原始スープ
往年の名作。 |
ゲーム開始直後の様子。 中央に棒が刺さっているのが各プレイヤーのアメーバで、グレーの球が棒に刺さっているのは、そのアメーバが飢餓状態にあることを示している。グレーの球がもう1つ乗ると、そのアメーバは死んでしまう。 アメーバの周りに散らばっているキューブはエサであり、フンであり、アメーバの死体でもある。 各アメーバは1ラウンドに自分の色以外のエサを1個ずつ食べないと、飢餓状態に陥ってしまう(4人プレイの場合)。 ボードの中央には、そのラウンドでの原始スープの流れの方向と、天候による太陽からの放射線量が示されている。 |
各ゲームラウンドは6つのフェイズに分かれている。 最初のフェイズは「移動と捕食」フェイズ。 移動と言っても原始的なアメーバなので、通常は波にまかせて漂うだけである。原始スープの流れの方向に、1エリア流されるのだ。 流された先に自分の色以外のエサが1こずつ以上残っていれば、それらを1個ずつ捕食し、自分の色のフンを2個出す。 画像は青のアメーバが捕食を終えたところで、青いキューブが増えているのがわかる。 もちろんフンとして出されたキューブは、他のアメーバにとっては大事な食料となるのだ。 「移動と捕食」フェイズは、最も点数が少ないプレイヤーから順番に行い、アメーバに書かれている数字の順番に処理してゆく。 上記の通りアメーバが捕食を行うと、そのエリアのエサの状況が変化するので、まわってくる順番が遅いとエサが全て食べられた後で、飢餓状態に陥る可能性が高まることになる。 次は「環境と遺伝子欠損」フェイズだが、最初のラウンドではなんの影響も無い。 |
次は「新たな遺伝子」フェイズ。 このフェイズには、BP(バイオロジカルポイント)を使って、アメーバの新たな能力を購入することができる。 能力には実に様々なものがあるが、大きく分けると「移動系」「生存系」「攻撃系」「防御系」「紫外線対策」の5つになる。 例えば「移動系」だと流れに逆らって動くことができるようになり、「生存系」では耐久力が上がったり、採らなければならないエサの種類が減ったり。 「攻撃系」は他のアメーバをエサにすることができるようになり、「防御系」では他のアメーバの攻撃をかわすことができる。 そして「紫外線対策」では紫外線によっての被害を食い止めることができる。 これらのカードには、BPコストと能力の他に、突然変異ポイントというものが設定されている。赤い大きな数字がそれで、能力が強力であるほど高い傾向があり、この合計がそのラウンドの紫外線量以上になると、その分BPを支払うか、それが出来なければ差分の能力を失うことになるのだ。 その判定を行うのが「環境と遺伝子欠損」フェイズで、そのフェイズには環境カードの更新も行われる。 ちなみに「移動と捕食」フェイズ以外は全て得点の高いプレイヤーから順番に処理される。 |
次は「分裂」フェイズ。 10BPを与えられた後、アメーバを分裂させて増やすことが出来る。 アメーバを1匹増やすのに6BPが必要で、分裂であるから現在自分のアメーバがいるエリアの隣にしか増やすことができない。 画像では最初各色2匹ずつしかいなかったアメーバが増えているのが確認できる。 青アメーバがボード上に散らばって増えているのは、「胞子」能力を手に入れ、アメーバを増やす場所を自由に選べるようになっていたからである。 |
次は「死」フェイズ。 そして最後が「得点」フェイズで、各自のアメーバの数と能力カードの枚数に応じて得点が入る。 |
ゲームは淡々と進む。 そういうゲームなのだ(笑)。 よく見ると、序盤と比べてエサのキューブの色がエリアによって偏っているのが分かると思う。 これがそれぞれの色のアメーバが、そこで捕食をしたという歴史であり、その結果環境に大きな変化が表れているのだ。 ゲーム開始時と比べると、盤上に置かれたエサキューブの数は大いに増えているのだが、色が偏りすぎてエサ場としては機能しないエリアがほとんどで、生き残るためには能力を活かすしかなく、まさに生存競争の激化状態である。 |
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このゲームは最近のボードゲームらしい要素もしっかりしているが、なにより今時は珍しいシミュレーションの香りが色濃く残っているのが大きな魅力になっていると思う。 一見無機質なデザインのコンポーネントだが、プレイしてみると原始の海を漂うアメーバの雰囲気がまったりと味わえるのだ。 少々古いゲームだけあってプレイ時間は長めだが、死ぬまでに一度はプレイして欲しいゲームで、化夢宇留仁のお気に入りの1つ。 気楽さ 3 20120505 |