
3人プレイのゲーム開始時の例。
赤、紺、黄のコマが参加プレイヤーの色で、マップ上に白っぽいコマが配置されているのはそのマスは使用しないというトイバーっぽい処理。
スタートプレイヤーはまずダイス2個を4回またはそれ以上(同じ目が出たら振り直す)振り、4種類の出目をマップ左上の羅針盤に表示する。
その結果はいつものカタンと同じくその目が出た土地と隣接しているコマを所有しているプレイヤーは資源が入手できるのだが、このサイの目を4種類一気に出すというのは、カタンというゲームシリーズの大きな欠点を解消する素晴らしいアイデアだと思う。
カタンに欠点と言われてピンとこない人は運がいいか運が普通の人である。
化夢宇留仁のように確率的にはありえても普通考えられないような結果を出しまくる人間にとっては、やはりサイコロ2個の出目がほぼ期待値に偏るのを前提にしたゲームでは苦汁をなめることが多いのだ。
化夢宇留仁の友人のOK氏も同じ理由でカタンシリーズは嫌いだと言っていたが、このゲームなら気に入るのではなかろうか。
おそらくトイバー氏もそのような苦情に対する回答として、このシステムを創造したのだと思う。
資源は麦、鉄と馬、牛、そして資源とは別にお金もある。
馬と牛は同じ山札で裏向きになっているので、手に入れるまでどちらかはわからない。
また森のマスからは資源が出ないので、序盤にはあまり森に近寄りたくないところ。
資源の獲得が終わったら、このあとはスタートプレイヤーから右回りに全員が同じフェイズを繰り返す。
まずはお楽しみの交渉と開発で、作れるのは騎兵、歩兵、幌馬車で、あとは発展カードを購入できる。
ちなみに画像が騎兵、歩兵、幌馬車である。
各プレイヤーには自分の騎兵部隊と歩兵部隊を管理するエリアが用意されており、ゲーム開始時には騎兵部隊は騎兵と幌馬車1個ずつ、歩兵部隊には歩兵と幌馬車が1個ずつ配備されている。
これら2つの部隊を盤上で移動させてローマの街を略奪してゆくのだ。
鉄1枚と馬1枚を支払えば、それぞれの部隊に騎兵と歩兵を1個ずつ追加配備できる。
それぞれの部隊の上にある六角形のマスは略奪成果を表示するエリアで、ここに3色以上の都市を配置したら自分たちで国を興す準備ができたことになる。
幌馬車を作るのには麦1枚、馬1枚、牛1枚が必要で、騎兵部隊か歩兵部隊のどちらかに1個増やせるだけである。
幌馬車は都市を略奪したときにお金を余分に回収できるのと、後半で国を広げていくときにも必要になる。
ちなみに同じ資源3枚もしくは3のお金で異なる資源1つとして支払うこともできる。

発展カード。
左上から、「外交」カードは本編で言うところの「騎士」で、本作の「盗賊」の代わりである「ローマ兵」を今いる土地から他の土地に移動できる。
ちなみに本作のローマ兵は手札を1枚奪ってその土地から収穫できなくなるまでは騎士と同じだが、手札の上限枚数で半分に減らされるというルールは無い。
次が「裏切り」で、1コイン支払えば都市を略奪するときにその都市の防御力を2下げることができる。
隣は「優秀なリーダー」で、牧場カード(馬か牛)を2枚引ける。または騎兵部隊か歩兵部隊を任意の場所に移動できる。
「城の下の財宝」はお金を3獲得でき、それがゲーム終了時であれば7獲得できる。
下の3枚はいつものそのまま得点になるカードである。
ちなみに本ゲームも誰かの勝利点が10に達したら勝利だが、本家と違ってそのラウンドは最後までプレイされるので、場合によっては11点以上を取られて逆転される可能性もある。
騎兵部隊のアクションフェイズ。
騎兵部隊を移動させ(しなくてもいい)、都市の略奪や国家運営などを行う。

このゲームの移動ルールは少々凝ったもので、六角形の土地の周囲の辺部分を進むのだが、矢印の無い道はコスト0。最初の矢印(画像の青い矢印)もコスト0。しかしそれ以降の矢印には陸路だと麦1枚もしくはお金3、海路ならお金1がかかる。
略奪するには都市の防御力(都市マスの周りの小さな赤い四角)以上の戦力(騎兵か歩兵の数)が必要で、略奪すると都市の上に置かれているタイルが手に入る。
そのタイルの裏面には部隊の被害と略奪品が描かれている。
国家の建設にも同じ条件と、上で書いたその部隊が3色以上の都市を略奪しているという条件を満たす必要があり、実行すると騎兵もしくは歩兵と、部隊エリアから幌馬車を1個ずつ置く。
そうしたらもはや部隊の移動は不可能になるが、都市1つにつき1勝利点になる。
国家は上記の矢印1個を挟んだ距離までの都市を併合して拡大できる。その条件も上記と同じである。
後半はそうやって国を拡大して得点を伸ばしていくわけである。後半は普通のカタンっぽい展開と言えるだろう。
ちなみに上の画像は赤の騎兵部隊と歩兵部隊がそれぞれ国家になったところである。
隣接しているが、それぞれが離れていたほうが効率がいいと思う。
特別勝利ポイントカード。
これもいつものやつである。
左から「外交」
外交カードを3枚位上かつ最大数のプレイヤーが獲得する。
「ローマの荒廃」
1つの部隊が5色の都市を略奪すれば与えられる。
さっさと国家にしたくなる気持ちをこのカード欲しさにぐっと抑えるのかどうかは悩みどころ。
「ローマの継承者」
所持する騎兵部隊も歩兵部隊もローマの都市を4つ以上自分の国家にしたらもらえる。このカードの所持条件を満たしているだけで勝利点8点を獲得しているので、よほどのことがなければ勝利が確定するはず。

ちうわけで本家よりも重厚さと遊びごたえが増した好バリエーションである。
雰囲気もあっていろいろな見どころがあるが、特に資源ダイスを4種類振ることで出目の偏りを抑える工夫は素晴らしい。
気楽さ 3
言語依存 2
カードの一部のみ。
ソロプレイのしやすさ 4
流石に交渉は厳しい。
化夢宇留仁の好き度 4
20250504 |