ロンドン掠奪事件



 クニッツァ作のカードゲーム。2〜5人用。
ロンドンで高価な宝物が5つも盗まれる連続窃盗事件が発生。
プレイヤーはホームズとなって事件の解決を目指す・・・・・・のだが、相変わらずのクニッツァ節で、全然ミステリーらしくない(笑)。
 元々はタイルとかが入ったボードゲーム風のコンポーネントだったのだが、カードに統一して小箱で出ているバージョン。



 これが盗まれた宝物。
ゴッホの絵にインカの黄金像、原作でおなじみの例の条約の文書(笑)、金塊、それに誰かの王冠(笑)。
これだけのものが一斉に盗まれ、しかもそれぞれ別の犯人らしい。
無茶苦茶すぎるが、クニッツァ先生はそんなことはお構いなしである(笑)。


 証言カード。
左から浮浪児、警官、貴婦人、手回しオルガン奏者・・・・・って、これだけの大事件に対して、えらい偏った人々のような(笑)。
しかしクニッツァ先生は(以下略)。


 初期配置の例。
事件カードの下に並ぶのが、事件に関する証拠カード。
事件カードの真下の列がその事件の証拠というわけではなく、それぞれの色に対応している。
 右に4枚並んでいるのは証言カードの山札の一部で、カードを補充するときは山札かこの4枚かのどちらかを選択する。
ちなみに最初の手札は4枚で、手番終了時にはカードをプレイしてようがしてまいが1枚補充する。 手札の枚数に制限は無い。

 各プレイヤーは証言カードをプレイして、証拠カードを集めていく。
該当する事件の証拠カードが場から無くなった時点で、その事件は解決となる。
ただし証拠カードは場の下から上に順番にしかとることができない。
例えば、左端の列の黄色の貴婦人のカードを取りたいと思ったら、その下のオレンジの警官カードをなんとかしないといけないわけである。
事件の調査中に関係ない事件の証言が関わってくるというのもまた変な話だが、クニッ(以下略)。

 証拠カードは対応した証言カード(貴婦人なら貴婦人)を書かれている数字枚数プレイすれば手に入る。
ただし異なるカードでも、2枚集めれば違う事件の証言として使用できる。
例えば警官3の証拠カードを、警官1枚、貴婦人2枚、手回しオルガン奏者2枚でも手に入れることが出来るのだ。
 証拠の破壊という選択肢もある。
同じ証言カード2枚を使えば、指定した列の一番下の証拠を削除できるのだ。
同時にその上の証拠カードを取ることができないと破壊はできない。
 証拠の破壊など、探偵としてどうかと思うが、クニ(以下略)。

 ゲーム終了時には、手に入れた証拠カードに書かれている数字がそのまま点数になる。各事件で最も多く証拠を集めたプレイヤーには、事件カードも手に入り、そこに書かれている数字も加算される。
 ところで、事件は4つしか解決されない。
最後に残った事件は未解決となってしまうのだ。
未解決となると、その事件の証拠をどれだけ持っていようが、終了時の点数にはならない。
未解決事件がどれになるかの予想がゲームの鍵となる。


 ゲーム序盤。
オレンジの事件の証拠は残り2枚。しかもどちらも下から3番目までのところにあるので、解決は間違いない。
黄色は残り5枚と多いが、下から4番目までにあるので解決される可能性が高い。
残りの青、緑、紫の事件は、判断が難しいが、一番上に2枚も入っている青と紫が未解決の可能性が高いかも?

 もう少し進んだ状態。
手前は各プレイヤーのとっている証拠(ソロプレイなので全部こっちを向いている)。
 左のプレイヤーは緑の証拠を取っているので、 是が非でも解決しなければならない。
他の2人は黄色とオレンジだけなので、選択肢は広い。
むしろオレンジの事件はあと1枚で解決なので、それを取るのが最優先だろう。


 ゲーム終了直前。
緑と紫が残っている。
 左のプレイヤーはもちろん緑を解決したいのだが、2枚とるのは難しい。
3の貴婦人を破壊するなら上の紫の貴婦人もとらないといけないので、紫の事件が先に解決となってしまうのだ。
しかも先に3の貴婦人を取ると、他の2人へのアシストになってしまう。
 他の2人は3の貴婦人を破壊しても緑は解決とならないので、そのまま取ってしまえばいい。

 ちうわけで、実にクニッツァらしいテーマを無視したジレンマゲームになっている。
最初はあまりにもテーマの再現性が乏しいので肩すかしを食らったような気がしたが、なんとなく繰り返してやってしまい、いつの間にか定番ゲームの1つになっていた。
クニッツァのゲームはそんなのが多い。

気楽さ 4
言語依存 0
ソロプレイのしやすさ 4

化夢宇留仁の好き度 4

20091226