アメン・ラー



 「アメン・ラー」はクニツィア先生の競りとマネージメントのゲームで、同じ作者の「ラー」とは、エジプトテーマで競りが絡むのは同じだが、全然異なるゲームになっている。

 ゲームは旧王朝時代と新王朝時代の2つのステージに分かれている(この辺もちょっとラーに似ている)。
その間に6つのラウンドをプレイし、勝利ポイントが最も多いプレイヤーの勝利となる。



 ゲーム開始直後の競りが終わったところ。
ボード上には15の土地があり、ラウンド開始時に人数分の土地カードがランダムに配置される。
土地カードには競り値が9段階で書かれており、そこに自分の色の石を置くことで競りを行う。
競りは順番に行われ、一巡した後2つ以上の石が置かれた土地は、競り価格の低い方のプレイヤーはそこを出て他の土地に石を置かなくてはならない。
これを繰り返して全員が土地を競り落としたら終了である。


 競りが終わったら各自競り値を支払って、自分の色のタイルを土地に配置する。
各土地にはいろいろな特徴があり、得点計算の際にはその場所さえ影響する。
 競りが終わったら各プレイヤーのアクションフェイズで、カードの購入と使用、農民の購入と配置、建築物の購入と配置を行う。
購入金額は共通で、1つなら1ゴールド、2つなら3ゴールドと、一度に買う数が多いと高くなるというシステム。
カードには様々な効果があり、収入を上げるものや勝利ポイントを上げるもの、それに競りを有利にするものなどがある。
農民は配置すれば収入の基礎になってくれるが、土地によって配置できる上限が異なり、更に次の貢物フェイズの結果によって、農民1人あたりの収入が変化する。
建築物は建築材料とピラミッドの2種類があり、建築材料が3つ同じ土地に集まればピラミッドにできる。
画像では右上の方にピラミッドが1つ建てられており、そこからナイル川をはさんだ土地には1つ建設資材が置かれている。
ピラミッドは直説勝利ポイントに結びつくので、できるだけ建築したい。

 一通りプレイヤーのアクションが終わったら、貢物フェイズとなる。
このフェイズには全員で同時にアメン・ラーに貢物を行う。
お金カードを裏返して出し、その合計によって農民1人あたりの収入が異なってくる。
また貢物の金額が多い順から3人までは、ボーナスとして1〜3つ、カードか農民か建築資材を手に入れることができる。
そして貢物には-3のカードを出してもいい。
-3のカードを出すということは、貢物を盗んだということである。
それによって3ゴールドを手にすることができるが、結果貢物の合計は減り、農民1人あたりの収入も減り、みんなが苦労することになる。
自分が持っている土地に農民がほとんど配置できない場合などは、他のプレイヤーが利することのないように-3のカードを出すというのは納得できるが、それによって貢物金額上位3位に与えられるボーナスを放棄しなければならないジレンマもある。
ちうかこのゲームはとにかくジレンマだらけなのだ。


 全ての土地が購入され、農民がひしめき、ピラミッドが建ち並んでにぎやかになった3ラウンド終了時の様子。
プレイヤー人数が少ないと、全ての土地は購入されない。
 ここで旧王朝時代は終了となり、1回目の得点計算が行われる。
画像の1回目の得点計算では、神殿の描かれた土地を全て入手していた青が大きく点を伸ばして他を引き離した。
そして得点計算が終わると・・・・・・・・

  旧王朝は滅び、時が過ぎ去る。
ピラミッドと建設資材以外は全て時の流れの中に消失してしまうのだ。

 そして新王朝である後半3ラウンドが始まる。
再び土地カードを競るところから始まるのだが、旧王朝時代と違い、あらかじめ勝利ポイントに直接結びつくピラミッドがそこかしこに建っているので、今度の競りは熱い。
このステージが変わって一気に盛り上がる仕掛けは、本ゲームの最大の売りだと思う。
初めてプレイした人は旧王朝時代はまずなにがなにやら分からないが、新王朝に入れば初めてだろうがなんだろうがガツンと盛り上がるのだ。


 新王朝の3ラウンドが終了したら、最終得点計算をやってゲーム終了。

 実は競りで勝負の大半は決まるような気がするが、その土地を活かすマネジメント作業も結果が報酬という形でちょこちょこ表れて楽しいし、よく出来たゲームだと思う。
とっつきの悪さもなかなかのものだが(汗)
あとはピラミッドの存在感がもっと大きければと個人的には思う。せめてピラミッドのコマをもっと大きくするとか(笑)

気楽さ 2
言語依存 0

ソロプレイのしやすさ 3
化夢宇留仁の好き度 5

20120505