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Morgan Series |
モーガン・シリーズ |
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MEGA
TRAVELLER | |
Science -Fiction Adventure
in the Far Future CG by DOGA-L3 & METASEQUOIALE
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偶発的に始まった第四次辺境戦争では帝国、ゾダーンともに十分な戦争準備が終了しておらず、第四時辺境戦争全般を通して双方ともに大規模な通商破壊作戦を展開した。 この結果、船団護衛や拠点防衛に必要なSDBと護衛艦艇の需要が急騰し、一部の主力艦の建造を諦めてまで護衛艦艇の建造を優先しなければならなかったほどである。乗組員の面でも護衛艦艇に多数の人員を補充しなければならず、人員の不足から兵站基地にモスボールされていた主力艦艇の動員が後回しにされる事態も発生している。ゾダーンは、通商破壊に巡洋艦を投入しており、帝国も巡洋艦を船団護衛や哨戒任務に投入しなければならなかった。 結果からいえば、第四次辺境戦争は艦隊決戦や大規模な降下作戦など華々しい戦闘があまり発生せず、広範囲にわたる通商破壊とそれに対抗する船団護衛作戦が重視された戦争であった。ゾダーン連盟は艦隊保全主義に陥っており、通商破壊艦や駆逐艦を投入した通商破壊作戦を重視していた。ゾダーンは、戦力増強のために巡洋艦までも投入しており、対抗上、帝国も通商破壊や船団護衛に戦力を割かねばならなくなり、帝国海軍が想定していた主力艦同士の艦隊決戦はあまり発生しなかった。 第四次辺境戦争に護衛艦艇の不足を補うために各星域政府や各商船会社は、自衛力を有する輸送船の必要を実感していた。船団護衛のために多数の艦艇が動員されていたが、長躯侵攻する通商破壊部隊を対応するには艦艇数が少なすぎた。 ルーニオン星域に大規模な製造施設を有するLSPルーニオン支社は、民間船舶の建造を主力としていたが、戦前からデネブ通商から発注を受けてヘンリー・モーガン級武装輸送船を建造していた。 武装輸送船の需要に応えて、ヘンリー・モーガン級武装輸送船の増産を決定した。武装輸送船は、本来、戦時には徴用されて仮装巡洋艦として実戦に投入される艦種である。モーガン級では、さらに最低限の改装で辺境巡洋艦にも使用できるように設計されており、武装輸送船というよりも船倉が大きな護衛艦といっても過言ではない設計であった。ところが、建造中に第四次辺境戦争自体が停戦となり、建造されていたモーガン級の多くは契約をキャンセルされるか、帝国に売却された。 帝国海軍に買収されたモーガン級は、クリフォード級護衛駆逐艦を初めとする様々な改装型の母体となった。 2.ヘンリー・モーガン級武装輸送船 ヘンリー・モーガン級は、第四次辺境戦争以前にデネブ通商向けに建造されていた外航型武装輸送船である。建造は、LSPルーニオン支社で行われたが、設計は帝国海軍の技官たちによって行われた。デネブ通商は、海軍省管轄の国策会社でモーガン級導入の際には戦時徴用を条件に海軍予算から補助が出ていた為である。戦時には、仮装巡洋艦として運用するだけでなく、極めて短時間に辺境巡洋艦や護衛艦へと改装できるように様々な工夫が凝らされていた。 特にメイン核融合炉であるLSP製FD4613型は、モーガン級にとってはやや出力過大である。LSPモーラ支社で製造されているFF4615型とサイズが同じであり、将来の核融合炉の換装を考慮して選択された。 護衛駆逐艦並の武装を持ち、ジャンプ3と3G加速を可能とするモーガン級は、武装商船というよりも仮装巡洋艦に近い設計である。海軍の意向が反映された結果であるが、ルーニオン支社の技術者たちは貨物輸送もできる護衛艦という感想を抱いたという。仮装巡洋艦に近い設計が幸いし、通商破壊作戦が激化した第四次辺境戦争中期以降には、メガコーポレーションや星域政府からまとまった数の発注を受けるようになった。貨物輸送もできる護衛艦としての、需要が生じたのである。 モーガン級の貨物積載量は、1992dtにすぎない。その程度の積載量では、利益を期待することはできない。あまりに高額な船体価格のために返済額が高くなりすぎ、利益が生じないのである。もっとも有利な政府指定商船であっても、年間利益15MCr程度に過ぎないのだ。 メガコーポや星系政府が保有するモーガン級は、第四次辺境戦争が停戦となると次々に契約がキャンセルされ、建造中の船も解体の対象となった。第四次辺境戦争の長期化を予想していたメガコーポや星域海軍は、まとまった.数のモーガン級を発注しており、LSPルーニオン支社では、量産が開始されていた。それらのモーガン級すべてが発注取り消しとなれば、さすがにLSPルーニオン支社の屋台骨を揺るがすことにもなりかねない。 同社のロビー活動の結果、ルーニオン支社と各星域政府並びに帝国海軍の間で協定が締結され、すでに起工されているモーガン級は、すべて帝国海軍が買い取り、残りの発注分については同社と各星域政府の協議の上で別の艦船に差し替えることが定められた。協定の成立によって帝国海軍も自ら発注したモーガン級の建造を取り消すことができなくなる。 帝国海軍は、一部を偵察局やデネブ通商に譲渡したが、それでも大量の余剰艦を抱えることになった。第四次辺境戦争後の帝国海軍は、モーガン級の有効利用を図るために様々なタイプの改装艦を開発していった。 実は、帝国海軍が素直にモーガン級の買収に応じた理由は、私略船としても最適の装備を持っていた為である。戦後、民間に流れたモーガン級による海賊行為の増加を懸念しての処置だったとされているのだ。 |
Henry Morgan Class Armed Merchantman from LSP.Ship's |
CraftID: |
ヘンリー・モーガン級 武装輸送船 TL=13+ MCr
2,565.66 |
Fig.1 モーガン級武装輸送船 |
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Fig.2 フォーイーブン宙域図(Traveller Map
より転載) |
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Clifford Class Escort Destroyer from LSP.Ship's |
CraftID: |
クリフォード級護衛駆逐艦後期型 タイプ:DE TL=13+ MCr
2,864.4 |
Fig.3 クリフォード級護衛駆逐艦(3G加速−実行中)。 |
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Scout Dron from LSP.Ship's |
CraftID: |
無人偵察機 TL=15 MCr
20.1 |
Fig.4 クリフォード級護衛駆逐艦(ミサイル副砲−斉射用意)。 |
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Khazar Class Rescue Commander from LSP.Ship's |
CraftID: |
ハザール級指揮回収艦 タイプ:DE TL=13+ MCr
2,702.2 |
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LSP4090 Type from LSP.Ship's |
CraftID: |
軌道修正用スラスター TL=13 MCr
123.9 |
備考:LSP4090型は、単独でも2,000tの艦船を1Gで牽引できる。理論的には、単独では15G以上の加速を可能となるが、慣性制御装置を組み込まれていないために1G以上の加速ができないように制限されている。最大でも6Gまでの設計強度を保持していないこともあり、無理な加速によって自壊する可能性も高い。 |
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RW-80 Type from LSP.Ship's |
CraftID: |
小型作業ポッド TL=13 MCr
20.0 |
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Comett Class Armed Tugboat from LSP.Ship's |
CraftID: |
コメット級大型武装タグボート TL=13+ MCr
8,175 |
備考:核融合ロケットは、単体時に最大で26.7Gをたたき出すことができる。これはあくまで理論値に過ぎない。実際にはソフトウェアによって最大加速は3Gに制限されている。ソフトウェアの改造によって最大6Gまで加速制限を緩和することは不可能ではない。コメット級の事故原因のトップは、ソフトウェアの“不調”や加速度計の破損である。コメット級では、こうした破損は致命的である。何らかの理由で制限が働かない場合、コメット級は流星となって星空に消えてしまうのである。 |
大島様から設定を頂き、私、山中が原稿として作成しました。 |