アベカエサル



 映画「ベン・ハー」そのものの、古代ローマの戦車レースを再現したゲーム。
実はこのテーマはポピュラーで、昔からアバロンヒル社とかからいくつか出版されていた。
この「アベカエサル」ではそのポピュラーなテーマを、現代的な簡単ルールで見事に表現している。

 システム的には限られたカードを出すことで進むレースゲームで、一番大きな数字の6はトップの時には出すことができない。
その他微妙な駆け引きが勝敗を分けるのだが、会社の昼休みにプレイした時には、単なる運ゲー扱いされてしまった(汗)
ゲームに慣れていないと駆け引き要素が微妙すぎて気づかないのだ。



 ボードはリバーシブルになっており、短距離コースと長距離コースに別れる。
基本1回のレースではコースを3周するのだが、1周目か2周目にレースを観戦しているカエサルの前に行って、「アベ・カエサル!」と叫んでカエサルを称えなければならない(笑)。
その時投げるためのコインまで用意されている(笑)。


 手番には3枚の手札からカードを1枚選んで公開し、それに書かれている数字分自分のコマを進める。
その後山札(各24枚)から1枚を引いて終了である。
 ところでコースは画像のように、一部極端に狭くなったところがある。
こういう場所には戦車1台しか通れる隙間がないので、追い越し不能である。
そしてプレイするカードの数字は使い切らなければならない。
つまり前が詰まっているとカードを出せない場合があるのだ。

 カエサルに挨拶している様子(笑)。
これをしないで3周走りきってしまうと、カエサルに対する無礼を働いたかどで死刑となるので気をつけなければならない(笑)。


 全部で24枚のカードが与えられるが、手札はいつも3枚しかない。
したがって状況によっては、画像のような悲惨な手札になって、トロトロとしか走れなくなったりする(笑)。
 しかしなにより恐ろしいのはカードの枯渇である。
妨害されて外側のレーンばかり走らされた場合、長距離コースの時には途中でこのカードが無くなってしまう可能性がある。
そうなったらまさに最大の屈辱であり、カエサルに会わす顔が無くなるのだ(笑)。



 こっちが長距離コース。



 ちうわけで清々しいくらいシンプルにまとめられた、ストイックなレースゲームである。
ボードもコマも雰囲気があって楽しい♪
 唯一の問題は最初に書いたシステムの微妙すぎるところだろう。
手札が3枚と少ないために選択肢が少ない上に、道をふさいで後続のプレイヤーのカードプレイを妨害したとしても、そのターンは自分も満足に進めない場合が多く、妨害された側もその分カードが無駄になるわけでもないので、大して損した気分にならない。
要するに適当にプレイしていると、単なる運ゲーと思いやすいのだ。
もうちょっとこの辺が分かりやすく出来ていてもよかったと思う。

気楽さ 3
 ルールは単純だが、求められるレース回数がそこそこ多い。無視して1レースのみのゲームにしてもかまわないと言えばそうなのだが。
言語依存 0

ソロプレイのしやすさ 4
化夢宇留仁の好き度 4

20120409