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S型偵察艦の優秀なパイロットを支える
  「偵察局員の友」 ついに販売開始!番外 Vol.08



 ソロマニ・リム宙域の新興ロボット・メーカー「センタ・マウント社」が、またもや新しいロボットの販売を開始しました。
 宇宙鉱夫(ベルター)や退役した偵察局員向けの、パイロット・ロボットです。
 もちろん、パイロットの任務に限らず、航宙士、エンジニア、スチュワード、試掘の手伝いも行なえるという優れもの。

 今回は、その紹介をさせて頂きます。




偵察艦パイロットの激務

 ご存知の通り、帝国内には膨大な数のS型偵察艦が運行しています。

 例えば辺境星系にとって、偵察局のS型偵察艦が運ぶ郵便物は、唯一の星系外情報源でした。
 S型偵察艦がニュースや旅客を運んでこなければ、その星系は人類社会から切り離されてしまうのです。

 また、中央星系であっても小規模な旅客の輸送、小規模貿易などには、S型偵察艦が多用されてきました。
 通信業務を行う偵察局だけでなく、帝国/星域海軍や多くの星間企業が、S型偵察艦
を保有していることからも、その有用性は明らかでしょう。

 しかし、そのS型偵察艦を駆るパイロットは、常に、想像を超える程の激務を要求されてきたのです。
 偵察艦は、ジャンプ航行を行なえる恒星間宇宙船として最小サイズの100トンしか有りません。
 そのため、様々な宇宙船の運行規約で、特別な優遇を受けてきました。
 具体的には、乗組員として航宙士、エンジニア、船医が不要であるということです。

 これは結的に、S型偵察艦の運行コストを大きく引き下げ、S型偵察艦の運行頻度を大きく増加させました。
 わずか100トンの宇宙船に3人も余計な乗組員を乗せる余裕はありませんし、100トンの宇宙船で稼げる利益から、3人分の給料を払うことも出来ません。
 ですから、上記の優遇が帝国内の恒星間通商にとって、大きなプラスとなったことは間違いないのです。

 しかし、それ故にこそ、たった一人の乗組員であるパイロットには、大きなしわ寄せが来ることになりました。
 航宙士が居なければ、パイロットが宇宙船の現在位置を計算し、ジャンプ計画を立案しなければならないのです。
 エンジニアが居なければ、ドライブ機器の操作も保守点検も、故障した際の応急修理も、パイロットがひとりですべてこなさなければなりません。
 船医が居なければ、パイロットの健康管理をしてくれる者は誰も居ませんし、もしも病気になった際、誰も看病してくれません。




偵察局員の友 SF106-Jacky

 そんな孤独なパイロットを支えてくれるロボットが、新発売された「偵察局員の友、SF106-Jacky」です。

URP 

 706XE-N2-MQ226-RF59  Cr260,800  351.2kg  280.0L  (TL=12)

ボディ

 56/140(なし) フレーム型

動力

 燃料(水素)=43.2L     活動時間=108時間
 燃料(水素/酸素)=43.2L  活動時間= 72時間

移動

 重作業用反重力=推力1,200kg 推力比=2.4

付属装置

 頭部=40%(80L) 重量腕×2

胴体

 磁力センサー 質量センサー 放射能センサー
 動力インターフェース 頭脳インターフェース プログラム・インターフェース
 主部ユニット 通信機5km 通信機5,000km ビデオレコーダー

頭部

 基本センサー・パック 音声合成装置

頭脳

 低自律型 上級命令 知力5 教育度9

 応用プログラム
 <管理−2><従者−1><スチュワード−1><感情表現>
 <反重力型輸送機器−1>
 <下記の任意のプログラムを3種類>

 <パイロット−3><航法−3><エンジニアリング−3><砲術−3>
 <エレクトロニクス−3><メカニクス−3><反重力工学−3>
 <医学−3><消火活動/救出−3>

 <試掘−4><宇宙服−2> この2つの技能は常にセットで用いられます。

選択式
プログラム

 

 SF106-Jacky は、プログラム・インターフェースを用いて、
任務に応じた応用(技能)プログラムを呼び出すことが可能です。
 例を幾つか挙げます。

 艦橋当直時
 <パイロット−3><航法−3><消火活動/救出−3>

 整備点検時
 <エンジニアリング−3><エレクトロニクス−3><反重力工学−3>

 船外作業(試掘作業)時
 <試掘−4><宇宙服−2><メカニクス−3>

 SF106-Jackyの外見はフレーム型で、有名な「宇宙鉱夫の友」にそっくりなデザインになりました。
 しかし、その内部に搭載された頭脳は全く違います。
 「低自律型」の基礎論理プログラムと「上級命令型」の基礎命令プログラムを備えているため、ロボットに不慣れなオーナーでも安全、確実な操作が可能になったのです。

 常駐の応用プログラムは、<管理−2><従者−1><スチュワード−1><感情表現><反重力型輸送機器−1>のみしかありません。
 しかし任務に応じて(頭脳インターフェースを用いて)自動交換でも、(プログラムインターフェースを用いた)手動交換でも、手軽にプログラムを入れ替えることが出来ます。

 例えば、通常空間の航行中やジャンプの直前にはJackyを艦橋に招き入れて(あるいはデータリンクだけでも構いませんが)、航法計算やドライブ機器の始動を行なわせることが可能でしょう。
 Jackyの知力は低いのですが、<パイロット−3><航法−3><エンジニアリング−3>の技能を備えていますので、事故を起こす心配はまずありません。
 戦闘が予想される場合は、<砲術−3>の技能を組み込んで、砲手を担当させることも出来ます。
 不慮の事故、火災発生などのトラブルには、<消火活動/救出−3>の技能が役に立つでしょう。
 冷静な態度で初期消火などの処置を行いながら、乗組員に緊急事態の発生を教えてくれる筈です。

 毎日のルーチンワーク、ドライブ装置や船内機器の点検時には、<エレクトロニクス−3><メカニクス−3><反重力工学−3>の技能が役に立ちます。
 宇宙船に限らず大抵の輸送機器の点検と修理が行なえるでしょう。
 試掘船ならば、採掘用の特殊機器も扱えます。

 毎日、食事の用意や身の回りの世話をしてくれながら、<医学−3>技能を用いた健康管理も怠りません。
 さらにパイロットが病に倒れた場合、親身な看護を行ないながら、操船などの業務を肩代わりまでしてくれるのです。
 実に有り難いロボットではありませんか。




擬生物型ロボット 「ビアトリス12-Space」

BEATRICE12SPACE.GIF - 1,695BYTES HR002−Beatrice12−Space(真空対応モデル)

URP 

 26X02-N2-00000-3A00 Cr75,600  42.2kg  44.0L  (TL=12)

ボディ

 9/22(ジャック) 擬生物型

動力

 蓄電池=3.0kwh 活動時間=10分(節約モードで、最大50分)

歩行

 パワー/重量比=11.9 接地圧=5.3 走行速度=40km/h 不整地=24km/h

付属装置

 頭部=40%(8L) 超軽量腕×2

胴体

 高感度触覚 動力インターフェース 従部ユニット 通信機5km

頭部

 視覚×2 聴覚×2 高感度嗅覚 味覚 音声合成装置

頭脳

 頭脳なし。
 主部ロボットとして、下記のSF106−Jacky12を利用

主部

SF106
-Jacky12
 


 低自律型 上級命令 知力5 教育度9
  (Beatrice12-Spaceを、同時に2台までコントロールできます)

 応用プログラム
 <管理−2><従者−1><スチュワード−1><感情表現>
 <反重力型輸送機器−1>
 <下記の任意のプログラムを3種類>

 <パイロット−3><航法−3><エンジニアリング−3><砲術−3>
 <エレクトロニクス−3><メカニクス−3><反重力工学−3>
 <医学−3><消火活動/救出−3>

 <試掘−4><宇宙服−2> この2つの技能は常にセットで用いられます。

オプション
パーツ

 船外作業用機動ユニット
  長期行動用の燃料電池、水素と酸素を収めた燃料タンク、
 ゼロG移動パックを背負い式のバックパック型にまとめたものです。
  コントロールの問題から、同じ主部によって操られる、
 別の従部ロボットという形になりました。

 301X0-00-00000-2000  Cr3,550  51.7kg  50.0L  (TL=12)
 10/25(なし) フレーム型
 燃料(水素/酸素)=18L 活動時間=80時間(ビアトリスへの電力供給時間)
 動力インターフェース 通信機5km 従部ユニット ゼロG移動パック
 頭脳なし

 能力的には問題が無くても、無骨極まりないSF106-Jackyに看護されることは御免だという至極もっともなモニター達の意見から、急遽、船内作業向けのビアトリスがデザインされました。
 驚くべきことに、宇宙服なしでも船外作業が可能な、真空対応モデルです。

 Book8「ロボット」を何度か読み直しましたが、擬生物型ロボットの真空環境活動を制限する記述を見つけられませんでした。
 電子回路保護やゼロG移動パックは、あれば便利でも必須装備でありません。

 ですからレフリーの裁量で、上記モデルは「宇宙空間/真空での活動が可能」だと定義させて頂きました。
 実際問題として、宇宙服なしで船外作業や試掘業務を行なった場合は、肌荒れが起きたり、ひび割れが発生したり、肌の色が変色するなどの問題が起こると思います。
 ですが、少なくともロボットの機能には問題が起こらない、ということにしました。

 大抵のユーザーは、ビアトリス-Spaceにも宇宙服を着用させると思うのですが、そうした場合、宇宙服越しでも電力供給を行なえるように、改造済みの特殊な宇宙服が必要になってしまいます。
 改造費用はおよそCr1,000(自分で改造するのであれば、1D6時間とCr500)が掛かるでしょう。



 それはともかく、SF106-Jackyビアトリス-Spaceのペアは、極めて有能であることが証明されました。
 SF106-Jackyは強力な重量腕を2つ備えており、重量物の運搬には最適なのですが、反対に測定器の設置や微調整、試料の採取などには不向きだったのです。
 大きな筋力の必要な作業はJackyが行い、細かい作業はビアトリスが行なうという分業体制は、とても効率的でした。
 モニターが行なった3ヶ月の試掘作業中、鉱夫が一度も船外へ出ずに済んだという、極端な事例さえも存在するのです。

 偵察局員の友として、SF106-Jackyとビアトリス-Spaceのご購入を、ぜひ、ご検討下さい。

 非公式ながら、SF106-Jackyに、応用プログラム<あやしいワザ−3>を付け加え、従部ロボットとして下記のビアトリス12-Superを用いたモデルも、多くが販売されているようです。




擬生物型ロボット 「ビアトリス12−Super」

BEATRICE12SUPER.GIF - 1,608BYTES HR002−Beatrice12−Super(特殊モデル:特別な顧客向け)

URP 

 26X02-N2-00000-3A00 Cr139,600  48.2kg  44.0L  (TL=12)

ボディ

 9/22(ジャック) 擬生物型

動力

 蓄電池=3.0kwh 活動時間=10分(節約モードで、最大50分)

歩行

 パワー/重量比=10.7 接地圧=5.8 走行速度=40km/h 不整地=24km/h

付属装置

 頭部=40%(8L) 超軽量腕×2

胴体

 高感度触覚 動力インターフェース 従部ユニット 通信機5km
 あやしい装備×2

頭部

 視覚×2 聴覚×2 高感度嗅覚 味覚 音声合成装置

頭脳

 頭脳なし。
 主部ロボットとして、下記のHM106−Katy12−Superを利用

主部

HM106
-Katy12
-Super
 


 秘書ロボット主部 Katy12-Super

 32X0A-L0-MP228-3258  Cr163,300  26.9kg  60.0L  (TL=12)
 12/30(メッシュ) 円錐/円筒型
 蓄電池=1.0kwh 活動時間=5〜10分間
 頭部=20%(10L)
 基本センサー・パック
 動力インターフェース、頭脳インターフェース、プログラム・インターフェース
 主部ユニット、通信機5km

 低自律型 上級命令 知力5 教育度8
  (Beatrice12を、同時に2台までコントロールできます)

 応用プログラム
  <管理−2><従者−1><スチュワード−1><あやしいワザ−3>
  <医学−1><教官−1><消火活動/救出−1>
  <心理学−1><歴史><感情表現>

  <あやしいワザ−3>をパイロットや航法、エンジニアリング等の技能に
 交換することで、宇宙船内での業務も問題なくこなせるようになります。

オプション
パーツ

内蔵式増設バッテリー
 外装式では不都合がある、という顧客のクレームから開発されました。
 残念ながら非常に高価ですし、とても重くなります。

 容量=15kwh 活動時間=60〜150分 重量=22.5kg cr 81,600(TL=12)

 すでに販売されている「ビアトリス-Super」の人気は非常に高かったのですが、残念ながら、上記モデルはテックレベル15と13の2モデルしか作られておりません。
 テックレベル15のモデルは、人間そっくりの超高級ロボットとして、テックレベル13のモデルは、見劣りする点は多く、人間そっくりではないけれど擬生物型ロボットの廉価版として販売されました。
 「萌えロボット」を購入したくても、経済的に手が出せない。
 そんなソロマニ文化愛好家の間で、「ビアトリス-Super」は幅広い支持を受けております。

 ところが、それらのモデルを購入できない潜在的なユーザーからは「もっともっと、安価なビアトリスを作って」という、怨嗟のような要望が届けられていました。

 それらの要望はもっともなことなのでしょう。
 しかし現行のビアトリスには、これ以上、削れる部品はありません。
 高感度嗅覚を標準レベルの嗅覚にランクダウンすることでCr12,800のコスト削減も可能ですが、それをした場合、そのロボットはすでにビアトリスではないのです。
 高感度触覚のランクダウンも同様でしょう。

 最後の手段として、タロ・ヤマダ氏はビアトリスの製造テックレベルを下げることにしました。
 より低コストの部品を用いることで、更なるコストダウンを実現するのです。
 そしてついに、テックレベル12の「ビアトリス-Super」が販売されることになりました。



 専用の主部も併せて開発されました。
 それが「HM106-Katy12-Super」です。

 SF106-Jackyとほぼ同型の頭脳を搭載していますが、様々な点でコストダウンが計られました。
 まず、移動装置が車輪に変わっています。
 例の如く、部屋の片隅の置かれて、動力インターフェースで電力を受け取るだけの、円筒形型主部ロボットになりました。
 予備として、あるいは、従部ロボットの外見を確かめるため、基本センサーパックを旋回式の頭部に搭載していますが、あまり使うことは無いでしょう。

 頭脳インターフェース、プログラムインターフェースの双方を装備していますので、自動でも手動でも頭脳内の応用プログラムを随時、交換することが出来ます。

 テックレベル12になってようやく実現された「低自律型」の基礎論理プログラムですが、ソロマニ・リム宙域ではすでに枯れた技術になっていますので、神経症などには成り得ない、堅実なプログラムが使われました。

 その知力は5。
 ダムボットとは一線を画した知力です。
 DKロボッテック社の「アダリー」や「萌えコンパニオン」とは比較することも出来ないレベルでしょう。
 しかし知力の低さを逆手に取って「愚鈍」「騙されやすい」「頭の悪そうなところ」がユーザーのツボを刺激する、という傾向も明らかになっています。
 センタ・マウント社の「Katy12」は、知力が低いことを前面に押し出し、ユーザーからのアプローチを誘うことで、より親近感のある擬生物型ロボットを目指しているのでした。

 <管理−2><従者−1>のプログラムは、会社や家庭内で秘書的な仕事を果たすための技能プログラムです。
 「101ロボット」の27番、秘書ロボットと同等の技能レベルですので、知力が低くても同等の業務をこなせるでしょう。
 簡単な書類整理、データの入出力と検索、電話の受け答え、スケジュールの管理などが可能になりました。

 <スチュワード−1><医学−1>のプログラムは、社員や家族の健康管理を行なう技能プログラムです。
 「101ロボット」の91番、家庭看護雑役ロボットとほぼ同レベルの作業をこなせるでしょう。

 <教官−1>のプログラムは、ユーザーのわがままに対応するためのプログラムです。
 ユーザーの気まぐれ命令、故意に与えられた矛盾する命令を処理するため、子供用の教育プログラムから流用してきました。
 幼児の気まぐれに対しては、辛抱強い対応が求められますし、また、それらの言動は何らかのメッセージを秘めていることが多いので、おざなりには済ませられません。
 幼児向けのプログラムを大人のユーザーにも適用することは、意外と実用的だったのです。

 <消火活動/救出−1>
 このプログラムは、ロボットを会社や家庭に購入するための「口実」として追加されました。
 ロボットを購入する経済力がある企業や家庭ならば、それなりに、防犯/防火設備が整っていることは間違いないでしょう。
 ですから、わざわざ<消火活動/救出>のプログラムを組み込む必要もないのです。
 鍵の掛け忘れチェックや初期消火、応急手当のためのプログラムと考えれば、必要なプログラムかも知れませんが。

 
<心理学−1><歴史>のプログラムを使って、ユーザーの望む「萌え」を表現することが可能です。

 「あやしい装備」が装備されていますから、主部ロボットの「Katy12−Super」にも、応用プログラムの中に<あやしいワザ−3>が備えられました。



2009.08.16 初投稿