The Encounter with The Pirates
海賊との遭遇
  MEGA TRAVELLER
Science -Fiction Adventure
in the Far Future

CG softs:  DOGA-L3, Metasequia

 

 

 

 

 

 
 



 
 
 
 
 
 




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 図1 海賊の戦闘艇に襲撃された、M型政府指定客船

戦闘艇もM型客船も橘様から頂きました。有難うございます。




1.はじめに


 「黄昏の峰への前奏曲」における考察の結果、トラベラー宇宙では、海賊船との遭遇率が異様に高いと判明しました。

 例えば、CT基本ルールの遭遇表を用いてスピンワード・メインを縦断した場合、 自由貿易船が海賊船に遭遇せず、無事にインズへ辿り着ける可能性は、11.5%しかありません。
 MTルールの遭遇表を用いた場合、海賊船に遭遇しないで商船がインズへ辿り着ける可能性は、さらに下がって7.9%です。
 MTルールを拡張したハウス・ルールの場合、商船がインズへ辿り着ける確率は、28.5%〜71.4%になりました。

 上記で示した数字の中では、最後の71.4%という数字が、一番妥当に思えます。
 商船の到着率が10%前後しかない状況では、帝国内の恒星間通商を維持できる筈がありませんから。

 例えば、21世紀テラの極東島国において、移動経路の治安の問題で、 旅に出た旅行者の内、たったの1割しか目的地に辿り着けないとしたら、どうなるでしょう。
 ほとんどの方は、旅行そのものを諦めると思います。

 貨物輸送に関しても同様です。
 送った荷物の9割が何らかの理由で届かないということになれば、 保険料などを含めた荷物の輸送コストは、非常識な金額にまで膨れ上がってしまいます。
 定価がcr35のゲームを1つ取り寄せる際に、運賃と保険料だけでcr350が掛かると言われたら、 ほとんどの方は取り寄せを諦めるのではないでしょうか。
 どうしても欲しいものでしたら構いませんが、食料品や医薬品など、日常生活に欠かせない品物が、そんな高価になっては困ります。



 実は、スピンワード・メインのような辺境航路だけに限った問題ではありません。
 MTの遭遇ルールをそのまま適用すると、辺境であっても幹線航路であっても、海賊船との遭遇率は全く同じなのです。
 この場合、帝国海軍惑星海軍の大艦隊が駐留している リジャイナモーラでも、 多くの海賊船が活躍するということになってしまうでしょう。
 リジャイナ公爵は、ゾダーンの手からスピンワードマーチを守ることが出来るのに、 そのお膝元のリジャイナで、市民を海賊から守ることもできないのでしょうか。

 この問題について、納得できるハウス・ルールを作り出すことが、今回の考察の目的です。





2.CT基本ルールの遭遇表


 MTの遭遇ルールを用いた場合、治安が行き届いている主要星系であっても、 頻繁に海賊船と遭遇してしまいます。
 ところがCT基本ルールの遭遇表を用いた場合、宇宙港クラスAとBの星系において 海賊船と遭遇すること自体が有り得ません。
 遭遇確率ゼロです。
 この背景を考えてみましょう。
 
 まずは、宇宙港クラス、偵察局基地や海軍基地の有無によって変わる、海賊船との遭遇率を、表2にまとめました。
 「黄昏の峰への前奏曲」で掲載した表5を、作り直したものです。

           表2 海賊船との遭遇率(CTルール)

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 上記の数字は、遭遇表を36回使用した場合、商船海賊船に出会う回数を示しています。 星系への到着時と離脱時にそれぞれ1回ずつ遭遇表を使用しますから、 ジャンプ回数18回当たりで、何回、海賊船に遭遇するかという数字です。
 その下の確率は、遭遇表を1回使用して、何%の確率で遭遇するかを示しています。 上の遭遇回数を36で割って求めました。

 繰り返しになりますが、CTルールを用いた場合、宇宙港クラスAとBの星系では、海賊船に遭遇する心配がありません。

 宇宙港クラスCの星系では、8.3%の確率で海賊と遭遇します。 もしも星系内に偵察局基地が存在する場合、遭遇率は11.1%に増えてしまいますが。

 宇宙港クラスDの星系では、11.1%の確率で海賊と遭遇します。
 宇宙港クラスEの星系では、8.3%の確率で海賊と遭遇します。
 宇宙港クラスXの星系では、13.9%になりました。



 次の問題です。
 遭遇表を見ていて、海賊船以外にもT型哨戒艦C型巡航艦と 遭遇する可能性があることに気付きました(今更ですが、海賊マークのPが付いていない、略号TやCのことです)。

 これらの宇宙船は、海軍や偵察局、SPAの保有する保安艦艇なのでしょう。
 事故を起こした宇宙船を救助したり、商船を臨検したり、 海賊船を逮捕/撃退したりしてくれるのだと思います。
 そう決めました。
 密輸を行なっているなど疚しいところのある商船にとっては煙たい存在でしょうが、 海賊船の襲撃に怯える商船にとって、これほど頼もしい存在はありません。

 上記、保安艦艇との遭遇率を、表3にまとめました。

     表3 海軍/偵察局/SPAなど保安艦艇との遭遇率(CTルール)

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 表2と同じように、商船が保安艦艇に出会う回数、確率を示しています。

 宇宙港クラスAとBの星系で、海賊船に遭遇することが有り得ない理由が、明らかになりました。
 これらの星系には大抵、偵察局基地や海軍基地が存在しますから、高い確率で保安艦艇と遭遇してしまいます。 リジャイナのように両方の基地が存在する星系ならば、遭遇率が22.2%もありました。
 商船が保安艦艇に遭遇するように、 海賊船も保安艦艇に遭遇してしまう可能性は高いのです。
 海賊船は、これらの星系に立ち寄ることもできないでしょう。

 余談になりますが、宇宙港クラスAまたはBの星系で、海軍基地と偵察局基地(中継基地を含みます)の両方が存在する星系は23星系(20.2%)、 海軍基地のみが存在刷る星系は29星系(25.4%)、偵察局基地(中継基地を含みます)だけが存在する星系は19星系(16.7%)、 基地が存在しない星系は43星系(37.7%)でした。

 宇宙港クラスCの星系でも、それなりの頻度で保安艦艇と遭遇しますが、 海賊船との遭遇確率の方が高くなっていました。
 海賊船が活動する余地もある、ということなのでしょうか。
 このあたりは、良く分かりません。

 宇宙港クラスD、Eの星系で、保安艦艇を遭遇することは有り得ません。 ですから、海賊船の天下です。 襲われた商船が救難信号を出しても、助けに来てくれる哨戒艦は、星系内に存在しないのですから。

 宇宙港クラスXの星系では、保安艦艇と海賊船に遭遇する確率が同じでした。
 これらの保安艦艇は、星系の封鎖を行なっている艦艇なのでしょうが、遭遇する宇宙船が保安艦艇か海賊船かの二者択一 (実際には11.1%の確率でL型実験船)という点が面白いです。



 CTルールにおいて、宇宙港クラスAとBの星系は、宇宙港関連の設備が整っているだけではなく、商船の交通量が多い星系だと考えて良いようです。
 だからこそ、多数のT型哨戒艦C型巡航艦などの保安艦艇によって 星系内の治安が維持されているのでしょう。





3.宇宙海軍による、星系内の治安維持


 前章のCT基本ルールを拡大解釈して、哨戒艦巡航艦による治安維持が しっかりとなされている星系では、海賊船が活動できないということにしてみましょう。
 こうすれば海賊船との遭遇確率が減少して、許容できる範囲になる筈です。

 宇宙空間の治安維持を担当している組織といえば、まず最初に思いつくものは、宇宙海軍でしょう。
 MT「反乱軍ソースブック」に拠ると、帝国領の海軍は、帝国海軍、星域海軍(帝国予備海軍)、惑星海軍(星系海軍)の3つに分類されていました。
 帝国の防衛は、これらの組織がお互いに分担して行なっている訳です。

 星系内の治安維持が目的ですから、まずは惑星海軍を調べてみました。
 人口レベル4以上、テックレベル7以上の世界には、独自の惑星海軍が存在することになっています。 海軍の規模は様々ですが、年間予算が100MCr以上の金額ならば、海賊の脅威を防ぐことができるでしょう。
 年間100MCrの根拠は、T型哨戒艦を3〜4隻維持できるかどうかという点です。
 本当に最低限のレベルですが、これだけの哨戒艦を保有していれば、かろうじて星系内の治安維持が可能だと考えました。

 また、人口レベル7以上の星系はSDB戦隊(=10隻のSDBからなる小艦隊)を保有しています。 SDBは強力な戦闘艦ですので、海賊船と戦闘することになれば、確実に勝利できるでしょう。
 海賊船は、SDBが存在する星系に近づいてはいけないのです。



2012.02.12 加筆

 海賊に関する考察を続けるうちに、惑星海軍の予算が年間100MCr程度ではとても足りない、という事実に気付いてしまいました。
 T型哨戒艦4隻の戦力では、主要世界の上空に1隻の哨戒艦を張り付かせ、 また、100倍直径までの航路を不規則に見回る程度のことしかできない、と判明したのです。
 今回、想定し直した予算額は、年間500MCr以上(哨戒艦20隻分)。
 これだけの予算を得るためには、少なくとも星系人口が100万人(6レベル)以上でなければいけません。
 まぁ、妥当なところでしょうか。

 そこで、2009年の12月に作成した表4〜表6に「惑星海軍 100〜500MCr」の欄を付け加えました。 この欄に移動した数だけ、その左隣「惑星海軍 SDBなし」の数字が減っています。



 集計結果を、以下の表4に示しました。


      表4  惑星海軍によって、治安維持がなされている星系数

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 以前の考察「スピンワードマーチ宙域の惑星海軍」で用いた統計資料を再利用して、星域ごとの小計で表しています。

 スピンワードマーチ宙域の帝国領で、年間予算100MCr以上の惑星海軍が存在する星系は、272中115(42.3%)でした。 その中でSDBを保有する星系は65星系ですので、23.9%です。
 これらの星系は宇宙空間の治安が十分に保たれており、恐らく、海賊船に遭遇することはないでしょう。

 しかし、残り157星系(57.7%)に惑星海軍は存在しません。
 帝国領内の半分以上の星系では、海賊が幅を利かせているのです。

 驚いたことに、ライラナー星域、モーラ星域、グリッスン星域、トリンズベール星域といった、 開発が進んでいるイメージの星域であっても、惑星海軍を持たない星系が多く存在しました。
 このままでは、海賊船が多くの星系で活躍してしまいます。



2012.02.12 加筆

 惑星海軍予算が100MCr以上、500MCr未満の星系が32星系(11.8%)も見つかってしまいました。
 これらの星系が100倍直径まで海賊を駆逐し、星系内の治安維持を実行できるかどうかは怪しいところです。
 海賊船の活躍する星系が、合計して189星系(69.5%)まで増えてしまったかも知れません。
 とりあえずはグレーゾーンの扱いにしておきます。
 考察の対象は明らかに海軍予算が足りない星系、年間予算100MCr未満の星系だけに限定しました。



 という訳で、今度は帝国海軍星域海軍に協力を依頼することにしましょう。
 宙域図を広げて、帝国海軍基地の存在する星系をチェックします。
 また、星域海軍の基地(人口レベル8以上、TL10以上の星系に存在)もチェックしました。

 これらの星系には、帝国/星域海軍の巡洋艦護衛艦が頻繁に寄港します。
 根拠地防衛のため、多数のSDBがパトロールを行っている筈ですので、 これらの星系における海賊行為は、まず不可能だと思います。

 表5 帝国/星域海軍、惑星海軍によって、星系内の治安が保たれている星系数

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 スピンワードマーチ宙域の帝国領内で、海軍基地帝国/星域海軍)が置かれている星系は、271星系中の63星系でした。
 意外に数が多いのですが、これだけでは23.2%の星系しか守れません。
 惑星海軍によって治安維持がなされている星系と合わせて、ようやく136星系、50.0%に達しました。

 惑星海軍によって治安維持がなされている星系であっても、 帝国/星域海軍の基地が存在する星系は、 左の欄、帝国海軍基地/星域海軍基地の欄へ含めています。
 何と言っても大抵の星系では、惑星海軍よりも帝国/星域海軍の方が強力ですので。



2012.02.12 加筆

 帝国/星域海軍の支援を得たことで、 惑星海軍予算が100MCr以上、500MCr未満の星系は23星系(8.5%)に数を減じました。
 それでも海賊船の活躍する星系は、グレーゾーンを合わせて159星系(58.5%)まで増えてしまった訳です。



 帝国内世界の50%に当たる136星系は、まだ無防備です。ちょっと多すぎるように思えました。
 特に問題になる星系は、Xボートネットワーク上に位置していながら、惑星海軍帝国/星域海軍基地も存在しない星系です。 このままではXボートの運行すら安全を保証できません。

 そこで、今度は偵察局SPAにも協力してもらうことにしました。
 偵察局も(ライトニング級巡洋艦のような)大型艦を保有していますし、 基地防衛のために、独自の哨戒艦を保有していることは間違いないでしょう。 その戦力をもう少し広い範囲に展開してもらい、星系防衛を担ってもらいます。
 SPAとは帝国宇宙港機構のことです(GURPS TRAVELLERの設定より)。 宇宙港や航路の維持管理を行なっている組織ですので、海軍や偵察局の艦艇が当てに出来ない星系では、SPAの艦艇が治安維持を行なっていると考えました。 具体的にはXボートネットワーク上の星系で、海軍基地も偵察局基地も存在しない星系のみ、SPAが治安の維持を担っているとします。
 SPAの活動はXボート航路上の星系のみに限らず、帝国内に存在するすべての宇宙港に及んでいるようですが、 SPAがそれらの星系の治安維持まで請け負っているかどうかの判断は各レフリーにお任せします。 海賊が活動できる余地は、できるだけ大きい方が面白いので。

 これらの組織を加えた結果を、表6に示しました。

     表6 帝国海軍と星域海軍、惑星海軍、偵察局、SPAによって
           星系内の治安が保たれている星系数

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 偵察局SPAの協力を仰いだ結果、 新たに27の星系で治安維持を行なえることになりました。
 治安が保たれている星系の数は163(59.9%)。治安が不十分な星系は109(40.1%)です。

 ちょっと考えてみましたが、これ以上、治安維持を担当できる公的組織は思いつきません。
 ですが、上記の109星系が自動的に、海賊の天国となる訳でもないと思います。
 メガコーポレーションなど大企業の私有星系であれば、それら企業の私設海軍が治安維持を行なっているでしょうし、 貿易量が大きいのであれば、それによって利益を得る企業が何らかの対応をしている筈です。


2012.02.12 加筆

 最終的に、帝国海軍/星域海軍の基地も、偵察局基地も存在せず、Xボートネットワーク上にも存在しない、 惑星海軍予算が100MCr以上、500MCr未満の星系は17星系(6.3%)ということになりました。
 これらの星系への対応には、ちょっと悩まされます。





4.海賊が活動できる星系の宇宙港規模(=貿易量)

 前章までの考察で、海軍偵察局/SPAなどの公的組織に守られていない星系が、 スピンワードマーチの帝国領内に109星系も存在することが明らかになりました。
 これらの星系の年間貿易量を求めてみます。
 MAG様の「スピンワードマーチ宙域の商用船舶」を用いて求めた年間貿易量(=宇宙港規模)は、以下の通りでした。


       表7 治安維持がなされていない109星系の宇宙港規模

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 109星系の宇宙港規模は、7つの例外を除いて、すべてが5以下です。
 これらすべての星系の貿易量を合計しても、216万トンにしかなりません。 宙域全体の貿易量2億トンと比較すると、ほんのわずかな量(1.3%)でした。
 これらの星系で海賊が野放しになっていたとしても、帝国(の政治や経済)に問題が生じることはほとんど無さそうです。 帝国の海賊対策が手緩い背景には、こんな事情があるのかも知れません。
 経済面の寄与が少ない辺境星系を守るよりも、帝国の経済に貢献している高人口世界や幹線航路を守ることの方が、ずっと優先されるでしょうから。



 海軍に守られていない星系の中で、最も宇宙港規模が大きい星系は、 アラミス星域のアラマンクスです。
 宇宙港規模は7。宇宙港クラスB、人口レベル9の高人口世界ですが、テックレベルが6であるため、惑星海軍を持つことができません。

 次に宇宙港規模が大きい星系は、リジャイナ星域のヒーヤと ライラナー星域のヴェインジャン。 どちらも宇宙港規模6+の富裕世界になっています。
 その次は、リジャイナ星域のイノープ、ライラナー星域のキパトウィー、 トリンズ・ベール星域のアラミストラルサ。 この4星系は、宇宙港規模6です。

 宇宙港規模5+と5の星系は合わせて32星系でした。 まだ憶測の域を出ませんが、これらの星系が海賊の主な根拠地になるだろうと考えています。

 宇宙港規模4+と4の星系は、57星系です。 もっとも数が多いのですが、その星系に持ち込まれる貨物量は、宇宙港規模5の10分の1しかありません。 ですから、活動できる海賊船の数も、それに比例して少なくなると思われます。

 宇宙港規模3以下の星系は13星系でした。
 この内8星系は、宇宙港Xの侵入禁止星系(レッド・ゾーン)になっています。 CT基本ルールの遭遇表のように、これらの星系で遭遇する宇宙船は、封鎖している海軍の艦艇か、 密輸を行なう海賊船か、そのどちらかになるのでしょう。





5.宇宙港規模による、海賊船との遭遇頻度

 海賊の活動できる星系について、宇宙港規模(寄港する商船の大きさと数)が明らかになりました。 これらの星系へ商船が寄港した場合、海賊船と遭遇する確率はどの程度になるでしょうか。

 MTの遭遇ルールによれば、遭遇する宇宙船の36分の1が海賊船になるということでした。 その数字を「スピンワードマーチの商用船舶」における遭遇回数に掛け合わせ、現実的な遭遇率を求めてみます。




(1)宇宙港規模6+〜7+の星系

 宇宙港規模6+の星系では、商船同士の遭遇が4回。 宇宙港規模7の星系では、遭遇が8回、宇宙港規模7+の星系では25回あります。
 この回数だけサイコロを振り、12が出た時に「海賊船と遭遇した」ところ、海賊船との遭遇率は、 宇宙港規模6+で10.7%、規模7で20.2%、規模7+で50.6%という大きな数字になってしまいました。
 計算は間違っていない筈ですが、この数字を適用すると、交通量の多い発展した星系ほど、 海賊船と頻繁に遭遇するということになってしまいます。
 今回の例では、宇宙港規模7のアラマンクスがとても危険な世界になってしまうでしょう。 この問題に関する考察は、次章で行ないます。




(2)宇宙港規模5〜6の星系

 宇宙港規模5〜6の星系では、商船同士の遭遇は1回だけです。
 海賊船との遭遇率は、そのまま36分の1で、2.8%になりました。




(3)宇宙港規模3〜4+の星系

 宇宙港規模4〜4+の星系では、サイコロを1個振って5+が出なければ、商船同士の遭遇を行いません。
 ですから、海賊船との遭遇率は通常の3分の1、0.9%になります。

 宇宙港規模3の星系では、サイコロを2個振って12が出なければ、遭遇判定を行ないません。
 海賊船との遭遇率は通常の36分の1、0.1%しかありませんでした。


         表8 ハウス・ルールによる海賊船との遭遇率

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 また、表7の宇宙港規模と、2週間毎に寄港する商船の数から、スピンワードマーチ宙域内で活動する海賊船の数を求めてみます。
 単純に「治安維持がなされていない」109星系へ寄港する商船の36分の1が、海賊船である、と想定して計算しました。


    表9  スピンワードマーチ宙域の帝国領内で活動する、海賊船の数

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 表7の右側に、活動している海賊船の数を書き加えてみました。

 数字が2種類ありますが、左側の「全体」と書かれた欄の数字は、 宇宙港規模7の星系でも海賊船が活動している、と仮定した場合の海賊船数です。
 スピンワードマーチ全体では171隻の海賊船が活動していることになりました。 特にライラナー星域、アラミス星域、トリンズベール星域、グリッスン星域での活動が目立ちます。
 定期整備や修理などで活動していない海賊船もあるでしょうから、 実際の海賊船は5割増しの、250隻程度になると思います。 また、これらの海賊船は、商船襲撃を専業にしている海賊船の数であり、地上襲撃や密輸専門の海賊船は含んでおりません。



 右側の「6未満」と書かれた欄の数字は、 宇宙港規模6未満の星系でなければ海賊船が活動できない、と仮定した場合の海賊船数です。 わずか7星系ですから、帝国/星域海軍の派遣によって、星系内の治安を維持することは容易であろうと思います。
 スピンワードマーチ全体では126隻の海賊船が活動していることになりました。 定期整備や修理中の海賊船を加えれば、150隻から180隻程度に増えるでしょう。
 まだまだ多いと見るか、思ったより少ないと感じるか、人それぞれでしょうが、いくつか気付いたことを列挙してみます。

 リジャイナ星域には宇宙港規模6以上の星系が2つありましたが、この2つの星系の治安維持に成功することで、 活動できる海賊船の数が19隻から9隻に半減します。
 アラミス星域では、 ひとつの星系で海賊船が17隻も活動していることになっていたアラマンクス(宇宙港規模7)が安全となったため、 海賊船の活動数が27隻から10隻に激減しました。
 ライラナー星域も宇宙港規模6以上の星系が2つあり、 海賊船の数は30隻から19隻に減少しました。 それでもまだ、海賊船の数は十分多いようです。

 グリッスン星域は宇宙港規模6以上の星系がありませんから、海賊船の数も変わりませんでした。 23隻のままです。
 トリンズベール星域は宇宙港規模6の星系が2つありましたが、海賊船の数はあまり変わりません。 26隻20隻に減っただけです。

 ライラナー、モーラ、グリッスン、トリンズベールの4星域は、開発が進んでいるというイメージがありましたが、 意外なことに無防備な星系が数多く存在するため、活動している海賊船の数も多いようです。
 ジュエルやリジャイナ、ヴィリス、ルーニオン、ファイブシスターズ星域は、 帝国の最前線に位置するため海軍基地の設けられた星系が多く、残念ながら海賊船の活動には適していないようでした。 とはいうものの、ジュエル星域を除けば5〜9隻の海賊船が存在するようですので、海賊行為が不可能という訳ではありません。

 余談になりますが、「黄昏の峰へ」の舞台となるスピンワードメインにおいて、 海賊が活動できる星系は10星系もありますが、その半分は宇宙港規模が5です。
 活動している海賊船の数は16隻になりました。
 ダイナム、レック、エキスト、キノーブ、フューラキンの5星系が、特に危険です。 自由貿易商人の皆さんは気を付けてください。船荷や貿易品に掛ける保険を忘れずに。



2012.02.12 加筆

 表6で追加された「惑星海軍予算が100MCr以上、500MCr未満」の17星系は、 宇宙港規模6が4星系、規模5が9星系、規模4が3星系、規模2が1星系でした。
 この数字を用いると、スピンワードマーチ宙域で活動する海賊船の数が 37隻(宇宙港規模6以上の星系でも海賊船が活動していると仮定)〜 25隻(宇宙港規模6未満の星系でなければ海賊船が活動できないと仮定)増えます。
 前述の数字と合わせて208隻151隻になりました。





6.宇宙港規模による、商船との遭遇頻度

 海賊の活動できる星系について、海賊船との遭遇確率を求めることができました。
 今度は、その遭遇した状況がどのようなものになっているのか、宇宙港規模(星系に寄港する商船の数)から考えてみます。



 いくつかの仮定を重ねますが、ある星系では、ジャンプポイント(宇宙船がジャンプする、もしくは、ジャンプアウトする空間)が、 特定の1ヘクス(直径5万kmの宇宙空間)に限定されているとします。
 これは、有事の支援体制をやりやすくすると同時に、特定空間外にジャンプしてきた宇宙船を、 自動的に海賊船密輸船として識別できるというメリットがあります。
 この空間が、主要世界の100倍直径のすぐ外側に設定されているとしました。
 商船が、星系内のガスジャイアントで燃料補給をする可能性は、 別の投稿「軌道宇宙港の燃料供給サービス」において否定されています。 その星系の主要世界がガスジャイアントを巡る衛星でない限り、商船がガスジャイアントで燃料補給を行なうことは、不経済だと分かりましたから。

 星系に寄港する商船は、すべて、上記のジャンプポイントを経由し、1G加速で主要世界へ向かうことにします。
 ジャンプアウトしてきた商船は、ジャンプアウト後の20分(1ターン)を掛けて、 現在位置の確認、通常ドライブの再起動などを行ないます。
 次のターン(40分後)には、ジャンプポイントから1ヘクス離れた位置を、速度1で航行しているでしょう。
 さらに次のターン(3ターン=1時間後)には、3ヘクス離れた位置を速度2で、 4ターン(=1時間20分)後には、6ヘクス離れた位置を速度3で、 5ターン(=1時間40分)後には、10ヘクス離れた位置を速度4で航行していることになりました。
 つまり、ジャンプポイントから11へクス以上の距離に離れる(艦載兵器の射程外に出る)まで、1G加速の商船では2時間が必要なのです。
 上記の計算は、主要世界の規模が5以上(100倍直径の距離が16へクス以上)の場合に限りますが、大抵の世界には当てはまると思います。

 星系を離脱する場合でも、商船は同じようなコースを辿ります。
 ジャンプを行なう5ターン(=1時間40分)前、商船はジャンプポイントの手前、 10ヘクスの位置に速度5で移動してきます(1Gによる減速中だと想定)。
 次のターン、ジャンプの4ターン(=1時間20分)前には、手前6ヘクスの位置に速度4で移動。 3ターン(=1時間)前には、手前3ヘクスの位置に速度3。 2ターン(=40分)前には、手前1ヘクスに速度2で移動するでしょう。
 ジャンプの1ターン(=20分)前、商船はジャンプポイントのヘクスに、速度1で移動してきました。
 ジャンプの実行ターン。商船はそのヘクスで静止し、 ジャンプ計画を立案、ジャンプドライブを起動させ、ジャンプすることになります。
 やはり、11へクス以上の距離からジャンプポイントに到着するまで、2時間が必要なのです。

 ジャンプポイントの近くで、商船を待ち伏せしている海賊船の視点から、 この商船の移動を見てみましょう。




(1)宇宙港規模6+〜7+の星系

      表10 宇宙港規模6+〜7+の星系における、商船との遭遇頻度
             (1ターン当たりの遭遇判定)

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 海賊船が活動可能な星系としてリストアップされた星系の中で、 最も宇宙港規模の大きな星系、アラマンクスを例にとって考えてみました。
 アラマンクスの宇宙港規模は7です。 2週間当たり620隻の商船が寄港しますから、1日当たりの寄港数は44.3隻になり、 1時間当たりの寄港数は1.85隻、1ターン(=20分)当たりの寄港数は0.62隻になりました。
 毎ターン0.6隻前後の商船がアラマンクスにジャンプアウトしてきて、同じ数の商船がジャンプしていく訳です。

 それぞれのターン、何隻の商船がジャンプアウトしてきて、ジャンプするのか、ランダムに決定するため、上記の表10を作りました。
 海賊船がジャンプポイントの近傍で待ち伏せをしている場合、 毎ターン、サイコロを2回ずつ振って、何隻の商船がジャンプアウトしてきたか、 何隻の商船がジャンプする予定か(主要世界から通常航行してくるか)を決定するのです。
 その商船が具体的に何であるのかについては、 松永様の宇宙海賊作成ルール(商船/民間船の欄)を利用してください。
 この表を用いることで、例えば以下のような情景を作り出すことが出来るでしょう。

ジャンプポイント(0ヘクス
 ジャンプアウトしてきた商船が1隻(A型自由貿易船
 ジャンプ直前(速度0)の民間船が1隻(1千トン級客船

ジャンプポイントから1ヘクスの位置
 主要世界へ向かう、加速中(速度1)の商船が1隻(A2型外航商船
 ジャンプポイントへ向かう、減速中(速度2)の商船が1隻(R型政府指定商船

ジャンプポイントから6ヘクスの位置
 主要世界へ向かう、加速中(速度3)の商船が1隻(1万トン級貨物船
 ジャンプポイントへ向かう、減速中の民間船が1隻(退役S型偵察艦

ジャンプポイントから10ヘクスの位置
 主要世界へ向かう、加速中(速度4)の商船が1隻(M型政府指定客船

 以上のように、ジャンプポイントから10ヘクス以内の距離には、7隻の商船が存在していることになりました。
 海賊船から見ると獲物はいくらでも選べるように思えますが、実行はちょっと待ってください。 周囲にこれだけ多くの商船が存在する中で、実際に手を出せるでしょうか。 海賊船の行動は、周囲の商船からしっかり監視されているのです。

 仮に、一撃で獲物の商船を行動不能の状態に陥れたとしても、 接近し、貨物の略奪を行なうには、最低でも1時間(=3ターン)掛かります。 できることなら、2時間(=6ターン)は欲しいところでしょう。

 前章で求めたように、宇宙港規模7のアラマンクスにおいて、 商船は20.2%という高確率で海賊船と遭遇してしまいます。 通常ならば、その商船はすみやかに降伏して、積荷を差し出さなくてはなりません。
 しかしアラマンクスでは10ヘクス以内に、襲われた商船を除いても、 6隻の商船が存在するのです。
 それらの商船が武装していれば、すぐさま援護射撃を行なうことが出来るでしょう。 襲われた商船が照準データを送信すれば良いのですから、電子妨害下でも問題にはなりません。
 戦闘力の高い1万トン級以上の貨物船がその中にいたならば、離れていても、強力な射撃を行なうことが可能です。 上記の例では、6ヘクスの距離に大型貨物船が航行していますから、 この時点で海賊船は、商船への降伏勧告を行なえない筈です(それでも手を出した海賊船は、高い確率で撃破されます)。
 この大型貨物船が10ヘクス以上の距離になるまで待つとしても、 今後数ターンの間に、新たな大型貨物船がジャンプアウトしてきたり、主要世界から移動してきたりする可能性は否定できません。 2時間あれば双方から3〜4隻の商船が現れるのです。
 宇宙船交通量の多さが、商船の安全を保障しているように思えました。 通商破壊艦が相手の場合、商船の多さは何の保障にもなりませんが、 海賊船レベルの戦闘艦が相手であれば、商船の集団行動によって、それなりの安全を確保できそうです。



2012.02.12 補足説明を加筆しました。

 1万トン級以上の貨物船の戦闘力が高い理由は、搭載されているコンピュータ・モデル数の高さにあります。
 これらの貨物船に搭載するコンピュータのモデル数を変えて幾つかの設計を試みたところ、 モデル数が低い設計は必要な乗組員の数が過剰に増え、専用室の維持費や人件費が嵩む、という事実が明らかになりました。
 建造費を節約できても、運航経費が高く付くのでは無意味です。
 建造費と運航経費を合わせて、最も経済的な設計を見出さねばなりません。

 試行錯誤の結果、1万トン級以上の貨物船はモデル7以上 (唯一の例外として、テックレベル15で建造されたジャンプ1貨物船だけはモデル6) のコンピュータを搭載した設計が、最も経済的であると判明しました。
 ですから、帝国内で遭遇する1万トン級以上の貨物船は、 多くの場合、モデル7以上のコンピュータを搭載していることになります。

 モデル7コンピュータの凄いところは、宇宙船戦闘の際、攻撃と防御にDM+7を得られることです。
 自由貿易商人のA型自由貿易船モデル1のコンピュータしか搭載していません。
 海賊のP型海賊船T型哨戒艦でさえ、モデル2〜3が精々です。
 こういった低レベルのコンピュータと比較するならば、モデル7コンピュータは少なくともDM+4、多くてDM+6の恩恵を受けられました。
 探知と追跡の成功率は極めて高くなり、貨物船から海賊船への射撃は確実に命中、 反対に海賊船から貨物船への射撃は全く当たらないという状況が成立するでしょう。
 そういった理由で1万トン級以上の貨物船は戦闘力が高いのです。

 並のP型海賊船T型哨戒艦では歯が立ちません。
 1万トン級以上の貨物船を襲撃するのであれば、 帝国/星域海軍の駆逐艦や巡洋艦を持ち出す必要があるでしょう。



 宇宙港規模が6+のヒーヤヴェインジャンにおいては、 10ヘクス以内に常時3隻前後の商船が存在します。 この程度の交通量でも、海賊船の活動は難しいと思います。
 リストアップされた中に宇宙港規模7+の星系はありませんでしたが、 もしも宇宙港規模7+のリジャイナで海賊船がジャンプポイントを見張っているとしたら、 その10ヘクス以内には常時50〜60隻の商船が航行していることでしょう。

 宇宙港規模8や8+の星系について同じことを求める場合は、宇宙港規模7や7+の数字を10倍してください。
 宇宙港規模8の星系では、ジャンプポイントの10ヘクス以内を常時70隻の商船が、 8+の星系では500〜600隻の商船が航行していることになりました。
 これらの星系で海賊行為を試みる方がいるとは思えませんので、あくまで参考値ですが。




(2)宇宙港規模5〜6の星系

      表11 宇宙港規模5〜6の星系における、商船との遭遇頻度
             (1ターン当たりの遭遇判定)

PIRATE1_FIG11.GIF - 4,172BYTES

 今度は、海賊船が活動可能な星系としてリストアップされた星系の中で、宇宙港規模5〜6の星系を考えてみます。

 宇宙港規模5の農業世界、レックを例にとってみましょう。
 レックの場合、2週間当たり91隻の商船が寄港しますから、 1日当たりの寄港数は6.5隻になり、1時間当たりの寄港数は0.27隻、1ターン(=20分)当たりの寄港数は0.09隻になりました。
 およそ3時間半に付き1隻の商船がレックに到着し、同じ数の商船が星系を離脱していく訳です。

 表11に従って商船の位置を決めると、ジャンプポイントの10ヘクス以内には、 ほぼ1隻の商船しか存在しないことが分かります。 運が良いと(悪いと?)2隻以上の商船が存在することも有り得ますが、ほとんどの場合は1隻だけです。
 つまり、宇宙港規模5〜6の星系は、海賊船の活動に最適ということです。

 存在する商船の種類が何であるか決めるため、松永様のルールを利用しますが、 宇宙港規模が5+の場合は商船サイズの上限を1万トン級に、宇宙港規模5の場合は上限を5千トン級にしておくべきでしょう。
 上限よりも大きな商船が出てしまった場合は、サイコロを振り直します。
 その星系の宇宙港規模から考えて、必要以上の大型商船が寄港する必然性がありませんから。




(3)宇宙港規模3〜4+の星系

     表12 宇宙港規模3〜4+の星系における、商船との遭遇頻度
           (3時間/1時間当たりの遭遇判定)

PIRATE1_FIG12.GIF - 4,154BYTES

 最後に、海賊船が活動可能な星系としてリストアップされた星系の中で、宇宙港規模3〜4+の星系を考えてみます。

 宇宙港規模4の非水海洋世界、カーカを例に考えました。
 カーカには2週間当たり27隻の商船が寄港しますから、 1日当たりで1.9隻、1時間当たりで寄港数は0.08隻になりました。 遭遇頻度が小さくなり過ぎましたので、遭遇判定は1ターン毎ではなく、1時間毎に1回とします。 1時間毎に1回、到着する商船と離脱する商船についてサイコロを振ってください。
 12時間当たり1隻の商船がカーカに到着し、同じ数の商船が離脱していくのです。

 表12を用いて商船の位置を決定すると、ジャンプポイントの10ヘクス以内には、 2分の1の確率で、商船が1隻も存在しないと分かります。 商船が1隻でも存在する確率は2分の1しかありません。
 規模4〜4+の星系も、海賊船の活動には最適のようです。
 半日から1日間の待機で手頃な獲物(商船)に遭遇できることでしょう。

 宇宙港規模3のヒーガズ(アラミス星域)には、2週間当たりでもわずか3隻の商船しか寄港しません。 1日当たりに直して0.21隻、1時間当たりで0.009隻です。
 遭遇頻度がさらに小さくなりましたので、遭遇判定を3時間に1回とします。 到着する商船と離脱する商船それぞれについてサイコロを2個振り、12が出た時のみ、 商船がジャンプアウトしてくるか、主要世界から通常ドライブで移動してくることになるでしょう。
 ヒーガズ星系に、商船は4〜5日に1隻の頻度でしか現れません。 待ち伏せしている海賊船は、長い待機を強いられることが確実です。
 規模3の星系で活動する場合、海賊船は比較的安全ですが、必然的に、儲けも少なくなるのです。

 存在する商船の種類が何であるか決めるため、今回も松永様のルールを利用します。 ただし、宇宙港規模が4〜4+の場合は商船サイズの上限を600トン級に、宇宙港規模3の場合は上限を400トン級にしてください。





7.まとめ

 スピンワードマーチ宙域の帝国領内で、海賊が活躍していそうな星系をリストアップすることが出来ました。
 星系数は109で、活動している海賊船の数は最低でも150隻、最大で250隻になります。

 これらの星系で必ず海賊を出さなければならないという訳ではありませんが、 海軍に守られていない星系がどのような手段で星系内の治安維持を行なっているのか、とても興味深い問題です。
 反対に、私が「治安維持がなされている」と考えた星系であっても、 それなりの理由を思い付いたならば、海賊船を出しても構いません。
 惑星海軍自体が腐敗しているとか、惑星海軍が軍閥化して海賊家業に手を広げているとか、 大規模な反乱海軍が存在して略奪を行なっているなど、いくらでも考えられるでしょう。

 治安維持がなされていない星系では、MTの遭遇ルール(36分の1の確率)に従って海賊船に遭遇すると考えました。 その確率と「スピンワードマーチ宙域の商用船舶」で述べられている 宇宙港規模の概念を組み合わせたものが、私のハウス・ルールによる遭遇確率です。
 「黄昏の峰への前奏曲」で述べた通り、 宇宙港規模の大きな世界ほど海賊船に遭遇する確率が高くなってしまいましたが、 宇宙港規模7以上の星系では、例え海軍などの艦艇が存在しなくても、商船の交通量が多すぎて、海賊行為が困難になっている可能性が見つかりました。
 ジャンプポイントが1箇所のみであるとか、海賊船はジャンプポイントで待ち伏せしている という仮定の元に見つかった可能性ですが。


2009.12.06 初投稿。
2012.02.12 再投稿。
    星系防衛に必要な惑星海軍予算を100MCrから500MCrに引き上げ、
    表4〜表6に「惑星海軍 100〜500MCr」の欄を追加。
    海賊の活動できる星系数は109からのままですが、
    関連する箇所を色々と加筆訂正しています。