Shuttle Service
軌道宇宙港のシャトルサービス
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 MEGA TRAVELLER
Science -Fiction Adventure
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Fig.1 40トン級徐行艦載艇(by橘)




1.はじめに


 最近、大島様と共同で非武装中立地帯緩衝宙域)の設定を作っています。
 そして、上記エリアにおける商船の運航について考えている内に、軌道宇宙港を設計する必要に迫られました。
 幸い、私の手元にはサプリメント「あなたも宇宙港オーナーになれるかな?」が存在します。
 早速、軌道宇宙港の設計を試みてみました。

 作成する軌道宇宙港は、アードン星系宇宙港規模6)、キャロラン星系同5)、ザーコン星系同5)、ユートランド星系同4)の4星系です。

 しかし困ったことに、前述のサプリメントには「シャトルが必要です」とは書かれていても、具体的に「何トンのシャトルが何隻必要です」とは書かれていません。
 計算式もありませんので、それらは自分で考えなくてはいけないようでした。

 MAG様の投稿「スピンワードマーチ宙域の商用船舶」より、宇宙港規模6の星系は年間貨物量が267万トン(2週間当たり10万3千トン)、規模5の星系は年間貨物量が33万トン(2週間当たり1万2千トン)、規模4の星系は年間貨物量3万2千トン(2週間当たり1千200トン)だと判明しています。
 これらの数値から色々と考え、必要なシャトルの大きさと数を求めてみました。


2009.03.21追記
 この原稿のチェックをしてもらった橘様より、徐行艦載艇と大型ボートのイラストが届きました。
 さっそく使わせて頂きますが、これらのイラストはすべて橘様が作成したものです。



 
2.シャトルの経済性(貨物輸送)

(1)地上と軌道との往復頻度

 その前に、シャトルが1日に何回、地上と軌道宇宙港との間を往復できるのか、考えてみます。
 今回のように真面目に考えてみるまで、漠然と、1日に2〜3回程度だろうと思っていたのですが、計算してみると、それは大間違いでした(詳しくは後述)。

 私は、シャトルの加速性能を2〜3Gだと想定しています。
 帝国百科に掲載されている「地上と軌道との移動時間」は、加速性能と世界の規模によって大きく変わっていました。
 6G加速のシャトルが規模1の世界で移動するならば、移動に要する時間はわずか5分ですが、1G加速のシャトルが規模Aの世界を移動するならば、42分という時間が掛かるのです。
 この数値をそのまま当てはめると、6G加速、規模1の場合は、1日288往復1G加速、規模Aの場合は、1日34往復という数字が出てきました。

 しかし上記の数字は、貨物の積み下ろしや旅客の乗り降りに掛かる時間を含んでいません。
 仮に貨物や旅客のため30分の停泊時間が必要だとするならば、上記の往復回数は、1日に20往復10往復まで減少してしまうでしょう。
 このあたりが、現実的な数字だと思います。

 停泊時間を30分、あるいは10分と考えた場合、シャトルが1日24時間で往復可能な回数は、以下のようになりました。

 シャトルの加速性能    停泊時間=30分    停泊時間=10分
   1G加速        16〜10往復     31〜13往復 
   2G加速        18〜12往復     37〜18往復
   3G加速        18〜13往復     40〜21往復
   4G加速        19〜14往復     42〜23往復
   5G加速        20〜14往復     45〜24往復
   6G加速        20〜15往復     48〜26往復
 
 以下の考察では、最も回数の少ない数値、停泊時間を30分含む、規模Aの世界での往復回数を用いることにしました。
 その場合、1G加速のシャトルでも1日に10往復6G加速のシャトルでも1日に15往復ですから、あまり大きな違いは生じません。



(2)シャトルの運用コスト(乗組員が1組)

 シャトルが1日に何回、地上と軌道宇宙港との間を往復できるのか、運用コストの観点から考えてみました。
 

 考察に使用したシャトルは、TL10(最寄りのBクラス宇宙港を備えた星系、帝国領のディノータムか、ゾダーン領のシーユー星系)で建造したという設定です。
 船体サイズは95トン。
 形状1の完全流線型(エアフレーム船体)としました。
 ドライブ装置は、反重力駆動で3Gを確保。
 地上と軌道の往復しかしません(10倍直径の外へ出ることはありません)から、反重力駆動でもペナルティもありません。
 貨物は68トンまで搭載可能です。

 建造費は、MCr31.95。
 乗組員は、パイロットとエンジニアの2名が必要で、彼らの給料や燃料代、定期整備代として、年間MCr0.131の維持費が掛かります。

 ルール上、エンジニアは乗船する必要がありません。
 地上または軌道宇宙港で、停泊時に整備を行なえば良いと思います。
 しかし、その方法ですと、地上と軌道宇宙港の双方に1人ずつのエンジニアが必要になってしまいますから、シャトルに同乗させるということにしました。

 このシャトルの減価償却を20年と考え、毎年、建造費の20分の1を返済する(あるいは、代艦の建造費に回す)としました。
 頭金が無いことを除けば、商船のローン支払いと同じことなのですが。
 合わせて、毎年MCr1.729の経費が掛かることになりました。

 パイロットとエンジニアの2人が、週休2日(1週間の内5日労働)、1日8時間の勤務を行なうとするならば、シャトルの収支は下記、表2のようになります。
 1日の内8時間しか運行しませんから、上記で求めた13往復3分の1最大でも4往復しか往復できないことになります。

  表2 シャトルの経済性(船倉68トン、3G加速週5日×8時間の運行)

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 表2の下半分、6往復×5日8往復×5日のパターンは、その世界の規模によっては不可能な運行パターンだということです。

 さて、帝国百科の記述によりますと、シャトル・サービスは貨物1トン当たりcr10の輸送量を受け取ることが出来ました。
 1年間の経費MCr1.729を、1年間に輸送できる貨物のトン数で割れば、貨物1トン当たりの輸送コストが出てきます。
 旅客輸送は、1人当たりcr20〜120という料金を受け取れますが、貨物輸送よりも経営が楽になることは明らかですので、後回しにしました。

 1日に2往復する運行パターンの場合、1年間の総輸送量は3万5千トン
 1トン当たりの輸送コストは、cr48.9になりました。
 つまり、完全な赤字です。
 為替効果を使ってみても、cr37.6ですので、赤字に変わりはありません。

 では、1日に4往復する運行パターンの場合はどうでしょう。
 1年間の総輸送量は2倍の7万トン
 1トン当たりの輸送コストは、cr24.4(為替効果でcr18.8)まで小さくなりましたが、まだまだ赤字からは抜け出せません。

 1日に8往復する運行パターンならば、為替効果の結果、かろうじてcr9.4まで輸送コストが下がりますが、3G加速のシャトルで、わずか8時間の間に8往復することはどうみても不可能でした。
 規模1の世界であったとしても、18往復の3分の1、6往復が限度なのです。
 1日の労働時間を10時間以上にすれば、かろうじて8往復は可能になりますが、1人のパイロットに超過労働をさせるべきではないでしょう。

 地上と軌道との間でシャトルを運行する場合、週5日×8時間の勤務では、経営収支を黒字化することはとても無理だと判明しました。



(3)シャトルの運用コスト(乗組員が2組)

 では、乗組員のペアを、もう1組用意したらどうでしょうか。
 シャトルは1週間=168時間の内、わずか40時間しか運行していません。
 もう1組の乗組員(パイロットとエンジニア)を雇い、40時間の運行をさせことは十分に可能でしょう。

 乗組員が2組ですから、彼らの給料は2倍必要になります。
 維持費は、年間MCr0.203に増えてしまいました。
 減価償却と合わせて、毎年MCr1.801の経費です。

 2組の乗組員が、週休2日(1週間の内5日労働)、1日8時間の勤務を行なうとするならば、シャトルの収支は下記、表3のようになります。
 1日の運行時間は16時間になりますから、上記で求めた13往復3分の2最大で8往復が可能になりました。

 実際の運用では乗組員の休日をずらし、16時間の運行をする日が3日間、8時間の運行をする日が4日間、という形になるでしょう。

  表3 シャトルの経済性(船倉68トン、3G加速週5日×16時間の運行)
 

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 比較するため、表2のデータもそのまま載せてあります。
 2交代制であっても、12往復×5日16往復×5日の運行パターンは実行困難でしたが、乗組員1組だけの場合は不可能だった、8往復×5日の運行パターンが、可能になりました。
 その場合、為替効果を加えて、輸送コストはcr9.9
 乗組員を2組揃えた分だけ必要経費も増えてしまいますが、かろうじて、ぎりぎりの黒字経営が可能になったようです。

 では、さらに多くの乗組員を用意すればどうなるでしょう。



(4)シャトルの運用コスト(乗組員が4組)

 乗組員のペアを、4組に増やします。
 それぞれのペアが週に5日、8時間ずつの勤務を行ないました。
 5日×8時間×4組=160時間ですから、あと8時間足りませんが、乗組員のローテーションを工夫することで、毎日24時間、年中無休のシャトル運行が可能になるとします。

 必要経費は、乗組員の給料が4倍に増えて、MCr0.347になりました。
 
減価償却と合わせて、毎年MCr1.945の支出です。

  表4 シャトルの経済性(船倉68トン、3G加速週7日×24時間の運行) 

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 4交代制の運行を行なうことで、1日12往復の運行が容易になりました。
 1組の乗組員の勤務時間は8時間ですから、その8時間の間に4往復するだけで済むのです。
 1年間の総輸送量は、29万7千トン。
 輸送コストは、1トン当たりcr6.5(為替効果を加えればcr5.2)まで低下しましたから、十分、黒字経営が可能になりました。
 輸送コストの数値がcr10.0以下の欄は、色を水色に変えましたから、分かりやすいと思います。

 4交代制の運行を行なっている95トン級シャトルの場合、稼働率は65%(為替効果を加えるなら52%)までならば、黒字になると分かりました。




3.シャトルの経済性(旅客輸送)


(1)旅客の占有容積

 旅客輸送についてコスト計算を行なう場合、非常に解釈に悩む問題が、乗船する旅客が占有する「船内容積」と「運賃」のバランスでした。

 まずは「船内容積」ですが、メガトラベラーの宇宙船設計ルールには、乗組員や旅客1人当たり「ラッシュ」1.0〜「ゆったり」4.0キロリットルという範囲で決められています。
 地上と軌道宇宙港との往復は、最大でも42分しか掛かりませんから、容積を2倍にする必要はないでしょう(乗船時間が8時間を越える場合は、容積を2倍にしなければならないルールです)。
 しかし、それでも見ての通り、最小の1.0〜最大の4.0まで、数値に4倍もの開きがあるのです。
 一体、どの数字を用いたら良いものでしょうか。

 困った時は「帝国百科」のサンプルを見てみましょう。
 公式設定において、帝国内で運用される各種小艇は、下記のような、サイズと数の座席を搭載しています。

 20トン級の大型ボートは、4.0キロリットルの「ゆったり」×20人分。
 40トン級の徐行艦載艇は、3.0キロリットルの「適度」×50人分。
 95トン級のシャトルは、4.0キロリットルの「ゆったり」×100人分。


 また、参考データとして21世紀のテラ、某北米の航空会社(国際線)座席表から、旅客の占有容積を計算してみました。
 高さ方向については記載がありませんでしたので、大人が普通に立って歩ける高さ=200cmの数字を用いています。
 「インチ」から「cm」に換算したので、半端な数字になっていますが、気にしないでください。

 あまり参考にはなりませんが、サプリメント「商船と砲艦」から、CTで用いられている小艇用座席の座席寸法も求めてみました。

   表5  某航空会社の座席表から計算した、旅客が占有する「船内容積」

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 実に意外な数値です。
 私は「ラッシュ」という言葉から、T34/76の操縦席のような狭さか、JR山手線の通勤時のような混雑状況を想像していたのですが、全く違いました。
 MTにおける「ラッシュ」とは、国際線を運行する航空機の「エコノミー・クラス」よりも、ずっと余裕のある広さだったのです。
 「広さ」に関する認識が、日米の間でこれほどまで異なっているとは。

 これならば、旅客1人に1.0キロリットル「ラッシュ」のスペースを割り当てて、cr20の運賃をもらっても、問題ないような気がしてきました。
 これはこれで、考察の余地がありそうですが、しかし、ここでは「帝国百科」の公式設定を尊重します。
 シャトル・サービスに用いる小艇の旅客用座席は、「適度」〜「ゆったり」を用いることにしましょう。


 「運賃」については、cr10×(惑星規模+2)という金額にすれば良いかと思ったのですが、惑星の規模によって運賃が変わるとしたら、旅客だけでなく、貨物の運賃も換わらなければなりません。
 貨物運賃は、惑星規模に関わらず一定ですから、矛盾してしまいます。
 未だに悩んでいますが、最低額の運賃旅客1人当たりcr20で収支計算を行なうことにしました。


 最後にもうひとつ、旅客輸送特有の問題があります。
 旅客輸送は基本的に「波がある」ということでした。

 商船から軌道宇宙港へ下船してきた旅客は、一部の例外を除けば「すぐに地上へ降りたい」と思う筈なのです。
 商船から20人の旅客が降りてきたら、その20人は一度に、同じシャトルへ乗ろうとする可能性が高いでしょう。
 その一方、彼らが降りてしまった後は、1便に1人か2人の旅客しか乗らないという状況も考えられます。

 商船の入港直後は、大きな輸送能力が求められますが、それ以外の時間は、わずかな輸送能力しか必要ありません。
 貨物ならば「次の便で運ぶから」と言って待たせても、それほど文句は出ませんが、旅客の場合、そうはいきません。
 極力、短い時間で多くの人数を運ばなければならないのです。


 そこで、旅客輸送には「波がある」という前提で、貨物用シャトルの船倉を一部改装し、旅客用の座席を取り付けるという方法を取ってみました。
 シャトル・サービスの経営は専ら「貨物輸送」で行いますから、旅客の有無は、経営収支にそれほど影響しません。
 一応、客席を設けて「旅客輸送」も行なっていますが、客席はほとんど「空の状態」で運行することになるのではないでしょうか。
 数回の運行に一度、大勢の旅客が押し寄せて、客席が「満席」になる、という雰囲気です。

 この場合「旅客輸送」の収支は、数回の運行を平均して「貨物輸送」と同等ならば、問題ないことになりました。
 以下に、その計算例を示します。

   表6 1トン当たりcr10の運賃収入を得るために必要な、客席の可動率

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 旅客運賃がcr20で、旅客用座席に「ゆったり」を用いた場合、必要な稼働率は14.8%でした。
 およそ7回の運行で1回だけ、客席が「満席」になれば良いということです。
 他の6回の運行で1人の利用も無かったとしても、貨物運賃と同等の運賃収入は得られるということでした。

 旅客用座席に「適度」を用いた場合、必要な稼働率は11.1%まで小さくなります。
 およそ9回の運行で1回だけ、客席が「満席」になれば良いことになりました。

 旅客用座席が「窮屈」の場合は7.4%で、「ラッシュ」の場合は3.7%でした。
 13回〜27回の運行で1回だけ「満席」になれば、採算が取れるのです。


 これなら「旅客輸送で大儲けできる」と思う方もいるでしょう。
 しかし、7回の運行に1回でも「満席」にすることは大変なことでした。

 例えば、宇宙港規模5の星系にある軌道宇宙港では、2週間に一度だけ、500人の旅客(5千トン級の商船に乗ってきた旅客)が押し寄せます。
 100人分の客席を備えたシャトルで、その500人を運ぶためには、5往復が必要になるでしょう。
 2回目以降の便を利用する旅客には、最長で、8時間を待たせてしまうことになりました。
 二等船客ならば、解凍時間をずらして下船を遅らせることが可能ですが、特等/一等船客に関してはちょっと問題がありそうです。
 しかし、これ以上の輸送能力拡大は困難でした。
 採算が合いません。

 また、2週間の間に10回程、100人の旅客(1千トン級の商船に乗ってきた旅客)が押し寄せてきます。
 この人数ならば、100人乗りのシャトル1便で乗せることができました。
 問題ありません。

 さて、シャトルが1日に12往復をする場合、2週間の間に往復する回数は、168回ということになります。
 採算ラインが7回の運行に1回ならば、24回の「満席」が必要だということです。
 5千トン級の商船が入港した場合に「満席」が5回。
 1千トン級の商船が入港した場合に「満席」が1回×10隻分。
 ようやく「満席」が15回。
 あと9回の「満席」を確保しなければ、「大儲け」どころか「赤字」が確実です。


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Fig.7 40トン級徐行艦載艇(by橘)



4.宇宙港規模との比較



(1)95トン級シャトルの場合(貨物輸送)

 シャトル・サービスの運輸会社を経営する場合、乗組員を4組以上揃えて、24時間年中無休体制でシャトルを運行しなければ、黒字経営は難しいという結論が出てしまいました。
 稼働率は65%52%)まで下がっても採算が取れますので、乗組員を3組しか確保できなくても何とかなりそうですが、余裕の無い、タイトな経営を強いられてしまうでしょう。

 今度は、需要の計算を行ないます。
 宇宙港規模6〜4の軌道宇宙港において、95トンのシャトルが何隻運行していれば良いのか、計算してみました。
 寄港する商船の何割が軌道宇宙港に停泊し、貨物の輸送にシャトル・サービスを利用するのか、その割合は分かりません。
 宇宙港規模6以上の星系ならば、1万トン以上の大型商船が主力となりますので、その大部分が軌道宇宙港とシャトル・サービスを利用するでしょう。

 しかし、宇宙港規模5以下では利用比率の見当が付かないのです。
 とりあえず、星系に持ち込まれる(星系から持ち出される)貨物の全て100%が、シャトル・サービスを利用して地上に降ろされる(あるいは持ち上げられる)という形で計算してみました。
 貨物の大半が(商船に積まれた状態で)そのまま星系を通過するという可能性も、十分に考えられるのですが・・・。

 95トン級シャトルを幾つかのパターンで運行した場合、宇宙港の扱う年間貨物量を捌くために必要な稼働率を、パーセント表示で求めました。
 数値が100%ならば、シャトル1隻でちょうど捌ける分量であり、500%ならば必要なシャトルは5隻
 反対に100より小さな値、例えば50%ならば稼働率が50%なので、シャトル1隻でも赤字経営が確実ということになります。


  表8 シャトル・サービス(貨物)の需要と供給(95トン級シャトルの場合)

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 最も輸送コストの低い運行パターン、週7日、4交代制による24時間運行の場合、年間の総輸送量は29万7千トンでした。
 宇宙港の扱う年間貨物量と比較すると、宇宙港規模6(267万トン)では899%
規模5+(98万トン)で330%規模5(33万トン)で111%規模4の(3万トン)で11%という稼働率が必要です。

 宇宙港規模6ならば、95トン級シャトルが(899%÷100≒)9隻
 規模5+ならば、(330%÷100=)3.3隻
 規模5ならば、(111%÷100=)1.1隻
 規模4ならば、(11%÷100=)0.1隻で、十分に貨物の輸送需要を満たせるということです。
 貨物の輸送需要には波がありますから、実際には、上記の1.2〜1.5倍程度の数が運用されていると考えられるでしょう(稼働率は80%〜67%という数字になりますが、まだ、採算は大丈夫です)。
 小数(端数)の数は、余剰の輸送能力として余計に用意しておくか、小さなシャトルで対応することになると思います。

 しかし、宇宙港規模4の必要数0.1隻は、明らかに少なすぎます。
 貨物輸送はもっと小さなシャトルに任されている筈ですから、規模4〜5の星系で95トン級シャトルを見かけることは、まず有り得ないのでしょう。



(2)400トン級シャトルの場合(貨物輸送)

 さらに大型のシャトルです。
 アザンティ・ライトニング型巡洋艦に搭載されている燃料シャトルのイメージで設計してみました。
 イラストを描くとしたら、400トン級R型政府指定商船から、ジャンプ・ドライブと大型ボートを取り外したような形になると思います。
 テックレベル10で建造しました。

 船体サイズは400トン。
 同じく、形状1の完全流線型(エアフレーム船体)としました。
 ドライブ装置は、反重力駆動の3G
 貨物は288トン(95トン級シャトルの4倍強)まで搭載可能です。

 建造費は、MCr131.4。
 乗組員は、パイロットとエンジニア2名の合計3名が必要で、年間MCr0.356の維持費が掛かります。

 400トン級シャトルが運行した場合、稼働率がどれだけ必要か、同じ様に計算してみました。


  表9 シャトル・サービス(貨物)の需要と供給(400トン級シャトルの場合)
  

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 最も輸送コストの低い運行パターン、週7日、4交代制による24時間運行の場合、年間の総輸送量は125万8千トンでした。
 宇宙港の年間貨物量と比較すると、宇宙港規模6212%規模5+78%規模526%規模43%の稼働率が必要です。

 宇宙港規模6ならば、400トン級大型シャトルが(212%÷100=)2.1隻
 規模5+ならば、(78%÷100=)0.78隻
 規模5ならば、(26%÷100=)0.26隻
 規模4ならば、(2.6%÷100=)0.026隻で、輸送需要を満たせました。

 400トン級の大型シャトルは、95トン級シャトルと比べて運行経費が2割ほど安く済み、とても経済的です。
 しかし1.2〜1.5倍の数を運用するとしても、宇宙港規模6以上の星系でなければ、400トン級の大型シャトルは大きすぎて、持て余してしまうようでした。



(3)40トン級徐行艦載艇の場合(貨物輸送)

 小規模宇宙港に対応させるため、小型化したシャトルです。
 これもテックレベル10で建造しました。

 船体サイズは40トン。
 形状1の完全流線型(エアフレーム船体)。
 ドライブ装置は、反重力駆動の2G
 貨物は31トン(95トン級シャトルの半分弱)を搭載可能です。

 建造費は、MCr14.03。
 乗組員は、パイロットとエンジニアの2名が必要で、年間MCr0.095の維持費が掛かります。

 40トン級徐行艦載艇が運行した場合、稼働率がどれだけ必要か、同じ様に計算してみました。


 表10  シャトル・サービス(貨物)の需要と供給(40トン級徐行艦載艇の場合)

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 最も輸送コストの低い運行パターン、週7日、4交代制による24時間運行の場合、年間の総輸送量は13万5千トンでした。
 これ以外のパターンでは、採算割れして、赤字経営になってしまいます。
 宇宙港の扱う年間貨物量と比較して、宇宙港規模6では1,972%規模5+では724%規模5では244%規模4では24%という稼働率になりました。

 宇宙港規模6ならば、40トン級徐行艦載艇が(1,971%÷100=)19.7隻
 規模5+ならば、(724%÷100=)7.2隻
 規模5ならば、(244%÷100=)2.4隻
 規模4ならば、(24%÷100=)0.24隻で、輸送需要を満たせます。

 運用数を1.25倍の数(稼働率80%)で考えると、宇宙港規模6の星系では24隻という数が出てきました。
 ですが、シャトルの運用コストは大型のシャトルほど安くなりますので、宇宙港規模6の星系では95トン級シャトルが主力となり、実際に運用されている徐行艦載艇の数はその1割、4隻程度になるでしょう。
 徐行艦載艇が主役となる星系の宇宙港規模は、5+〜5の範囲にあるようです。

 宇宙港規模5の星系ならば、必要な40トン級徐行艦載艇の数は、稼働率80%で計算して、ちょうど3隻になりました。

 宇宙港規模4の星系で徐行艦載艇を運用した場合、その稼働率はわずか24%にしかなりません。
 4交代制の乗組員を用意するまでも無く、1組だけの乗組員で十分に貨物需要を賄えてしまいます(週5日、8時間の運行)。
 しかし、これでは完全な赤字です。
 輸送する貨物1トン当たりcr10〜15の補助金を得られなければ、シャトル・サービスの採算が取れないと分かりました。

 どうせ補助金をもらうのであれば、武装を搭載して、警備用の武装小艇を兼ねるなどの利用も考えられるでしょう。



(4)20トン級大型ボートの場合(貨物輸送)

 さらに規模の小さな、シャトル・サービスです。

 船体サイズは20トン。
 形状1の完全流線型(エアフレーム船体)。
 ドライブ装置は、反重力駆動の1G
 貨物は16トン(95トン級シャトルの4分の1弱)を搭載可能。

 建造費は、MCr9.22。
 乗組員はパイロットとエンジニアの2名が必要で、年間MCr0.086の維持費が掛かります。

 20トン級大型ボートが運行した場合、稼働率がどれだけ必要か計算してみました。


 表11 シャトル・サービス(貨物)の需要と供給(20トン級大型ボートの場合)

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 最も輸送コストの低い運行パターン、週7日、4交代制による24時間運行の場合、年間の総輸送量は7万トンでした。
 宇宙港の扱う年間貨物量と比較して、宇宙港規模6では3,821%規模5+では1,403%規模5では472%規模4では46%という数字になります。

 宇宙港規模4の星系では、これでもまだ能力過剰であり、稼働率は50%以下になってしまうことが分かりました。
 また、輸送量と比べて運用コストが大きいため、どうやっても黒字は不可能です。
 政府補助が無ければやっていけませんが、補助金を投入するのならば、支出の少ない大型ボートが最も経済的になるでしょう。。

 前述の40トン級徐行艦載艇を乗組員1〜2組で運用するよりも、20トン級大型ボートを乗組員2〜4組で運用する方が、全体の支出は小さくなるということです。



(5)95トン級シャトルの場合場合(旅客輸送)

 旅客の輸送は、貨物の輸送に比べ、極めて小さな容積しか必要としていません。
 ですから、旅客輸送の需要は、極めて小さい数値になっています。
 旅客の全員を「ゆったり」で輸送するとしても、

 宇宙港規模6の星系の場合、年間貨物量267万トンに対して、旅客は9万3千トン(31万5千人分)。
 宇宙港規模5の星系は、年間貨物量33万トンに対して、旅客は3万2千トン(10万7千人分)。
 宇宙港規模4の星系は、年間貨物量3万2千トンに対して、旅客は4千800トン(1万6千人分)。

 シャトル・サービスの旅客輸送は、貨物の輸送に比べて(宇宙港規模6で)3.5%〜(宇宙港規模4で)15%の容積しか必要としないのです。


 「帝国百科」の公式設定では、95トン級シャトルが100席、40トン級徐行艦載艇が50席、20トン級大型ボートが20席の旅客用座席を備えていることになっています。

 黒字経営を行なうために、それらの稼働率がどれだけ必要か計算してみました。


 表12 シャトル・サービス(旅客)の需要と供給(95トン級シャトルの場合)

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 表8を用いて行なった、95トン級シャトルの貨物輸送に関する考察より、95トン級シャトルが活躍する宇宙港は、宇宙港規模6の星系だと分かっています。
 その場合、シャトルの必要数は9隻でした。

 宇宙港規模6の星系において、旅客輸送の稼働率は72%を得ています。
 黒字経営はどうやら可能なようですが、「100の客席」が船倉を圧迫(船倉の44%を客席が占有)していますから、貨物の輸送効率も低下しました。
 必要なシャトル数が、9隻から16隻に増えてしまいます。
 その上、運行しているシャトルの16隻すべてに「100の客席」を装備してしまった場合、客席の稼働率は72%÷16隻4.5%
 採算が大きく悪化してしまいました。
 赤字転落は確実です。

 95トン級シャトルの客席が「不必要な程、多過ぎる」ことが原因でした。

 客席の稼働率は72%なのですから、72%÷14.8%4.86より、4隻のシャトルに「100の客席」を設置するだけでも、十分に需要に応えることが出来ます。
 この場合、船倉の圧迫は15.8%に過ぎませんから、必要なシャトル数は、11隻までしか増えません。
 4隻のシャトルが「客席」を備えているのですから、運行頻度は毎日12回×4隻=48回、1時間に2便を確保できました。

 あるいは、11隻のシャトルすべてに、「36〜40の客席」を設置しても同じことになるでしょう。
 運行頻度は毎日12回×11隻=132回、毎時5〜6便という、とても便利なものになります。



(6)40トン級徐行艦載艇の場合(旅客輸送)

 40トン級徐行艦載艇は、50人分の「適度」な座席を備えています。
 この場合に、稼働率がどれだけ必要か計算してみました。


 表13 シャトル・サービス(旅客)の需要と供給(40トン級徐行艦載艇の場合)

SS_FIG13.GIF - 8,266BYTES

 表10を用いて行なった40トン級徐行艦載艇の貨物輸送に関する考察より、宇宙港規模5の星系で必要とされる、40トン級徐行艦載艇の数は3隻です。

 3隻の徐行艦載艇に「50の客席」を装備した場合、船倉が11.1トン圧迫されますので、船倉容積は64.2%に低下。
 それに合わせ、必要な徐行艦載艇の数は、3隻から5隻に増えてしまいます。
 客席の稼働率は49%÷5隻9.8%、徐行艦載艇の座席は「適度」ですから11.1%までなら大丈夫でしたが、残念なことに、9.8%は採算ラインの下でした。

 今回も、徐行艦載艇に装備される「客席」の数を減らします。

 「ゆったり」並みの稼働率14.8%以上を確保したいのであれば、徐行艦載艇の数は4隻に、そして客席数は40に減らさなければなりません。
 徐行艦載艇に「40の客席」を装備する場合、船倉の圧迫は8.9トンで、船倉の減少は28.7%。
 隻数は4隻で十分、客席の稼働率は15.3%を確保できるでしょう。
 旅客便の運行頻度は毎日
12回×4隻=48回。95トン級シャトルの場合と同じように、1時間で2便を確保できました。



(6)20トン級大型ボートの場合(旅客輸送)

 20トン級大型ボートは、20人分の「ゆったり」な座席を備えています。
 しかし、表11で行なった考察によって、20トン級大型ボートを用いた貨物輸送は、とても採算が取れないと判明しました。
 そこで、旅客輸送に特化させた大型ボートによる考察を行ないます。

 「ゆったり」した座席を40まで増やし(残りの船倉スペースは、4トン分です)、この場合に、大型ボートの稼働率がどれだけ必要か計算してみました。


 表14 シャトル・サービス(旅客)の需要と供給
    (旅客輸送に特化した20トン級大型ボートの場合:客席数40)

SS_FIG14.GIF - 8,213BYTES

 「貨物輸送」の収入は無視して、「旅客輸送」だけで黒字経営が可能になる運用形態は、やはり4交代制による24時間営業のみでした。

 その場合、採算ラインである稼働率14.8%を維持しつつ、必要な大型ボートの数を計算してみると、
 宇宙港規模6の星系では、180%÷14.8%=12隻
 宇宙港規模5+の星系では、135%÷14.8%=9隻
 宇宙港規模5の星系では、61%÷14.8%=4隻
 宇宙港規模4の星系では、9.2%÷14.8%=0隻
 以上のようになります。

 95トン級シャトルや40トン級徐行艦載艇を「貨物輸送」に専念させ、「旅客輸送」を20トン級大型ボートのみで行なうならば、宇宙港規模6の星系では12隻規模5の星系では4隻が必要になると分かりました。
 宇宙港規模4の星系において、旅客輸送に特化した大型ボートは「赤字確定」ですので、やはり、使えません。

 運行頻度は、宇宙港規模6毎時6便規模5毎時2便になりました。


 20人分の「ゆったり」座席を備えた標準型の場合、貨物収入と旅客収入を合わせることで、宇宙港規模4の星系においても、ぎりぎり黒字になることが判明しました。
 貨物の稼働率は74%、客席の稼働率は18.5%になっています。


 表15 シャトル・サービス(旅客)の需要と供給
    (標準型の20トン級大型ボートの場合:客席数20)

SS_FIG15.GIF - 8,275BYTES


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Fig.16 20トン級大型ボート(by橘)



5.シャトル・サービスのサンプル



(1)アードン星系の場合

 アードン星系は、宇宙港規模6の星系でした。
 1.25倍の安全率(稼働率は80%に相当)を用います。

 前項までの考察から、最も経済的な400トン級の大型シャトルを利用したいところです。
 しかしアードン星系の宇宙港はCクラスですので、シャトルの定期整備や修理が出来ません。
 最寄りのディノータム星系シーユー星系を利用する場合、輸送に2週間、造船所で2週間、合計4週間も不在ということになってしまいます。
 ローテーションなどを考慮すると、シャトルが2隻だけしか運行していない(1隻が整備中ならば、残りは1隻だけになる)という状況は好ましくないでしょう。

 そこで、95トン級のシャトル12隻としました。
 シャトルの1隻は常に整備中という計算になりますので、実質的な数は11隻。
 899%÷11隻81.7%ですから、稼働率は見込みどおり80%前後。
 商船の集中や故障などのトラブルに対応するため、十分な余裕も確保できます。

 地上と軌道宇宙港との往復頻度は、毎日132便(1時間当たり5〜6便)になりました(貨物が無ければ、シャトルは欠航)。
 何らかのトラブルでシャトルが1隻動かなくなっても、1時間当たり5便を保障できます。

 小規模な貨物輸送や旅客輸送のため、旅客輸送に特化した20トン級の大型ボート12隻、用意しておかなければなりません。
 定期整備や故障が起きた場合は、1〜2隻が運休することになります。
 最低でも10隻の大型ボートが年中無休で動いていますから、毎日120便(毎時5便)が保障されました。



(2)キャロラン星系の場合

 キャロラン星系は、宇宙港規模5の星系です。
 前項のアードン星系と同じように、1.25倍の安全率(稼働率80%)を用いて計算しようかとおもいましたが、大島様のオリジナル設定では、軌道宇宙港が存在しない星系となっていました。
 面白い設定ですので、私もそれに従って計算します。

 アケラット運輸のヘラクレス型、インペリアル運輸のTI型、オベルリンス運輸のCT型など、トラベラー・アドベンチャーに掲載されている中型商船は、なぜか大気圏突入が可能な流線型船体の宇宙船ばかりでした。
 ですから、中型商船であっても、キャロラン星系を訪れる商船の半数は流線型船体を持ち、地上宇宙港を利用できることにします。

 シャトル・サービスを利用する商船は、寄港する商船の半数。
 年間の総貨物量は、宇宙港規模5の半分で16万5千トンにしました。

 さらに、それらの商船に燃料補給を行なう場合、地上から燃料を持ち上げる必要があります。
 必要な燃料補給量は、最低でも年間5万トンでした。
 上記の貨物16万5千トンと合わせて、21万5千トンです。

 年間21万5千トンに1.25倍の安全率を掛けた結果、キャロラン宇宙港には、40トン級の徐行艦載艇2隻が運行していれば十分だと計算できました。
 定期整備の(4週間、2隻の内1隻が不在になる)問題を考慮するなら、もう1隻、予備の徐行艦載艇が必要になるでしょう。
 あるいは貨物輸送の予備と旅客輸送を兼ねて、標準型の大型ボート2〜4隻追加しても良いと思います。



(3)ザーコン星系の場合

 ザーコン星系は宇宙港規模5の星系でした。
 ここは普通に、すべての商船が軌道宇宙港を利用すると考えて、1.25倍の安全率(稼働率は80%)を用います。

 40トン級の徐行艦載艇3隻としました。
 旅客輸送のため、旅客に特化した大型ボート4隻必要になります。

 地上と軌道宇宙港との往復頻度は、貨物便が毎日36便(1時間当たり1.5便)です(貨物が無ければ、貨物便は欠航)。
 旅客便は、商船の入港/出港に合わせて、不定期に運行することになるでしょうが、最大で1日48便(1時間当たり2便)になりました。



(4)ユートランド星系の場合

 ユートランド星系は、宇宙港規模4の辺境星系です。
 貨物量が少ないので、採算を取ることが大変でした。
 人口は、わずか4万人。
 政府援助でシャトル・サービスを維持したくても、補助金の額が足りません。

 運行しているシャトル・サービスは、標準型の20トン級大型ボート1隻だけにしました。
 これならば、かろうじて黒字経営が可能です。
 その代わり、故障したら後がありません。
 定期整備で不在になっている間は、アードン連邦海軍の船や寄港している商船から、ボートを借りなければならないでしょう。

 地上と軌道宇宙港との往復便は、すべて不定期です。
 貨物や旅客があれば連続して運航しますが、貨物や旅客も無ければ全く動きません。



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Fig.17 40トン級徐行艦載艇(by橘)




6.95t級−帝国標準型シャトル(TL=10)

 「帝国百科」に掲載されている95トン級シャトルを、テックレベル10で作り直してみました。

 すでに述べてきましたように、宇宙港規模5以下の星系では、シャトル・サービスに利用できるほど、貨物輸送の需要がありません。
 星系内輸送に従事しているならば別ですが、宇宙港規模5+以上の星系でなければ、このシャトルを見かけることは稀だと思われます。


 船体サイズは95トン。
 形状は、コード1(針状)の完全流線型船体(エアフレーム船体)。
 シャトルですから当然のこと、大気圏への突入も、海面への着水も可能です。

 ドライブ装置は、3Gの反重力式。
 10倍直径以上の距離では加速力が半減してしまう反重力式駆動ですが、地上と軌道との間を往復するシャトルであれば、全く問題にはなりません。
 燃料タンクは7.3トンの容積を持ち、無補給で連続14日間の通常航行が可能です。

 武装はありません。

 コンピュータのモデルは1。
 乗組員は、パイロットとエンジニアの2名が必要です。

 貨物は、68トンを搭載できました。
 貨物輸送専門なので、旅客用の設備はありません。

 改造型としては、「ゆったり」の客席100を装備したタイプ(帝国百科に記載されているもの)があります。

Claft Id : 95_ton Class Standerd Shttle
 from LSP.Ship's
ID code:

Hull:


Power:

Loco:

Commo:

Sensors:



Off:

Def:

Control:




Accom:

Other:


95トン級標準型シャトル TL=10 MCr=39.94

86/214 排水素=95トン 形状=1針状/エアフレーム型
 装甲=40E 重量=1,068トン 総重量=1,993トン

7/14 核融合=588Mw 航続=14/42日間

7/14 通常=反重力3G 移動力=0

電波式=星系内距離×1

受動EMS=惑星間距離×1  能動EMS=惑星距離×1
  能動物体探知          = 難   能動物体追跡         = 難
  受動エネルギー探知 = 並

なし

防御DM =+3  装甲DM = 0  致命的命中回数 = 0

コンピュータ=モデル1×3(標準型)  パネル=ホロ・リンク型×30
  追加=ヘッドアップ・ディスプレイ×7
  基本環境、基本生命、高度生命、重力プレート、重力補正器
  エアロック1

乗組員2(艦橋1、エンジニア1) ゆったり×2

船倉=68トン   燃料=7.3トン 燃料スクープ搭載
  目標サイズ = 小  視認レベル = 弱
  量産価格MCr = 31.95
 




7.40t級−帝国標準型−徐行艦載艇(TL=10)

 同じく「帝国百科」に掲載されている40トン級の徐行艦載艇を、テックレベル10で作り直してみました。

 宇宙港規模5の星系では、シャトル・サービスの主力になっていると思われます。

 また、私の趣味で、自分が設計した移民船や旅客船などには、非常用の救命艇として多数を搭載しました。
 その場合、徐行艦載艇の貨物スペースには、1トン当たり6名の乗客(窮屈×6)が乗れるように、必要な改造が施されているとします。


 船体サイズは40トン。
 形状は、コード1(針状)の完全流線型船体(エアフレーム船体)。
 大気圏への突入も、海面への着水も可能です。

 加速能力は2G。
 燃料タンクは2.2トンの容積を持ち、無補給で連続14日間の通常航行が可能です。

 武装はありません。

 コンピュータのモデルは1。
 乗組員は、パイロットとエンジニアの2名が必要です。

 貨物は、31トンを搭載できます。
 これも貨物輸送専門なので、旅客用の設備を備えていません。

 改造型は、「適度」の座席50を装備したタイプ(帝国百科に記載されているもの)があります。

Claft Id : 40_ton Class Slow Pinace
 from LSP.Ship's

ID code:

Hull:


Power:

Loco:

Commo:

Sensors:



Off:

Def:

Control:




Accom:

Other:


40トン級標準型徐行艦載艇 TL=10 MCr=17.53

36/90 排水素=40トン 形状=1針状/エアフレーム型
 装甲=40E 重量=421トン 総重量=842トン

2/4 核融合=174Mw 航続=14/42日間

2/4 通常=反重力2G 移動力=0

電波式=星系内距離×1

受動EMS=惑星間距離×1  能動EMS=惑星距離×1
  能動物体探知          = 難   能動物体追跡         = 難
  受動エネルギー探知 = 並

なし

防御DM =+3  装甲DM = 0  致命的命中回数 = 0

コンピュータ=モデル1×3(標準型)  パネル=ホロ・リンク型×12
  追加=ヘッドアップ・ディスプレイ×3
  基本環境、基本生命、高度生命、重力プレート、重力補正器
  エアロック1

乗組員2(艦橋1、エンジニア1) ゆったり×2

船倉=31トン   燃料=2.2トン 燃料スクープ搭載
  目標サイズ = 小  視認レベル = 弱
  量産価格MCr = 14.03
 




8.20t級−帝国標準型−大型ボート(救命艇) (TL=10)

 同じく「帝国百科」に掲載されている20トン級の大型ボートを、テックレベル10で作り直してみました。

 勝手ながら、宇宙港規模5〜6の星系で、旅客専門のシャトル・サービスを行なっているという設定にしています。
 宇宙港規模4の星系では、標準型でもぎりぎり採算が取れると分かりました。


 船体サイズは20トン。
 形状は、コード1(針状)の完全流線型船体(エアフレーム船体)。
 大気圏への突入も、海面への着水も可能です。

 加速能力は1Gしかありません。
 表面重力1G(規模8)以上の世界から離陸する場合に、問題はないのでしょうか。
 「帝国百科」によると、規模Aの世界であっても42分を掛ければ、地上から軌道上まで上がれると書いてあるのですが・・・。

 燃料タンクは0.35トンの容積を持ち、無補給で連続5日間の通常航行が可能です。

 武装はありません。

 コンピュータのモデルは1。
 乗組員は、パイロットとエンジニアの2名が必要です。

 旅客用に「ゆったり」の座席を40装備しており、貨物は4トンを搭載できました。


 改造型としては、「ゆったり」の座席を20装備し、貨物を10トン輸送できるタイプがあります。便宜上、標準型と呼んでいますが、帝国百科に記載されているもののことです。

Claft Id : 20_ton Class Life Boat from LSP.Ship's
ID code:

Hull:


Power:

Loco:

Commo:

Sensors:



Off:

Def:

Control:




Accom:

Other:


20トン級標準型大型ボート(救命艇) TL=10 MCr=11.52

18/45 排水素=20トン 形状=1針状/エアフレーム型
 装甲=40E 重量=200トン 総重量=417トン

1/2 核融合=52Mw 航続=5/15日間

1/1 通常=反重力1G 移動力=0

電波式=星系内距離×1

受動EMS=惑星間距離×1  能動EMS=惑星距離×1
  能動物体探知          = 難   能動物体追跡         = 難
  受動エネルギー探知 = 並

なし

防御DM =+3  装甲DM = 0  致命的命中回数 = 0

コンピュータ=モデル1×3(標準型)  パネル=ホロ・リンク型×2
  追加=ヘッドアップ・ディスプレイ×2
  基本環境、基本生命、高度生命、重力プレート、重力補正器
  エアロック1

乗組員2(艦橋1、エンジニア1) ゆったり×42

船倉=4トン   燃料=0.35トン 燃料スクープ搭載
  目標サイズ = 小  視認レベル = 弱
  量産価格MCr = 9.22
 




2009.03.16 投稿前のチェック。
2009.03.21 旅客輸送に関する考察を追加。
        合わせて、シャトルサービスのサンプルも書き直し。
        橘様から提供された、画像4枚を掲載。
2009.03.23 さらに修正して、初投稿。