バルアレス級重巡洋艦
タイプ:TL14 重巡洋艦バルアレス MCr76348.563(同型間割引-20%適用前)
船体:排水素=100000 形状=4流線型 装甲=55G 重量=1453954.82t
パワー:17550/23440 核融合=1579500Mw 燃料21060トン/15日(付記1)
移動:6750/9000 ジャンプ=4 14850/19800 通常=4 移動力=0
通信:電波式=星系内*10 レーザー式=星系内*10 メーザー式=星系内*5 電波妨害器=星系内*5
探知機:能動EMS=遠軌道距離*4 受動EMS=遠恒星間距離*4 EMS妨害器=遠軌道距離*4 質量探知=高貫通250m*4
中性微子=10Kw*4 EMM
武装:100トンミサイル= 40/32 攻撃力=A
100トンフュージョンガン= 30/24 攻撃力=B
100トン反重力砲 = 12/10 攻撃力=8
防御兵器:3連散乱砂砲-10=
90/72 攻撃力=4
3連パルスレーザー-13= 90/72 攻撃力=3
中間子スクリーン=6*2 核中和装置=6*2
DM+8
管制装置:モデル9*3 ホログラフ*47000 追加=大型ホロディスプレイ*500 ヘッドアップホロデイスプレイ*400
環境=基本環境 基本生命 高度生命 重力プレート 加速補正器 エアロック*500
居住区画:乗員615(艦橋21 機関161維持21砲術204艦載8海兵隊100士官85接客10医師5) 専用室700 二等寝台20
積載輸送機器=50トン*8
その他:船倉6900トン 燃料タンク46060トン 格納庫520トン 操船区画600トン 燃料スクープ 電子回路防御
目標サイズ=大 目標サイズ=強/中
付記1. 水素吸蔵合金を使用すれば、30日分を搭載可能。
ヴェガ自治区海軍向けの10万トンクラスの新造重巡洋艦。比較的低テクノロジーで維持、整備が可能な大火力の宇宙船を要求したヴェガ自治区海軍の1103年度整備計画によって、2隻が発注された。
設計はテラのフリーアイリッシュ造船設計事務所。従業員は社主兼主任設計技師のシドニー・ギャリック卿とロボット一台の小所帯で、軍艦の発注に応募するのは初めてだったが、審査の結果、見事に受注を勝ち取った。
本級の特徴の一つは固定式の大型主砲を廃したことである。ギャリック卿は自らの従軍体験から、大型の主砲は「役立たず」だと見なしたのだ。ギャリック卿は言う。
「中間子砲も粒子加速砲も射程が短い。中間子砲はかなりの確率でスクリーンに防がれてしまうし、粒子加速砲に至っては、大気のある世界では完全に無力だ。固定式なので精度は低く、狙いを定めている最中には回避行動すら出来ない。それに高価で大きな電力とスペースを消費し、運用にも多数の人員を必要とする。それだけの電力やスペースは、もっと有意義に使うべきだ。空きスペースにしておいても、余分にミサイルや食料を積み込める。」
主砲の有効性については議論の余地があるとしても、本級に関して言えば大型主砲を廃したことで、確かに費用と整備の手間が抑制されている。さらに、船体中央部に穿孔するという手間のかかる作業が無くなり、工期も短くなった。
もう一つの特徴は、その割り切った設計である。ヴェガ自治区海軍と言うことで、使用目的も防御的であり行動範囲も自治区内に限られるだろうとの判断で、パワープラント用燃料タンクを少なくされて、その分、通常ドライブとパワープラントが大型化している。
しかし、本級の最大の特徴は、実はこの小さな燃料タンクにあるのかもしれない。さすがに15日では短いという意見もあったが、それに対してギャリック卿は、自身が考案した工法でスポンジ状に加工した水素吸蔵合金を燃料タンク内に充填することで回答したのである。この方法はまだ正式採用には至っていないが、バルアレス級のパワープラント用燃料タンクは水素吸蔵合金使用に適した設計となっている。
吸蔵合金と結合した水素は液化するのに時間がかかり、ごく短時間のうちに大パワーが必要になるジャンプドライブには使用出来ない。しかし、それでも革命的なアイデアとして注目を集めており、バルアレス級はヴェガ自治区以外の軍事組織からも発注が相次いでいる。
現在の建造、就役状況は以下の通りだが、他に6隻の発注を受けている。
一番艦 バルアレス Hsuishlesh(ソロマニ・リム/1120) ヴェガ自治区海軍工廠 060-1105起工 092-1106竣工 ヴェガ自治区海軍で就役中
二番艦 カナリアス Hsuishlesh(ソロマニ・リム/1120) ヴェガ自治区海軍工廠 060-1105起工 092-1106竣工 同上
三番艦 艦名未定 テラ(ソロマニ・リム/1827) ベルファスト造船所 114-1106起工 儀装中 ガッシッダ惑星海軍
四番艦 艦名未定 テラ(ソロマニ・リム/1827) 月面造船所 190-1106起工 儀装中 プロメテウス惑星海軍
(ジェーン年鑑1107年版より)
シドニー・ギャリック卿 35歳 フリーアイリッシュ造船設計事務所社主
7BAABB 元帝国海軍少佐 従軍記章-3 指揮官記章-2 SEH-2 PH-2
戦術-3 エンジニアリング-1 宇宙船設計-2 エレクトロニクス-1 メカニクス-1 コンピュータ-1 ライフル-1 宇宙服-1 リーダー-2 パイロット-1 航法-1
元帝国海軍少佐。天才的な造船技師であるが、戦術家としても優れた資質をもっていたため、海軍では戦闘任務に就かされた。軍人としての経歴は短いが、二回のSEHが示す通り赫々たる武勲の持ち主である。このSEHはいずれも敵を殺すことではなく、内戦の惑星における難民救出により授章したもので、本人も非常に誇りに思っている。
基本的には人格者だが、孤児院で育った過去から金銭への執着が激しい。しかし、造船科でリベートを取ったり部品を横流ししたりするようなことは生理的に出来ないので、結局は海軍を辞め、故郷のアイルランドで造船設計の事務所を開いた。それもこれも、船体価格の一パーセントという設計料に惹かれてのことだ。そして、彼の能力を持ってすれば戦艦を一人で設計して、莫大な設計料をせしめることは難しくない。
平和主義者でもあり、主砲を搭載したがらないのは、戦術的な見解以上に、中間子砲を非人道的な兵器だと考えているからである。
後書き
ゲームで使用したキャラクターとその手になる宇宙船です。トラベラー世界では水素が燃料なのに、水素吸蔵合金の技術が使用されていませんね。なお、武装の表記がルールと異なりますが、表記としてはこちらの方が分かり易いと考えて、ずっとこの表記を採用しています。