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The Best Weapon
20th stage
 ( Main Gun 3
)

最強兵器 決定戦
第20回
 (主砲3

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MEGA TRAVELLER
 


 

高い移動力(回避DM)と、
 安価な建造費(コストダウン)は、両立困難
   ならば何処まで妥協できるのか



 テックレベル14ゾダーン連盟)のバトルライダーを設計しようと試みたものの、私が当初想定していた、
 船体は4万トン〜9万トンサイズDM=+1)、移動力6装甲DM=9
 という条件は、テックレベル14において実現不可能だと判明しました。

 パワープラントの出力が半減したことによって、単純に考えても、パワープラントの重量が2倍に増加します。
 増大した船体重量に移動力6を与えるため、必要な余剰出力も比例して跳ね上がり、その出力を確保するためのパワープラントが、再び重量増加の原因になるという悪循環。
 装甲DMからまで減らしても、まだまだ重すぎました。

 20万トンという巨大な船体サイズならば、かろうじて、移動力6を持たせることも可能だったのですが、20万トンバトルライダーは1隻で208,000MCrです。
 これでは高価過ぎて、使い難いでしょう。
 それに、船体サイズが10万トンを超えたことで、サイズDMは+2になってしまいました。
 回避DMが1つ小さくなってしまいますから、せっかく移動力6を持たせた意味が、ありません。
 10万トンの手前で移動力5を持たせても、結局、回避DMの数値は同じになります。

 それならば、移動力6に拘らず、移動力5で設計を試してみても良いでしょう。
 あるいは発想を変え、さらに低い移動力3しか持たせない、安価なバトルライダーで戦列を組むという戦術も有り得ます。
 要は、攻撃力防御力耐久力)のバランスです。
 防御力耐久力が皆無でも膨大な数を用意して、味方が全滅するより早く、敵を全滅させてしまえば良いのですから(これは極論ですが)。

 これほど苦労しても、テックレベル14バトルライダーを設計しなければならない理由は、帝国バトルライダーが、移動力6を実現していることにあります。
 第4回の演習で明らかになったように、テックレベル14大型戦闘艇では、テックレベル15バトルライダーを撃破することが出来ません。

 帝国バトルライダーを撃破できる、ゾダーン唯一の手段として、バトルライダーを初めとする主砲搭載艦の保有が必要なのです。




考察の進め方


 持たせる移動力の大きさによって、テックレベル14で建造されるバトルライダーの建造費は、大きく変わってきます。

 考察の第12回「大型戦闘艇3」において、3種類の大型戦闘艇を試作し、評価してみたように、バトルライダーでも同じことをしてみます。

 テックレベル14バトルライダーということで、開発目標(仕様)は、

 サイズDM=+1の範囲に収まる船体(1万トン以上、10万トン未満)。
 船体形状は1(中間子砲に対する防御を得るため)。

 装甲DM=8
 重量(移動力)とのバランスで色々と悩みましたが、この程度の装甲がないと、副砲や砲塔群に対して脆弱になり過ぎます。

 加速能力移動力は、変数としました。

 コンピュータは、モデル8光ファイバー型を3基。
 武装は、中間子砲Sクラスを1門搭載。副砲や砲塔群は適当に配置。


試作1号 仮称 BR14−01MES サイズDM+移動力=+4
 船体サイズ:20万トン 装甲DM6 6G加速 移動力6 208,368MCr

 冒頭で述べました、移動力6バトルライダーです。
 あまりにも高価になり過ぎました。
 このバトルライダーを搭載する輸送母艦の大きさは、考えたくありません。


試作2号 仮称 BR14−02MES サイズDM+移動力=+4
 船体サイズ: 6万トン  装甲DM8 5G加速 移動力5   66,076MCr

 移動力6を諦めて、移動力5で再設計したところ、船体サイズは3分の1まで小さくなりました。
 移動力6の設計仕様が、いかに無理な要求であったか、思い知らされます。
 これでも、対中間子砲の防御力と耐久力は、上記の試作1号と同じです。


試作3号 仮称 BR14−03MES サイズDM+移動力=+3
 船体サイズ: 4万トン  装甲DM8 4G加速 移動力4   40,982MCr

 移動力4にしてみたところ、さらに船体サイズは小さくなり、5分の1しかない4万トンです。
 建造コストも船体サイズに比例して、安くなりました。


試作4号 仮称 BR14−04MES サイズDM+移動力=+2
 船体サイズ: 3万トン  装甲DM8 G加速 移動力3   28,907MCr

 帝国デンドリーン級軽巡洋艦と同じ、3G加速の移動力3性能です。
 面白いくらいに、船体サイズが小さくなり、コストも下がってきました。


試作5号 仮称 BR14−05MES サイズDM+移動力=−1
 船体サイズ: 2万トン  装甲DM8 G加速 移動力0   19,054MCr

 大型戦闘艇の暴力に対抗できなくなるため、あまり現実的ではないと思いますが、念のため、設計してみました。
 3G加速のドライブは残してありますが、移動力0バトルライダーです。
 面白いくらいに、船体サイズが小さくなり、コストも下がってきました。


 移動力を変数とするだけで、ずいぶんと船体サイズ建造コスト)の違いが生じているのが分かりました。
 私も、ここまで変化があるとは思いませんでしたが、この設計データを使って、帝国バトルライダーとの戦力比を求めていきます。

 いつもの事ですが、バトルライダーの設計には松永氏のExcell設計シートを利用させて頂きました。
 そうでもなければ、2日間で10隻以上のバトルライダーを試作できません。
 有難うございます。


 前回の考察(第19回「主砲2」)と異なり、ゾダーン側主砲中間子砲Sクラスと決まっていますから、計算は少し楽になりました。

      表1 中間子主砲有効率ゾダーンが、帝国を攻撃した場合)

中間子主砲クラス

H&G

命中率

近距離

8+

41.7%

8+

41.7%

8+

41.7%

8+

41.7%

遠距離

10+

16.7%

10+

16.7%

10+

16.7%

10+

16.7%

中間子スクリーン

6+

72.2%

7+

58.3%

9+

27.8%

11+

8.3%

突破率

船体形状

4+

91.7%

5+

83.3%

6+

72.2%

7+

58.3%

突破率

有効率

近距離

27.6%

20.3%

8.4%

2.0%

遠距離

11.0%

8.1%

3.3%

0.8%

損傷回数

18

16

13

9

8


 前回の考察でも使った表ですが、ゾダーンバトルライダーに搭載されたSクラス中間子主砲は、帝国バトルライダー移動力6)に対し、近距離で27.6%、遠距離で11.0%有効率を持っています。
 命中し、防御を突破した場合の撃破率は、ほぼ100%でした。




移動力5:バトルライダーの戦力比


 前回の考察では、ゾダーン側バトルライダー移動力6を持っている想定でしたが、生憎とそれは不可能であると分かりましたので、移動力5バトルライダーを用いて、その戦力比を比較しました。

 最初に述べたバトルライダー5種の内、試作1号(20万トン、移動力6)と、試作2号(6万トン、移動力5)が該当しています。

   表2 中間子主砲有効率
      (帝国が、移動力5ゾダーンバトルライダーを攻撃した場合)

中間子主砲クラス

命中率

近距離

5+

83.3%

5+

83.3%

5+

83.3%

6+

72.2%

遠距離

7+

58.3%

7+

58.3%

7+

58.3%

8+

41.7%

中間子スクリーン

5+

83.3%

7+

58.3%

8+

41.7%

10+

16.7%

突破率

船体形状

3+

97.2%

5+

83.3%

6+

72.2%

7+

58.3%

突破率

有効率

近距離

67.5%

40.5%

25.1%

7.0%

遠距離

47.3%

28.4%

17.6%

4.1%

損傷回数

14

10

7

4


 当然のことながら、移動力が1下がったので、前回の考察よりも、中間子砲の命中率が1つ上がっています。
 移動力6を想定していた時は、有効率が近距離で58.5%、遠距離で33.8%でしたから、近距離は1.15倍、遠距離で1.40倍有効率増加です。
 もともと不利だった遠距離戦闘が、ますます不利になってしまいました。

 この有効率から求めた戦力比が、以下の表3に示した数値です。

       表3 帝国ゾダーンの主力艦戦力比(主砲だけの比較)

バトルライダー

建造コスト

帝国側

戦力比

建造コスト×戦力比

移動力

主力艦

近距離

遠距離

近距離

遠距離

試作1号

208,368

バトルライダー

1.6

2.1

325,985

431,237

移動力6

巡洋艦

1.1

1.1

230,506

230,506

試作2号

66,076

バトルライダー

1.6

2.1

103,374

136,750

移動力5

巡洋艦

1.1

1.1

73,096

73,096


 帝国海軍にイニシアチブを取られた場合、遠距離での戦闘が長く続くでしょう。
 そもそも、ゾダーン側バトルライダーは加速能力が低いので、そう簡単には距離を詰められません。
 戦力比も、不利な遠距離戦闘の数字を用いておきます。
 試作1号も、試作2号も、遠距離での戦力比は2.1でした。

 帝国バトルライダー1隻の価格が、私の設計(正確にはコンバート)したノリキアン型バトルライダーの場合で22,930MCrです。

 22,930MCrで作られたバトルライダー1隻に対抗するため、ゾダーン海軍は、試作1号2.1隻で、431,237MCr18.8倍)、試作2号2.1隻でも136,750MCr6.0倍)の建造費を費やさなければならない、と分かりました。

 どうにも納得できる数字ではありません。
 さらに安価なバトルライダーの設計を、見つけなければならないでしょう。




移動力4:バトルライダーの戦力比


 そんな訳ですから、早速、バトルライダー試作3号(4万トン、移動力4)の出番がやってきました。

   表4 中間子主砲有効率
    
  (帝国が、移動力4ゾダーンバトルライダーを攻撃した場合)

中間子主砲クラス

命中率

近距離

4+

91.7%

4+

91.7%

4+

91.7%

5+

83.3%

遠距離

6+

72.2%

6+

72.2%

6+

72.2%

7+

58.3%

中間子スクリーン

5+

83.3%

7+

58.3%

8+

41.7%

10+

16.7%

突破率

船体形状

3+

97.2%

5+

83.3%

6+

72.2%

7+

58.3%

突破率

有効率

近距離

74.3%

44.6%

27.6%

8.1%

遠距離

58.5%

35.1%

21.7%

5.7%

損傷回数

14

10

7

4


 今度は移動力が2つ下がったので、中間子砲の命中率が2つ上がりました。
 近距離は1.27倍、遠距離で1.73倍有効率増加です。
 遠距離戦闘の不利が、ますます顕著になってきました。

 この有効率から求めた戦力比が、以下の表5に示した数値です。

       表5 帝国ゾダーンの主力艦戦力比(主砲だけの比較)

バトルライダー

建造コスト

帝国側

戦力比

建造コスト×戦力比

移動力

主力艦

近距離

遠距離

近距離

遠距離

試作1号

208,368

バトルライダー

1.6

2.1

325,985

431,237

移動力6

巡洋艦

1.1

1.1

230,506

230,506

試作2号

66,076

バトルライダー

1.6

2.1

103,374

136,750

移動力5

巡洋艦

1.1

1.1

73,096

73,096

試作3号

40,982

バトルライダー

1.6

2.3

67,244

94,375

移動力4

巡洋艦

1.2

1.2

47,549

50,445


 小数第二位を四捨五入しているので、試作2号試作3号の、対バトルライダー、近距離戦力比が、同じ数字の1.6になってしまっています。
 実際は、試作2号1.56試作3号1.64でした。
 きちんと計算していますので、ご安心ください。

 試作3号(4万トン、移動力4)のバトルライダーを建造し、帝国バトルライダーに対抗するならば、ゾダーン試作3号2.3隻94,375MCr4.1倍)の出費で良いと分かりました。
 まだまだ高コストですが、ずいぶんと安くなったようです。




移動力3:バトルライダーの戦力比


 さらに安価となることが予想(期待)されるバトルライダー試作4号(3万トン、移動力3)です。

   表6 中間子主砲有効率
    
  (帝国が、移動力3ゾダーンバトルライダーを攻撃した場合)

中間子主砲クラス

命中率

近距離

3+

97.2%

3+

97.2%

3+

97.2%

4+

91.7%

遠距離

5+

83.3%

5+

83.3%

5+

83.3%

6+

72.2%

中間子スクリーン

5+

83.3%

7+

58.3%

8+

41.7%

10+

16.7%

突破率

船体形状

3+

97.2%

5+

83.3%

6+

72.2%

7+

58.3%

突破率

有効率

近距離

78.8%

47.3%

29.3%

8.9%

遠距離

67.5%

40.5%

25.1%

7.0%

損傷回数

14

10

7

4


 今度は移動力が3つ下がったので、中間子砲の命中率が3つ上がります。
 帝国が撃つ中間子主砲の命中率は、近距離で3+(97.2%)、遠距離でも5+(83.3%)ですから、ほぼ自動的に命中することになりました。
 ゾダーン側の防御は、あまり当てに出来ない中間子スクリーンと、船体形状だけになります。
 有効率は、近距離で78.8%と、遠距離で67.5%
 移動力6の想定に比べ、近距離で1.35倍、遠距離で2.00倍有効率増加です。

 ゾダーンバトルライダーが一撃で撃破されることは確定ですから、「やられる前にやれ」という戦術が前提になってきました。
 僚艦が撃破されている隙に、敵艦を撃破するのです。

       表7 帝国ゾダーンの主力艦戦力比(主砲だけの比較)

バトルライダー

建造コスト

帝国側

戦力比

建造コスト×戦力比

移動力

主力艦

近距離

遠距離

近距離

遠距離

試作2号

66,076

バトルライダー

1.6

2.1

103,374

136,750

移動力5

巡洋艦

1.1

1.1

73,096

73,096

試作3号

40,982

バトルライダー

1.6

2.3

67,244

94,375

移動力4

巡洋艦

1.2

1.2

47,549

50,445

試作4号

28,907

バトルライダー

1.7

2.5

48,848

71,505

移動力3

巡洋艦

1.2

1.3

34,540

38,221


 有効率の変化は大きいのですが、戦力比はそれほど変わっていません。
 ちなみに戦力比の算出は、ランチェスターの二次法則を応用して、有効率の比の、平方根として計算しました。
 平方根ですから有効率が2倍になっても、戦力比は1.4倍にしかならないのです。

 試作4号(3万トン、移動力3)のバトルライダーを建造するならば、ゾダーン試作4号2.5隻、建造費は71,505MCr3.1倍)で良いと分かりました。
 まず、妥当なコスト比ではないでしょうか。




移動力0:バトルライダーの戦力比


 移動力0にしてしまうと、そのバトルライダーの回避能力は、大型商船並みになってしまいます。
 その程度の回避能力ですと、テックレベル15大型戦闘艇が、10機飛び込んでくるだけで、バトルライダー部隊全滅の危機が訪れるでしょう。
 テックレベル13以下なら、それでも構わない(他にどうしようもない)ような気がしますが、テックレベル14では、とても許せません。

 大型戦闘艇SDBの脅威を無視して設計したバトルライダー試作5号(2万トン、移動力0)の戦力比計算です。

   表8 中間子主砲有効率
    
  (帝国が、移動力0ゾダーンバトルライダーを攻撃した場合)

中間子主砲クラス

命中率

近距離

0+

100%

0+

100%

0+

100%

1+

100%

遠距離

2+

100%

2+

100%

2+

100%

3+

97.2%

中間子スクリーン

5+

83.3%

7+

58.3%

8+

41.7%

10+

16.7%

突破率

船体形状

3+

97.2%

5+

83.3%

6+

72.2%

7+

58.3%

突破率

有効率

近距離

81.0%

48.6%

30.1%

9.7%

遠距離

81.0%

48.6%

30.1%

9.5%

損傷回数

14

10

7

4


 帝国が撃つ中間子主砲は、自動的に命中します。
 有効率は、近距離でも、遠距離でも81.0%
 移動力6の想定に比べ、近距離で1.38倍、遠距離で2.40倍有効率増加です。

       表9 帝国ゾダーンの主力艦戦力比(主砲だけの比較)

バトルライダー

建造コスト

帝国側

戦力比

建造コスト×戦力比

移動力

主力艦

近距離

遠距離

近距離

遠距離

試作2号

66,076

バトルライダー

1.6

2.1

103,374

136,750

移動力5

巡洋艦

1.1

1.1

73,096

73,096

試作3号

40,982

バトルライダー

1.6

2.3

67,244

94,375

移動力4

巡洋艦

1.2

1.2

47,549

50,445

試作4号

28,907

バトルライダー

1.7

2.5

48,848

71,505

移動力3

巡洋艦

1.2

1.3

34,540

38,221

試作5号

19,054

バトルライダー

1.7

2.7

32,654

51,631

移動力0

巡洋艦

1.2

1.4

23,090

27,598


 試作5号(2万トン、移動力0)のバトルライダーを建造するなら、ゾダーンが作るべき数は2.7隻、建造費は51,631MCr2.3倍)になります。
 掲載しませんでしたが、加速能力を1Gまで抑えた試作6号(2万トン、移動力0)ならば、建造費は45,729MCr2.0倍)まで安くできました。
 あまり、実用性はないと思いますが。




粒子加速砲を搭載したバトルライダーの戦力比


 中間子砲を搭載したバトルライダー同士の対戦では、テックレベルの劣るゾダーン側が、遠距離戦で不利になってしまいます。
 その状況を打開するため、第19回の考察で検討したように、粒子加速砲を搭載したバトルライダーの戦力比を求めてみました。

 今まで求めてきた、各移動力ごとの(帝国ゾダーンを攻撃した場合の)有効率と、前回の考察で求めたSクラス粒子加速砲の(ゾダーン帝国を攻撃した場合の)有効率を比較して、平方根を求めただけの手抜き計算です。
 しかし、試作2号から5号までの粒子加速砲搭載バージョンは、しっかりと再設計しました(仮称:BR14-02PAS〜05PAS)。
 中間子砲粒子加速砲に換装することで、船体サイズはおおよそ1万トンの小型化(5号だけは8千トンの小型化)に成功しています。
 当然、建造コストも小さくなりました。


      表10 帝国ゾダーンの主力艦戦力比(主砲のみの比較)

バトルライダー

建造コスト

帝国側

戦力比

建造コスト×戦力比

移動力

主力艦

近距離

遠距離

近距離

遠距離

試作2号

55,056

バトルライダー

2.2

1.8

119,030

99,587

移動力5

巡洋艦

1.9

1.6

102,591

85,834

試作3号

32,701

バトルライダー

2.3

2.0

74,150

65,817

移動力4

巡洋艦

2.0

1.7

63,909

56,727

試作4号

22,112

バトルライダー

2.3

2.2

51,636

47,806

移動力3

巡洋艦

2.0

1.9

44,505

41,203

試作5号

14,659

バトルライダー

2.4

2.4

34,717

34,717

移動力0

巡洋艦

2.0

2.0

29,923

29,923


 ゾダーン粒子加速砲搭載型バトルライダーと対戦した場合、帝国側は距離を詰め、接近戦を挑んでくる筈です。
 帝国にとって、近距離戦闘の方が有利ですから。

 近距離戦闘を行なった場合の戦力比から、バトルライダーの建造コストを求めると、以下のようになりました。
 併せて、中間子砲搭載型バトルライダーの戦力比、建造コストも載せています。


      表11  帝国ゾダーンの主力艦戦力比(主砲のみの比較)

バトルライダー

中間子砲装備型

粒子加速砲装備型

移動力

戦力比

建造コスト

コスト比

戦力比

建造コスト

コスト比

試作2号

2.1

136,750

6.0

2.2

119,030

5.2

移動力5

試作3号

2.3

94,375

4.1

2.3

74,150

3.2

移動力4

試作4号

2.5

71,505

3.1

2.3

51,636

2.3

移動力3

試作5号

2.7

51,631

2.3

2.4

34,717

1.5

移動力0


 こうしてコスト比較を行ってみると、ゾダーンバトルライダーは、粒子加速砲搭載型の方が、安上がりになるという結論が出てしまいそうです。

 しかし、騙されてはいけません。
 粒子加速砲による撃破は、兵器損傷を受けて、中間子主砲の攻撃力がCクラス以下に下がったというだけなのですから。
 装甲DM=9バトルライダーは、主砲火力がC以下に低下するまで、通常ドライブに2〜3回の被害を受けていると予想されます。
 もともと6G加速の性能で設計されていますから、それでもまだ3G以上の加速性能を残していることでしょう。
 ゾダーンバトルライダー(勝手ながら3G加速移動力3性能に内定済み)では、追撃をかけても、追いつくことが出来ません。
 どうしても逃げられてしまいます。

 中間子砲による撃破ならば、燃料の全喪失や、通常ドライブパワープラントの破壊による撃破ですから、確実に動きを止められます。
 動けなくなったバトルライダーは、何処へも逃げられません。
 建造費で3倍〜4倍という、理不尽なコストを強要してきた帝国バトルライダーに、たっぷりと仕返しをしてあげましょう。


 以下の表12は、中間子砲搭載型と、粒子加速砲搭載型バトルライダーを併用することで、ゾダーン側が何時でも有利な距離で戦闘できると想定した場合の、戦力比と、その戦力比から求めた建造コスト比です。

 中間子砲搭載型粒子加速砲搭載型が混ざった状態で、バトルライダーの戦力比を求める計算式を思いつきませんでした。
 試作4号のあたりで戦力比が1.7〜2.2ですから、帝国バトルライダー1隻に対して、中間子砲装備型2隻粒子加速砲装備型1隻、合計3隻程の数があれば、ゾダーン側も勝ち目があるだろうと考えています(残念ながら、根拠薄弱ですが)。

      表12  帝国ゾダーン主力艦戦力比(主砲のみの比較)

バトルライダー

中間子砲装備型

粒子加速砲装備型

移動力

戦力比

建造コスト

コスト比

戦力比

建造コスト

コスト比

試作2号

1.6

136,750

4.5

1.8

119,030

4.3

移動力5

試作3号

1.6

94,375

2.9

2.0

74,150

2.9

移動力4

試作4号

1.7

71,505

2.1

2.2

51,636

2.1

移動力3

試作5号

1.7

51,631

1.4

2.4

34,717

1.5

移動力0


 ここから先は、妄想です。
 全く根拠が無い訳でもないのですが、もう少し考察を進めないと、実現するかどうか分かりません。
 ゾダーン海軍のドクトリンは、以下のような形になると思います。


 帝国バトルライダーは、6G加速移動力6性能で、ほぼ無敵状態
 ゾダーンが、3倍以上のバトルライダーを集めてぶつけない限り、撃破されることはないと分かりました。
 バトルライダー部隊に当たらなければ、縦横無尽に戦場を駆け回り、手当たり次第にゾダーン巡洋艦輸送船を撃破できます。
 ゾダーンの戦闘艦艇で6G加速を備えたものは、大型戦闘艇以外にありません。
 しかし、大型戦闘艇ではバトルライダーを倒せないのです。


 勝手気ままに6G加速で駆け回る帝国バトルライダーに対して、ゾダーンバトルライダー3G加速移動力3性能です。
 半分しかない加速性能で追いかけても、帝国バトルライダーには追いつけません。
 とは言うものの、バトルライダーの勝手を見逃していれば、味方の巡洋艦輸送船団は全滅してしまいます。
 何としても、帝国バトルライダーは撃破しなければなりません。
 そのためには、味方のバトルライダー3倍以上の数で集め、帝国バトルライダーが、向こうから向かって来るような状況を作ることが必要です。

 具体的には、惑星侵攻用の地上部隊を満載したゾダーンの輸送船団を、多数のバトルライダーで護衛する(星系内にいる筈の帝国バトルライダー部隊に決戦を強要する)。

 帝国輸送船団1Gか2G程度の加速能力)を、ゾダーンバトルライダーが追い回す(輸送船団を見捨てない限り、帝国のバトルライダーが迎撃してくる筈)。

 などの戦術が取られることでしょう。

 反対に、帝国側はそのような戦術を取られないように、行動してきます。
 帝国のバトルライダーは方々へ動き回り、集結したゾダーンのバトルライダーを分散させ、各個撃破を狙ってくるでしょう(それ以外に勝ち目が有りませんから)。
 帝国の陽動作戦に惑わされてはいけないのです。


 第二次世界大戦の東部戦線(もちろん、帝国ドイツ軍で、ゾダーンソ連軍
という状況)を想像して頂ければよろしいかと思います。




結論


 今回は、テックレベル14ゾダーン海軍が保有する、バトルライダーの大きさと数について考察してみました。

 CT「宇宙海軍」のルールでテックレベル14バトルライダーを設計した時は、6G加速、移動力6の性能でも3〜4万トンの大きさに収まっていました。
 ですから、メガトラベラーのルールでもその程度かと思っていたのです。

 20万トンという超巨大サイズになってしまうとは、夢にも思いませんでした。
 加速能力(と移動力)が、大きさと建造費にこれだけの影響を及ぼしてしまうとは、実際に設計を試みるまで分かりませんでしたから。

 
 それはともかく、ゾダーン海軍帝国のバトルライダーに対抗するためには、艦艇数で3倍建造予算でほぼ4倍バトルライダー部隊を用意しなければならないと分かりました。
 何となく不経済な気がするのですが、何度も述べているように、中間子砲を装備したバトルライダーで対抗しない限り、帝国のバトルライダーを撃破できないのですから、仕方ありません。

 中間子砲搭載型バトルライダー対地上爆撃に、粒子加速砲搭載型バトルライダー真空世界(小惑星帯や軌道都市)の攻撃にも使えるということで、納得するしかないのでしょう。
 数が多いので、強力であることは間違いありません。


 次回は、テックレベル14バトルライダーについて、装甲副砲砲塔群の影響に関する考察を進めていきます。


2008.11.22 初投稿