バベル



 2人用ゲーム。
たくさんの高い神殿を建てれば勝利だが、作っているのは好戦的な民族ばかり。
自分の神殿を作るより、相手の神殿を壊す方に意識が・・・(笑)


 ゲーム開始状態。
プレイヤーそれぞれに5種類の民族に応じた神殿の建設場所がある。
また最初にはそれぞれに神殿の1段階目のカードがサブ山札として渡される。
手札は5枚でスタート。


 ゲーム中の様子。
手番は3つのフェイズに分かれる。
1.手札を3枚引く。
2.カードの許す限り好きなだけアクションを行う。
3.神殿カードを山札から2枚引き、自分のサブ山札に置く。この時神殿レベルが高いカードを下に置くようにする。
 このゲームのキモはフェイズ2である。
なにをどんな順番でやるかが完全に自由であり、手札と場に出ているカード次第では、勝利目前の相手の神殿を全て粉々にすることも出来る(笑)。

アクションリスト
●自分のコマを移動させる。
  このアクションは、コマを移動させたい現場に対応する民族カードを、手札から1枚捨てることで行える。
●手札にある民族カードを、現在自分のコマがある現場に移住させる。
 枚数や種類に制限はないが、カードを置く順番が重要。
●神殿を建設する。
 自分のコマがある現場の神殿を建設する。
神殿は小さいレベルから順番に建てていかなければならない。また建てるレベル以上の枚数の民族カードがその現場に置かれていなければならない。最高レベルは6。
建設はサブ山札から神殿カードを引いて現場に置くことで行われる。この時サブ山札は相手のものでもかまわない。
●民族を違う現場に移動させる。
 この場合はコマの位置は関係ないが、できるのは1手番に1回のみで、移動元の現場にある民族カードの上から3枚を、順番はそのままで移動先に置くという制限がある。

 上記アクションに加え、現場にいる民族カードを使用するアクションがある。
コマがいる現場に、3枚連続で並んでいる同じ民族があれば、その内1枚を捨て札にすることで、民族に応じたアクションを行える。
この時3枚以上連続した民族カードが山の一番上にある必要はない。


 アッシリア人。
このゲームの花形民族の1つ。
彼らが3枚集まると、向かいの現場に建っている相手の神殿を木っ端みじんに出来る(笑)。
その神殿が何レベルであろうがおかまいなしで、一気に荒野と化すのだ。
この時破壊された神殿は、重なったまま裏向きにして山札に戻される。

 ヒッタイト人。
彼ら3枚で、向かいの現場の神殿の一番上のカードを強奪して、自分の建設場所に置くことができる。
ただしその時、自分のエリアに強奪するレベル以上の民族カードが置かれている必要がある。
こちらがなにも建っていない状態で、相手が6レベルだったりすると、相手は5レベルに下がり、こっちはいきなり6レベルの神殿が建つ(笑)。
アッシリア人に並ぶ凶悪な民族である。

 メディア人。
彼ら3枚で、向かいの現場にいる1種類の民族を全て捨て札に出来る。

 シュメール人。
彼ら3枚で、向かいの現場の一番上にいる民族のカードを、全て奪い取って自分の現場の上に置くことが出来る。
もちろん奪い取った結果、その民族が連続して3枚以上になれば、すぐにその民族の能力を使用できる。
あんまりである(笑)。


 ペルシア人。
彼ら3枚で、神殿を建設する時に、1レベルとばして建てることができる。
建設時に必要な民族カードの制限は守る。
例えばペルシア人を使えば、2、4、6と3回建てただけで6レベルに達する。


手札の半減
 どの民族でもかまわないので、3枚連続していれば、その内1枚を捨てることで相手の手札を半減(捨てる枚数は切り捨て)することができる。
例えばこのアクションを手札20枚の相手に3回連続で行えば、20→10→5→3となる(笑)。

 ちうわけで破壊に次ぐ破壊の合間に神殿が建設される愉快なゲームである(笑)。
しかし神殿を破壊されてもそのまま山札に戻るので、神殿の再建は意外に楽。
 勝つためには神殿の合計レベルが15以上になった時に、相手の合計が10レベル未満であることが必要。
もしそれで相手が10レベル以上であれば、サドンデスとなって、先に20レベルに達するか、相手の段数を10レベル未満にする必要がある。
サドンデスで片方が10レベル未満となったら、相手が15レベルに達していなくてもそのプレイヤーの勝利となる。
山札が無くなった場合は、合計神殿レベルが高い方の勝利。
 勝利条件から分かる通り、最後の勝敗を決するのはタイミングである。
手札半減を警戒しつつ、一気に15レベルに達しつつ、相手の神殿を10レベル未満に陥れるのだ。

 作者は「ボーナンザ」や「マンマミーヤ」のローゼンバーグ。
この人のカードシステムは独創的で、もはや芸術の域と言えるだろう。
「バベル」は2人用ゲームでは最高レベルの面白いゲームだと思う。
この大雑把さがなんとも言えない(笑)。

気楽さ 4
言語依存 0
ソロプレイのしやすさ 3
化夢宇留仁の好き度 5

20100314