原始の生活



 クニツィアのよくまとまったタイル獲得系のゲーム。
ゾンビが破壊する近未来をテーマにした「ゾンビゲドン」というゲームのリメイクで、こちらはタイトルの通り原始時代の様子を再現している。



 ゲーム開始時の様子。
このゲームは2つの季節にわたってプレイされる。
最初は「夏」で、様々な実りを獲得しつつ、冬に備えてマンモスを狩るための武器を手に入れる季節でもある。
 手番には自分のコマを合計2マス動かすことができる。
1コマを2マス動かしても、2コマを1マスずつ動かしてもいい。
そしてコマが動いた時、今まで立っていたマスにあったタイルを獲得できる。
獲得したタイルのほとんどは勝利点になる。
 実はこのゲーム、システム的には「おい、それはオレの魚だぞ!」によく似ている。
タイルから離れたらそのタイルを獲得でき、タイルが無くなったマスには誰も入れなくなるというのはほとんどそのまんまである。
結果やることはシンプルなのに、奥深い陣取りの要素が発生する。この辺いかにもクニツィアらしい。


 夏の盤面の様子。
数字の書かれているタイルは食料で、書かれている数字がそのまま勝利点になる。
数字の書かれていないタイル。画像では壺が目立っているが、これらは同じタイルを複数集めることで高得点になるが、数が少なければ食料の方が点数が高いので、どっちをとるのか、微妙なジレンマが発生する。
またマンモスと武器タイル以外の獲得したタイルは裏返して置いておき、自分の獲得したタイルもゲーム終了時まで見ることはできないので、どんなタイルを何枚獲得したかを覚えておくのも重要になる。
 タイルの置かれていない白っぽいマスは「冬の倉庫」で、夏の間にここを通過することで自分の色の貯蔵庫コマを配置することができる。
季節が変わって冬になると、「冬の倉庫」の貯蔵庫コマの置かれているところに自分のコマを配置してスタートと言うことになるので、非常に重要である。
夏の間に「冬の倉庫」に立ち寄らなければ冬には一切参加出来ないということになるのだ。
「冬の倉庫」とは別に、ゲームのスタート地点であり冬には5勝利点を獲得できる「夏の倉庫」も4箇所存在する。

 こちらは道タイルと洞窟タイルが見える。このどちらも夏冬通して置いたままになる。
さらにどちらも何度通っても獲得されることのないタイルで、これらのタイルの配置状況によって、ゲーム毎に大きく展開が変わることになる。
道タイルは単なる道だが、洞窟タイルは1歩を消費することで、盤上にいくつかある他の洞窟タイルに移動することが出来る。
この2種類のタイルの配置は戦略に大きな影響を及ぼすことになる。


 タイルが無くなってきているのが分かる。
マンモスは高得点だが、マンモスマスに入るためには専用の武器を持っていなくてはならず、その武器もマンモスマスに入ったら廃棄されてしまう。
そしてマンモスは夏には3頭しかいない。
しかし冬には大量にうろつきだすので、夏の間に食料ばかりではなく、マンモスを狩るための武器も獲得しておかなければ後半きついことになる。

 画像では武器タイルの上に赤のコマが立っている。
もしまだ武器を所持していなくても、今いる場所を離れた瞬間に武器タイルを入手できるので、その左上の7点になるマンモスタイルに入ることができる。


 冬の様子。
食べ物はほとんど姿を消し、代わりにマンモスと最終的に得点になる毛皮などのアイテムが増える。
また冬に緑色の「夏の倉庫」マスを通過すると自分の色の貯蔵庫コマを配置でき、それらはゲーム終了時に1個につき5点になる。


 どんなタイルを獲得するかは重要だが、それより重要なのはタイルを取ることによって自分の猟場を確保することなのは「おい、それはオレの魚だぞ!」と同じである。
相手を小さなスペースに押し込み、自分は広大なスペースを確保すれば、あとはゆっくりタイルを獲得できるのだ。



 ゲーム終了時の様子。
盤上は狩り尽くされてほとんど荒れ地(笑)。
 ちなみに1歩動く代わりに、自分のコマを盤上から取り去ることもできる。
こうすることで移動の出来なくなったコマが載っていたタイルを獲得できるのだ。

 タイル獲得、陣取り、倉庫を通過するレースなど、様々な要素をシンプルにまとめ上げているのは流石クニツィア先生である。
これでこのゲームの前に「おい、それはオレの魚だぞ!」が存在していなければ、名作と呼ばれたであろう内容である。
 欠点としては、やることはシンプルなのにあまりにも考える要素が多いので、思考がついてこなくなることがあるところだろうか。
最もこれは化夢宇留仁だけかもしれない(笑)

気楽さ 5
言語依存 0

ソロプレイのしやすさ 5

化夢宇留仁の好き度 5

20120407