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激戦!ア・バオア・クー

 ツクダホビーの「機動戦士ガンダム」を題材にしたウォーゲームの1つ。
同社のシリーズでは第1作「ジャブロー戦役」に次いで古いゲームで、珍しく大規模戦闘を再現するのを主眼としており、そう言う意味では貴重な存在である。



 シナリオ「Sフィールド戦」の開始直後の様子。
マップ中央下に描かれているのは、宇宙要塞ア・バオア・クーを上から見た様子である。その上に置かれている赤いユニットは砲台。周囲にはジオン軍の艦船やモビルスーツなどが配置されている。
上方から連邦軍が攻め込んできている。この時は二手に分かれて進攻してみている。


 ジオン軍陣営のアップ。
このゲームでは艦船は1ユニット1隻、その他のユニットは1ユニット4機を表している。
ただし画面左上部にいるジオングなど、単機でしか存在しない機体は1ユニット1機である。
ジオングの下には旗艦グワジン、その他チベ、ムサイが並び、モビルスーツではリックドム、ザクの姿が見える。
更にはガトル、ジッコなどの戦闘機があり、またア・バオア・クー上の砲台にはビーム砲、キャノン砲、ミサイル砲台の3種類がある。
 ここまででだいたいこのゲームの雰囲気が伝わったかと思う。
番組後半の大規模宇宙戦闘を丸ごと再現してしまおうという代物なのである。


 連邦軍陣営の左の方のアップ。
こちらには艦船では戦艦マゼラン、巡洋艦サラミス、そしてホワイトベースがおり、他にはジム、ボール、ガンキャノンとガンタンク(2機で1ユニット)、そしてパブリクがいる。
 上の方は艦船ばかり。実はこの「Sフィールド戦」には22隻のサラミスが登場しているのだ(汗)。

 ジオン軍にもガトル、ジッコがいたが、連邦軍のパブリクは特にこのゲームでは大活躍する機体である。
と言うのも、ビーム攻撃を遮断してしまう「ビーム遮断膜」を展開することができるのだ。ア・バオア・クーのビーム砲台は強力なので、本隊が接近する前にまずはパブリクに突撃してもらい、砲台を無効化してもらう必要があるのだ。


 手順は単純で、1イニングには先攻フェイズ、後攻フェイズがあり、それぞれのフェイズには「回復」、「移動」、「双方同時攻撃」を行い、相手のフェイズになる。
 戦闘には「射撃」と「格闘」があり、「格闘」はモビルスーツからしか行えない。
各ユニットには「対モビルスーツ戦闘力」と「対艦船戦闘力」が設定されており、戦闘の向き不向きが表現されている。
例えば旧型のムサイは対モビルスーツ戦闘力は2しか無いが、新型のチベは8である。
 単純なルールの割に各ユニットの個性は結構表現されていて、画像ではパブリクのビーム攪乱膜が展開した中、連邦とジオンが乱戦に入りつつある。
他にもガトルの大型ミサイルなど、マニアックな機体の見せ場があるのがこのゲームの嬉しいところである。


 この記事のためにひさ〜〜〜〜〜〜〜しぶりにソロプレイをしてみたのだが、同時攻撃(お互いの攻撃結果を同時に反映する)が実にきつい(汗)。
先に攻撃されて、ダメージを負ったり撃破された機体も反撃のチャンスがあるわけだが、この数のユニットでそれを全部覚えておくのは不可能(汗)。
しかもそれをフォローするシステムは一切無い(笑)。
ルール的には初心者向けかもしれないが、あまりにもプレイアビリティが低く、結局ゲーマー専用となっているのはどうなのか。
まあ当時の中学生ゲーマー達はそのくらいのことは気にしない熱意があったので問題ないのかもしれないが(笑)。

 また最初にも書いたが、後のシリーズのことを考えると、これだけ大規模な戦闘を楽しめるのは唯一と言っていいので、貴重な存在ではある。
大量のユニットが盤上で展開する様はまさに壮観であり、それだけでシミュレーション的には成功と言えるくらいである。
 しかし上記のプレイアビリティの低さに加えて、もう一つなんとかしてほしいと思うところがあった。
それは勝利条件の設定で、例えば「Sフィールド戦」の勝利条件は、連邦はジオン軍の全滅、またはア・バオア・クー上に10ユニットが3イニング破壊されずにとどまること。ジオン軍の勝利条件はそれを阻止すること。
ゲームになってない(笑)。
こんな大規模戦闘で、全て破壊し尽くすまで終わらないなど、シミュレーション的にもゲーム的にもあり得ない。
この辺はツクダホビーの作るシナリオではいつもいい加減だと思う。
なんとかしてほしい。と、今頃言っても仕方がないが(笑)。

気楽さ 3
言語依存 1

 戦闘結果表で一部文章がある。
ソロプレイのしやすさ 2
 システム的にはソロプレイに問題になる部分はないが、上記の攻撃結果の同時処理を覚えきるのは難しい。
化夢宇留仁の好き度 4

20100613