイル防御に限定するなら、魅力的な防御兵器です。
 単架砲塔×100砲塔群を選択すれば、消費電力と価格は、ビーム・レーザーよりも少なくて済むのです。
 占有容積と重量が大きい問題は、どうしようもありませんが、大きな攻撃力は、ミサイルの防御突破を高い確率で阻止できました。
 攻撃兵器として用いる場合、射程が近距離に限定されてしまいます。
 しかしそれ故に、フュージョン・ガンの火力を恐れた敵が、近距離に近付いてこないという牽制効果が生まれるかも知れません。
 プラズマ・ガンの防御能力は、中途半端です。
 フュージョン・ガンの利用が可能なテックレベルでは、プラズマ・ガンを選ぶ理由がありません。
 兵器の種類を増やし、兵器全体の耐久力を増やす役には立つでしょうが。


 反重力砲は、対ミサイル防御専門の防御兵器です。
 砲塔群1個当たりの防御率は圧倒的に高く、消費電力も他の兵器に比べれば小さいのですが、副砲の形でしか搭載できない点が、致命的でした。
 大型戦闘艇の攻撃に対する防御兵器なのですから、数を用意できなければ失格です。
 やはり、兵器の種類を増やすことにしか、役立たないと思います。


     表9 各種防御兵器の消費電力、占有容積、重量、コストの比較

 

防御

 

消費電力

占有容積

装備重量

装備価格

兵器名

Mw

排水素トン

トン

MCr

散乱砂砲

砲塔群

300

100

200

75

ビーム・

砲塔群

75,000

100

400

300

レーザー

パルス・

砲塔群

75,000

100

400

150

レーザー

フュージョン

50トン副砲

50,000

500

350

85

・ガン

複架砲塔群

100,000

200

500

400

 

単架砲塔群

50,000

200

500

200

プラズマ

50トン副砲

25,000

500

350

55

・ガン

複架砲塔群

50,000

200

300

300

 

単架砲塔群

25,000

200

300

150

反重力砲

100トン副砲

25,000

1,000

600

110

50トン副砲

12,500

500

300

65



 1万トンの船体(つまり、武器設置点100個分の武装)を防御射撃に割り当てても、大型戦闘艇10機の攻撃を防ぐのが関の山、という計算結果に、恐ろしいものを感じました。
 サイズDM=+1、移動力=0の大型艦ならば、ミサイルレーザーの命中率が6+から7+です。
 攻撃のほぼ半数が、命中するでしょう。
 大型戦闘艇20機が攻撃を行なえば、その半分が命中しますので、これを、大型戦闘艇10機分の攻撃がすべて命中したと考えることもできます。
 船体1万トン分の防御兵器では、それだけの命中弾を防御するだけで精一杯でした。

 試しに、大型戦闘艇20機分の攻撃が命中した場合も試算してみましたが、最低でも15発、最大で35発の攻撃が、防御を突破していました。
 15発も命中しているのですから、その3発程度は致命的損傷を伴っていることでしょう(最初に述べましたように、視認距離から精密射撃を受けた場合の防御手段を考察しています)。
 3発の致命的損傷を受けて、目標となった艦艇が無事でいられるとは思えません。
 ですから、船体1万トン分の防御兵器では、大型戦闘艇20機分の命中弾を防御できない訳です。
 この状態を、防御兵器が飽和した、と呼んでも差し支えないでしょう。


 私の構想している艦隊空母は、1隻が1万9千トンで、60機の大型戦闘艇を搭載していました。
 その船体すべてを防御兵器に充てたとしても、敵の大型戦闘艇20機分の攻撃に対処するのが精々でしょう。
 命中率を計算に含めば、かろうじて40機分ですね。

 敵艦隊が同等の規模で、私の艦隊空母1隻当たり、60機の大型戦闘艇を差し向けてきたら、それだけでもう防御しきれません。
 通りすがりの一撃だけで、1隻の艦隊空母が沈められてしまいます。
 あるいは私の艦隊に、敵の戦闘艇隊が相対速度を合わせてきたら、毎ターン1隻ずつ空母が沈められてしまうという、恐ろしい状況にもなりかねません。
 何だか、ミッドウェー珊瑚海海戦を連想してしまいそうですが、空母戦とは、そういうことなのでしょう。

 これを念頭に置いて、航空母艦(空母)のデータ変換を行なうことにします。


2008.08.30 初投稿