地方世界の人口と通商量の関係を見ていきましょう。
今回は、人口レベル1以上の世界(惑星/衛星)を個別に計算しています。
主星ルソールから見て最も内側を巡る惑星は、大気も水も無い岩の塊、オースンです。
宇宙港も存在しませんが、70人程度の人口(レベル1)が住んでいるとのこと。
新たなハウス・ルールで通商量(宇宙港規模)を求めたところ、1に増えました。
増えたといっても年間の貿易量は貨物が30トンと旅客が2人です。無いも同然ですね。
次の軌道を巡る惑星は、小型ガス・ジャイアントのバーガンド。
2つの衛星を持ち、そのひとつセントは人口レベル3ですから、7,000人の人口を抱えています。
再計算した通商量(宇宙港規模)は1でした。年間の貿易量は、貨物が30トンと旅客が2人です。
この地方世界もほとんど貿易を行っていません。
3番目はオリブリウス。
内圏なので水の無い砂漠世界ですが、汚染されていない希薄大気を持っています。
宇宙港クラスがFなので、これから植民が始まるのでしょうか? 現在の人口は700人。
宇宙港規模は4に増えました。クラスFの良質な宇宙港が有利に働いているようです。
年間の貿易量は、貨物が30,000トンと旅客1,500人でした。
人口700人には不釣り合いな貿易量ですが、これから開発される世界であり、
大量の建設資材が送り込まれていると考えるならば、妥当かも知れません。
衛星のアリーズも人口レベル1の真空世界です。
通商量は1で、年間貿易量は貨物30トンと旅客2人。
この地方世界もほとんど貿易を行っていませんでした。
4番目の軌道(可住圏)を巡る惑星が、大型ガス・ジャイアントのアシニボイア。
リジャイナを初めとして5つの衛星を持ちます。
最も内側を巡る衛星リーデスは、人口700人の農業世界です。
通商量は4で、年間貿易量は貨物30,000トンと旅客1,500人。
主要世界のリジャイナへ、農産物を輸出することが主な産業なのでしょう。
人口1人当たりの輸出量は428トン(=30,000トン÷700人)ですから、入植地は大規模な農場となっており、人口の大半は農業関係者だと思われます。
2番目の衛星プランタンは、人口7,000人の真空世界です。
通商量は5で、年間貿易量は貨物30万トンと旅客15,000人。
帝国の海軍基地が置かれていますから、人口の大部分は海軍基地の関係者(軍人や軍属と、その家族)でしょう。
3番目の衛星ブリュメールは、人口700万人の農業世界で、植民地でもあります。
通商量は6で、年間貿易量は貨物300万トンと旅客15万人。
下手な主要世界よりも、貿易量が多い地方世界でした。
直接、ブリュメールに寄港する恒星間商船も多いのではないでしょうか。
4番目の衛星はハーコート。人口70万人の植民地で、軍事基地と研究所が存在します。
通商量は5で、年間貿易量は貨物30万トンと旅客15,000人。
最も外側を巡る衛星は主要世界のリジャイナで、その人口は7億人。
クラスAの宇宙港を備えで、宇宙港規模も7+になります。
年間貿易量は貨物9,000万トンと旅客450万人。圧倒的な貿易量でした。
厳密に述べると、この宇宙港規模7+は星系全体の貿易量です。
ですから、リジャイナ単独の通商量を正確に求めるためには、
星系全体の貿易量から各地方世界の貿易量を引く必要があります。
でも、物凄く面倒ですよね?
実際には大きな誤差も生じない筈ですので、この宇宙港規模7+をそのまま用いても構わないでしょう。
このアシニボイア系が人口でも通商量でも、圧倒的多数を占めていることに変わりはありません。
伴星ダリダは、主恒星のルソールから5,000AU離れた軌道番号16を、ゆっくりと巡っています。
1G加速の宇宙船で5,000AUの距離を移動すると半年以上の時間を必要とします。
特別な事情がない限り、ダリダへの移動はジャンプ・ドライブが利用されるでしょう。
この距離は光の速さでも1ヶ月弱の時間が必要ですから、データ通信であっても恒星間宇宙船が利用されることになります。
ルソール系とダリダ系の間を結ぶ通信回線に、恒星間宇宙船を介在しないものは有り得ません(その存在価値もないのです)。
念のため確かめてみたところ、トラベラー世界に1,000AU以上の距離で交信可能な通信機は存在しませんでした。
1,000AU以上の距離は即ち軌道番号14以上。
「1D6+13」で決まる遠距離軌道を巡る伴星系には、恒星間宇宙船以外での通信が不可能だと判明しました。
結構、不便です。
伴星ダリダを巡る世界の中で人口レベルが1以上あるものは、
まず、軌道番号1のキルンダ系。
惑星キルンダ自体は無人の荒涼世界ですが、有人の衛星が2つ存在します。
内側の衛星アークラーは人口レベル1。70人が居住していました。
宇宙港規模は3で、年間貿易量は、貨物3,000トンと旅客150人。
人口当たり43トン(=3,000トン÷70人)の貨物量はちょっと不釣り合いですが、
主要産業が鉱石の輸出であると考えれば納得できる量でしょう。
ジャンプ・ドライブを搭載した鉱石運搬船(R型政府指定商船?)が2週間に1回の頻度で寄港して、
120トン前後の鉱石を運んでいくのです。
旅客数150人も、居住人口の大半が鉱夫であると考えれば納得できます。
彼らの大半は出稼ぎ労働者であり、半年契約で(年2回の頻度で)交代しているのではないでしょうか。
実は、このキルンダ系には水界がありません。
燃料補給が可能な場所は、アークラーのHクラス宇宙港にも存在しないのです。
キルンダ系に寄港する商船が何処で燃料補給を行っているのか、とても気になりますね。
外側の衛星アーグルカーは、人口レベル4(7万人)の真空世界です。
人口は多いのですが宇宙港規模は2で、貿易量がほとんどありません。
必要最低限の物資を輸入しているだけで、ほとんど鎖国状態のようです。
キルンダの外側を巡る惑星は、小型ガス・ジャイアントのエラゼール。
ここにも、有人の衛星が2つ存在します。
内側の衛星はディウル・イマー。
居住人口は700人(レベル2)で、宇宙港規模は4。
年間貿易量は貨物30,000トンと旅客1,500人ですから、アークラーと同じように、
主要産業が鉱石の輸出であると推測できます。
寄港するR型政府指定商船は、2週間当たり5〜6隻になりますので、
アークラーよりも、ずっと重要度の高い地方世界になっているようです。
外側の衛星ガガムシールは人口レベル3。
珍しいことに、呼吸可能な大気と水界が存在し、7,000人が暮らす地方世界です。
宇宙港規模は5で、年間貿易量は貨物30万トンと旅客15,000人。
此処にも軍事基地が置かれていました。
リジャイナ星系の地方世界について、新たなハウス・ルールで通商量(宇宙港規模)を計算してみました。
前回の計算結果、「Pirate08:100倍直径の彼方にて」とは異なった結果が出ています。
通商量が大きく変わった原因のひとつは、
その地方世界に存在する宇宙港クラスを変数として組み込んだことにあるでしょう。
もうひとつは、変数を地方世界の人口レベル÷2にしたこと。
「Pirate08:100倍直径の彼方にて」で計算した際も、人口レベルが2つ低い毎に通商量が1レベル少なくなる、
という計算方法を用いれば、今回のような結果が出ていたかも知れません。
今更ですが。
リジャイナ星系における、星系内通商の主役は、やはり大型ガス・ジャイアントのアシニボイア系でした。
星系全体の貿易量の中で、99.7%はアシニボイア系に集中しています。
残りの0.3%は、伴星ダリダのガガムシールを筆頭とした地方世界に存在していました。
内惑星のオリブリウス系なども存在しますが、本当にわずかな貿易量でしかないのです。
そして、アシニボイア系の中でも、
その大半(96%以上)が主要世界のリジャイナにありました。
次点のブリュメールにある貿易量は全体の3.3%。
3番目以降のプランタンとハーコートの貿易量は全体の0.3%ずつ。
露骨な富の不均衡を感じます。
自然環境や人口分布が偏っているのですから、仕方ありませんが。
しかし犯罪者の視点から見れば、富の不均衡も大歓迎でしょう。
ベルトランナーの活動できる範囲が、若干広くなりました。
内惑星のオリブリウス系(宇宙港規模4)と、
伴星ダリダのキルンダ系(宇宙港規模3)ならば、それなりの活動も可能な筈。
生憎とアシニボイア系は宇宙船の交通量が多過ぎるため、海賊行為には適しません。
また、伴星ダリダのエラゼール系も、軍事基地の存在から不適切ですね。
次は、ソル星系(太陽系)です。
(2)ソル星系
太陽系の主要世界は地球です。
そのほか、月、火星、アステロイド・ベルトに多数のソロマニ人が居住しています。
水星、ガニメデ、レア、冥王星に小規模な都市があります。
金星といくつかの衛星には、商業上の小設備や実験室が置かれています。
ソロマニ戦争の末期、地球は帝国軍に制圧されました。以後、地球は帝国の支配下にあります。
よって、地球の政治形態は6(占領政治)です。
他のすべての世界は地球の統治下にあり、政治形態は6です。
帝国の支配が弱まれば、それぞれの世界が独自の政府を持つものと予想されています。
以上が、公式設定からの再掲載(抜粋)でした。
表35 ソル星系(太陽系)−地方世界の通商量(宇宙港規模)
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