ジャブロー戦役



 ツクダホビーのロボットアニメを題材にしたシミュレーションゲームシリーズの記念すべき第1作。
システム的にはスコードリーダーの簡易版と言われている。
しかし第1作だけあって問題点も多く、プレイするにはそれなりの根性も必要。


 このゲームの最大の特徴はと言えば、やはりユニットだろう。
モビルスーツは勿論、パイロット、それに武器までユニット化されているのだ。
おかげでモビルスーツ1機でも、機種によっては異様に高いスタックになる(笑)
 画像はホワイトベースのモビルスーツトリオのセットである。
ガンダムには他にもガンダムハンマー、ハイパーハンマーのユニットが用意されている。
昨今のドイツゲームの感覚からすると考えられないが、上記のユニットには細かく性能が記されている。
モビルスーツの場合、左上から右へ順に見ていくと、白兵戦値、移動力、機動修正値、装甲修正値、固定武装火力、固定武装命中修正値、固定武装故障指数、となる。
固定武装が複数ある機体は、画像のガンタンクのようにそれも別ユニットになる。
パイロットの方は、同じく左上から、白兵戦値、士気、命中修正値、回避値、戦闘修正値、となっている。
ちなみにパイロットのユニットは、物語の段階によって複数用意されている。
画像のユニットは、本ゲーム中では一番ニュータイプ化が進んだ状態のものである。
勿論アムロは鬼のように強い。


 こちらはジオンのザク2種類。
ザクには他にも脚につけるミサイルもユニット化されている。

 このように細かくユニット化されていると、武器にも存在感があって、ある種ミニチュアゲーム的な楽しみを生み出すのに成功していると思う。
そして問題点も生み出しているのだが、それに関しては後述する。



 ジャブロー全図。
原作を知っている人ならお馴染みの、連邦軍のジャブロー基地が描かれている。
マップ右側は地上の様子で、左側は地下の基地施設を表している。
 特別美しいというわけではないが、雰囲気はあって視認性にも優れ、いい感じのマップである。
当時の環境では仕方がなかったのか、ヘックスが手書きで所々ゆがんでいるのはご愛敬(笑)

 マップは両面仕様となっていて、組み合わせによって様々な戦場を再現する。
画像は森林地帯で、サイド7のコロニー内や、トリプルドムが迫った黒海沿岸の森林地帯を表現している。

 こちらは市街地。
暗めのトーンで、夜戦向き。
左下にはホワイトベースが隠れていたドームらしきものが。 

 砂漠。
もちろんランバ・ラルのグフとガンダムの戦いを再現する。
テキサスコロニーも出来そうだが、残念ながら本セットにゲルググやギャンは含まれていない。


 以上のような豪華仕様で、シミュレーションゲーム第1作ならではの気合いが感じられる。
 さてシステムだが、基本的には単純である。
1.回復フェイズ
2.先攻準備射撃フェイズ
3.先攻移動フェイズ
4.後攻防御射撃フェイズ
5.先攻前進射撃フェイズ
これを先攻後攻を入れ替えて繰り返し、1イニングが終了する。
この辺のフェイズの分け方はまさに戦術級と言った感じで、後のモビルスーツ単機の描写をメインにした戦闘級とは一線を画す。
しかし久しぶりにソロプレイをやってみたら、フェイズを忘れまくってリプレイを載せるのを断念したのは秘密である(笑)



 攻撃の判定は、射撃と白兵戦に分かれており、射撃の場合は命中判定と被害判定を行う。
命中判定はサイコロを2個振って、命中率以下が出れば命中である。
ただしこの命中率を出すのが大変なのである。
まず目標までの距離と目標の地形に応じて基本命中率を出す。そこに武器の命中修正、射撃ユニットと目標ユニットの状態による修正を加え、更にパイロットの命中修正と、目標機体の機動修正値、目標パイロットの回避値を加える。更にその目標に前回も射撃していれば修正がある。
これでようやく最終命中率が出る。
 命中したら被害判定に移る。また実弾兵器の場合は、至近弾ということで、外れても半分の火力で被害判定を行う。
火器の種類によって、距離によって火力が変わるものと変わらないものがあり、それによって火力が決定される。
サイコロを2個振り、被害判定表でサイコロの目と火力が交わる欄を参照して、被害を決定する。
しかしここにサイの目修正がある。
目標の地形。目標の装甲値、シールド防御に成功すれば、装甲にシールドの数値が加算される。そして目標パイロットの戦闘修正値である。
 白兵戦の場合は、各ユニットの総白兵戦値(機体+使用武器+シールド+パイロット)を比べ、更にサイコロ2個を振り合ってその数も比べ、それらの差を判定表で参照する。
 一覧表とかデータカードとかがあればまだしも、これらの修正値はそれぞれの武器やパイロットのユニットに記されているのである。
つまりいちいちスタックを崩して、ユニットに記されている数値を確認しなければならないのだ(汗)。

 というわけで、基本的には単純なのだが、判定時の煩雑さが黎明期を感じさせるゲームである。
しかしあのジオン軍によるジャブロー攻撃を全面的に再現できるゲームなど、他に無いわけだし、痛し痒しと言うところ。
 発売当時は煩雑さも気にせず遊んでいたものだが、今は無理(笑)
ちうわけでプレイをサポートするエクセル書類を作った。
黄色のセルに必要な数値を入力すれば、命中率や被害判定の修正値が出るようになっている。
また一部割愛されていた武装なども追加している。
よければ使ってみてほしい。少しはプレイが楽になるはず。

ダウンロード

20110910 よりプレイアビリティを高めたバージョン2に差し替え

気楽さ 2
言語依存 3
 被害判定などは取説の表を参照しなければならない。
ソロプレイのしやすさ 4
 煩雑でなければ5なのだが。
化夢宇留仁の好き度 4

20110821