ナイアガラ

2005年ドイツゲーム大賞
2005年ドイツゲーム賞2位

 ナイアガラの滝の手前に宝石が!
2隻のカヌーに乗り込んで取りに行く!
しかし天候が悪くなり、川の流れが速くなってくると・・・・・・



 とりあえずナイアガラと言えば、その超絶コンポーネントを語らないと始まらない。
パッケージの箱とその蓋を台に、美しいナイアガラの滝を描いたボードを配置。
川は箱の縁で折れ曲がり、見事に滝を表現している。
川を流れるのは透明の円盤で、これを川上から押し込むことで、川が流れるという仕組み。
プレイヤーのコマはカヌーで、透明円盤の上に乗せられる。つまり透明板が滝から落ちれば、一緒にカヌーも落ちてしまうのだ。


 勝利条件は「5種類の宝石を集める」「同じ色の宝石を4つ集める」「宝石を7つ集める」のどれかで、これが達成され次第ゲームは終了する。
宝石を手に入れるには、カヌーでその宝石に隣接したマスへ行って宝石を積み込み、無事に川上まで戻って上陸しなければならない。
 宝石は紫、透明、黄、青、ピンクの5色で、ピンクの宝石は滝の目の前にあり、取るには非常な危険が伴う。


 ナイアガラのもう1つの特徴は、その見た目の割に硬派なルールである。
毎ラウンドプレイヤーは各自が持っているパドルマーカーの1枚を裏向きで出す。
それを一斉に表向けて公開する。公開された数字がパドルの移動力となる。
要するに行動プロット式なのだ。
そしてパドルは使い捨てで、全7枚(つまり7ラウンド)を使い終えて初めて全て戻ってくる。
注意していれば他のプレイヤーの残りの手札を推理することができるわけである。
 ちなみに上の画像の黄色のパドルの下にある輪状のコマがスタートプレイヤーコマで、このコマを持つプレイヤーから右回りに行動を行う。
スタートプレイヤーコマは毎ラウンド左隣のプレイヤーに移動する。
 雲のマークのパドルはなにかと言うと、天候の操作である。


 これが天候表示。
雲のパドルを出したプレイヤーは、天候表示の雲コマを1つ動かさなければならない。
ここに書かれている数字が、川の流れへの修正値となる。
 川は毎ラウンドの終了時に、全員が出したパドルの最小の数字分だけ流れる(透明板を差し込む)。
その数字に天候表示の修正値が加算されるのだ。
つまりパドルの最小値が最高の6で、天候が一番下の嵐だとすると、合計で円盤8枚分流れるのだ。
上の全景画像を見てほしい。流れは分岐しているところで交互に流れるので、わずかに遅くなるのだが、8枚流れたら一番上のタイルに乗っていてさえ滝の目の前まで流されてしまう(汗)。


 さらには川を上がってきて他のプレイヤーの宝石を積んだカヌーと同じマスに止まると、その宝石を奪うことができる。
このルールでプレイヤーの行動順が非常に重要になり、ゲームは一瞬の隙も許さないハードなものになる。


 てなわけでコンポーネントのみならず、システムまで凝りに凝った本ゲーム。
面白いのだが欠点もある。
 まずはとにかく難しいこと。
とにかく生還するのが難しい。カヌーを2隻出せばパドルの数字を分け合って移動するのだが、流れが速くなってくると、とてもじゃないが移動力が足らない。
またシステム上早く動こうと思うとそれだけ流れも速くなってしまうので、にっちもさっちもいかなくなってしまうのだ。
カヌー1隻ならまだしもなんとかなるが、カヌー2隻を動かすのはほんとに難しい。
 そして色々な意味で厳しいルール。
普通に良くできたシステムで、それ自体には文句は全く無いのだが、この素晴らしく美しくかつバカバカしいコンポーネントとシステムが合っていないのだ。
上記の流れのルールもそうだし、泥棒ルールも厳しい。
こんなコンポーネントのゲームにここまで厳しいルールを用意した理由が分からない。
 しかし流石にドイツゲーム大賞をとるだけの完成度を持ったゲームというのも確か。
プレイ前から「今から厳しいゲームをやるぞ〜!」という気合いで望めば(笑)最高に楽しめるのは間違いない。

気楽さ 3
言語依存 0

ソロプレイのしやすさ 2
 行動プロット式なんだから向いているわけがない。でも川を流すのが楽しい(笑)。
化夢宇留仁の好き度 4

20100606