あやつり人形フルセット



 拡張も入った缶入りのフルセット。
これを買って、一部オリジナルで作り直してまで日本語シールを貼った直後に完全日本語版が発売され、しばらくダメージが抜けきらなかった化夢宇留仁だった(笑)

 


 「あやつり人形」はカードゲームで、誰かが8つの建物を建てれば終了で、それらの建物のポイントの合計が高かった人が勝利する。
 このゲームの肝は、各ラウンドにプレイヤーが演じる役割と、それによって決まる特殊能力と解決順にある。
 各ラウンドの始めに、プレイヤーは9種類の役職の中から1つを選ぶ。先に他の人が選んだ役職はもう選べない。
選ぶ順番は、現在「国王」であるプレイヤーからである。
 9枚の役職カードの内1枚は伏せて配置される(枚数はプレイヤー人数によって変化する)。更に3枚のカードが公開される。
残りの5枚のカードからまず「国王」が役職を選び、選んだカードを伏せて持つ。
そうやって全員役職を選んだら、最後に残った1枚はやはり伏せて配置される。
画像はプレイヤー4人が役職を選んだ直後の状態である。


 全員が役職を選んだら、「国王」が番号順に役職名を呼ぶ。
呼ばれた役職を選んでいた人は役職カードを公開し、手番を行う。
 手番には役職の特殊能力の使用、お金かカードの追加、建物の建設を行う。
役職にはそれぞれ特殊な能力があるが、特に最初の方の番号の役職はゲームの展開を大きく左右する。
1番は「暗殺者」
 この役職の能力は、他の役職の暗殺である。
「暗殺者」に指定された役職は暗殺されたとみなし、そのラウンドの手番をとばされてしまうのだ。
2番は「泥棒」
 「泥棒」は指定した役職を選んでいるプレイヤーの所持金を全て奪える。
3番は「魔法使い」
 指定したプレイヤーと手札を入れ替えるか、指定枚数山札と交換できる。
「魔法使い」は役職ではなくプレイヤーを指定できるので、ハズレ(そのラウンドでは選ばれていない役職を指定する)がないので強力である。
4番は「国王」
 この役職を選ぶと、次ラウンドに「国王」として役職を一番最初に選ぶことができる。
その他建物を壊すことができる「傭兵」、お金を余分にもらえる「商人」などなど、様々な役職があり、それらが複雑なジャンケンのような関係になっている。
 画像右では建物が3つ建てられ、「芸術家」の能力で建物にお金を追加してその価値を上げている。

 画像の黄色いコマが「国王」マーカー。
誰から「国王」を続けると、その右隣のプレイヤーはいい迷惑になる。
なぜなら「国王」が変わらない限り、役職の選択順が一番最後になってしまうのだ。
 勝利条件である建物カードも様々なものがあり、実はその特殊能力がゲームの勝敗を大きく左右するので、キャラクターの選択ばかりに注意していると、他のプレイヤーにあっという間に8軒建てられたりする。

 


 「あやつり人形」(フルセット)はその名の通り拡張セットも入っていて、役職を各番号2種類から選ぶことができる。
同じ番号は基本的に似たような能力だが、拡張セットのキャラクターはより複雑になっている。

 作者フェイドゥッティの名を一躍知らしめた名作で、毎ラウンド役職を選ぶ時には様々なジレンマに悩まされ、「暗殺者」と「泥棒」の目標発表の時にはマジでドキドキさせられる。
唯一の欠点はもう一つ収束性が悪く、長時間ゲームになりやすいところか。
しかしそれでも抜群に面白いのは確かで、多人数で遊ぶ機会があるなら買っておいて損のないゲームである。

気楽さ 3
言語依存 4
 カードにそこそこテキストがあるので、日本語化は必須。
もちろん完全日本語版を買ってもいい(汗)
ソロプレイのしやすさ 0
 パラノイアにのみ可能(汗)
化夢宇留仁の好き度 4

20120401