ディセント 〜闇世界への旅立ち〜


 フィギュア満載の超大型ファンタジーゲーム。
箱の横幅59cm(笑)



 シナリオ1の序〜中盤の様子。
画からだいたい想像つくと思うが、ダンジョン探索型のRPGをボードゲームで完全再現してやろうという意気込みのゲームである。
その意気込みの1つが、このゲームにはゲームマスタープレイヤーが必要なところである。
つまりは他のプレイヤーとゲームマスターがガチで勝敗を競うわけ。


 最初から説明する。
まずはどのシナリオで遊ぶか決めて、ゲームマスターがマップを設置する。
プレイヤーキャラクター達は左端のドアの向こうにいる。つまり彼らはダンジョンの全容は知っているが、ドアの先になにが待ち受けているかはわからないというわけ。


 で、ドアを開くとその先に待っているものをマスターが配置し、用意されている説明文を読み上げる。
画像はドアを開けたらその先には獣人が5匹とスケルトンが1人待ち伏せしていたという状況。
ちなみにフィギュアは全て化夢宇留仁がペイントしたものである。
 画像の右下にある赤いマーカーは魔法陣で、これを活性化すると街との通路になり、プレイヤーキャラクターは街と行き来ができるようになる。
もちろん街には商店がある(笑)
手前の青いマーカーは体力を回復するポーションである。

 ゲームは基本的にひたすら戦闘が繰り返される。
ダンジョン探索物には余計な物語はいらないのだ(笑)

 ゲームの手順は、まずプレイヤーキャラクターが1人ずつ行動し、その後マスターの手番を1回やって次のターンにという形。
勿論マスターの手番にはモンスターが全部動いて襲いかかってくるので、プレイヤーの手番中になるべく数を減らしておかなければならない。
またこのシステムだとプレイヤーキャラクターの人数が多いほうが有利になるので、モンスターの強さとマスターが受け取る脅威トークン(後述)の数で調整している。

 プレイヤーの手番にはまず今回そのキャラクターがどんなアクションを行うかを宣言する。
アクションには「走る」「戦う」「進む」「構える」の4種類がある。
 「走る」を選べばそのキャラクターは通常の2倍の移動力で移動できる。
またこのゲームでは移動力を消費して様々な行動ができるので、「走る」を選ぶのは高速移動のときばかりではない。
 「戦う」を選べば2回攻撃できる。
 「進む」を選べば通常の移動力での移動と、攻撃を1回行える。
 「構える」を選ぶと通常の移動、または1回の攻撃のどちらかをやった上で、命令マーカーを1つ選ぶことができる。
命令マーカーは「照準」「回避」「援護」「休息」の4種類がある。
 「照準」を選べば攻撃の命中率が上がる。
 「回避」なら敵の攻撃の回避率が上がる。
 「援護」なら敵の動きに合わせて待ち伏せ攻撃ができる。
 「休息」なら次の自分のターンの開始時にスタミナを全回復できる。
 ここまででもなかなか複雑なシステムなのがわかるかと思うが、まだまだ様々なルールがある。
装備のルールは勿論、片手持ち両手持ちの違いがあり、射程のルールもあれば勿論視線のルールもある。


 武器防具呪文カードの例。
戦闘は基本的にダイスゲームになっており、武器によって異なる複数のダイスに熟練度による追加ダイスと、上記のスタミナの消費による追加ダイスも振れる。
ダイスの結果は命中数と到達距離が同時に表され、更に稲妻マークが出れば武器によってはボーナスがつく場合もある。
攻撃は移動中のいつでも可能なので、物陰から走り出してクロスボウを1発打ってからそのまま物陰に走り込むということもできる。
更にキャラクターにはいくつかのスキルが与えられており、それによって攻撃回数が増えたり、偵察ができるペットを連れていたりと様々なことができる。

 マスターの手番にはまず脅威トークンをプレイヤーキャラクター数だけ得てから、マスターカードを2枚引く。
その後脅威トークンを支払ってマスターカードをプレイしてもいい。もちろんカードの内容によって必要な今日トークン数は変化する。
このカードの中にダンジョンに追加のモンスターを配置するものもある。
モンスターの配置はプレイヤーキャラクターが探索済みのエリア内で、プレイヤーキャラクターからは死角になっているところにしか配置できないという面白いルールになっている。
それから全モンスターが1回ずつプレイヤーキャラクターが「進む」アクションを選んだのと同じ行動をおこなう。
勿論モンスターは連続攻撃やら毒やらの特殊能力を持っている。
またモンスターには一般とボスの2種類があり、同じモンスターでもボスの方が強力である。


 モンスターのカードの例。
画像はプレイヤーキャラクターが3人の時用のカードで、左上の数字がそれを示している。
上下2段になっているが、下がボス用のデータ。
一部書き込みをしているのは後のルール変更によるもの。
 モンスターのフィギュアが山ほど入っているのもこのゲームの特徴で、中には非常に巨大なものも。
化夢宇留仁はそれを全部ペイントしたのだが、おそろしい時間がかかった(汗)


 プレイヤーキャラクター達の勝利条件は達成トークンが残った状態でそのシナリオの勝利条件を満たすというもので、上記のシナリオ1だとラスボスの巨人ナルサクを倒すのが条件である。
達成トークンというのはシナリオ1では1持っている状態からはじめ、宝箱を開けたり魔法陣を活性化することで増やすことができるがその上限は限られる。
プレイヤーキャラクターが死ぬと(復活可能)達成トークンが減ってしまう。
したがってマスターはなんとかひたすらプレイヤーキャラクターを殺しまくって達成トークンをゼロにすることを目指すわけである。


 ちうわけでひたすら戦闘が繰り返されつつダンジョンを進んでいくのだが、プレイヤーキャラクターの攻撃力は高く、だいたいの敵は一撃で倒すことができる。
ただしモンスターの攻撃力もそこそこあるので、包囲されてタコ殴りになるとあっさり死んでしまうことも。
死んでしまってもキャラクターごとに設定された達成トークンが減るだけで即座に街で蘇生されるのだが、上記のように達成トークンが無くなったら敗北なので、なるべくモンスターを各個撃破してタコ殴りにされないようにしなければならない。
ということはマスターとしてはなるべくモンスターを集中して投入したいところだが、モンスター配置のカードは1ターンに1枚しか出せない上に上記視線外にしか登場できないというルールがあるのでなかなか難しい。
 しかし化夢宇留仁がソロプレイをやった印象では、基本的にはマスター有利なんではないかと思う。
プレイヤーキャラクターの戦術は限られているが、マスターの方は色々と策を講じることもできるし。
なので通常のRPGと同じく、マスターはいい感じに手加減してギリギリでプレイヤーが勝利するようにプレイするのが前提かと思う。
ちなみに化夢宇留仁のソロプレイでは特に手加減はしなかったがプレイヤーキャラクターが達成ポイントを1残して勝利した。
この辺のこともあり、ルール的にはほとんど問題ないが、あまりソロプレイ向きのゲームではないと言える。

気楽さ 1
 プレイ時間が長い上にひたすら戦闘が続く(汗)
言語依存 2
 基本的に戦闘ばかりのゲームなので、ゲーム中に読まなければならないテキスト量はしれている。
ソロプレイのしやすさ 3
 システム上はほとんど問題ないのだが、やはり対戦でないと作業っぽくなる。
化夢宇留仁の好き度 3
 すごくいいところと残念なところが混在している感じ。

20230423